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245話 - 眠い。
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シャーッ!ザーッ!シャーッ!
『あー。きもちいい。これはやばい。なるほど、こういうことか』
『でしょ~?とくいなんだ~!でもパパもできるでしょ~?』
気持ちいいと噂のクラムの洗髪。
手で洗ってるのかとおもったら水圧シャンプーだった。
魔法をうまく使って水圧で頭を洗ってるんだ。
クラムの工夫凄いなぁ。
僕とは考えることが違うよ。
地球の美容室にそういう機械があるところもあるよね?
頭皮マッサージにもなるんだろうなぁ。
気持ちいい……。
それが僕の場合全身だよ?
これはやばいって。
1か月寝て起きたばっかなのにまた寝ちゃいそうだ……。
眠い……。
『うん、これなら僕も出来そう!でもそんな発想僕になかったからね。自分でどうやって体洗おっかなって思ってたんだよ。助かったよクラム。ありがと』
『よかった~!えへへ~』
僕だったら……。
空間魔法のエリアと水、まぁ、お湯かな。
それらを組み合わせて洗車みたいな魔法を作ればいいかな?
オートシャワーとかエリアシャワーとか?
エリア内の物を水圧で綺麗に洗う、みたいな感じかな。
火と水と空間の合成で出来そうだ。
これすごく便利だな。
別に水圧を調整すれば人体とか物とか関係ないもんね。
ただ、クラム程は無理だ。
うまく場所によって強くしたり弱くしたり、水圧を変化させてマッサージまでしてる……
いつも思うけど本当に器用すぎるでしょクラム……。
気持ちよさはクラムの手動が1番だね。
手作りには手作りの良さがあるのだ。
みんな総出で僕のお風呂に付き合ってくれた。
ハチもアンもたまにみんなで体洗ってあげたりしてたからね。
体が大きいから時間かかるんだ。
ただ、みんなに見られながらお風呂入るの恥ずかしいなぁ。
最初にクラマとエステルとおばあちゃんが僕の体を泡立ててざっくり洗ってくれた。
3人がかりでの作業だった。
それからクラムが水圧シャンプーしながら泡を流してくれてるんだ。
何て贅沢な時間なんだ……。
最高だ。至福の時だ。
そりゃエステルも頼むよ。
甘えすぎとか言ってごめん。
この気持ちよさには抗えないなぁ……。
それに家族に総出で体を洗ってもらうなんて……
こんな幸せがあっていいものか……。
僕は今、世界中のパパにとっての最高到達点にいる。
今この時、この場所こそがエデン。
エデンはうちの風呂場にあったのか。ぐすん。
「我もクラムの真似をして水圧シャワーはやっておるからのぉ。クロムも出来るじゃろ。ただ、クラム程気持ちよくは出来んがの?水魔法がこんなに便利じゃったとは……。おばあちゃんになってから色々学ぶことが多いのじゃ!じゃが、おばあちゃんの知恵袋が……」
ん~?さっきからおばあちゃんちょいちょい凹むなぁ。
僕が嗅覚調整作った時も知恵袋がって言ってたけど……。
『どったのおばあちゃん。そんなの気にしなくていいよ?』
「あ!すまぬ!なんでもないのじゃ!」
『はぁ……。いやの?クロムの寄生待ちの1か月間、皆が凄く意気消沈しておってのぉ。もちろん我もそうじゃったが、おばあちゃんとしてなんとか皆を励ませんか我なりに色々やっておったんじゃ……。ただ、あまり力になれんでのぉ……』
僕宛ての念話か。
みんなに聞かせたくないんだね。おっけ。
『なるほどね?それに関しては僕のせいだし。ってか実際おばあちゃんが居なかったらみんなの健康状態もっと損なわれてたんでしょ?みんな結構げっそりしてたもん。本当に僕の為に申し訳ない。だからおばあちゃんには感謝しかないよ?』
『そうかのぉ……。これなら我じゃなくても出来る気がするのじゃ……』
『絶対そんなことないけどなぁ。おばあちゃんじゃないと無理でしょ。村の相談とかも聞いてくれてるんでしょ?エルンさんがおばあちゃんが居て助かってるって言ってた。おばあちゃんってすごく安心感があるんだよ?縁の下の力持ちなんだ。だから元気出して?すっごく頼りにしてるよ?』
『……そうじゃの!元気を出すのじゃ!もう大丈夫じゃ!』
おばあちゃんはあまり目立つことはしない。
僕等といる時は回復魔法や支援に徹してくれる。
みんなが焦っているときにいつも優しく補助してくれるんだ。
最高のサポーターなんだよ。
エデンのみんなの相談役とか、孤児院のお手伝いとかもそう。
居てくれるだけで安心感が凄いんだ。
すごく頼りにしてるのになぁ……。
元々かなりネガティブだったからね。
僕が居ない間に思いが溜まっちゃったんだろうなぁ。
おばあちゃんに頑張ってもらった分しっかり労ろっと!
また肩揉みでも……前足でもできるかなぁ。
『ライムはお風呂気持ちいい?』
≪きもちいい。ありがと≫
僕が体を洗ってもらっている横でライムがぷかーっとお風呂に浮かんでる。
目も閉じてとても気持ちよさそうだ。
スライム種っておばあちゃんの泉にも居たしね。
種類にもよるだろうけどライムの体を構成しているスライム達は水中が快適なのかもしれないな。
そもそもおばあちゃんが水龍だからね。
その魔力で作られてるんだもん。
ほぼウォーターとかアクアスライムみたいなもんでしょ。
そんな種類いるのかしらないけどね。
そのままレベル上がったら水系スライムに進化してたのかもしれないよね。
ただ、おばあちゃんの泉のスライムってMAXレベル80だから、進化厳しそう。
スライムがそこまでレベル上げられるのは想像できないなぁ。
ってかライム少しずつ言葉話せるようになってきてるな。
すごく覚えが早い。
言葉は分かるけど使い方がわからない、くらいのもんなんだろうね。
ある程度喋れるようになったら念話も覚えられるんじゃないかなぁ。
あれは僕の加護関係なく誰でも覚えるしね。
そうすればエデンの人とも話せるなぁ。
『それにしても風呂かぁ。ライム気持ちよさそうだなぁ。僕も湯船に浸かりたい……ねむい……』
『つくりなおそっか~?すぐだよ~?』
『ほんと?ありがとぉ。またお願いしていい?お返しに新しいデザートのレシピ考えとくよ』
『やったー!いいよ~!』
よかった。これでお風呂に浸かれるよ。
あー、それにしても眠い。幸せだ。
体洗ってもらう間は歯磨きして目覚まししとこっと。
口を閉じて……”ウォータートルネード”
ぐちゅぐちゅぐちゅ……。
よし、ちょっと強めだけど体は丈夫だし大丈夫でしょ。
実は風呂場に来るまでも体が大きくて通路を通れなかったんだよね。
だから転移魔石つかったんだ。
高さが2mちょい。長さが尻尾含め5mくらい。
尻尾なしだと3m半くらいかな?
僕の方がハチより体長がある。
今、自分の体みたけど濡れてるとフェンリルって意外と細身だね。
毛のボリュームが凄いんだな。
ハチはずっしりしてるから幅はハチの方がありそうだ。
顔2つあるしね?
あ、そういえば外の炎狼の進化系譜調査の進捗具合はどうなんだろうか。
『クラマ、ハチってどうなったの?僕1か月寝てたからだいぶレベル上がってるよね?』
僕って念話だから歯磨きしながらも話せて便利だなぁ。
なんか変なところで念話の便利さを実感したぞ。
「……ハチ進化した。ケルベロス。顔3つ。強いよ。他にはなかった」
おお、完全なる上位互換になってるじゃん……。
冥界の番犬じゃんか……。すっげ。
見たいなぁ。外に出る時のお楽しみだなぁ。
「他の炎狼はまだ。レベルはいっぱい。でも進化条件があるらしい」
ほぉ。ヘルハウンド自体が特殊進化なんだね。
じゃあハチは元々凄かったんだな。
『そかそか。ありがと。ただ、僕顔3つはないかなぁ……。僕が3人いるのイメージつかないもん』
最近ハチはあまり同時には吠えない。
意思は顔の分あるんだけど意識共有出来てるんだって。
もちろんちゃんと譲りあって協力してる、と。
半分同一、半分別人、みたいな感じかな?
性格も殆ど一緒なんだ。
僕と話すときも右の子と左の子が話すのはランダムなの。
ハチ曰く便利らしいんだけどさぁ。
全然イメージ沸かないよ。
あと僕を増やしたくない。
これは分裂の時にも考えたね。
並列思考はいいけど意思を増やすのはナシって。
炎狼も候補だったんだけど除外だなぁ。
『ありがとクラマ。ハチにも協力のお礼伝えといて?』
「……うん。寂しがってる。ハチの方がお礼言いたいって」
律儀だなぁハチは。
この体をバッチリ鍛え上げて胸を張って帰らないとね。
あ、話が逸れたな。
家の話だね。
フェンリルは幅が広いわけじゃないから家を歩けないほどではない。
ただ、家具の配置とか、入り口の高さを考えないとダメだな。
エデンの家はハチがお風呂入るからドアを大きくしたり道は開けてあげたんだよね。
最近はココちゃんの送り迎えもあるし、ハチも家入る機会多いからさ。
転移魔石使うのもなって思って家の作りちょっと変えちゃったんだ。
もう勝手に入っていいよってしてる。
ただ、多分また改造しないとなぁ。
『ハチ絶対大きくなってるよね?家入れないんじゃないの?』
『パパおきたからクラムがやってくるね~!』
『ありがとクラム。世話になりっぱなしだね。ってかもう家いっそ大きい方がいいのかなぁ。出来るだけ小さいのが好みなんだけどなぁ……』
『いいよ~?クラムつくりなおすのもすきだもん~!かんがえながらつくるのたのしいんだぁ~』
クラム様様だよ……。
クラムは建築神とかになれるんじゃないのかなぁ。
とりあえず、100階層のクラム城の出入口やドア、通路はクラムが広げてくれるって。
クラムに本当に感謝だね。
『おっけ~!パパおわり~!』
『あ、ほんと?気持ち良すぎて終わるのが名残惜しいなぁ』
『えへへ~、またやってあげるね~!』
魔法消去っと。
よし、歯も綺麗になったね。
≪きもちよかった。ソロソロデル≫
ライムもそろそろお風呂からあがるんだね。
よし、目を覚まさないとな。
『ありがと!すっごく気持ちよかった。さってと、体も洗ったし歯磨きもしたし、僕も外に……』
ダバー。ジャー……
すっごい水含んでるなこの体毛。
止め処なく水が落ちてるんだけど……。
ポタポタとかじゃねぇ。
ワンちゃんが体振って水飛ばす気持ちがわかった。
これ拭いてたらキリないな。
『みんな外出てくれない?一気に水飛ばすから』
「フェンリルさんの体も”アレ”やりたくなるんですね、ふふ♪」
「……うん。早い。ぼくもする」
やっぱそうだよな?
これはもう犬系統になったら宿命だよ。
よし、みんな外出たな。
ブルブルブルブルッ!!
バッシャアアアア!!
『あ……。風呂場抜け毛だらけになった………』
片付けないと……
せっかく気持ちよかったのに台無しだ……くっ。
・
・
・
「……パパ。……魔法つかったの?」
『うん……。やってしまった……』
「ぷっ。かわいいですよクロムさん、ふふふふふ」
「これは戻すのが大変じゃのぉ……」
『わたあめだ~!』 ≪わたあめ、おいしい?≫
ドライには何種類かあるんだ。
水を操作して直接水分を抜く。
水と火魔法混合で水分を蒸発させる。
火と風で温風を出す。
光と火で日光イメージを作った魔法もあるんだ。
もちろん属性単体でも可能。
使う属性で少しずつ仕上がりが変わるんだよね。
料理系は火と水を使うとおいしい。
塩とか作るのはこれがいいんだ。
水だけでも出来るけど火ってすごいなって思う。
単純な脱水や乾燥なら水だけ。
思いきり水分を抜くとミイラができる。
たぶん組織とか壊れちゃうんだろうね。
これあんまりやらない方がいいんだ。
最低限の水分は必要だもん。
基本的に調整ミスると劣化するんだよねぇ。
干し草や干物を作るのには光がいいね。
日光から何らかの成分ができてるのかもしれない。
クオリティにこだわるなら時間を掛けて日光がいい。
そんな感じだ。
ただ、それぞれに名前つけて沢山魔法作ってたけど訳がわからなくなったんだ。
だから今は全部ドライって言ってる。
気分で必要な属性を選んでるだけなんだよね。
何でも出来るのも困りものだな。
まぁ、なんで急に魔法の話をしたかというとさ。
風呂上りってドライヤーの温風イメージが強いじゃん。
お風呂の抜け毛を魔法で片付けるのと同時に、
お風呂場の乾燥も一緒にできればいいなーって……。
なんなら体の乾燥も一気にやっちゃおうと思って風呂場の中で温風を強めに使ったんだよね……。
あとフェンリルで魔法のお試しプレイしたくてさ?
細かく温風操作してたんだ。
ただ、かなり濡れてたから勢いよくやってしまった。
結果、抜け毛は片付いて、風呂場も乾燥したけど巨大なわたあめが出来た。
まんまるだ。
僕は、フェンリルからポメラニアンに進化したらしい。
力弱めに水オンリーで脱水すればよかったかな。
でも、毛が痛みそうなんだよねぇ。
微調整が難しいよ……。
まぁでも、魔法に関しては全くマイナス影響はなさそうだ。
いつも通り自在に使える。よかった。
ある程度行動に慣れればダンジョン戦闘始められそうだ。
出来るときにエネルギー回収しとかないと。
ダンジョンから出たらしばらく動き回るだろうから仕事を前倒しでやっておきたいんだよね。
「……ママ、はい」パシッ
「あ、わかりました!ありがとうございます、クラマくん」
あ、クラマのブラシだ。
クラムにプレゼントしてもらったやつだね。
オイルがブラシに浸透しててさらさらになるやつだ。
「……よく、考えたら」
『お、どしたの?』
「……ぼく、教えることなかった。昼寝する。おやすみ」
『クラムも~!ねぶそく~!おやすみ~!』
スタスタスタ……
ふわ~。
『「「……おやすみなさい」」』
そ、そうだよね。
よく考えたらブラッシングしてるのエステルとおばあちゃんだわ。
クラマはしてもらってる側だった……。
さらっとしてるなぁクラマは。
僕のせいでみんな寝不足だろうしね。
ゆっくり休んでほしいな。
また自分でやる時は毛づくろいの方法教えてもらうか。
≪ライムもねる≫
あ、ライムは1人称自分の名前にするんだね。
クラムの真似したんだな。
身近な人の口真似から言葉覚えていくのが1番だね。
『ライム寝るの?スライムって睡眠欲ないよね?』
≪スライムネナイ。ヨワイ。アブナイ。ナニモナイトキ、カクレテウゴカナイ。セツヤク。デモ、ココナラネルホウガイイ。アンゼン≫
『ほ~。スライムの寝てもいいし寝る必要はないって体のつくりはそういうことだったのか……。なるほどね?勉強になった!ありがと。おやすみライム』
≪おやすみパパ、エステル、ばぁば≫
「ゆっくり寝るのじゃ、ライム」
「あ!私のことはママと……」
ピョンピョンピョン……
「…………」
手を伸ばしたまま固まっているエステルの後ろ姿に哀愁を感じる……
『だ、大丈夫じゃ!ライムは皆から言葉を学んでおるようじゃの!エステルと呼ぶものが多いからそうなっただけなのじゃ!きっとママと呼んでもらえるはずじゃ!』
「そうですね!絶対ママと呼んでもらいますっ!めげません!」
どんまいエステル。
そしてナイスフォローおばあちゃん。
ほら、おばあちゃんは名サポーターじゃんか。
でも、そのフォローだと、おばあちゃんのことをばぁばって呼んだことは理論破綻するな。
クラマしか呼ばないからね。
だがしかし、そんなことは言わない。
空気は読めるタイプだ。
きっとおばあちゃんも無理がある事は知っている。
エステルは単純なんだ。
これでいいのだ。
それにしてもスライムの睡眠欲求の件だ。
自然は厳しいもんなぁ。
弱いスライムが生きていけるように睡眠欲求がない体をしてるんだね。
でも寝ることも可能。
安全な場所なら寝る方が節約にいいってことね。
うまく環境に順応した結果そうなったんだなぁ。
スライムを卒業してからスライムの勉強になることいっぱいだ。
ライムが居なけりゃわかんなかったなぁ。
『ちなみにライムは僕が起きる前からよく寝てたの?』
「ずっと寝てますよ?」
「むしろ食事のときだけ起きる感じじゃな」
『それがスライムの本来の本能なんだろうなぁ。睡眠欲はないけど節約の為に寝る、か。生物の生態っておもしろいなぁ』
僕はスライム生の最後の方とか寝なくていいなら寝なかった。
寝られない体をうまく活用したかったんだよね。
あと、人間無くしそうな恐怖もあってどっちみち眠れなくなったんだよ。
節約なんか論外だ。
MPありったけ魔法ガンガン使ってたもんなぁ。
僕と真逆だ。
僕って改めて全然スライムじゃなかったんだなぁ。
「クロムさんはずっと動いてましたからねぇ」
『スローライフ志望なのにねぇ~』
「スローライフ志望のぉ……。さてと、じゃあクロムの毛を梳いてやるかの。その間くらいゆっくりするのじゃ」
『僕今起きたばっかだけどね……』
「寄生の強制的な意識喪失と睡眠は別じゃないです?」
あー。
まぁそう言われればそうなのかもしれない。
だからこんなに眠いのかなぁ。
睡眠をとってた感じではないのかも。
『2人にもゆっくりしてほしいけどねぇ。じゃあせっかくだし、甘えよっかな。お願いするね?』
起きたばかりだけど考えることがいっぱいだ。
これが終わって、みんな仮眠から起きてきたらステータス確認しよっかなぁ。
はぁ~あ。眠いな……
ん……眠い……?
さっきからぼくずっと眠い眠い言ってる気が……
スライムの時に眠いなんて感じることなかった……
『なんか僕めちゃくちゃ眠いんだけど……。これってフェンリルの生態の問題?』
「そうじゃろ?狼類は1日の半分は寝とるぞぇ?アンも寝ておったじゃろ」
あ……。
嘘だろ……。
僕それ全然頭になかったんだけど……。
あぁ、よく考えたらワンちゃんとかめっちゃ寝てるじゃん。
アンもハチもめっちゃ寝てるじゃんか……。
これはちゃんと意識すればわかる事だったなぁ。
うわ~……まじかぁ……
『睡眠とか全く考えてなかったよ……。これじゃ活動に支障が……』
「クロムさんが寝てくれる方が安心です!いつもずっと寝なかったので心配でした。ですから、ゆっくり寝てください♪」
「そうじゃの?終わったら起こしてやるから寝ておるとええのじゃ」
『うん……。じゃあ、甘えさせてもらうよ……。絶対起こしてね!僕にはまだまだやることが……』
「わかったわかった。はよ寝るのじゃ」
『絶対だよ!絶対おこして、はぁ~あ。あくびが……。……1日3時間いじょうはもったい、ないの、に……』
ZZZ……。
『はぁ。スローライフ志望の者は睡眠が勿体ないとか言わんわぃ……。それにクロムは眠くてもどうせ1日の半分も寝んじゃろ。無理するに決まっておるのじゃ』
『えぇ、クロムさんが理由なく皆より早く寝ているところなんか見たことないくらいです。いつも限界まで起きてます。睡眠が趣味、は聞いて呆れますね。……きっと、スローライフがしたいんじゃなくて、皆と安心して平和に暮らしたいだけなんですよ』
『そうじゃの。ただ単純にゆっくりしたい、とは少し違うのぉ。まぁそれはええことなんじゃが、それにしても根を詰めすぎじゃ。人より眠い体になってちょうどええくらいじゃの~』
『全くですね~、ふふ♪おやすみなさい、クロムさん』
『あー。きもちいい。これはやばい。なるほど、こういうことか』
『でしょ~?とくいなんだ~!でもパパもできるでしょ~?』
気持ちいいと噂のクラムの洗髪。
手で洗ってるのかとおもったら水圧シャンプーだった。
魔法をうまく使って水圧で頭を洗ってるんだ。
クラムの工夫凄いなぁ。
僕とは考えることが違うよ。
地球の美容室にそういう機械があるところもあるよね?
頭皮マッサージにもなるんだろうなぁ。
気持ちいい……。
それが僕の場合全身だよ?
これはやばいって。
1か月寝て起きたばっかなのにまた寝ちゃいそうだ……。
眠い……。
『うん、これなら僕も出来そう!でもそんな発想僕になかったからね。自分でどうやって体洗おっかなって思ってたんだよ。助かったよクラム。ありがと』
『よかった~!えへへ~』
僕だったら……。
空間魔法のエリアと水、まぁ、お湯かな。
それらを組み合わせて洗車みたいな魔法を作ればいいかな?
オートシャワーとかエリアシャワーとか?
エリア内の物を水圧で綺麗に洗う、みたいな感じかな。
火と水と空間の合成で出来そうだ。
これすごく便利だな。
別に水圧を調整すれば人体とか物とか関係ないもんね。
ただ、クラム程は無理だ。
うまく場所によって強くしたり弱くしたり、水圧を変化させてマッサージまでしてる……
いつも思うけど本当に器用すぎるでしょクラム……。
気持ちよさはクラムの手動が1番だね。
手作りには手作りの良さがあるのだ。
みんな総出で僕のお風呂に付き合ってくれた。
ハチもアンもたまにみんなで体洗ってあげたりしてたからね。
体が大きいから時間かかるんだ。
ただ、みんなに見られながらお風呂入るの恥ずかしいなぁ。
最初にクラマとエステルとおばあちゃんが僕の体を泡立ててざっくり洗ってくれた。
3人がかりでの作業だった。
それからクラムが水圧シャンプーしながら泡を流してくれてるんだ。
何て贅沢な時間なんだ……。
最高だ。至福の時だ。
そりゃエステルも頼むよ。
甘えすぎとか言ってごめん。
この気持ちよさには抗えないなぁ……。
それに家族に総出で体を洗ってもらうなんて……
こんな幸せがあっていいものか……。
僕は今、世界中のパパにとっての最高到達点にいる。
今この時、この場所こそがエデン。
エデンはうちの風呂場にあったのか。ぐすん。
「我もクラムの真似をして水圧シャワーはやっておるからのぉ。クロムも出来るじゃろ。ただ、クラム程気持ちよくは出来んがの?水魔法がこんなに便利じゃったとは……。おばあちゃんになってから色々学ぶことが多いのじゃ!じゃが、おばあちゃんの知恵袋が……」
ん~?さっきからおばあちゃんちょいちょい凹むなぁ。
僕が嗅覚調整作った時も知恵袋がって言ってたけど……。
『どったのおばあちゃん。そんなの気にしなくていいよ?』
「あ!すまぬ!なんでもないのじゃ!」
『はぁ……。いやの?クロムの寄生待ちの1か月間、皆が凄く意気消沈しておってのぉ。もちろん我もそうじゃったが、おばあちゃんとしてなんとか皆を励ませんか我なりに色々やっておったんじゃ……。ただ、あまり力になれんでのぉ……』
僕宛ての念話か。
みんなに聞かせたくないんだね。おっけ。
『なるほどね?それに関しては僕のせいだし。ってか実際おばあちゃんが居なかったらみんなの健康状態もっと損なわれてたんでしょ?みんな結構げっそりしてたもん。本当に僕の為に申し訳ない。だからおばあちゃんには感謝しかないよ?』
『そうかのぉ……。これなら我じゃなくても出来る気がするのじゃ……』
『絶対そんなことないけどなぁ。おばあちゃんじゃないと無理でしょ。村の相談とかも聞いてくれてるんでしょ?エルンさんがおばあちゃんが居て助かってるって言ってた。おばあちゃんってすごく安心感があるんだよ?縁の下の力持ちなんだ。だから元気出して?すっごく頼りにしてるよ?』
『……そうじゃの!元気を出すのじゃ!もう大丈夫じゃ!』
おばあちゃんはあまり目立つことはしない。
僕等といる時は回復魔法や支援に徹してくれる。
みんなが焦っているときにいつも優しく補助してくれるんだ。
最高のサポーターなんだよ。
エデンのみんなの相談役とか、孤児院のお手伝いとかもそう。
居てくれるだけで安心感が凄いんだ。
すごく頼りにしてるのになぁ……。
元々かなりネガティブだったからね。
僕が居ない間に思いが溜まっちゃったんだろうなぁ。
おばあちゃんに頑張ってもらった分しっかり労ろっと!
また肩揉みでも……前足でもできるかなぁ。
『ライムはお風呂気持ちいい?』
≪きもちいい。ありがと≫
僕が体を洗ってもらっている横でライムがぷかーっとお風呂に浮かんでる。
目も閉じてとても気持ちよさそうだ。
スライム種っておばあちゃんの泉にも居たしね。
種類にもよるだろうけどライムの体を構成しているスライム達は水中が快適なのかもしれないな。
そもそもおばあちゃんが水龍だからね。
その魔力で作られてるんだもん。
ほぼウォーターとかアクアスライムみたいなもんでしょ。
そんな種類いるのかしらないけどね。
そのままレベル上がったら水系スライムに進化してたのかもしれないよね。
ただ、おばあちゃんの泉のスライムってMAXレベル80だから、進化厳しそう。
スライムがそこまでレベル上げられるのは想像できないなぁ。
ってかライム少しずつ言葉話せるようになってきてるな。
すごく覚えが早い。
言葉は分かるけど使い方がわからない、くらいのもんなんだろうね。
ある程度喋れるようになったら念話も覚えられるんじゃないかなぁ。
あれは僕の加護関係なく誰でも覚えるしね。
そうすればエデンの人とも話せるなぁ。
『それにしても風呂かぁ。ライム気持ちよさそうだなぁ。僕も湯船に浸かりたい……ねむい……』
『つくりなおそっか~?すぐだよ~?』
『ほんと?ありがとぉ。またお願いしていい?お返しに新しいデザートのレシピ考えとくよ』
『やったー!いいよ~!』
よかった。これでお風呂に浸かれるよ。
あー、それにしても眠い。幸せだ。
体洗ってもらう間は歯磨きして目覚まししとこっと。
口を閉じて……”ウォータートルネード”
ぐちゅぐちゅぐちゅ……。
よし、ちょっと強めだけど体は丈夫だし大丈夫でしょ。
実は風呂場に来るまでも体が大きくて通路を通れなかったんだよね。
だから転移魔石つかったんだ。
高さが2mちょい。長さが尻尾含め5mくらい。
尻尾なしだと3m半くらいかな?
僕の方がハチより体長がある。
今、自分の体みたけど濡れてるとフェンリルって意外と細身だね。
毛のボリュームが凄いんだな。
ハチはずっしりしてるから幅はハチの方がありそうだ。
顔2つあるしね?
あ、そういえば外の炎狼の進化系譜調査の進捗具合はどうなんだろうか。
『クラマ、ハチってどうなったの?僕1か月寝てたからだいぶレベル上がってるよね?』
僕って念話だから歯磨きしながらも話せて便利だなぁ。
なんか変なところで念話の便利さを実感したぞ。
「……ハチ進化した。ケルベロス。顔3つ。強いよ。他にはなかった」
おお、完全なる上位互換になってるじゃん……。
冥界の番犬じゃんか……。すっげ。
見たいなぁ。外に出る時のお楽しみだなぁ。
「他の炎狼はまだ。レベルはいっぱい。でも進化条件があるらしい」
ほぉ。ヘルハウンド自体が特殊進化なんだね。
じゃあハチは元々凄かったんだな。
『そかそか。ありがと。ただ、僕顔3つはないかなぁ……。僕が3人いるのイメージつかないもん』
最近ハチはあまり同時には吠えない。
意思は顔の分あるんだけど意識共有出来てるんだって。
もちろんちゃんと譲りあって協力してる、と。
半分同一、半分別人、みたいな感じかな?
性格も殆ど一緒なんだ。
僕と話すときも右の子と左の子が話すのはランダムなの。
ハチ曰く便利らしいんだけどさぁ。
全然イメージ沸かないよ。
あと僕を増やしたくない。
これは分裂の時にも考えたね。
並列思考はいいけど意思を増やすのはナシって。
炎狼も候補だったんだけど除外だなぁ。
『ありがとクラマ。ハチにも協力のお礼伝えといて?』
「……うん。寂しがってる。ハチの方がお礼言いたいって」
律儀だなぁハチは。
この体をバッチリ鍛え上げて胸を張って帰らないとね。
あ、話が逸れたな。
家の話だね。
フェンリルは幅が広いわけじゃないから家を歩けないほどではない。
ただ、家具の配置とか、入り口の高さを考えないとダメだな。
エデンの家はハチがお風呂入るからドアを大きくしたり道は開けてあげたんだよね。
最近はココちゃんの送り迎えもあるし、ハチも家入る機会多いからさ。
転移魔石使うのもなって思って家の作りちょっと変えちゃったんだ。
もう勝手に入っていいよってしてる。
ただ、多分また改造しないとなぁ。
『ハチ絶対大きくなってるよね?家入れないんじゃないの?』
『パパおきたからクラムがやってくるね~!』
『ありがとクラム。世話になりっぱなしだね。ってかもう家いっそ大きい方がいいのかなぁ。出来るだけ小さいのが好みなんだけどなぁ……』
『いいよ~?クラムつくりなおすのもすきだもん~!かんがえながらつくるのたのしいんだぁ~』
クラム様様だよ……。
クラムは建築神とかになれるんじゃないのかなぁ。
とりあえず、100階層のクラム城の出入口やドア、通路はクラムが広げてくれるって。
クラムに本当に感謝だね。
『おっけ~!パパおわり~!』
『あ、ほんと?気持ち良すぎて終わるのが名残惜しいなぁ』
『えへへ~、またやってあげるね~!』
魔法消去っと。
よし、歯も綺麗になったね。
≪きもちよかった。ソロソロデル≫
ライムもそろそろお風呂からあがるんだね。
よし、目を覚まさないとな。
『ありがと!すっごく気持ちよかった。さってと、体も洗ったし歯磨きもしたし、僕も外に……』
ダバー。ジャー……
すっごい水含んでるなこの体毛。
止め処なく水が落ちてるんだけど……。
ポタポタとかじゃねぇ。
ワンちゃんが体振って水飛ばす気持ちがわかった。
これ拭いてたらキリないな。
『みんな外出てくれない?一気に水飛ばすから』
「フェンリルさんの体も”アレ”やりたくなるんですね、ふふ♪」
「……うん。早い。ぼくもする」
やっぱそうだよな?
これはもう犬系統になったら宿命だよ。
よし、みんな外出たな。
ブルブルブルブルッ!!
バッシャアアアア!!
『あ……。風呂場抜け毛だらけになった………』
片付けないと……
せっかく気持ちよかったのに台無しだ……くっ。
・
・
・
「……パパ。……魔法つかったの?」
『うん……。やってしまった……』
「ぷっ。かわいいですよクロムさん、ふふふふふ」
「これは戻すのが大変じゃのぉ……」
『わたあめだ~!』 ≪わたあめ、おいしい?≫
ドライには何種類かあるんだ。
水を操作して直接水分を抜く。
水と火魔法混合で水分を蒸発させる。
火と風で温風を出す。
光と火で日光イメージを作った魔法もあるんだ。
もちろん属性単体でも可能。
使う属性で少しずつ仕上がりが変わるんだよね。
料理系は火と水を使うとおいしい。
塩とか作るのはこれがいいんだ。
水だけでも出来るけど火ってすごいなって思う。
単純な脱水や乾燥なら水だけ。
思いきり水分を抜くとミイラができる。
たぶん組織とか壊れちゃうんだろうね。
これあんまりやらない方がいいんだ。
最低限の水分は必要だもん。
基本的に調整ミスると劣化するんだよねぇ。
干し草や干物を作るのには光がいいね。
日光から何らかの成分ができてるのかもしれない。
クオリティにこだわるなら時間を掛けて日光がいい。
そんな感じだ。
ただ、それぞれに名前つけて沢山魔法作ってたけど訳がわからなくなったんだ。
だから今は全部ドライって言ってる。
気分で必要な属性を選んでるだけなんだよね。
何でも出来るのも困りものだな。
まぁ、なんで急に魔法の話をしたかというとさ。
風呂上りってドライヤーの温風イメージが強いじゃん。
お風呂の抜け毛を魔法で片付けるのと同時に、
お風呂場の乾燥も一緒にできればいいなーって……。
なんなら体の乾燥も一気にやっちゃおうと思って風呂場の中で温風を強めに使ったんだよね……。
あとフェンリルで魔法のお試しプレイしたくてさ?
細かく温風操作してたんだ。
ただ、かなり濡れてたから勢いよくやってしまった。
結果、抜け毛は片付いて、風呂場も乾燥したけど巨大なわたあめが出来た。
まんまるだ。
僕は、フェンリルからポメラニアンに進化したらしい。
力弱めに水オンリーで脱水すればよかったかな。
でも、毛が痛みそうなんだよねぇ。
微調整が難しいよ……。
まぁでも、魔法に関しては全くマイナス影響はなさそうだ。
いつも通り自在に使える。よかった。
ある程度行動に慣れればダンジョン戦闘始められそうだ。
出来るときにエネルギー回収しとかないと。
ダンジョンから出たらしばらく動き回るだろうから仕事を前倒しでやっておきたいんだよね。
「……ママ、はい」パシッ
「あ、わかりました!ありがとうございます、クラマくん」
あ、クラマのブラシだ。
クラムにプレゼントしてもらったやつだね。
オイルがブラシに浸透しててさらさらになるやつだ。
「……よく、考えたら」
『お、どしたの?』
「……ぼく、教えることなかった。昼寝する。おやすみ」
『クラムも~!ねぶそく~!おやすみ~!』
スタスタスタ……
ふわ~。
『「「……おやすみなさい」」』
そ、そうだよね。
よく考えたらブラッシングしてるのエステルとおばあちゃんだわ。
クラマはしてもらってる側だった……。
さらっとしてるなぁクラマは。
僕のせいでみんな寝不足だろうしね。
ゆっくり休んでほしいな。
また自分でやる時は毛づくろいの方法教えてもらうか。
≪ライムもねる≫
あ、ライムは1人称自分の名前にするんだね。
クラムの真似したんだな。
身近な人の口真似から言葉覚えていくのが1番だね。
『ライム寝るの?スライムって睡眠欲ないよね?』
≪スライムネナイ。ヨワイ。アブナイ。ナニモナイトキ、カクレテウゴカナイ。セツヤク。デモ、ココナラネルホウガイイ。アンゼン≫
『ほ~。スライムの寝てもいいし寝る必要はないって体のつくりはそういうことだったのか……。なるほどね?勉強になった!ありがと。おやすみライム』
≪おやすみパパ、エステル、ばぁば≫
「ゆっくり寝るのじゃ、ライム」
「あ!私のことはママと……」
ピョンピョンピョン……
「…………」
手を伸ばしたまま固まっているエステルの後ろ姿に哀愁を感じる……
『だ、大丈夫じゃ!ライムは皆から言葉を学んでおるようじゃの!エステルと呼ぶものが多いからそうなっただけなのじゃ!きっとママと呼んでもらえるはずじゃ!』
「そうですね!絶対ママと呼んでもらいますっ!めげません!」
どんまいエステル。
そしてナイスフォローおばあちゃん。
ほら、おばあちゃんは名サポーターじゃんか。
でも、そのフォローだと、おばあちゃんのことをばぁばって呼んだことは理論破綻するな。
クラマしか呼ばないからね。
だがしかし、そんなことは言わない。
空気は読めるタイプだ。
きっとおばあちゃんも無理がある事は知っている。
エステルは単純なんだ。
これでいいのだ。
それにしてもスライムの睡眠欲求の件だ。
自然は厳しいもんなぁ。
弱いスライムが生きていけるように睡眠欲求がない体をしてるんだね。
でも寝ることも可能。
安全な場所なら寝る方が節約にいいってことね。
うまく環境に順応した結果そうなったんだなぁ。
スライムを卒業してからスライムの勉強になることいっぱいだ。
ライムが居なけりゃわかんなかったなぁ。
『ちなみにライムは僕が起きる前からよく寝てたの?』
「ずっと寝てますよ?」
「むしろ食事のときだけ起きる感じじゃな」
『それがスライムの本来の本能なんだろうなぁ。睡眠欲はないけど節約の為に寝る、か。生物の生態っておもしろいなぁ』
僕はスライム生の最後の方とか寝なくていいなら寝なかった。
寝られない体をうまく活用したかったんだよね。
あと、人間無くしそうな恐怖もあってどっちみち眠れなくなったんだよ。
節約なんか論外だ。
MPありったけ魔法ガンガン使ってたもんなぁ。
僕と真逆だ。
僕って改めて全然スライムじゃなかったんだなぁ。
「クロムさんはずっと動いてましたからねぇ」
『スローライフ志望なのにねぇ~』
「スローライフ志望のぉ……。さてと、じゃあクロムの毛を梳いてやるかの。その間くらいゆっくりするのじゃ」
『僕今起きたばっかだけどね……』
「寄生の強制的な意識喪失と睡眠は別じゃないです?」
あー。
まぁそう言われればそうなのかもしれない。
だからこんなに眠いのかなぁ。
睡眠をとってた感じではないのかも。
『2人にもゆっくりしてほしいけどねぇ。じゃあせっかくだし、甘えよっかな。お願いするね?』
起きたばかりだけど考えることがいっぱいだ。
これが終わって、みんな仮眠から起きてきたらステータス確認しよっかなぁ。
はぁ~あ。眠いな……
ん……眠い……?
さっきからぼくずっと眠い眠い言ってる気が……
スライムの時に眠いなんて感じることなかった……
『なんか僕めちゃくちゃ眠いんだけど……。これってフェンリルの生態の問題?』
「そうじゃろ?狼類は1日の半分は寝とるぞぇ?アンも寝ておったじゃろ」
あ……。
嘘だろ……。
僕それ全然頭になかったんだけど……。
あぁ、よく考えたらワンちゃんとかめっちゃ寝てるじゃん。
アンもハチもめっちゃ寝てるじゃんか……。
これはちゃんと意識すればわかる事だったなぁ。
うわ~……まじかぁ……
『睡眠とか全く考えてなかったよ……。これじゃ活動に支障が……』
「クロムさんが寝てくれる方が安心です!いつもずっと寝なかったので心配でした。ですから、ゆっくり寝てください♪」
「そうじゃの?終わったら起こしてやるから寝ておるとええのじゃ」
『うん……。じゃあ、甘えさせてもらうよ……。絶対起こしてね!僕にはまだまだやることが……』
「わかったわかった。はよ寝るのじゃ」
『絶対だよ!絶対おこして、はぁ~あ。あくびが……。……1日3時間いじょうはもったい、ないの、に……』
ZZZ……。
『はぁ。スローライフ志望の者は睡眠が勿体ないとか言わんわぃ……。それにクロムは眠くてもどうせ1日の半分も寝んじゃろ。無理するに決まっておるのじゃ』
『えぇ、クロムさんが理由なく皆より早く寝ているところなんか見たことないくらいです。いつも限界まで起きてます。睡眠が趣味、は聞いて呆れますね。……きっと、スローライフがしたいんじゃなくて、皆と安心して平和に暮らしたいだけなんですよ』
『そうじゃの。ただ単純にゆっくりしたい、とは少し違うのぉ。まぁそれはええことなんじゃが、それにしても根を詰めすぎじゃ。人より眠い体になってちょうどええくらいじゃの~』
『全くですね~、ふふ♪おやすみなさい、クロムさん』
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