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260話 - 全知全能
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『そ、ソフィア様……。この人って例の……』
≪はぁ……。ちがうわよ。こいつ、君達風に言えば……≫
『僕等風……?』
≪君達の文明の……、先代の創造神よ……。入ればいいでしょ……ちっ≫
おおう!?
舌打ちした!?
そしてソフィア様が明確にこんなしかめっ面してるの珍しい……
『先代の創造神様とか居るんだ……。ソフィア様と仲、悪いの……?』
≪悪くないわよ。私の先生だもの。……苦手なのよこいつ≫
「おお、ソフィア神の師なのか……」
≪そうじゃぞ!もっと感謝せぃ!!≫
≪管理から逃げ出して置いてよくそんなこと言えるわねッ!!≫
え~。逃げ出したって……
しかも文明管理から逃げ出すって相当大事じゃないのか……?
≪じゃから逃げ出したのではないと何度も言っておろうに……。あれはお主が何度言っても……≫
≪もう!どこで話してるのよっ!いいからはやく入りなさいよねッ!全く面倒なやつね……≫
・
・
・
≪よっこらせっと……これ、土産じゃ≫ドサッ。ドンッ!
『こ、これは……、あの伝説の……』
地球で一番有名な黒いシュワシュワ……。
製造方法を誰も知ることが出来ない伝説の飲物じゃないですかッ!
これだけは異世界でどんな能力を手に入れても手にすることが出来ないやつだ……。
『あ、でも、僕苦手です。ここまで甘いとちょっと飲めないんで』
≪社交辞令のカケラもないのぉ……≫
『クラマとクラムにあげていいです?そこで寝てる子ともう1人。おばあちゃんいい?』
「もちろんじゃ!2人優先にあげるとよいのじゃ?」
こればっかりは僕は作れないからね。
エステルとおばあちゃんは飲みたければもらえるでしょ。
うちの子は人にあげるの好きだからね。
≪おぉ、そういう事か。クロムの子じゃの?よいよい。容器を移し替えて持って帰るといいのじゃ。ほっほっほ。子供思いの良い父じゃのぉ≫
僕がパパしてることも知ってるんだね。
名前も知ってたし神界に僕の情報は色々筒抜けなのかなぁ?
≪儂の職業柄じゃよ。他の神は細かいことまで知らんから安心せぃ≫
はぁ。よかった。
情報握られてるのこわいよ……。
神と言えどやっぱりちょっとねぇ。
先代の創造神だから知ってるって事かな?
その先代様は窓からワープして部屋に入ってきた。
そしてソフィア様の横にドカッと腰を掛けた。
まぁドアなんかいらないよね。
多分窓をガンガン鳴らしていたのはわざとだろう。
長くて白いローブ。
真っ白の長髪。
白くて長いひげを蓄えているね。
THE・神!これぞ神!って感じの方。
ソフィア様が嫌うような意地悪そうな人には見えないけどなぁ。
すっごく優しそうだ。
眼の横に深い笑い皺が刻まれていて、
好々爺って言葉が合いそうなおじいちゃんだ。
この人?神はソフィア様になにか悪い事でもしたんだろうか……。
警戒した方がいいか……?
≪ほれ見たことか!クロムが誤解してしもうたではないかっ!第1印象が悪くてしゃーないわい……≫
おお、デフォ心読まれてる。
しかもソフィア様よりスムーズな感じがする。
まぁ印象どうこうは置いておいてなかなかインパクトはありましたかね……。
第1印象は残念ながら逆さまのおじいちゃんですね。
≪こいつある時失踪したのよ!私に仕事ぶん投げて数万年帰ってこなかったんだから!≫
数万年……。
神の失踪のスケールでけぇ……。
≪じゃから逃げたんではないと何度も言っておろうに……。儂はソフィアを推しただけじゃ!古きものは退くべきだと何度も話したじゃろッ!引継ぎもしたし、お主が認めんかっただけじゃ!≫
≪私には……管理なんてまだ……。それに私よりもっと適切な人はいたはずよ!≫
≪まだ言っておるのか……。儂はお主がええと思うたから引き継いだんじゃ。能力だけの問題じゃないわい≫
それからもソフィア様と先代様の小競り合いはしばらく続いていた……。
2人の話を統合すると……
ソフィア様目線では勝手に仕事を押し付けて逃げた人。
実は創造神なんてやりたくなかったらしい。
先代様の意見ではソフィア様に引き継ごうと何度も言っていたのに一向にOKが出なかった。
しびれを切らした先代様は一度行方を眩ませることにした……と。
≪儂はお主が一番だと思うがのぉ……。今あの時に戻っても意見は変わらんわい≫
助け船をだすか……。
『それは僕も同じ意見ですかね』
≪クロム君!?助け船ってそっち!?≫
そりゃそうでしょ。
なんでソフィア様以外が創造神やる事認めにゃならんのだ。
『だって僕、過去のことは知らんけど、ソフィア様が創造神じゃなかったら多分転生出来てないよ?ってか今この場にも居ないし、こんなに話すこともなかったじゃん』
≪それとこれとは話が……≫
『神の世界線でどの程度かわかんないけど、僕割とエネルギー稼いでるんじゃんね?でも、ソフィア様が上司じゃなかったら絶対協力してないね。スローライフしたいんだもん僕は』
ソフィア様たまにポンコツだけどね。
もっと有能でテキパキ仕事する人が上司でも僕は絶対に協力してない。
断言できるよ。
≪誰がポンコツよッ!……それは今だから言えることでしょ?そんなことわからないわ≫
『そんなことないけどね?僕は僕の家族を大切にしてくれるソフィア様だから協力しようって思ったんだし。他の神様そんなことするの?』
≪下界の個人に興味のある者なぞおらん。精々暇つぶしに眺めるくらいじゃ。というより本来そのようなことは儂らはしてはならんのじゃ。ソフィアがやっておることはギリギリなんじゃぞ?あれこれ裏で許可を取る為に走り回っておるんじゃ。まぁ通っておるんじゃから正当性はしっかりあるんじゃがのぉ≫
やっぱそうなんだ。
どう考えても世話妬いてもらいすぎてるよね。
≪勝手に裏事情話さないでよッ!それに、それはクロム君がそれ相応の対価を払っているから通っているだけよ!私の力じゃないわっ!私は当然の事をしてるだけよ!≫
『だからぁ!その当然の事かなんかしらんけどそれをやる人がいないって話でしょ!?100歩譲ってそうであったとしてもわざわざ許可取りに行かんでしょって話だって!』
≪……じゃあクラムちゃんや他の家族のことは私は関係ないわよッ!あれはそもそも初めにデメテルが加護をクラムちゃんにあげたりするから不公平に……≫
案外分からず屋だなぁこの神は。
『そのデメテル様と仲良いのソフィア様でしょ!?』
≪あやつは他の勧誘を蹴ってソフィアに付いてきたんじゃぞ?≫
≪ヒュプノスは関係ないでしょ!≫
『ソフィア様がヒュプノス様を休ませてあげたいからって言ってたじゃんッ!!』
≪ヒュプノスは忙しいからのぉ。言うままに働いておったら休む暇などないぞ≫
≪うう……。アテナは!エステルちゃんのサポートには私は全く関係してないわッ!私戦闘苦手ですものッ!≫
≪そもそもソフィアが管理者じゃなけりゃあやつはクビじゃ。特別仕事がないことを良いことにサボりまくっておるのぉ≫
『≪………………≫』
そ、そこはちょっとノーコメントにさせていただければ……。
エステルには秘密にしておこっと……。
『ってかそもそも今だっておばあちゃんの話!その前はアンの話でしょッ!全部僕の家族ッ!僕は家族を大切にしてくれる人が好きなの!パパなのッ!!じゃあ僕がソフィア様が1番大切なのは当たり前でしょ!?だからソフィア様が創造神なのが1番いい!ソフィア様しかありえないッ!』
≪うぐぐぐぐぐ……≫
はぁ……。
なんで僕がソフィア様と小競り合いせにゃならんのだ……。
≪ほっほっほっほっ。お主愛されておるのぉ。じゃからお主を推したんじゃ!下界の民にこんなに愛される神なんておらんわい。お主の下の者もお主がええから付いてきたんじゃ。儂はソフィアを後釜にして正解だったんじゃ!じゃからさっさと認めて話を進めいっ!≫
≪なんでさらっと紛れ込もうとしてんのよッ!あなたが来るから話がややこしくなったんでしょ!そもそもなんでここに居るのよッ!言ってないわッ!≫
≪……ソフィアよ。儂が管理しているシステムが操作されていたら儂は気付くじゃろ……?お主がデータベースの管理はせめて儂にしてくれって泣きついてきたんじゃろうに……。儂は悠々自適に引退するつもりじゃったわい。秘密にするならもう少しだけでもうまい事して欲しいもんじゃのぉ……≫
『「……………」』 じー。
≪…………≫ プルプルプルプル……
なるほどね。
地球のデータベース、このおじいちゃん神様の担当だったんだな。
そりゃ気付くでしょ……。
あぁ、それでこの伝説の飲物持ってこれたのか。
徐々にソフィア様のイメージが壊れていく……。
最初は凄く神々しくて手の届かない存在にしか見えなかったのになぁ。
やっぱソフィア様ってちょっと残念な神なんだ~。
うん、知ってた。
でも愛すべきポンコツだね。
・
・
・
「の、のぉ。我、過去の事詳しくはわからんから話に入れんかったんじゃが……」
≪ティアマト!何!?≫
おぉっと。
ソフィア様の顔が真っ赤だ。
話を逸らそうとしているのが見えているぞ!
そしてその雰囲気を感じ取っておばあちゃんが割って入ったー!
さすが僕のおばあちゃん。
でも、僕は言わない。
空気を読むことに徹しよう。
「そちらの御仁はなんでここにきたのじゃ?」
≪面白そう以外に理由はいらんじゃろ。じゃから儂もまぜぃ!≫
えぇ……。そんな理由なの……。
『んな事言われても……。僕等に決定権があるわけじゃないし……。ソフィア様?』
≪私にこいつを言い負かせる力はないわ……。だから君たちが来るときは秘密にしていたのに……≫
もうソフィア様が諦め顔だ……。
まぁ話聞いてたら全く悪い人だとは思えないしなぁ。
どちらかと言えばすごく頼りになる神だからソフィア様が渋った雰囲気を感じたけどね……。
僕はいいと思うんだけど……。
ただなぁ。
『でも、おばあちゃん加護要らないんだよ?』
「う、うむ……。我は知識を得たいだけで神の力は……」
≪儂がその知識庫の管理をしておるのじゃぞ?地球だけじゃない。こやつの文明の知識庫は全て儂が……≫
「い、いらぬ!クロムの前世の星の知識だけでよいのじゃ……」
≪ほっほっほ。冗談じゃ!必要ない情報はいらぬのぉ。娯楽が減ってしまう。お主、ティアマトじゃな?ティアマトが取り出したい情報を儂が渡してやればいいんじゃろ?どうじゃ?調べ物をする時間すら短縮できると思うんじゃが?≫
「ほう……。我にそのしすてむとやらを使いこなせるか不安だったのじゃ。補助してくれる、と言うことかぇ?」
≪そうじゃそうじゃ!儂の加護、素敵じゃろ?≫
「それは魅力的じゃのぉ……」
え、それめっちゃいいじゃん。
僕、地球1番の天才、グー〇ル先生がおばあちゃんにつくんだってイメージしてたんだ。
でも、確かに必要な情報をピンポイントに検索するって検索ワードとか色々考えないとダメなんだよ。
結構慣れとかいるんだ。
簡単に言えば質問したことに答えてくれるAIがついてくるってこと?
それ最高じゃん……
≪そうじゃろ?そもそも儂は余計なことをするつもりもないんじゃ。必要ない情報など渡さん。お主らの動向を見ておるだけじゃの。人生とは己の足で歩むべきじゃぞ?儂も儂の残り僅かな余生を楽しんで生きていくんじゃ!お主らもそうせぃッ!≫
≪どうせそれが楽だからでしょ?あなたの力でそんなこと他愛もないことじゃない。仕事にならないわ。……それにあと数億年は生きるでしょ。寿命ないじゃない≫
あ、そういうことなんだ……。
楽だから余計なことしないって話ね。
なーんだ。
≪違うわぃッ!何故儂のイメージを下げるんじゃ!それに、寿命がないからあとは儂が満足するまで余生を謳歌するんじゃろ!それなのに……お主の要望を聞いて管理を手伝っておるんじゃぞ!?儂、いいやつじゃろ!!もっと労らんかいッ!!これでもお主の10倍以上の期間は働いてきたというのに……少しは楽しみも欲しいわい……おぃおぃおぃ……≫ チラッ
≪あー。はいはい。はぁ……やっぱりこいつ面倒くさいわ……≫
ウソ泣き始めた……。
すげぇじいちゃんだなぁ……。
なんか飄々としてるなぁ。
そういえば年齢とかいう概念無いって言ってたよな?
じゃ、なんでこの神様おじいちゃんなんだろ。
老化はするのかな?
≪しないわよ。姿は変えようと思えば変えられるわ。こいつの今の気分と趣味よ≫
≪この姿の方が労ってもらえるじゃろ?ここ数億年はこの姿じゃ!その前はいけめんじゃったかのぉ?ほっほっほ≫
えぇ……。
何その理由……パート2。
≪こいつ、こういう性格なのよ……いつも余裕綽々。私が焦ってる時もいつも笑ってるのよ!?ムカつかない!?≫
『「のーこめんと」』
≪余裕がないと何事もうまく回らんぞ?ソフィアはもう少し余裕をもって作業をするのじゃ?≫ なでなで。
≪子ども扱いやめなさいよッ!だからこいつと一緒に作業するの嫌なのよおおおッ!≫ バシッ!
ソフィア様手玉に取られてるじゃん……。
本当にこの人が師匠なんだなぁ。
確かに、ソフィア様の立場だと嫌かも。
ってか恥ずかしいな……。
これ、ずっと授業参観日してるみたいな感じでしょ?
おじいちゃん神様ソフィア様の横でずっと微笑んでるんだよ?
めちゃくちゃ優しい笑顔で……。
ソフィア様もなんだかんだ言いながら嫌いっていう感じでもない。
むしろ本音で話せてるんだろうね。
親にずっと見られてるって雰囲気だ。
友達の前で頭なでなでされてる感じたまらんなぁ……。
それにしてもこの神様相当自由人だよね?
大丈夫かなぁ……。
先代創造神って聞いてるけど……。
≪はぁ。もういいわ。こいつとまともに話してるとこっちが損するわね。大丈夫よ。と、いうよりこいつより有能な神なんて存在しないわ。一応これでも最古の存在よ≫
最古の神様この人なんだ~。
なんか勢いに飲まれてドンドン話勝手に進んでいく。
付いて行けないし話挟みこめないよ……。
あ、これもこの人の能力っちゃ能力か。
話術が上手いんだな、きっと。
≪一応とは失礼じゃのぉ?生なんぞ人でも神でも娯楽が大切じゃろ?楽しむことこそ人生じゃ!≫
≪はいはい。じゃあ後やっとくからさっさと帰りなさいな≫ しっしッ。
≪冷たすぎるじゃろッ!?儂まだ名前ももらっておらんのじゃがッ!?≫
やっぱその流れになるんだ……。
名前流行ってるって言ってたもんなぁ。
≪まぁ、それもあるかのぉ?ほっほっほ≫
『……。おばあちゃんはいいの?』
「うむ。話しを聞いておったが、我が今必要にしていることを与えてくれそうな御仁じゃの?その加護ならこの上ない。喜んで頂くことにするのじゃ!」
『やっぱ知識?』
「クロムや、家族への娯楽じゃの?いや、主にクロムじゃ。9割クロムじゃの」
…………。
≪ほれほれ。当人がよいと言っておるのぉ?名前、もらえるかの?ほっほっほ≫
・
・
・
『本当にいいの?ソフィア様は』
≪いいわよ……。もうどっちにしろ時間の問題だったわ≫
まぁ僕はいいんだ。
この神様多分きっとすごく優しいんだと思う。
おちゃらけすぎてあんまり伝わってこないんだけどきっとそれもわざとでしょ。
ソフィア様と言ってること同じなんだ。
気付いてないだろうけどね。
『じゃ、いいよ。ゼウs……』
≪却下じゃ!絶対に要らんッ!≫
あれ~?
先代創造神様でしょ?
すっげぇゼウス顔じゃんか……。
≪ゼウス顔ってなんじゃ!?今お主なんも考えんかったじゃろ!?他の者は真剣に考えてもらったって聞いておったぞ!?≫
『いや、でも僕の神様ネームレパートリーの中で創造神ってゼウスなんだもん……。ソフィア様には名前の変更拒否されたしさ……』
≪ありえないわねそんな名前≫
≪ありえないじゃろ!全知全能ってなんじゃ?そんな存在おらぬわッ!≫
あ、そうか。
知ってるのか。
今は地球のデータ管理担当してるんだもんね。
『でもそれなら自分で名付ければよくないっすか?僕創造神って存在からはこの名前しか浮かばないんですけど……。あとはなんかイメージ違うし……』
≪名付け、のぉ?お主多分少し勘違いしておるぞ?≫
『勘違い?』
≪儂らに名前の概念はないが個々を識別できるものはそもそも持っておるぞ。下界の名前が無いから付けてくれ、と要望しておるんじゃ。すなわち”あだ名”が欲しいと言っておるんじゃぞ?≫
『あ!そうなの!?そう言う感じ!?』
≪どうせソフィアが話しをうまく伝えておらんのじゃろうて。儂らに下界の名前がないなんて当たり前じゃろ。勝手に下界でそういう存在を想像して名前を付けとる民はおるかもしれんが、実際下界の民に姿を見せたことないんじゃから≫
『そうなの……?ソフィア様……』
≪え、えぇ。言葉を間違ったわ……≫
≪お主ら儂らの事をなんて呼ぶんじゃ……。儂らは存在で認識して呼び合っておるんじゃぞ?お主ら儂らの姿を見て呼びやすいあだ名を付けて欲しいと言っておるんじゃ。普通の事じゃろ≫
「普通じゃの……」
わぁ……すっげー普通ですね……。
おじいちゃんの方が普通の事言ってる~。
あだ名……。マジか……。
『僕初対面で真名付けてくれって言われてるのかと思ってたわッ!毎回毎回とんでもなく緊張してるんだぞッ!僕の緊張返せッ!』
≪す、すみません………≫
≪じゃから神の名前でなくても全然良いのじゃ……。ゼウスだけはやめてほしいのじゃ……≫
『そんなにゼウスは嫌なんですか?』
≪自分のあだ名が全知全能じゃぞ!?クロムは全知全能って呼ばれてよいのか!?恥ずかしくて仕方ないじゃろッ!!これから全知全能と呼ぶことにしようかのぉ!?よいのか!?≫
『むりむりむりむりむりむりむり』
「きついのぉ……。それは我も嫌じゃの……」
≪名乗れん……全知全能は名乗れんのじゃ……。せっかく付けてもらったのに……可愛い名前がよいのじゃあああ≫
僕、そんなこと言ってたのか……。
あだ名に全知全能ってつけようとしてたのか……。
そりゃみんなやめてくれって言うはずだわ……。
≪それにのぉ。全知全能程つまらん人生などない。そんなものくだらん。足りぬ部分があるからそれを求めたり補い合ったりするんじゃろ?全知全能で何をするんじゃ。お主らから見れば儂らは神じゃが、儂らは神だと認識しておらんのじゃぞ?足りぬことばかりじゃ。ソフィアも今間違えたところじゃろ?≫
≪私のことぶり返さないでよッ!≫
≪それに全知全能など儂の性格と真逆じゃわぃ。儂は足りぬことが楽しい。無駄こそ人生の楽しみじゃと思っておる。じゃからなんでもよいから全知全能だけはやめてくれんかのぉ……。下界の名前ならポチでも良いのじゃ……≫
そ、それはどうかな……。
そんなに嫌なんだね……。
それはワンちゃんに付けると可愛いかな。
見た目ゼウスの神的オーラバチバチの存在にポチは無いわ……。
バチ当たるわ……。
まぁ全知全能は確かに無いな。
厨二病極めててもネーミングセンスなさすぎる。
僕がそんな名前つけるの嫌だ……。
『えっと、じゃあ……メーティス』
≪そやつ全知全能の妻じゃろ……そもそも女子ではないかッ!≫
おぉ、これも知ってるんだ。
さすが地球のデータベース……。
『自分で名付けた方がいいと思いますけどねぇ……』
≪最悪ナシではないがのぉ……。出来ればあだ名は人に決めてもらいたいじゃろ……≫
まぁそれはそうかもしれない……。
他なぁ……。
知識、叡智の神とか賢者とかでしょ?
トート、とかミーミル……とか……
≪知識から一旦離れんか?儂、もう引退したんじゃて!あだ名まで仕事に縛られとうないんじゃ!≫
『え~。他はじゃあ何が好きなの?』
≪ずっと娯楽じゃと言っておる!まだ仕事はしておるが、儂は余生を楽しく生きるんじゃ!≫
娯楽の神……え~。
ピンとこないなぁ……
神様の名前を除外しても娯楽関係の意味の名前付けたことないよ……。
いたずらの神様ならロキ、って神とか居たけど……。
≪お!それが良いのじゃ!悪戯は好きじゃぞ?ほっほっほ≫
『いいの!?どっちかと言えば邪悪な存在って見たことあるけど!?』
≪よいじゃろ別に。あだ名じゃし。儂にとっては全知全能と付けられるほうが邪悪な心が産まれそうじゃわぃ≫
≪いいんじゃないかしら。そんな感じよ、私にとって≫
いいのかなぁ……。
先代創造神様に”終わらせる者”の意味の名前つけて……。
それこそ真逆じゃん……。
神罰下ったりしないかなぁ……。
≪はぁ……。ちがうわよ。こいつ、君達風に言えば……≫
『僕等風……?』
≪君達の文明の……、先代の創造神よ……。入ればいいでしょ……ちっ≫
おおう!?
舌打ちした!?
そしてソフィア様が明確にこんなしかめっ面してるの珍しい……
『先代の創造神様とか居るんだ……。ソフィア様と仲、悪いの……?』
≪悪くないわよ。私の先生だもの。……苦手なのよこいつ≫
「おお、ソフィア神の師なのか……」
≪そうじゃぞ!もっと感謝せぃ!!≫
≪管理から逃げ出して置いてよくそんなこと言えるわねッ!!≫
え~。逃げ出したって……
しかも文明管理から逃げ出すって相当大事じゃないのか……?
≪じゃから逃げ出したのではないと何度も言っておろうに……。あれはお主が何度言っても……≫
≪もう!どこで話してるのよっ!いいからはやく入りなさいよねッ!全く面倒なやつね……≫
・
・
・
≪よっこらせっと……これ、土産じゃ≫ドサッ。ドンッ!
『こ、これは……、あの伝説の……』
地球で一番有名な黒いシュワシュワ……。
製造方法を誰も知ることが出来ない伝説の飲物じゃないですかッ!
これだけは異世界でどんな能力を手に入れても手にすることが出来ないやつだ……。
『あ、でも、僕苦手です。ここまで甘いとちょっと飲めないんで』
≪社交辞令のカケラもないのぉ……≫
『クラマとクラムにあげていいです?そこで寝てる子ともう1人。おばあちゃんいい?』
「もちろんじゃ!2人優先にあげるとよいのじゃ?」
こればっかりは僕は作れないからね。
エステルとおばあちゃんは飲みたければもらえるでしょ。
うちの子は人にあげるの好きだからね。
≪おぉ、そういう事か。クロムの子じゃの?よいよい。容器を移し替えて持って帰るといいのじゃ。ほっほっほ。子供思いの良い父じゃのぉ≫
僕がパパしてることも知ってるんだね。
名前も知ってたし神界に僕の情報は色々筒抜けなのかなぁ?
≪儂の職業柄じゃよ。他の神は細かいことまで知らんから安心せぃ≫
はぁ。よかった。
情報握られてるのこわいよ……。
神と言えどやっぱりちょっとねぇ。
先代の創造神だから知ってるって事かな?
その先代様は窓からワープして部屋に入ってきた。
そしてソフィア様の横にドカッと腰を掛けた。
まぁドアなんかいらないよね。
多分窓をガンガン鳴らしていたのはわざとだろう。
長くて白いローブ。
真っ白の長髪。
白くて長いひげを蓄えているね。
THE・神!これぞ神!って感じの方。
ソフィア様が嫌うような意地悪そうな人には見えないけどなぁ。
すっごく優しそうだ。
眼の横に深い笑い皺が刻まれていて、
好々爺って言葉が合いそうなおじいちゃんだ。
この人?神はソフィア様になにか悪い事でもしたんだろうか……。
警戒した方がいいか……?
≪ほれ見たことか!クロムが誤解してしもうたではないかっ!第1印象が悪くてしゃーないわい……≫
おお、デフォ心読まれてる。
しかもソフィア様よりスムーズな感じがする。
まぁ印象どうこうは置いておいてなかなかインパクトはありましたかね……。
第1印象は残念ながら逆さまのおじいちゃんですね。
≪こいつある時失踪したのよ!私に仕事ぶん投げて数万年帰ってこなかったんだから!≫
数万年……。
神の失踪のスケールでけぇ……。
≪じゃから逃げたんではないと何度も言っておろうに……。儂はソフィアを推しただけじゃ!古きものは退くべきだと何度も話したじゃろッ!引継ぎもしたし、お主が認めんかっただけじゃ!≫
≪私には……管理なんてまだ……。それに私よりもっと適切な人はいたはずよ!≫
≪まだ言っておるのか……。儂はお主がええと思うたから引き継いだんじゃ。能力だけの問題じゃないわい≫
それからもソフィア様と先代様の小競り合いはしばらく続いていた……。
2人の話を統合すると……
ソフィア様目線では勝手に仕事を押し付けて逃げた人。
実は創造神なんてやりたくなかったらしい。
先代様の意見ではソフィア様に引き継ごうと何度も言っていたのに一向にOKが出なかった。
しびれを切らした先代様は一度行方を眩ませることにした……と。
≪儂はお主が一番だと思うがのぉ……。今あの時に戻っても意見は変わらんわい≫
助け船をだすか……。
『それは僕も同じ意見ですかね』
≪クロム君!?助け船ってそっち!?≫
そりゃそうでしょ。
なんでソフィア様以外が創造神やる事認めにゃならんのだ。
『だって僕、過去のことは知らんけど、ソフィア様が創造神じゃなかったら多分転生出来てないよ?ってか今この場にも居ないし、こんなに話すこともなかったじゃん』
≪それとこれとは話が……≫
『神の世界線でどの程度かわかんないけど、僕割とエネルギー稼いでるんじゃんね?でも、ソフィア様が上司じゃなかったら絶対協力してないね。スローライフしたいんだもん僕は』
ソフィア様たまにポンコツだけどね。
もっと有能でテキパキ仕事する人が上司でも僕は絶対に協力してない。
断言できるよ。
≪誰がポンコツよッ!……それは今だから言えることでしょ?そんなことわからないわ≫
『そんなことないけどね?僕は僕の家族を大切にしてくれるソフィア様だから協力しようって思ったんだし。他の神様そんなことするの?』
≪下界の個人に興味のある者なぞおらん。精々暇つぶしに眺めるくらいじゃ。というより本来そのようなことは儂らはしてはならんのじゃ。ソフィアがやっておることはギリギリなんじゃぞ?あれこれ裏で許可を取る為に走り回っておるんじゃ。まぁ通っておるんじゃから正当性はしっかりあるんじゃがのぉ≫
やっぱそうなんだ。
どう考えても世話妬いてもらいすぎてるよね。
≪勝手に裏事情話さないでよッ!それに、それはクロム君がそれ相応の対価を払っているから通っているだけよ!私の力じゃないわっ!私は当然の事をしてるだけよ!≫
『だからぁ!その当然の事かなんかしらんけどそれをやる人がいないって話でしょ!?100歩譲ってそうであったとしてもわざわざ許可取りに行かんでしょって話だって!』
≪……じゃあクラムちゃんや他の家族のことは私は関係ないわよッ!あれはそもそも初めにデメテルが加護をクラムちゃんにあげたりするから不公平に……≫
案外分からず屋だなぁこの神は。
『そのデメテル様と仲良いのソフィア様でしょ!?』
≪あやつは他の勧誘を蹴ってソフィアに付いてきたんじゃぞ?≫
≪ヒュプノスは関係ないでしょ!≫
『ソフィア様がヒュプノス様を休ませてあげたいからって言ってたじゃんッ!!』
≪ヒュプノスは忙しいからのぉ。言うままに働いておったら休む暇などないぞ≫
≪うう……。アテナは!エステルちゃんのサポートには私は全く関係してないわッ!私戦闘苦手ですものッ!≫
≪そもそもソフィアが管理者じゃなけりゃあやつはクビじゃ。特別仕事がないことを良いことにサボりまくっておるのぉ≫
『≪………………≫』
そ、そこはちょっとノーコメントにさせていただければ……。
エステルには秘密にしておこっと……。
『ってかそもそも今だっておばあちゃんの話!その前はアンの話でしょッ!全部僕の家族ッ!僕は家族を大切にしてくれる人が好きなの!パパなのッ!!じゃあ僕がソフィア様が1番大切なのは当たり前でしょ!?だからソフィア様が創造神なのが1番いい!ソフィア様しかありえないッ!』
≪うぐぐぐぐぐ……≫
はぁ……。
なんで僕がソフィア様と小競り合いせにゃならんのだ……。
≪ほっほっほっほっ。お主愛されておるのぉ。じゃからお主を推したんじゃ!下界の民にこんなに愛される神なんておらんわい。お主の下の者もお主がええから付いてきたんじゃ。儂はソフィアを後釜にして正解だったんじゃ!じゃからさっさと認めて話を進めいっ!≫
≪なんでさらっと紛れ込もうとしてんのよッ!あなたが来るから話がややこしくなったんでしょ!そもそもなんでここに居るのよッ!言ってないわッ!≫
≪……ソフィアよ。儂が管理しているシステムが操作されていたら儂は気付くじゃろ……?お主がデータベースの管理はせめて儂にしてくれって泣きついてきたんじゃろうに……。儂は悠々自適に引退するつもりじゃったわい。秘密にするならもう少しだけでもうまい事して欲しいもんじゃのぉ……≫
『「……………」』 じー。
≪…………≫ プルプルプルプル……
なるほどね。
地球のデータベース、このおじいちゃん神様の担当だったんだな。
そりゃ気付くでしょ……。
あぁ、それでこの伝説の飲物持ってこれたのか。
徐々にソフィア様のイメージが壊れていく……。
最初は凄く神々しくて手の届かない存在にしか見えなかったのになぁ。
やっぱソフィア様ってちょっと残念な神なんだ~。
うん、知ってた。
でも愛すべきポンコツだね。
・
・
・
「の、のぉ。我、過去の事詳しくはわからんから話に入れんかったんじゃが……」
≪ティアマト!何!?≫
おぉっと。
ソフィア様の顔が真っ赤だ。
話を逸らそうとしているのが見えているぞ!
そしてその雰囲気を感じ取っておばあちゃんが割って入ったー!
さすが僕のおばあちゃん。
でも、僕は言わない。
空気を読むことに徹しよう。
「そちらの御仁はなんでここにきたのじゃ?」
≪面白そう以外に理由はいらんじゃろ。じゃから儂もまぜぃ!≫
えぇ……。そんな理由なの……。
『んな事言われても……。僕等に決定権があるわけじゃないし……。ソフィア様?』
≪私にこいつを言い負かせる力はないわ……。だから君たちが来るときは秘密にしていたのに……≫
もうソフィア様が諦め顔だ……。
まぁ話聞いてたら全く悪い人だとは思えないしなぁ。
どちらかと言えばすごく頼りになる神だからソフィア様が渋った雰囲気を感じたけどね……。
僕はいいと思うんだけど……。
ただなぁ。
『でも、おばあちゃん加護要らないんだよ?』
「う、うむ……。我は知識を得たいだけで神の力は……」
≪儂がその知識庫の管理をしておるのじゃぞ?地球だけじゃない。こやつの文明の知識庫は全て儂が……≫
「い、いらぬ!クロムの前世の星の知識だけでよいのじゃ……」
≪ほっほっほ。冗談じゃ!必要ない情報はいらぬのぉ。娯楽が減ってしまう。お主、ティアマトじゃな?ティアマトが取り出したい情報を儂が渡してやればいいんじゃろ?どうじゃ?調べ物をする時間すら短縮できると思うんじゃが?≫
「ほう……。我にそのしすてむとやらを使いこなせるか不安だったのじゃ。補助してくれる、と言うことかぇ?」
≪そうじゃそうじゃ!儂の加護、素敵じゃろ?≫
「それは魅力的じゃのぉ……」
え、それめっちゃいいじゃん。
僕、地球1番の天才、グー〇ル先生がおばあちゃんにつくんだってイメージしてたんだ。
でも、確かに必要な情報をピンポイントに検索するって検索ワードとか色々考えないとダメなんだよ。
結構慣れとかいるんだ。
簡単に言えば質問したことに答えてくれるAIがついてくるってこと?
それ最高じゃん……
≪そうじゃろ?そもそも儂は余計なことをするつもりもないんじゃ。必要ない情報など渡さん。お主らの動向を見ておるだけじゃの。人生とは己の足で歩むべきじゃぞ?儂も儂の残り僅かな余生を楽しんで生きていくんじゃ!お主らもそうせぃッ!≫
≪どうせそれが楽だからでしょ?あなたの力でそんなこと他愛もないことじゃない。仕事にならないわ。……それにあと数億年は生きるでしょ。寿命ないじゃない≫
あ、そういうことなんだ……。
楽だから余計なことしないって話ね。
なーんだ。
≪違うわぃッ!何故儂のイメージを下げるんじゃ!それに、寿命がないからあとは儂が満足するまで余生を謳歌するんじゃろ!それなのに……お主の要望を聞いて管理を手伝っておるんじゃぞ!?儂、いいやつじゃろ!!もっと労らんかいッ!!これでもお主の10倍以上の期間は働いてきたというのに……少しは楽しみも欲しいわい……おぃおぃおぃ……≫ チラッ
≪あー。はいはい。はぁ……やっぱりこいつ面倒くさいわ……≫
ウソ泣き始めた……。
すげぇじいちゃんだなぁ……。
なんか飄々としてるなぁ。
そういえば年齢とかいう概念無いって言ってたよな?
じゃ、なんでこの神様おじいちゃんなんだろ。
老化はするのかな?
≪しないわよ。姿は変えようと思えば変えられるわ。こいつの今の気分と趣味よ≫
≪この姿の方が労ってもらえるじゃろ?ここ数億年はこの姿じゃ!その前はいけめんじゃったかのぉ?ほっほっほ≫
えぇ……。
何その理由……パート2。
≪こいつ、こういう性格なのよ……いつも余裕綽々。私が焦ってる時もいつも笑ってるのよ!?ムカつかない!?≫
『「のーこめんと」』
≪余裕がないと何事もうまく回らんぞ?ソフィアはもう少し余裕をもって作業をするのじゃ?≫ なでなで。
≪子ども扱いやめなさいよッ!だからこいつと一緒に作業するの嫌なのよおおおッ!≫ バシッ!
ソフィア様手玉に取られてるじゃん……。
本当にこの人が師匠なんだなぁ。
確かに、ソフィア様の立場だと嫌かも。
ってか恥ずかしいな……。
これ、ずっと授業参観日してるみたいな感じでしょ?
おじいちゃん神様ソフィア様の横でずっと微笑んでるんだよ?
めちゃくちゃ優しい笑顔で……。
ソフィア様もなんだかんだ言いながら嫌いっていう感じでもない。
むしろ本音で話せてるんだろうね。
親にずっと見られてるって雰囲気だ。
友達の前で頭なでなでされてる感じたまらんなぁ……。
それにしてもこの神様相当自由人だよね?
大丈夫かなぁ……。
先代創造神って聞いてるけど……。
≪はぁ。もういいわ。こいつとまともに話してるとこっちが損するわね。大丈夫よ。と、いうよりこいつより有能な神なんて存在しないわ。一応これでも最古の存在よ≫
最古の神様この人なんだ~。
なんか勢いに飲まれてドンドン話勝手に進んでいく。
付いて行けないし話挟みこめないよ……。
あ、これもこの人の能力っちゃ能力か。
話術が上手いんだな、きっと。
≪一応とは失礼じゃのぉ?生なんぞ人でも神でも娯楽が大切じゃろ?楽しむことこそ人生じゃ!≫
≪はいはい。じゃあ後やっとくからさっさと帰りなさいな≫ しっしッ。
≪冷たすぎるじゃろッ!?儂まだ名前ももらっておらんのじゃがッ!?≫
やっぱその流れになるんだ……。
名前流行ってるって言ってたもんなぁ。
≪まぁ、それもあるかのぉ?ほっほっほ≫
『……。おばあちゃんはいいの?』
「うむ。話しを聞いておったが、我が今必要にしていることを与えてくれそうな御仁じゃの?その加護ならこの上ない。喜んで頂くことにするのじゃ!」
『やっぱ知識?』
「クロムや、家族への娯楽じゃの?いや、主にクロムじゃ。9割クロムじゃの」
…………。
≪ほれほれ。当人がよいと言っておるのぉ?名前、もらえるかの?ほっほっほ≫
・
・
・
『本当にいいの?ソフィア様は』
≪いいわよ……。もうどっちにしろ時間の問題だったわ≫
まぁ僕はいいんだ。
この神様多分きっとすごく優しいんだと思う。
おちゃらけすぎてあんまり伝わってこないんだけどきっとそれもわざとでしょ。
ソフィア様と言ってること同じなんだ。
気付いてないだろうけどね。
『じゃ、いいよ。ゼウs……』
≪却下じゃ!絶対に要らんッ!≫
あれ~?
先代創造神様でしょ?
すっげぇゼウス顔じゃんか……。
≪ゼウス顔ってなんじゃ!?今お主なんも考えんかったじゃろ!?他の者は真剣に考えてもらったって聞いておったぞ!?≫
『いや、でも僕の神様ネームレパートリーの中で創造神ってゼウスなんだもん……。ソフィア様には名前の変更拒否されたしさ……』
≪ありえないわねそんな名前≫
≪ありえないじゃろ!全知全能ってなんじゃ?そんな存在おらぬわッ!≫
あ、そうか。
知ってるのか。
今は地球のデータ管理担当してるんだもんね。
『でもそれなら自分で名付ければよくないっすか?僕創造神って存在からはこの名前しか浮かばないんですけど……。あとはなんかイメージ違うし……』
≪名付け、のぉ?お主多分少し勘違いしておるぞ?≫
『勘違い?』
≪儂らに名前の概念はないが個々を識別できるものはそもそも持っておるぞ。下界の名前が無いから付けてくれ、と要望しておるんじゃ。すなわち”あだ名”が欲しいと言っておるんじゃぞ?≫
『あ!そうなの!?そう言う感じ!?』
≪どうせソフィアが話しをうまく伝えておらんのじゃろうて。儂らに下界の名前がないなんて当たり前じゃろ。勝手に下界でそういう存在を想像して名前を付けとる民はおるかもしれんが、実際下界の民に姿を見せたことないんじゃから≫
『そうなの……?ソフィア様……』
≪え、えぇ。言葉を間違ったわ……≫
≪お主ら儂らの事をなんて呼ぶんじゃ……。儂らは存在で認識して呼び合っておるんじゃぞ?お主ら儂らの姿を見て呼びやすいあだ名を付けて欲しいと言っておるんじゃ。普通の事じゃろ≫
「普通じゃの……」
わぁ……すっげー普通ですね……。
おじいちゃんの方が普通の事言ってる~。
あだ名……。マジか……。
『僕初対面で真名付けてくれって言われてるのかと思ってたわッ!毎回毎回とんでもなく緊張してるんだぞッ!僕の緊張返せッ!』
≪す、すみません………≫
≪じゃから神の名前でなくても全然良いのじゃ……。ゼウスだけはやめてほしいのじゃ……≫
『そんなにゼウスは嫌なんですか?』
≪自分のあだ名が全知全能じゃぞ!?クロムは全知全能って呼ばれてよいのか!?恥ずかしくて仕方ないじゃろッ!!これから全知全能と呼ぶことにしようかのぉ!?よいのか!?≫
『むりむりむりむりむりむりむり』
「きついのぉ……。それは我も嫌じゃの……」
≪名乗れん……全知全能は名乗れんのじゃ……。せっかく付けてもらったのに……可愛い名前がよいのじゃあああ≫
僕、そんなこと言ってたのか……。
あだ名に全知全能ってつけようとしてたのか……。
そりゃみんなやめてくれって言うはずだわ……。
≪それにのぉ。全知全能程つまらん人生などない。そんなものくだらん。足りぬ部分があるからそれを求めたり補い合ったりするんじゃろ?全知全能で何をするんじゃ。お主らから見れば儂らは神じゃが、儂らは神だと認識しておらんのじゃぞ?足りぬことばかりじゃ。ソフィアも今間違えたところじゃろ?≫
≪私のことぶり返さないでよッ!≫
≪それに全知全能など儂の性格と真逆じゃわぃ。儂は足りぬことが楽しい。無駄こそ人生の楽しみじゃと思っておる。じゃからなんでもよいから全知全能だけはやめてくれんかのぉ……。下界の名前ならポチでも良いのじゃ……≫
そ、それはどうかな……。
そんなに嫌なんだね……。
それはワンちゃんに付けると可愛いかな。
見た目ゼウスの神的オーラバチバチの存在にポチは無いわ……。
バチ当たるわ……。
まぁ全知全能は確かに無いな。
厨二病極めててもネーミングセンスなさすぎる。
僕がそんな名前つけるの嫌だ……。
『えっと、じゃあ……メーティス』
≪そやつ全知全能の妻じゃろ……そもそも女子ではないかッ!≫
おぉ、これも知ってるんだ。
さすが地球のデータベース……。
『自分で名付けた方がいいと思いますけどねぇ……』
≪最悪ナシではないがのぉ……。出来ればあだ名は人に決めてもらいたいじゃろ……≫
まぁそれはそうかもしれない……。
他なぁ……。
知識、叡智の神とか賢者とかでしょ?
トート、とかミーミル……とか……
≪知識から一旦離れんか?儂、もう引退したんじゃて!あだ名まで仕事に縛られとうないんじゃ!≫
『え~。他はじゃあ何が好きなの?』
≪ずっと娯楽じゃと言っておる!まだ仕事はしておるが、儂は余生を楽しく生きるんじゃ!≫
娯楽の神……え~。
ピンとこないなぁ……
神様の名前を除外しても娯楽関係の意味の名前付けたことないよ……。
いたずらの神様ならロキ、って神とか居たけど……。
≪お!それが良いのじゃ!悪戯は好きじゃぞ?ほっほっほ≫
『いいの!?どっちかと言えば邪悪な存在って見たことあるけど!?』
≪よいじゃろ別に。あだ名じゃし。儂にとっては全知全能と付けられるほうが邪悪な心が産まれそうじゃわぃ≫
≪いいんじゃないかしら。そんな感じよ、私にとって≫
いいのかなぁ……。
先代創造神様に”終わらせる者”の意味の名前つけて……。
それこそ真逆じゃん……。
神罰下ったりしないかなぁ……。
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