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53話 - ニヴルヘイム
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「……グスン。そうですか……。私もいずれ……頑張れ…ば……外の世界を見られる可能性があるのですか……。いつももう心では諦めているのに……なぜ私はこの狭い森の中で過ごさなければいけないの……と……物語の中では人は冒険をしているのに……なぜ私だけ……と…。」
『……』
あぁ。こいつ僕と似ているのか。僕もいつもなんで自分だけ体が弱いのか。
なんで僕は周りのようにうまく生きていけないのか……とずっと思ってたな。
そうか…。それで知らず知らず話を聞いてしまってるのか。
「これからは先に希望をもって取り組めますね!いつの日か……魔の森の外にでられると思って……」
『僕の言うことを信じてくれるんだな』
「はい。こんな素敵なスライムさんが嘘をつく訳ないですきっと。私達の認識が間違っていたのでしょう。惜しむべきは……これをハイエルフに話しても誰も信じてくれないということですが。あ、もちろん秘密にしておきますよ。言ったとしてもということです。」
『なんでそうなってしまったんだろうなぁ……』
「とても遠い昔には私のように外に憧れる方もいたらしいです。エルフの監視下に置かれる前は腕利きの冒険者を雇った変わり者の行商人などが世界樹を一目見たいと訪れることもあったそうです。ただ、仲良くなった冒険者に師事を仰ぎ強くなろうと魔物を倒しても訓練をつんでも他の種族のような力は身につかなかったと。誰しもがそうであったのでハイエルフは戦いに向かない種族なんだという認識になったと。そう聞いております。」
『あーーー。成長速度が遅いと才能がないとかそういう認識になるのか……。ステータスみれてないんだもんな……。ちなみにずっと的当てやってるんだろ?ちゃんと戦闘能力ついてるぞ?「弓術」と「命中」だってさ。』
「そうなのですか!?私にそんな能力が……あぁ、こんな幸せな日はありません。夢ではないでしょうか。」
ここで何もせずどこかに旅立つのは過去の僕を見捨てるみたいでモヤモヤするな……
誰か助けてくれないかってずっと思ってた。
でもそんなこと不可能だからずっと……僕は……
『クラム。ちょっとハイエルフの集落の近くに滞在していい?』
≪クラムはなんでもいいよ~?パパといっしょならそれでいい~≫
『エステルが集落から抜け出してこれるなら……少しだけ鍛えてやろうか?僕らでもなかなかレベルは上がらないからエステルはもっとだと思う。目に見えた成果は上がらないかもしれないけど……何か変わるかもしれない。僕らも急ぎの旅じゃない。だから少しだけなら。余計なお世話かもしれないし、集落でエルフから何か言われても僕には責任はもてない。エステル以外の他のやつにかかわる気もない。それでいいなら、だ。その代わり人の常識や僕が知らない食材のことなんかを教えてくれ』
「いいの…ですか?」
『僕もエステルの生活に思うところがないわけじゃない。エルフのような存在は大嫌いだ。まぁいろいろあってな。だからエステルの為じゃない。ただの僕の憂さ晴らしだ。』
「はい……それでは是非!もしこのことがエルフに知られたら私のことは置いて逃げてください。関わりがあるというようには見せないと誓います。このままの生活をずっと送るくらいなら……もし私がエルフから痛めつけられようともそれで構いません。」
≪パパやさしくなったね~そっちのほうがすき~≫
『そ、そういうわけじゃないよ!まぁテントも作りたかったしな。どっちみち集落にはいこうと思ってたからついでだと思えばいいさ。安全に人と関われるチャンスなんかきっとないし。そう思えばエステルと関わるのは人を知るチャンスだと思うことにするよ』
これでもしなにかあった時は……
・
・
・
翌日早朝、ニヴルヘイムに出発してから3時間程。
エステルはこれまでのようにふらふら迷っている様子もなく随分まっすぐ進んでいく。
たまに魔物がでるがゴブリン程度のモノなのでさくっと倒している。
とりあえずまずは集落についてからだな。
『で、あまり迷ってる様子もないが場所がわかったのか?』
「あ、はい!クラムちゃんのすごい魔法でずいぶん見渡しがよくなったので野宿した位置から世界樹が見えまして……もうすぐ着きますよ!」
『あぁ…なるほど。』
≪クラムのおかげ~?≫
「そうですね♪ふふふ」
ふむ。ゆっくり歩いて3時間程だからあの位置から僕らが全力で飛ばせば多分数分かな。
往復には苦労しなさそうだ……
---------------
野宿した夜……エステルは疲れたのか早く寝静まった。
〔クラムちゃ~ん?なかなか激しくやったわね~?〕
『あー。きた。やっぱ見てますよね~』
≪デメテル~?ごめんね~。おこった~?≫
〔見てるわよ~♪おこってないわよ~?クラムちゃんもがんばったんですもんね~〕
≪うん~≫
〔でもちょ~っとだけお仕事手伝ってほしいかな~?クラムちゃん”豊穣”覚えたでしょ~?〕
≪つかえたよ~?≫
〔じゃあそれ使ってちょっとあの辺りの自然芽吹かせてほしいのよ~。その後は私がやるわ~〕
≪いいよ~!じゃあクラムやってくるね~!≫
〔ありがとね~♪あ、あのね~?たまに2人のことは見ているんですけど~。自然は大事にしてほしいけどあなたたちの命が危なくなるほど気を使わないでもいいのよ~?すごい戦いにくそうにしてるじゃな~い~?生存競争は生き物として仕方ないことだしそこに影響がでるほどじゃなくていいわ~。環境気にして死んじゃうほうが不自然だもの~。”無駄”に破壊するのをやめてねってくらいかしらね~?もしすごい影響を与えちゃったらもとに戻すのをすこ~し手伝ってくれるとうれしいかな~♪それもあってクラムちゃんに加護つけたのよ~♪気にせず戦いやすくなるでしょ~?私えらい♪うふふ。〕
『ほんとですか!助かります。今かなり難儀してて……』
〔うんうん、君たちが死んじゃったら元も子もないからね~。戦いおわったらクラムちゃんが豊穣の力をちょっと振りまいてくれるくらいでいいわよ~♪自分のこと大事にね?じゃあまたね~♪〕
こっちの神も相変わらず優しかった。
確かに……自然を気にして死ぬ方が不自然。
神目線だとそうなるのか……
ということで滞在中にクラムはあそこを元に戻しにいくらしい。
エステルを鍛えるくらいの時間にはもどってくると。
≪おいしいごはんつくっといてね~≫だそうだ。
まぁこの辺りの魔物にクラムがやられんだろう。なんかあったら逃げてこいとはちゃんと伝えている。
---------------
「見えました!あそこです!」
木の柵が簡単にしてあって中にツリーハウスやログハウスのような小さい建物が立っている場所がある。
本当に小さいぞ……小学校の運動場3個分程の大きさしかないんじゃないか……?
ずっとここの中で過ごしてるのか!?
その後ろにこっちは逆にかなり大きいサイズの巨木が立っている。
いや、デカっ!他の木がじゃまで上が見えん……
東京タワーとかスカイツリーとかそれくらいの高さがあるかもしれないぞ?もっとか?
魔の森が密集しすぎてて全然今まで見えなかったな……
バランスおかしいって!
このデカい世界樹の守り人の集落とかならもっともっとデカくていいでしょ!?
日本で例えると……巨木の下で過ごしてるリスの集団くらいの感じか……。
まぁ10人くらいっていってたもんな監視のエルフ。
学校の先生以下じゃん。それで大丈夫な規模ってことだもんね?
これ想像以上にきついな………
集落は小さいけどとっても素敵な場所だと思う。
自然の中につくられた小さなキャンプ場みたいな……
遊びにきたいなって思うかんじだな。
ただ、ここのみで生活する環境ではないぞ……
あ、ちょっと色んな意味の衝撃で唖然としてしまった。
少し動物とかも狩っていたりするのかな?動物を飼っていそうな柵があるな。
『後ろの巨木が世界樹か…。すごいなぁ。圧巻だ。で、この前の柵に囲われてるところがハイエルフの集落ニヴルヘイム?逆に……これで全部なのか?』
「はい、そうです!がっかりしましたか?農作業をする場所は少し離れた場所にありますが……生活区間はこの辺りですね」
『いや、僕ががっかりしているのではなくてこの中にずっといるのかと……』
「あぁ、そういうことですか。そうですね……。ほとんど外に出る方はいませんね。皆は外に全く興味がないんですよ。他の国から来た方はびっくりされると思います。これがハイエルフの日常なんですよ。」
やばいでしょ……マジか。
まだ寿命とか聞いたわじゃないけどここでずっと過ごすの!?
で、外に出たいエステルが変わり者なの!?えぇ……
『動物も飼ってたりするの?柵の中に柵があるけど……』
「あれは乳を出してくれる魔物の柵です。ハイエルフは昔から魔物と共生していますので。ただ魔物はみんなというわけではなく、畑を荒らす害獣とかももちろんいますのでその辺は追い払ったりエルフが倒したりしてますね。チーズや他の乳製品もあっておいしいですよ♪持ってきましょうか?」
『え!?いいの!?食べたい!でも本当にエステルの生活に無理のない程度で。エルフに不審がられない程度でいいぞ……なんか魔物狩ってきて渡そうか?』
「ありがたいんですけど……私が魔物の素材や肉を持っていくと不自然になるので……ハイエルフでそんなことする人はいませんし。たまにエルフの気まぐれで倒した獲物の肉を取引でもらう程度でしょうか?」
『まぁそうか……。じゃあ自分で肉取れるくらいにはしてやりたいな』
気になる建物がひとつ。
その集落の柵の右外側にエルフの集落と同じくらいのサイズがありそうな敷地とバカでかい貴族の屋敷みたいなのが建ってるんだが……
趣味の悪いThe見栄の塊!みたいな。
もうあれ見ただけでエルフがどんなやつなのかわかるわ。
『もう見るからにわかるんだがあれエルフの駐在所みたいなところか?ここに森を切り開いてあれわざわざ建てたのか?』
「そうですね……あそこにエルフ皆で住んでいます。私が生まれる前からありますので……」
あれ壊したい。世界樹も悲しんでるわ。ムードもへったくれもない。
あそこになら心おきなく白炎繚乱全力投球できるわ。
一撃で消せるよ?どうかな?そのあとクラムに全力豊穣使ってもらったらバッチリじゃん。
『なるほどな。じゃあここからどうしようか?エステルはどうするの?』
「裏手にエルフの監視していないあぜ道があるのです。私はいつもそこから出入りしています。そちらからこっそり家にもどりますね。」
『わかったばれないようにな。リズもあんまり心配かけてやんなよ。』
≪エステルが勝手についてきただけだって~≫
『はいはい。じゃあまた、毎日夕方頃には作業おわるんだったか?』
「はい!ではさっそく今晩からこちらに伺います!あの星が沈む頃に夕方になりますのでその辺りで」
さて……今からどうするか……
『……』
あぁ。こいつ僕と似ているのか。僕もいつもなんで自分だけ体が弱いのか。
なんで僕は周りのようにうまく生きていけないのか……とずっと思ってたな。
そうか…。それで知らず知らず話を聞いてしまってるのか。
「これからは先に希望をもって取り組めますね!いつの日か……魔の森の外にでられると思って……」
『僕の言うことを信じてくれるんだな』
「はい。こんな素敵なスライムさんが嘘をつく訳ないですきっと。私達の認識が間違っていたのでしょう。惜しむべきは……これをハイエルフに話しても誰も信じてくれないということですが。あ、もちろん秘密にしておきますよ。言ったとしてもということです。」
『なんでそうなってしまったんだろうなぁ……』
「とても遠い昔には私のように外に憧れる方もいたらしいです。エルフの監視下に置かれる前は腕利きの冒険者を雇った変わり者の行商人などが世界樹を一目見たいと訪れることもあったそうです。ただ、仲良くなった冒険者に師事を仰ぎ強くなろうと魔物を倒しても訓練をつんでも他の種族のような力は身につかなかったと。誰しもがそうであったのでハイエルフは戦いに向かない種族なんだという認識になったと。そう聞いております。」
『あーーー。成長速度が遅いと才能がないとかそういう認識になるのか……。ステータスみれてないんだもんな……。ちなみにずっと的当てやってるんだろ?ちゃんと戦闘能力ついてるぞ?「弓術」と「命中」だってさ。』
「そうなのですか!?私にそんな能力が……あぁ、こんな幸せな日はありません。夢ではないでしょうか。」
ここで何もせずどこかに旅立つのは過去の僕を見捨てるみたいでモヤモヤするな……
誰か助けてくれないかってずっと思ってた。
でもそんなこと不可能だからずっと……僕は……
『クラム。ちょっとハイエルフの集落の近くに滞在していい?』
≪クラムはなんでもいいよ~?パパといっしょならそれでいい~≫
『エステルが集落から抜け出してこれるなら……少しだけ鍛えてやろうか?僕らでもなかなかレベルは上がらないからエステルはもっとだと思う。目に見えた成果は上がらないかもしれないけど……何か変わるかもしれない。僕らも急ぎの旅じゃない。だから少しだけなら。余計なお世話かもしれないし、集落でエルフから何か言われても僕には責任はもてない。エステル以外の他のやつにかかわる気もない。それでいいなら、だ。その代わり人の常識や僕が知らない食材のことなんかを教えてくれ』
「いいの…ですか?」
『僕もエステルの生活に思うところがないわけじゃない。エルフのような存在は大嫌いだ。まぁいろいろあってな。だからエステルの為じゃない。ただの僕の憂さ晴らしだ。』
「はい……それでは是非!もしこのことがエルフに知られたら私のことは置いて逃げてください。関わりがあるというようには見せないと誓います。このままの生活をずっと送るくらいなら……もし私がエルフから痛めつけられようともそれで構いません。」
≪パパやさしくなったね~そっちのほうがすき~≫
『そ、そういうわけじゃないよ!まぁテントも作りたかったしな。どっちみち集落にはいこうと思ってたからついでだと思えばいいさ。安全に人と関われるチャンスなんかきっとないし。そう思えばエステルと関わるのは人を知るチャンスだと思うことにするよ』
これでもしなにかあった時は……
・
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翌日早朝、ニヴルヘイムに出発してから3時間程。
エステルはこれまでのようにふらふら迷っている様子もなく随分まっすぐ進んでいく。
たまに魔物がでるがゴブリン程度のモノなのでさくっと倒している。
とりあえずまずは集落についてからだな。
『で、あまり迷ってる様子もないが場所がわかったのか?』
「あ、はい!クラムちゃんのすごい魔法でずいぶん見渡しがよくなったので野宿した位置から世界樹が見えまして……もうすぐ着きますよ!」
『あぁ…なるほど。』
≪クラムのおかげ~?≫
「そうですね♪ふふふ」
ふむ。ゆっくり歩いて3時間程だからあの位置から僕らが全力で飛ばせば多分数分かな。
往復には苦労しなさそうだ……
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野宿した夜……エステルは疲れたのか早く寝静まった。
〔クラムちゃ~ん?なかなか激しくやったわね~?〕
『あー。きた。やっぱ見てますよね~』
≪デメテル~?ごめんね~。おこった~?≫
〔見てるわよ~♪おこってないわよ~?クラムちゃんもがんばったんですもんね~〕
≪うん~≫
〔でもちょ~っとだけお仕事手伝ってほしいかな~?クラムちゃん”豊穣”覚えたでしょ~?〕
≪つかえたよ~?≫
〔じゃあそれ使ってちょっとあの辺りの自然芽吹かせてほしいのよ~。その後は私がやるわ~〕
≪いいよ~!じゃあクラムやってくるね~!≫
〔ありがとね~♪あ、あのね~?たまに2人のことは見ているんですけど~。自然は大事にしてほしいけどあなたたちの命が危なくなるほど気を使わないでもいいのよ~?すごい戦いにくそうにしてるじゃな~い~?生存競争は生き物として仕方ないことだしそこに影響がでるほどじゃなくていいわ~。環境気にして死んじゃうほうが不自然だもの~。”無駄”に破壊するのをやめてねってくらいかしらね~?もしすごい影響を与えちゃったらもとに戻すのをすこ~し手伝ってくれるとうれしいかな~♪それもあってクラムちゃんに加護つけたのよ~♪気にせず戦いやすくなるでしょ~?私えらい♪うふふ。〕
『ほんとですか!助かります。今かなり難儀してて……』
〔うんうん、君たちが死んじゃったら元も子もないからね~。戦いおわったらクラムちゃんが豊穣の力をちょっと振りまいてくれるくらいでいいわよ~♪自分のこと大事にね?じゃあまたね~♪〕
こっちの神も相変わらず優しかった。
確かに……自然を気にして死ぬ方が不自然。
神目線だとそうなるのか……
ということで滞在中にクラムはあそこを元に戻しにいくらしい。
エステルを鍛えるくらいの時間にはもどってくると。
≪おいしいごはんつくっといてね~≫だそうだ。
まぁこの辺りの魔物にクラムがやられんだろう。なんかあったら逃げてこいとはちゃんと伝えている。
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「見えました!あそこです!」
木の柵が簡単にしてあって中にツリーハウスやログハウスのような小さい建物が立っている場所がある。
本当に小さいぞ……小学校の運動場3個分程の大きさしかないんじゃないか……?
ずっとここの中で過ごしてるのか!?
その後ろにこっちは逆にかなり大きいサイズの巨木が立っている。
いや、デカっ!他の木がじゃまで上が見えん……
東京タワーとかスカイツリーとかそれくらいの高さがあるかもしれないぞ?もっとか?
魔の森が密集しすぎてて全然今まで見えなかったな……
バランスおかしいって!
このデカい世界樹の守り人の集落とかならもっともっとデカくていいでしょ!?
日本で例えると……巨木の下で過ごしてるリスの集団くらいの感じか……。
まぁ10人くらいっていってたもんな監視のエルフ。
学校の先生以下じゃん。それで大丈夫な規模ってことだもんね?
これ想像以上にきついな………
集落は小さいけどとっても素敵な場所だと思う。
自然の中につくられた小さなキャンプ場みたいな……
遊びにきたいなって思うかんじだな。
ただ、ここのみで生活する環境ではないぞ……
あ、ちょっと色んな意味の衝撃で唖然としてしまった。
少し動物とかも狩っていたりするのかな?動物を飼っていそうな柵があるな。
『後ろの巨木が世界樹か…。すごいなぁ。圧巻だ。で、この前の柵に囲われてるところがハイエルフの集落ニヴルヘイム?逆に……これで全部なのか?』
「はい、そうです!がっかりしましたか?農作業をする場所は少し離れた場所にありますが……生活区間はこの辺りですね」
『いや、僕ががっかりしているのではなくてこの中にずっといるのかと……』
「あぁ、そういうことですか。そうですね……。ほとんど外に出る方はいませんね。皆は外に全く興味がないんですよ。他の国から来た方はびっくりされると思います。これがハイエルフの日常なんですよ。」
やばいでしょ……マジか。
まだ寿命とか聞いたわじゃないけどここでずっと過ごすの!?
で、外に出たいエステルが変わり者なの!?えぇ……
『動物も飼ってたりするの?柵の中に柵があるけど……』
「あれは乳を出してくれる魔物の柵です。ハイエルフは昔から魔物と共生していますので。ただ魔物はみんなというわけではなく、畑を荒らす害獣とかももちろんいますのでその辺は追い払ったりエルフが倒したりしてますね。チーズや他の乳製品もあっておいしいですよ♪持ってきましょうか?」
『え!?いいの!?食べたい!でも本当にエステルの生活に無理のない程度で。エルフに不審がられない程度でいいぞ……なんか魔物狩ってきて渡そうか?』
「ありがたいんですけど……私が魔物の素材や肉を持っていくと不自然になるので……ハイエルフでそんなことする人はいませんし。たまにエルフの気まぐれで倒した獲物の肉を取引でもらう程度でしょうか?」
『まぁそうか……。じゃあ自分で肉取れるくらいにはしてやりたいな』
気になる建物がひとつ。
その集落の柵の右外側にエルフの集落と同じくらいのサイズがありそうな敷地とバカでかい貴族の屋敷みたいなのが建ってるんだが……
趣味の悪いThe見栄の塊!みたいな。
もうあれ見ただけでエルフがどんなやつなのかわかるわ。
『もう見るからにわかるんだがあれエルフの駐在所みたいなところか?ここに森を切り開いてあれわざわざ建てたのか?』
「そうですね……あそこにエルフ皆で住んでいます。私が生まれる前からありますので……」
あれ壊したい。世界樹も悲しんでるわ。ムードもへったくれもない。
あそこになら心おきなく白炎繚乱全力投球できるわ。
一撃で消せるよ?どうかな?そのあとクラムに全力豊穣使ってもらったらバッチリじゃん。
『なるほどな。じゃあここからどうしようか?エステルはどうするの?』
「裏手にエルフの監視していないあぜ道があるのです。私はいつもそこから出入りしています。そちらからこっそり家にもどりますね。」
『わかったばれないようにな。リズもあんまり心配かけてやんなよ。』
≪エステルが勝手についてきただけだって~≫
『はいはい。じゃあまた、毎日夕方頃には作業おわるんだったか?』
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