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151話 - たぬきの商人さん
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『エステルのわざすごかったね~!』
「そうですか?ふふ♪一生懸命考えた甲斐があります!」
「うん……全方向から……」
『いや、僕の意図した”みんな”じゃなかったけど……あれはすごかったな……びっくりしたよ……』
1か月近くのダンジョン遠征はエステルのとんでも技で幕を下ろした。
あの技僕が意図したものじゃなかったけどすごかったと思う。
全方向からの射撃は使えるな。
僕も分裂とかで同じことできるかな……
「違ったのですか?」
『違ったに決まってるでしょ!?あんな技思いつかないよ!!人型要らないでしょ!?形どらなくても出来たよね!?』
「あれは……お茶目心です……。それはそうと!じゃあどういう意味です?みんなって?」
やっぱりか……
まぁそれがエステルだけどね。
『例えば……氷の双剣出しててもそれに闘気纏って飛刃は飛ばせるよね?たぶん。エステル集中するとそれぞれに特化しがちだからさ?同時にやる方法もあるんじゃない?って意味だよ。炎弾に闘気は纏えないの?意味があるのかは僕にはわかんないんだけどさ……。精霊魔法と闘気混ぜられないの?反発する?』
「……確かに。それならそうと言ってくださいよ!」
『言ったつもりだったんだよ……まぁ結果オーライだよ』
あの技はあの技でめちゃくちゃすごかった。
僕に思い浮かばない技自分で開発する方が自分の身になるしすごいもん。
それはそうとすごい接戦だった。
めちゃくちゃ心配した。
結構ズタボロだったんだよエステル。
『エステルのボス戦……本当にめちゃくちゃ我慢したよ僕……』
「ぼくも……さすがに……イライラした……」
『クラムも~!もうし~るどはろうとおもったもん~』
ほら!僕だけじゃない!!
家族がズタボロだったら心配するよな!?
みんな平然とあれ眺めてるのかと思った……
なんでバトル系のアニメってみんな周りで眺めてられるんだよ……
おかしいよ……無理でしょ……
「想像よりかなり手こずりました。ご心配おかけしました。空の速い敵があれほど強いとは……。ワイバーンで充分練習したと思ったのですが……空の敵には課題が残りましたね」
大打撃は肩切り裂かれた1発だけどずっと細かくダメージ負ってたからね。
僕に歯があったら噛みしめて全部折れそうなくらい我慢した……
は~ぁ。
うちのかわいいエステルに傷を……うう……。
我慢って辛いなぁ……
「ということで!あの階層にはまた行きたいです!あ!空の練習ですよ!?クロムさんもご一緒に!高所恐怖症克服しましょう!!」
『怖くていいっていったじゃん!?何故に!?』
「それはそれ、これはこれなんです!」
『なんでだ……もうやだ……エステル行くなら行くけど!!程々にしてよ!!』
「はい♪」
「……でも……ぼくも……疲れた」
『クラムも~。ゆっくりしたいよ~。クラムとべるけどずっとかぜつよかった~』
空階層は僕以外のみんなも疲れがかなり溜まったみたい。
普段と違う環境って体に堪えるよ……
クラムのレベルにも一旦目途が見えたので毒沼は一旦おやすみでいいって。
本当に必要経験値量増加止まってよかった。
全階層討伐を終えてからまた水エリアに転送ゲートで向かおうってことになった。
あと時間かかっていいなら他の階層も毒で埋め尽くせるしね。
その次の空エリアはクラムにとって全く困難じゃないしね。
クラム1人ならちょっと邪魔だろうけどシールド張りっぱなしで突っ切れる。
多分1人のほうがピューって上までくるよ。
それにしてもやっと終わった……
長かったなぁ……グス……
もし冒険者さんがあそこまで進める力手にしたとして……
どうするつもりなんだ……あそこに数か月いるのか?
クリアさせるつもりないにも程があるでしょ……
あ、そういえば。
グリフォンを倒してからちゃんと魔石を回収した。
今までで一番大きいの。黄緑色に発光している。
雷と風の色かな?今までで一番光りがつよいよ。
そしてたぶん……
ボスは2エリアくらい上の大きさの魔石が出ているんだと思うんだ?
これランク的に言うと81階層からの雑魚の魔石……
2等級か1等級くらいになるんじゃないのかな。
王様に聞けばわかるかな?
だいたい50階層のボスと61階層の雑魚の魔石の大きさが同じなんだよね。
同じワイバーンだったし。
ってことは……
強さも多分同じくらい?
81階層からの雑魚がグリフォンと同じくらいの強さになるんじゃないかな……
って予想。予想だよ?
あのグリフォンレベルをさくっと倒せないと90階層からはキツそうだと思うんだ。
だからみんなの意見一致で結局うちに帰ってきた。
またしんどいとこ行くかもしれないんだよ!?
満場一致でもう先見ずに帰って来た。
見ちゃったら進まないとダメになるかもしれないし。
ボス戦終わったらみんな疲れどっと来たもん。
とりあえず休みたいよ。
今日は毒沼のように眠ろう……あ、泥沼か……
あんな場所地上の生物が1か月近くもいるような場所じゃない!
『次からもあんなのかなぁ。どんどん環境ひどくなってるよね……51階層からは過半数水辺だったしボスは完全水中じゃん。で、空でしょ?次何なんだよ……』
「ですねぇ。正直階層主より環境が疲れます……」
『つぎどくかな~?どくだったらいいな~』
「……ねぇね……それは……無理」
あ、クラマの目が一層死んだ魚のように……
ほら、ちょっと負けず嫌いのクラマでも立ち向かう気すら消え失せてるじゃんか。
『クラムいけるよ~?』
『クラムしか行けないよ……いや僕もいけるけど嫌だわ……』
うん、そうなったらソフィア様ごめんね。
もう絶対無理です!!
『毒沼なら程度によっては考えるけど……毒霧エリア来たらもう諦めよ……』
「えぇ……無理です」「……うん……やだ」
『え~!クラムいきたいのに~!』
『クラムは毒好物じゃんk……
(コンコン)
「あら?どなたかお見えになりました?は~い!」
(ガチャ)
「こんにちは。王からの依頼で参りました。私王家専属の商いをしておりますラクトと申します。宜しくお願い致します」
あぁ!王様が紹介してくれるって言ってた商人さんか!
ちょうど帰ってきてよかった!
すごい………
言っていいのかわかんないけど……
恰幅のいい人だな。まんまるだ。
でも脂肪じゃないのかな?
タプタプしてそうじゃないんだよな?
種族特性みたいな感じ……?
あの特徴的な丸い耳としっぽ……
たぬき獣人さんかな?人がよさそうな方だよ?
「こんにちは?本日はどのようなご用件でしょう?」
「あ、用件前に先に。クロム様とクラム様のことも伺っておりますのでお話いただいて大丈夫です。異次元倉庫などの存在も王とスチュワード様から伺っております。気楽にしてください」
『あ、そうだった!王様に言っていいって伝えたんだよ。じゃないと取引できないからね』
「そうですね。商いをお願いするのであれば1番伝えなければならない方ですね」
『ラクトさん、今後お世話になります。恐らく大変になると思いますが、僕等家族を宜しくお願い致します』(ペコ)
「珍しいですね……クロムさんがそんな丁寧に……」
『僕等この方に今から1番お世話になるよ!?生活はこの方なく成り立たないと言っても過言ではない!僕だって礼儀くらい弁えてるって言ったっしょ!?』
「そうですね、ふふ♪初めて見る姿だったので少し驚いただけですよ」
全く……。
馴れ馴れしくしてるのはわざとだって言ったでしょーに。
まぁ……自分でも偉そうだった自覚あるからね。
王様にもお世話になってるんだけどさ……
なんかもう今更というか……
友達って言ってくれてるし……
『よろしくラクト~!』
「……よろしく」
『立ち話も何なので入って下さい。お茶と菓子でもお出ししますよ』
「それでは、お言葉に甘えまして。気を遣わないで下さいね?気楽に腹を割って話していただく方が商いがやりやすいですよ、はっはっは。」
『じゃあラクトさんも……』
・
・
・
クラマとクラムはお風呂に入った。
まぁ……つまらない話になると思うからね。
好きにしてていいよって伝えた。
ダンジョンから帰ってきて疲れも溜まってるだろうしね。
「本日は氷魔石の原料になる魔石をお持ちしたのですよ。あと、王から話をいただきましたので顔合わせに私が伺いました。今後は荷運び専用の者が伺いますので出来た氷魔石は決まった時間、決まった場所に置いておいていただければ大丈夫ですよ。その者にもクロム様とクラム様がお話できることは伝えてもよろしいですか?それ以外にエステル様やクラマ様のことも含め、です。私自身は情報を知りえた時に契約魔法で口外を縛っております。書類はこちらに」
『契約魔法!?そんなのあるのか……』
「ええ、重大な取引や……まぁ奴隷です。主人に従える奴隷には一族以外に知られてはならない秘密などを知られてしまいますから。知りえた情報は一切口外しないという条件を契約魔法にて縛られるのが一般的ですよ」
そうか……たしかに……
奴隷契約をする魔法にそういうことも含まれてるのかと思った。
そんな独立した魔法があったんだな。
『で、これが書類……』
そういって出してくれた書類には……えっと……
まだこの長い文章ぱっと解読するの時間かかるな……
と、思っているとエステルが書類を見てくれた。
「これには私達の情報と、この取引で得た秘密事項その他一切の口外を禁ずることが事細かに記されていますね。大丈夫だと思います」
助かった……
『ありがとうエステル。ちなみにエステルとクラマのことはもちろん、僕らが話せることを喋るって一般的にどうなんですかね?僕等常識に疎くて……商人さん視点で大丈夫なもんです?』
「全く大丈夫ではありません。話せる魔物は全くいない、というわけではないですよ?強い力を持つ魔物には話せるものもいます。ただ関係者以外に口外することではありません。なので配下の者ももちろん契約魔法で縛るつもりです」
うん、そうだよね。
こういうことは逐一確かめていかないとな。
周りが王とかギルマスとかだから一般人いないんだよな……
キャシーも話せる魔物はいるいってたなぁ。
知り合いにも話せる魔物はいるって。
いつか会うのかな……
そんなことは置いといてまた契約魔法使うの!?
安心だけどそんな縛っていいのかな……
奴隷って言ってたし申し訳なさすぎるんだが……
それなら荷運びの人がきても僕等黙っとく方がいいんじゃないかなぁ……
『ラクトさんはもう縛っているみたいなので何とも言えないんですが。僕等荷運びの方来たら黙っときますよ?そんな色んな人に魔法掛けていいんですかね。なんか申し訳ないというか……』
「いえいえ、私の様な商いをしている者の下にいるものは皆1つや2つ契約魔法での縛り事はあります。お気になさらないでください」
よかった……
重大なことではないんだな。
王専属って言ってるもんな。
王家の秘密とか僕が話せることなんかよりずっと重大か。
ちょっと安心か。
『では……それでそちらがいいのであればお願いします』
「ええ、むしろ魔法で縛られている方が安心なのです。そのようにさせていただきますね。さて、それでは本題に。こちらが氷魔石用の魔石になりますが、この小さい方を冷蔵用に、大きい方を冷凍用に仕立ててもらえますか?」
ほう……
確かに前僕が作ったものより小さい……
あれ、同じくらいのもないか?
それに思ってたより少ないな?
全部で50個もない?
『大丈夫です。ちなみにこれってどれくらいの等級なんですか?』
「小さな方が7等級、大きな方が6等級です」
『あれ、王様6等級使えないって言ってたんだけどなぁ』
「私が口を出させていただいたのですよ。王は一般的な流通を考えて多数出回っている8等級あたりの魔石を主にすることを考えていらしたのです。ただそこまで早く流通することはありませんし、最初はやはり新しいものというのは受け入れられがたいです。ですので階層主等を倒せば落とす可能性があるぎりぎり大きさの6等級の魔石を冷凍保存用の氷魔石にし、長持ちして効力も高いものを作っていただこうと提案致しました。最初は大手商会に無償でこちらを貸し出し一般の個人商会に見せ、流通はそれからですね」
貸し出し用か。なるほどな?
さすが専門家だ……
この人の方が物流は専門なんだろう。
王が物流を牛耳ってるわけじゃないもんな。
『ラクトさんがそういうなら僕から言うことはないですね』
「それで問題ございません。箱の中に細かいサイズやどれくらいの効力の魔石を作って欲しいかなどを記載した紙をいれてあります。また1週間ほどしたら取りに参っても?どれほどで仕上がりますでしょうか?」
効力は……4種類か………
冷蔵冷凍大小サイズね。
この量……?すぐだけど……。
魔石有り余ってるから壊れるの覚悟で試したんだけど一気にもできるんだよ。
ちょっと長く見積もって1時間って言っとくかな……
『ん?この量ならちょっと待っててもらったらできますよ?1時間ほど待てます?』
「おお、素晴らしいですね……。ただ、それなら尚のこと1週間後で大丈夫ですよ。1週間でこれが限度、ということにしておきましょう。これは配下にも口外しません。あまり軽々と作られるところを見せない方がよろしいと思いますよ?価値が下がります」
あ、そうか……ダメなのか……
そういうことが僕にはわからないんだよな……
『ありがとうございます。わかりました。でも……商人さんだったら利益たくさん出た方がいいでしょうに……どれくらいの利益率がいいとかわからないんで多めに取っておいてくださいね?』
僕等特に商いは利益目的じゃないからな……
要らないもの捨てるくらいなら……レベルなんだよ。
氷魔石に関してはお世話になってる王様へのお礼でいいんだ。
みんな食事がおいしくなったら喜ぶしね。
だから利益いっぱい取っていって欲しい。
そんなことより僕らは頼れる人少ないから満足してもらって取引続けて欲しいもん。
「あっはっは!信用というのが1番代えがたい利益なのです。それに、私はこれでも王家専属の商いをしているものですよ?もちろん商人なので儲けにはうるさいです。ただ、目先の金銭には困っていないのですよ。それよりクロム様、エステル様。もちろんここにいないクラマ様やクラム様との信頼関係の方がずっと大切ですよ?なので多く利率を取る事もありません。長くお付き合いさせていただければそれが1番の利益です」
ほぇ~、僕みたいな小市民と考えが違った……
逆だったぞ……すごいなぁ……
この人とは長くやっていけそうだな。
お金が葉っぱになったりはしなさそうだな。
とか見た瞬間ちょっと考えてしまった……
本当に、申し訳ねぇ……
何かひっそりお詫びしよっと……
「そうですか?ふふ♪一生懸命考えた甲斐があります!」
「うん……全方向から……」
『いや、僕の意図した”みんな”じゃなかったけど……あれはすごかったな……びっくりしたよ……』
1か月近くのダンジョン遠征はエステルのとんでも技で幕を下ろした。
あの技僕が意図したものじゃなかったけどすごかったと思う。
全方向からの射撃は使えるな。
僕も分裂とかで同じことできるかな……
「違ったのですか?」
『違ったに決まってるでしょ!?あんな技思いつかないよ!!人型要らないでしょ!?形どらなくても出来たよね!?』
「あれは……お茶目心です……。それはそうと!じゃあどういう意味です?みんなって?」
やっぱりか……
まぁそれがエステルだけどね。
『例えば……氷の双剣出しててもそれに闘気纏って飛刃は飛ばせるよね?たぶん。エステル集中するとそれぞれに特化しがちだからさ?同時にやる方法もあるんじゃない?って意味だよ。炎弾に闘気は纏えないの?意味があるのかは僕にはわかんないんだけどさ……。精霊魔法と闘気混ぜられないの?反発する?』
「……確かに。それならそうと言ってくださいよ!」
『言ったつもりだったんだよ……まぁ結果オーライだよ』
あの技はあの技でめちゃくちゃすごかった。
僕に思い浮かばない技自分で開発する方が自分の身になるしすごいもん。
それはそうとすごい接戦だった。
めちゃくちゃ心配した。
結構ズタボロだったんだよエステル。
『エステルのボス戦……本当にめちゃくちゃ我慢したよ僕……』
「ぼくも……さすがに……イライラした……」
『クラムも~!もうし~るどはろうとおもったもん~』
ほら!僕だけじゃない!!
家族がズタボロだったら心配するよな!?
みんな平然とあれ眺めてるのかと思った……
なんでバトル系のアニメってみんな周りで眺めてられるんだよ……
おかしいよ……無理でしょ……
「想像よりかなり手こずりました。ご心配おかけしました。空の速い敵があれほど強いとは……。ワイバーンで充分練習したと思ったのですが……空の敵には課題が残りましたね」
大打撃は肩切り裂かれた1発だけどずっと細かくダメージ負ってたからね。
僕に歯があったら噛みしめて全部折れそうなくらい我慢した……
は~ぁ。
うちのかわいいエステルに傷を……うう……。
我慢って辛いなぁ……
「ということで!あの階層にはまた行きたいです!あ!空の練習ですよ!?クロムさんもご一緒に!高所恐怖症克服しましょう!!」
『怖くていいっていったじゃん!?何故に!?』
「それはそれ、これはこれなんです!」
『なんでだ……もうやだ……エステル行くなら行くけど!!程々にしてよ!!』
「はい♪」
「……でも……ぼくも……疲れた」
『クラムも~。ゆっくりしたいよ~。クラムとべるけどずっとかぜつよかった~』
空階層は僕以外のみんなも疲れがかなり溜まったみたい。
普段と違う環境って体に堪えるよ……
クラムのレベルにも一旦目途が見えたので毒沼は一旦おやすみでいいって。
本当に必要経験値量増加止まってよかった。
全階層討伐を終えてからまた水エリアに転送ゲートで向かおうってことになった。
あと時間かかっていいなら他の階層も毒で埋め尽くせるしね。
その次の空エリアはクラムにとって全く困難じゃないしね。
クラム1人ならちょっと邪魔だろうけどシールド張りっぱなしで突っ切れる。
多分1人のほうがピューって上までくるよ。
それにしてもやっと終わった……
長かったなぁ……グス……
もし冒険者さんがあそこまで進める力手にしたとして……
どうするつもりなんだ……あそこに数か月いるのか?
クリアさせるつもりないにも程があるでしょ……
あ、そういえば。
グリフォンを倒してからちゃんと魔石を回収した。
今までで一番大きいの。黄緑色に発光している。
雷と風の色かな?今までで一番光りがつよいよ。
そしてたぶん……
ボスは2エリアくらい上の大きさの魔石が出ているんだと思うんだ?
これランク的に言うと81階層からの雑魚の魔石……
2等級か1等級くらいになるんじゃないのかな。
王様に聞けばわかるかな?
だいたい50階層のボスと61階層の雑魚の魔石の大きさが同じなんだよね。
同じワイバーンだったし。
ってことは……
強さも多分同じくらい?
81階層からの雑魚がグリフォンと同じくらいの強さになるんじゃないかな……
って予想。予想だよ?
あのグリフォンレベルをさくっと倒せないと90階層からはキツそうだと思うんだ。
だからみんなの意見一致で結局うちに帰ってきた。
またしんどいとこ行くかもしれないんだよ!?
満場一致でもう先見ずに帰って来た。
見ちゃったら進まないとダメになるかもしれないし。
ボス戦終わったらみんな疲れどっと来たもん。
とりあえず休みたいよ。
今日は毒沼のように眠ろう……あ、泥沼か……
あんな場所地上の生物が1か月近くもいるような場所じゃない!
『次からもあんなのかなぁ。どんどん環境ひどくなってるよね……51階層からは過半数水辺だったしボスは完全水中じゃん。で、空でしょ?次何なんだよ……』
「ですねぇ。正直階層主より環境が疲れます……」
『つぎどくかな~?どくだったらいいな~』
「……ねぇね……それは……無理」
あ、クラマの目が一層死んだ魚のように……
ほら、ちょっと負けず嫌いのクラマでも立ち向かう気すら消え失せてるじゃんか。
『クラムいけるよ~?』
『クラムしか行けないよ……いや僕もいけるけど嫌だわ……』
うん、そうなったらソフィア様ごめんね。
もう絶対無理です!!
『毒沼なら程度によっては考えるけど……毒霧エリア来たらもう諦めよ……』
「えぇ……無理です」「……うん……やだ」
『え~!クラムいきたいのに~!』
『クラムは毒好物じゃんk……
(コンコン)
「あら?どなたかお見えになりました?は~い!」
(ガチャ)
「こんにちは。王からの依頼で参りました。私王家専属の商いをしておりますラクトと申します。宜しくお願い致します」
あぁ!王様が紹介してくれるって言ってた商人さんか!
ちょうど帰ってきてよかった!
すごい………
言っていいのかわかんないけど……
恰幅のいい人だな。まんまるだ。
でも脂肪じゃないのかな?
タプタプしてそうじゃないんだよな?
種族特性みたいな感じ……?
あの特徴的な丸い耳としっぽ……
たぬき獣人さんかな?人がよさそうな方だよ?
「こんにちは?本日はどのようなご用件でしょう?」
「あ、用件前に先に。クロム様とクラム様のことも伺っておりますのでお話いただいて大丈夫です。異次元倉庫などの存在も王とスチュワード様から伺っております。気楽にしてください」
『あ、そうだった!王様に言っていいって伝えたんだよ。じゃないと取引できないからね』
「そうですね。商いをお願いするのであれば1番伝えなければならない方ですね」
『ラクトさん、今後お世話になります。恐らく大変になると思いますが、僕等家族を宜しくお願い致します』(ペコ)
「珍しいですね……クロムさんがそんな丁寧に……」
『僕等この方に今から1番お世話になるよ!?生活はこの方なく成り立たないと言っても過言ではない!僕だって礼儀くらい弁えてるって言ったっしょ!?』
「そうですね、ふふ♪初めて見る姿だったので少し驚いただけですよ」
全く……。
馴れ馴れしくしてるのはわざとだって言ったでしょーに。
まぁ……自分でも偉そうだった自覚あるからね。
王様にもお世話になってるんだけどさ……
なんかもう今更というか……
友達って言ってくれてるし……
『よろしくラクト~!』
「……よろしく」
『立ち話も何なので入って下さい。お茶と菓子でもお出ししますよ』
「それでは、お言葉に甘えまして。気を遣わないで下さいね?気楽に腹を割って話していただく方が商いがやりやすいですよ、はっはっは。」
『じゃあラクトさんも……』
・
・
・
クラマとクラムはお風呂に入った。
まぁ……つまらない話になると思うからね。
好きにしてていいよって伝えた。
ダンジョンから帰ってきて疲れも溜まってるだろうしね。
「本日は氷魔石の原料になる魔石をお持ちしたのですよ。あと、王から話をいただきましたので顔合わせに私が伺いました。今後は荷運び専用の者が伺いますので出来た氷魔石は決まった時間、決まった場所に置いておいていただければ大丈夫ですよ。その者にもクロム様とクラム様がお話できることは伝えてもよろしいですか?それ以外にエステル様やクラマ様のことも含め、です。私自身は情報を知りえた時に契約魔法で口外を縛っております。書類はこちらに」
『契約魔法!?そんなのあるのか……』
「ええ、重大な取引や……まぁ奴隷です。主人に従える奴隷には一族以外に知られてはならない秘密などを知られてしまいますから。知りえた情報は一切口外しないという条件を契約魔法にて縛られるのが一般的ですよ」
そうか……たしかに……
奴隷契約をする魔法にそういうことも含まれてるのかと思った。
そんな独立した魔法があったんだな。
『で、これが書類……』
そういって出してくれた書類には……えっと……
まだこの長い文章ぱっと解読するの時間かかるな……
と、思っているとエステルが書類を見てくれた。
「これには私達の情報と、この取引で得た秘密事項その他一切の口外を禁ずることが事細かに記されていますね。大丈夫だと思います」
助かった……
『ありがとうエステル。ちなみにエステルとクラマのことはもちろん、僕らが話せることを喋るって一般的にどうなんですかね?僕等常識に疎くて……商人さん視点で大丈夫なもんです?』
「全く大丈夫ではありません。話せる魔物は全くいない、というわけではないですよ?強い力を持つ魔物には話せるものもいます。ただ関係者以外に口外することではありません。なので配下の者ももちろん契約魔法で縛るつもりです」
うん、そうだよね。
こういうことは逐一確かめていかないとな。
周りが王とかギルマスとかだから一般人いないんだよな……
キャシーも話せる魔物はいるいってたなぁ。
知り合いにも話せる魔物はいるって。
いつか会うのかな……
そんなことは置いといてまた契約魔法使うの!?
安心だけどそんな縛っていいのかな……
奴隷って言ってたし申し訳なさすぎるんだが……
それなら荷運びの人がきても僕等黙っとく方がいいんじゃないかなぁ……
『ラクトさんはもう縛っているみたいなので何とも言えないんですが。僕等荷運びの方来たら黙っときますよ?そんな色んな人に魔法掛けていいんですかね。なんか申し訳ないというか……』
「いえいえ、私の様な商いをしている者の下にいるものは皆1つや2つ契約魔法での縛り事はあります。お気になさらないでください」
よかった……
重大なことではないんだな。
王専属って言ってるもんな。
王家の秘密とか僕が話せることなんかよりずっと重大か。
ちょっと安心か。
『では……それでそちらがいいのであればお願いします』
「ええ、むしろ魔法で縛られている方が安心なのです。そのようにさせていただきますね。さて、それでは本題に。こちらが氷魔石用の魔石になりますが、この小さい方を冷蔵用に、大きい方を冷凍用に仕立ててもらえますか?」
ほう……
確かに前僕が作ったものより小さい……
あれ、同じくらいのもないか?
それに思ってたより少ないな?
全部で50個もない?
『大丈夫です。ちなみにこれってどれくらいの等級なんですか?』
「小さな方が7等級、大きな方が6等級です」
『あれ、王様6等級使えないって言ってたんだけどなぁ』
「私が口を出させていただいたのですよ。王は一般的な流通を考えて多数出回っている8等級あたりの魔石を主にすることを考えていらしたのです。ただそこまで早く流通することはありませんし、最初はやはり新しいものというのは受け入れられがたいです。ですので階層主等を倒せば落とす可能性があるぎりぎり大きさの6等級の魔石を冷凍保存用の氷魔石にし、長持ちして効力も高いものを作っていただこうと提案致しました。最初は大手商会に無償でこちらを貸し出し一般の個人商会に見せ、流通はそれからですね」
貸し出し用か。なるほどな?
さすが専門家だ……
この人の方が物流は専門なんだろう。
王が物流を牛耳ってるわけじゃないもんな。
『ラクトさんがそういうなら僕から言うことはないですね』
「それで問題ございません。箱の中に細かいサイズやどれくらいの効力の魔石を作って欲しいかなどを記載した紙をいれてあります。また1週間ほどしたら取りに参っても?どれほどで仕上がりますでしょうか?」
効力は……4種類か………
冷蔵冷凍大小サイズね。
この量……?すぐだけど……。
魔石有り余ってるから壊れるの覚悟で試したんだけど一気にもできるんだよ。
ちょっと長く見積もって1時間って言っとくかな……
『ん?この量ならちょっと待っててもらったらできますよ?1時間ほど待てます?』
「おお、素晴らしいですね……。ただ、それなら尚のこと1週間後で大丈夫ですよ。1週間でこれが限度、ということにしておきましょう。これは配下にも口外しません。あまり軽々と作られるところを見せない方がよろしいと思いますよ?価値が下がります」
あ、そうか……ダメなのか……
そういうことが僕にはわからないんだよな……
『ありがとうございます。わかりました。でも……商人さんだったら利益たくさん出た方がいいでしょうに……どれくらいの利益率がいいとかわからないんで多めに取っておいてくださいね?』
僕等特に商いは利益目的じゃないからな……
要らないもの捨てるくらいなら……レベルなんだよ。
氷魔石に関してはお世話になってる王様へのお礼でいいんだ。
みんな食事がおいしくなったら喜ぶしね。
だから利益いっぱい取っていって欲しい。
そんなことより僕らは頼れる人少ないから満足してもらって取引続けて欲しいもん。
「あっはっは!信用というのが1番代えがたい利益なのです。それに、私はこれでも王家専属の商いをしているものですよ?もちろん商人なので儲けにはうるさいです。ただ、目先の金銭には困っていないのですよ。それよりクロム様、エステル様。もちろんここにいないクラマ様やクラム様との信頼関係の方がずっと大切ですよ?なので多く利率を取る事もありません。長くお付き合いさせていただければそれが1番の利益です」
ほぇ~、僕みたいな小市民と考えが違った……
逆だったぞ……すごいなぁ……
この人とは長くやっていけそうだな。
お金が葉っぱになったりはしなさそうだな。
とか見た瞬間ちょっと考えてしまった……
本当に、申し訳ねぇ……
何かひっそりお詫びしよっと……
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