最強のチート『不死』は理想とはかけ離れていました ~ 人と関わりたくないので史上最強の家族と引きこもりを目指したいと思います

涅夢 - くろむ

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150話 - 英雄

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 もう15分ほどは経ったか……

 お互いスピード型の対戦。
 躱しつつ掠らせつつ……
 なかなか一進一退の攻防を続けている。

 今お互いHPは3分の1くらい減っている。

 ただちょっとエステルに分が悪い……

「くっ……また飛びましたね!」トンッ!

『あ~エステル~とんじゃダメ~!』

 GYAAAAAAAAAAAAAAAAA!(バンバンバンッ)

 グリフォンが風弾を連発してくる。

「それくらいっ!」(サッサッサッ)

 シュンッ

 グリフォンの姿がまたブレた……天駆だ。
 そこからの爪の一撃がエステルを襲う……

 GYAAAAAAAAA!(ザンッ)

「ぐぅ……腕が……でもまだ上がります。大丈夫」(ストンッ)

 肩を切り裂かれてしまったようだ……。
 エステルが地上へ降りてきた。

 今のかなりダメージデカかったぞ……
 くぅ……飛び出したい……

『空中戦は分が悪いな……』

「うん……あいつ……僕よりうまいね……」

 エステルは自分自身の力で戦いたいと思う。
 だからこちら側だけで喋っている。

『そうなの?同じくらいって言ってなかった?』

「速さは同じくらい……でも……羽……重心が……」

『あぁ……体使うのがうまいってことなのか……』

「そう……反転するのが……すごい……うまい……」

 地上戦をしばらくするとエステルが縮地に慣れだした。
 それまではグリフォンの攻撃がずっと掠っていたのだが一発カウンターが入ったんだ。

「闘気掌ッ!」(バシィッ)

「芯は外しましたか……でもクラマ君より遅いですね。次は捉えます」

 GRUu……(バサァッ)

「空に逃げますか……私も飛べます!」(トンッ)

 地上では危険だと思ったのかグリフォンが飛び出したんだ。
 急に空メインになりだした……

 飛べる種族はきっとそうするんだ……
 僕でもきっとそうする。

 それからずっとグリフォンは空中戦を仕掛けている。

 エステルが空は分が悪いと降りてくる。
 するとグリフォンは降りずに空からずっと風弾を連発してくるんだ……

 だからエステルは空中へ飛び上がってしまう。
 で、近接攻撃を仕掛けられるというループになってるんだよ……

 それからエステルのHPが徐々に大きく減り出した……

 エステルの精霊をつかっての飛行は速い事は速い。
 ただ小回りが一手遅れるんだよ。

 この辺は精霊次第になるだろうからな。
 スピードが乗れば速い。

 でも瞬間的に速度を出せるものじゃないんだよ……
 エステルの弱点だ……

「落ちてきなさい!氷連弾!!」(ドンドンドンドンッ)

「ここからじゃ……当たらないですか……」

「飛燕刃ッ!!」(ザンッ)

 とても大きな闘気の刃がグリフォンを襲う……
 ここまで圧縮されていると闘気エネルギー見えるんだな。

 GYAAAAAA(シュッ)

「天駆……ですか……飛燕刃の速度じゃあたらないようですね……。私がまだ闘気での戦闘に慣れていないのもありますが……」

 GYAAAAAAAAA!!(ゴアッ)

「こんなもの!”瞬動”ッ」

 グリフォンが空から突風を吐き出してきた。
 突風というより横向きの竜巻だ……

『躱しきれない!範囲が広い!!多分それ切れるぞ!!』

「はっ!アースウォール!!」(バシィッ)

 当たる寸前で防御に変更したようだ。

「……危ないところでした。クロムさんのエアーブレイドを思い出しました」

 はぁ……自分で気付いたようだ……
 僕も同じ技使ったことあってよかった……。
 獣系はブレス技多いな……。

「あれじゃ……ダメ……」

 珍しいな……
 クラマがこんなに話すのは……

「あれ……里で……やられたことと同じ……あれじゃ……やられる」

 あ、そうか……

『風のドラゴンっていってたな……』

「そう……同じ戦い方……イライラする……」

 クラマの眼の色が……金色にたまに変化しだした。
 相当イラついているようだ……。
 里が滅びた時と同じ光景を見せられているようなもんだからな。

 でもそろそろ約束のHP3分の1だぞ……
 過ぎてもギリまで見守っていようとは思ったけど……
 このままじゃジリ貧だ……

『大丈夫だぞクラマ。エステルがやられる前に僕が飛び出すから』

『うん、ねぇねもだよ~?』

「うん……ありがと」

 そろそろ出るか……と思った時。
 エステルがちらっとこっちを見た。

「ふぅ……すこし頭に血が上っていたようです。ごめんねクラマ君。大丈夫ですよ」

 エステルがこっちに気付いたみたいだ。
 うん、それでいい。

 空中戦に付き合っちゃダメだ。
 相手の土俵で戦っては負けてしまう。

「あなたを見てるとうちのかわいい息子がイライラするようですね……」

 そう言いながら……エステルが双剣を抜いて……
 2つ一緒に両手で持った。

 え、なにすんのそれ……

「大・炎・斬ッ!!」(ゴバアァァァッ)

 とてつもない大きさの炎が双剣の鞘から飛び出し大剣を形どった。
 それをエステルが一気に振り下ろし空に居るグリフォンに襲い掛かった!
 しかも振り下ろすスピードが尋常じゃなく早い!!

 GYAAAAAAAAAAAAAAA………

 グリフォンは地面に勢いよく叩き落とされた。

 GRU……Uu……

 羽や体が焦げてるぞ!
 ってかなんだそれ!!?

「……すごい」

『おっきい~!かっこいい~!!』

『やば……もう双剣関係ないじゃん……でも……すごいなあれ……』

 重さがないから使える技だ……
 エステルなら持ち上がるかもしれないけど氷や土だと振り下ろしが遅くなりそう……

 敢えて炎選んだんだな……
 この世界ならではだ……。

 GYAAAAAAAAAAAAAAA!(シュッ)

「地面に降りるとまた縮地ですか……捉えようはあるんですよ!闇鞭ダークウィップッ!」

 エステルが闇でつくった鞭を体の周りに勢いよく振りまわした。

 バシィィィィィイイイイッ!!

 GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!

 闇の鞭が顔面にクリーンヒットしたグリフォンが地面を転がり回っている………

「……鞭……ママ……なんでもあり……」

『ひぃぃぃぃ!今スッゲー音したよ!?痛そおおお……。鞭打べんだってやばいんだぞ……』

『クラム……あれ……あたりたくないよぉ~…』

「絶対私のところに来るんですから。攻撃を合わせる必要もないです。縮地は急には止まれないでしょ?ふふ♪」

 エステルの双剣や弓でちょっと思ってたことがあるんだ……
 もう双剣の使い方も弓の使い方もしてないんだけどさ……。
 とうとう鞭まで使いだしたし……

 あの子……
 本で読んだ技片っ端から使う為に双剣選んだでしょ……

 いや……エステルのことだから……
 僕が作ったのどっちも使いたかったって理由も本当だろうけど……
 好きな技を双剣使いが使ってたから2本使いだしたんでしょ!?

 絶対そうだ!間違いない!!
 だって大剣も弓の次に好きって言ってたもん!!
 覚えてるよ僕!?

「その鞭で切っても良かったのですが……少し……試したい技がありますので」(トンッ)

 そういうとエステルは空へ飛び上がった。
 まだグリフォンは地面を転がり回ってる。

「精霊さん……お願いします」

 あれ?精霊分断させるの?

「みんな、一緒にですよ?」

 ……ん?

 そういうとフィールドの四方に精霊が飛び立った……

 何をしているんだ……精霊……
 知っている。君達が魔力コントロールがうまいことは。
 火の鳥とかつくってたもんな。

 だがしかし……
 なんでわざわざ属性で人の形をかたどる必要があるんだ。

 舞台の端に炎神、水神、氷神、闇神……
 と言っても過言ではないような姿の人の姿が全属性分現れた……

 隙間があるからきっと風神とかもいるんだろう。

『はあああああああああああああああああ』

 何をしているのですかエステルさん……
 ボールを腰当たりで抱えるような恰好をして……

 あ、手の中光った……
 は!?なんで精霊もそれぞれの属性で同じことしてんの!?

 ちょっとまって!?
 これ僕がみんな一緒にって言ったから!?

 何で君はちょっと曲解するの!?
 闘気と属性魔法を混ぜてって意味!

 一緒に使ったらって意味でみんなっていったの!!
 みんなで英雄の技やれって言ったんじゃなあああああい!!



『ちっがああああああああう!!エステル!!そうじゃなああああああああああい!!!』



「消えてしまいなさいッ!!全属性一斉砲撃マテリアルバニッシュ



 ドォォォォオオオオオオオオオオォォォォオオオオオオオオオオオオオッォオオン………



 GYAA……………



 属性魔法と闘気の奔流に巻き込まれたグリフォンは……
 一瞬で消滅した………



『「『・・・・・・・・』」』


 ・
 ・
 ・
 ・
 ・


「戻りました!どうでした!?」

『……すごかったね』

「……うん」

『かっこよかったあああああ』



 とてつもない威力だった……
 全属性分の気合い砲的な感じっすか……?
 全方位一斉砲撃っすか……

 精霊さん使える人ならではですね……
 そんなもんめちゃくちゃな威力に決まってるでしょ……



『おつかれさま……”クリーン”』

「……ママ……すごかったね」

『かっこよかったよ~エステル~!!』

「ありがとうございます♪ふふ♪」

『ちなみにそれは本で読んだ技ですか……?』

「はい♪大好きな英雄の技です!クロムさんの言う通りみんなでやりました!!」

 あ。やっぱり……。
 これ……僕のせいか………

『そっすか……かっこよかったっす。超つよいっすね……』

 もう……なにも……いわない………
 強かったもん……うん………

「でも……いい技の名前が思い浮かばないんですよねぇ……」

『あぁ……うん……マテリアルバニッシュ…………いいと思いますよ…………』

 すごかったと思います……
 僕が意図したことでは全くないんですけど……

 なんでこうなるんだ?
 エステルってすごい冷静で頭いいんだよ!?
 優しい子なの!!

 何で英雄の技のことになるとちょっとアホになるの!?

「ふふ♪もっともっと……かっこいい技考えますね♪」
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