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210話 - 普通
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急いで家に帰ってリビングに皆で座った。
王様、スチュワードさん、キャシーと話したときは本当に乱雑だった。
きっと支離滅裂だったと思う。
思っていることをそのまま吐き出したから。
怖いけど怖くない。
怖くないけど怖い……
そんな繰り返しだった。
でもそのおかげで色々気付けるものがあった。
上手く言葉がまとまらない。
でも少しずつ、ぽつりぽつりと話した。
皆それぞれ静かに聞いていた。
エステルはボロボロ涙を流しながら、
おばあちゃんは眉をしかめながら、
クラムとクラマはよくわからなそうな顔をしながら。
前世の記憶が失われつつあること。
徐々に魔物に馴染んできてしまっていること。
そのことについて……
残りわずかになってきた僕の人間の部分がきっと恐怖していること。
魔物の僕はそれを受け入れようとしていること。
「ごめんなさい……気付いて……あげられなかったです……。怖かった、ですよね……」
『逆だよ。エステルやみんなのおかげで僕は気付くことができたんだ。それに僕は本当に最近まで人を失っていることに違和感すら持ってなかった。違和感、と言うより昔の記憶が消えていくことなんて当たり前のことだからさ。だから悲しまないで。感謝しかないよ』
「……どんな姿でも、パパはパパだと思う」
『クラムも~!なにがだめかわかんない~。まものがいやなの~?クラムまものだよ~?』
『ありがとう。魔物が嫌なんじゃないよ。パパがパパで居られるかどうかが怖いんだ。変わってしまったそれも僕なんだと思うけれど……。難しいね……』
僕は魔物の姿だ。
でも心は人でありたかったんだ。
それがちゃんとわかった。
人間の心をもった僕が、僕にとっての「僕」なんだ。
『ん~?むずかしいなぁ~』
「……パパがパパじゃない……わからない」
「2人は家族のことが大好きじゃろ?」
「……うん」
『だいすきだよ~?』
「明日もし、自分が家族のことを嫌いになっていたらどうしようって考えると怖いじゃろ?」
「……悲しい」『やだ~!!』
「クロムは今そんな気持ちなんじゃ。嫌いにはならないじゃろうが少しでも気持ちが変わってしまう、と考えると恐ろしいのじゃ」
『パパクラムのこときらいになるの~?やだ~!』
「ならないよ、絶対に」
ならないと思う。
なるわけがない。
そう答えるしかない……
人の記憶をなくしてもここで過ごしてきた記憶が消えるわけじゃない。
だからそれは大丈夫なはずだ。
ただその”好き”のあり方が変わるのが怖いんだ。
表現が、難しいね……
『そうなの~?う~ん。クラムはみんなのこと好きでいてくれるパパならいいかなぁ~』
「……ぼくも」
「難儀じゃのぉ。言いたいことは伝わったが……。魔物として過ごすことが嫌なのではなく、人を失うことが怖いんじゃな」
『そういう事だね。でもこれはきっとこのままじゃ止められない』
「我は、過去の記憶は殆どないが、強烈に印象に残るようなことは覚えておるのじゃ。クロムはそれも消えておる、ということじゃろ?」
『うん……。何故かはわからないんだけどね。体の違い、前世の自分と今世の自分、ちょっと他人事のようになるのかもしれないね。おばあちゃんに乗って空を飛んでる時のことを思い返して気付いたんだ。高所恐怖症が殆ど消えてた……。怖いと思い込む心すら消えてたみたいだ……』
「自然の成り行きはどうすることもできんのぉ……」
そうなんだよね。
散々色々話したけど結局どうすることも出来ないんだよ……
先のことなんてわからないし、記憶はきっと消えていくし。
『ただ、抗ってみようと思うんだ。だから協力して欲しい』
僕の前世の記憶はとても速いスピードで消えていく。
でも、この世界の記憶は消えない。
いずれは消えるよ?
ただ、どうしようもないくらい足掻いたことは強く記憶には残るはずだ。
もし人としての心を失くすとしてもそれだけ人間に執着していた、という記憶が欲しいんだ。
「……グス。もちろんです!何をしましょうか!」
「好きにやればええのじゃ。協力は惜しまんよ」
「……わかった」『いいよ~?なにする~?』
『ありがとう。順番を話すよ。まずは……
①明日、孤児院に行ってマリアさんに話をする。
②ダンジョンの攻略を進めてしまう
「孤児院は分かりました。ただ、ダンジョンを進めるのですか?人を失わないことと何か関係が……?」
『僕は違う魔物に寄生しようと思ってる。だからスライムの姿の方が都合がいい事は終わらせておかないとダメなんだ』
『そうだね~!パパは体かえるとよわくなっちゃうの~』
「そうじゃったな。クロムはスライムになった時も少し弱っていたのじゃ」
「……そうなの?」「そうなのですか?」
エステルとクラマは僕の寄生見たことないからなぁ。
『体に慣れるまで弱体化するんだ。クラマがずっと獣で過ごしてて人の姿で動きにくくなったのと同じ。体の構成が全く知らない生物にかわるんだもん』
「……そうだね」
「確かに、それが当前ですね」
『ただ、それだけじゃない。本当にステータスがガクッと落ちるんだ。進化じゃないから。他の体を使う事になるからさ……。僕に四足歩行しろって言われても無理だ。魚の泳ぎ方なんてわからない。今の僕のステータスは僕の体に基づいてるの。だから僕、寄生すると絶対にみんなより弱くなるんだ』
さらに今回に関しては以前の寄生の時より何倍もステータスが高いんだ。
このステータスを操れる気がしないんだよ。
骨や外骨格がある生物で同じ動きが出来ると思えない。
多分折れちゃうよ……。
『これに関しては可能性の問題だけど、もしダンジョンの魔物に寄生できるなら可能性を増やしたい。だから最下層まで行っておきたいんだ。あと、ソフィア様へのお礼。これはスライムのうちにやり遂げたいの。皆と出会うきっかけくれた人だからね。寄生しても確実にダンジョン最下層まで行けるとは限らないでしょ?』
『うん~!きになってたしいいよ~!』
「……うん、問題ない」
「少しは役に立てるようになってきたのじゃ!がんばるのじゃ!」
「わかりました!ちなみに何になるのか決めているのです?100階層の階層主を狙うんですか?」
『ん~ん。そうじゃないんだ。適当に、何度も寄生する。王様やスチュワードさん、キャシーががそうしたらって教えてくれた。僕も納得したんだ。体に慣れそうになったらまた別の生物、っていう風に。目的は恐怖だから。僕にはスライムの居心地が良すぎたんだよ……』
人の記憶を失ったのが加速した大きな原因の1つがそれだ。
だから今後しばらく僕は行動不能だ。
ダンジョンを攻略できたら……
③寄生をしながら人化できる魔物を探す。
『これについて、僕は多分エデンにあまり帰れなくなると思う。エデンの皆にも事情はもちろん説明するつもりだ。ただ……考えるだけで僕に、抵抗がある……。魔物の姿で帰りたく、ない……嫌だなぁ、他の魔物に、寄生するの……あれ?』(カタカタカタカタ)
抵抗……? 嫌だ……?
こんな気持ち久しぶりかもしれない……
スライムの心を持っててもかなりの恐怖がある!
むしろスライムの心が恐怖してるんだ!!
「クロムさん!震えてます!!」
『だいじょうぶ~?』
「……無理しないで」
『いや、これでいいんだ……。抗わないとね。怖いと思ったの久しぶりだ……はは』
僕が慣れたのは魔物で居ることじゃない!
スライム限定なんだ!
『クラムってさ?例えば……オークに進化したい?』
『パパがなるなら~、う~ん……かわいくない~!やっぱりいや~!ぜったいやだ~!パパ~、かわいいのにして~?』
『そうだよね!?嫌だよね!それなら人になりたいッ!!』
『うん~。クラム人きらいだったけど~、エステルもクラマも人だし今はなってもいいかなぁ~。およ~ふくきてみたい~』
『僕、魔物嫌だ!クラム、嘘ついてごめん!なんでもよくない!!』
『え~?クラムもなんでもはいやだよ~?ふつうでしょ~?』
『普通だ!これが普通なんだ!やっと普通に出会えたっ!あっははははは』
別の魔物になるくらいなら人になりたいって気持ちが上回る!
……怖いのが嬉しいって変な感じだ。
頭ではやるべきだと思ってる。
スライムの心が絶対に嫌だって拒否してるんだ!
「そこまで恐怖感があるなら効果てきめんかもしれんの?心配になるが……」
『ずっとマシ!怖いはずなのに怖くない気持ち悪さより、当たり前に怖がってる今の方がずっと安心するよ!』
これ絶対効果的だ!
むしろ人になりたいって気持ちが戻るかもしれない!
もし人化が気持ちきっかけなら……
これが1番効果があるはずだ!!
ただ、想像の何倍も恐怖感が強い……
スライムに気持ちが覆いつくされないうちに早くしないと……
『どれくらいの期間そうしているのかわからないんだ。多大な迷惑をかけると思うよ……。本当にいい?』
「……うん。……迷惑なんかどうでもいい」
「怪我したら治してやるのじゃ。ゆっくり練習すればええのじゃ」
『ん~?クラムがまもるよ~?だいじょうぶ~!』
「いいに決まってます!クロムさんが強いから一緒に居るのではありません!もっと頼ってください!」
『……姿が色々変わって気持ち悪くない?』
「……興味ない」
「興味ないのじゃ?」
『きょうみない~!』
「ふふ、興味ないです♪」
「……真似?」
「その一言に尽きるのじゃ」
『パパがパパならいい~』
「本当にそれしかありません!」
その後、他にも考えられるだけの皆への迷惑を話した。
食事は頼りきりになってしまうかもしれないこと。
皆の様子を見に行けなくなるかもしれないこと。
些細なことまで色々だ。
でも、みんな興味ないの一点張りだった。
エデンの様子は転移魔石でチラホラ見に帰れるし、
ずっと一緒に付いてきてくれるって。
・
・
・
『そっか……。じゃあ付き合ってもらう!ありがとう。お礼は必ずするから……』
「もう沢山貰いました!お返しする番ですよ?」
「……そうだね。……やっと、返せる」
『いらないよ~?クラムがパパといっしょにいたいんだもん~』
「そうじゃの。クロムの好きにすればいいのじゃ!」
家族って素敵だな……。
本当にみんなありがとう。
絶対僕は……このままの僕で居られるようにするからね。
『わかった!じゃあ明日から少し急ぐ!みんな頼んだ!』
王様、スチュワードさん、キャシーと話したときは本当に乱雑だった。
きっと支離滅裂だったと思う。
思っていることをそのまま吐き出したから。
怖いけど怖くない。
怖くないけど怖い……
そんな繰り返しだった。
でもそのおかげで色々気付けるものがあった。
上手く言葉がまとまらない。
でも少しずつ、ぽつりぽつりと話した。
皆それぞれ静かに聞いていた。
エステルはボロボロ涙を流しながら、
おばあちゃんは眉をしかめながら、
クラムとクラマはよくわからなそうな顔をしながら。
前世の記憶が失われつつあること。
徐々に魔物に馴染んできてしまっていること。
そのことについて……
残りわずかになってきた僕の人間の部分がきっと恐怖していること。
魔物の僕はそれを受け入れようとしていること。
「ごめんなさい……気付いて……あげられなかったです……。怖かった、ですよね……」
『逆だよ。エステルやみんなのおかげで僕は気付くことができたんだ。それに僕は本当に最近まで人を失っていることに違和感すら持ってなかった。違和感、と言うより昔の記憶が消えていくことなんて当たり前のことだからさ。だから悲しまないで。感謝しかないよ』
「……どんな姿でも、パパはパパだと思う」
『クラムも~!なにがだめかわかんない~。まものがいやなの~?クラムまものだよ~?』
『ありがとう。魔物が嫌なんじゃないよ。パパがパパで居られるかどうかが怖いんだ。変わってしまったそれも僕なんだと思うけれど……。難しいね……』
僕は魔物の姿だ。
でも心は人でありたかったんだ。
それがちゃんとわかった。
人間の心をもった僕が、僕にとっての「僕」なんだ。
『ん~?むずかしいなぁ~』
「……パパがパパじゃない……わからない」
「2人は家族のことが大好きじゃろ?」
「……うん」
『だいすきだよ~?』
「明日もし、自分が家族のことを嫌いになっていたらどうしようって考えると怖いじゃろ?」
「……悲しい」『やだ~!!』
「クロムは今そんな気持ちなんじゃ。嫌いにはならないじゃろうが少しでも気持ちが変わってしまう、と考えると恐ろしいのじゃ」
『パパクラムのこときらいになるの~?やだ~!』
「ならないよ、絶対に」
ならないと思う。
なるわけがない。
そう答えるしかない……
人の記憶をなくしてもここで過ごしてきた記憶が消えるわけじゃない。
だからそれは大丈夫なはずだ。
ただその”好き”のあり方が変わるのが怖いんだ。
表現が、難しいね……
『そうなの~?う~ん。クラムはみんなのこと好きでいてくれるパパならいいかなぁ~』
「……ぼくも」
「難儀じゃのぉ。言いたいことは伝わったが……。魔物として過ごすことが嫌なのではなく、人を失うことが怖いんじゃな」
『そういう事だね。でもこれはきっとこのままじゃ止められない』
「我は、過去の記憶は殆どないが、強烈に印象に残るようなことは覚えておるのじゃ。クロムはそれも消えておる、ということじゃろ?」
『うん……。何故かはわからないんだけどね。体の違い、前世の自分と今世の自分、ちょっと他人事のようになるのかもしれないね。おばあちゃんに乗って空を飛んでる時のことを思い返して気付いたんだ。高所恐怖症が殆ど消えてた……。怖いと思い込む心すら消えてたみたいだ……』
「自然の成り行きはどうすることもできんのぉ……」
そうなんだよね。
散々色々話したけど結局どうすることも出来ないんだよ……
先のことなんてわからないし、記憶はきっと消えていくし。
『ただ、抗ってみようと思うんだ。だから協力して欲しい』
僕の前世の記憶はとても速いスピードで消えていく。
でも、この世界の記憶は消えない。
いずれは消えるよ?
ただ、どうしようもないくらい足掻いたことは強く記憶には残るはずだ。
もし人としての心を失くすとしてもそれだけ人間に執着していた、という記憶が欲しいんだ。
「……グス。もちろんです!何をしましょうか!」
「好きにやればええのじゃ。協力は惜しまんよ」
「……わかった」『いいよ~?なにする~?』
『ありがとう。順番を話すよ。まずは……
①明日、孤児院に行ってマリアさんに話をする。
②ダンジョンの攻略を進めてしまう
「孤児院は分かりました。ただ、ダンジョンを進めるのですか?人を失わないことと何か関係が……?」
『僕は違う魔物に寄生しようと思ってる。だからスライムの姿の方が都合がいい事は終わらせておかないとダメなんだ』
『そうだね~!パパは体かえるとよわくなっちゃうの~』
「そうじゃったな。クロムはスライムになった時も少し弱っていたのじゃ」
「……そうなの?」「そうなのですか?」
エステルとクラマは僕の寄生見たことないからなぁ。
『体に慣れるまで弱体化するんだ。クラマがずっと獣で過ごしてて人の姿で動きにくくなったのと同じ。体の構成が全く知らない生物にかわるんだもん』
「……そうだね」
「確かに、それが当前ですね」
『ただ、それだけじゃない。本当にステータスがガクッと落ちるんだ。進化じゃないから。他の体を使う事になるからさ……。僕に四足歩行しろって言われても無理だ。魚の泳ぎ方なんてわからない。今の僕のステータスは僕の体に基づいてるの。だから僕、寄生すると絶対にみんなより弱くなるんだ』
さらに今回に関しては以前の寄生の時より何倍もステータスが高いんだ。
このステータスを操れる気がしないんだよ。
骨や外骨格がある生物で同じ動きが出来ると思えない。
多分折れちゃうよ……。
『これに関しては可能性の問題だけど、もしダンジョンの魔物に寄生できるなら可能性を増やしたい。だから最下層まで行っておきたいんだ。あと、ソフィア様へのお礼。これはスライムのうちにやり遂げたいの。皆と出会うきっかけくれた人だからね。寄生しても確実にダンジョン最下層まで行けるとは限らないでしょ?』
『うん~!きになってたしいいよ~!』
「……うん、問題ない」
「少しは役に立てるようになってきたのじゃ!がんばるのじゃ!」
「わかりました!ちなみに何になるのか決めているのです?100階層の階層主を狙うんですか?」
『ん~ん。そうじゃないんだ。適当に、何度も寄生する。王様やスチュワードさん、キャシーががそうしたらって教えてくれた。僕も納得したんだ。体に慣れそうになったらまた別の生物、っていう風に。目的は恐怖だから。僕にはスライムの居心地が良すぎたんだよ……』
人の記憶を失ったのが加速した大きな原因の1つがそれだ。
だから今後しばらく僕は行動不能だ。
ダンジョンを攻略できたら……
③寄生をしながら人化できる魔物を探す。
『これについて、僕は多分エデンにあまり帰れなくなると思う。エデンの皆にも事情はもちろん説明するつもりだ。ただ……考えるだけで僕に、抵抗がある……。魔物の姿で帰りたく、ない……嫌だなぁ、他の魔物に、寄生するの……あれ?』(カタカタカタカタ)
抵抗……? 嫌だ……?
こんな気持ち久しぶりかもしれない……
スライムの心を持っててもかなりの恐怖がある!
むしろスライムの心が恐怖してるんだ!!
「クロムさん!震えてます!!」
『だいじょうぶ~?』
「……無理しないで」
『いや、これでいいんだ……。抗わないとね。怖いと思ったの久しぶりだ……はは』
僕が慣れたのは魔物で居ることじゃない!
スライム限定なんだ!
『クラムってさ?例えば……オークに進化したい?』
『パパがなるなら~、う~ん……かわいくない~!やっぱりいや~!ぜったいやだ~!パパ~、かわいいのにして~?』
『そうだよね!?嫌だよね!それなら人になりたいッ!!』
『うん~。クラム人きらいだったけど~、エステルもクラマも人だし今はなってもいいかなぁ~。およ~ふくきてみたい~』
『僕、魔物嫌だ!クラム、嘘ついてごめん!なんでもよくない!!』
『え~?クラムもなんでもはいやだよ~?ふつうでしょ~?』
『普通だ!これが普通なんだ!やっと普通に出会えたっ!あっははははは』
別の魔物になるくらいなら人になりたいって気持ちが上回る!
……怖いのが嬉しいって変な感じだ。
頭ではやるべきだと思ってる。
スライムの心が絶対に嫌だって拒否してるんだ!
「そこまで恐怖感があるなら効果てきめんかもしれんの?心配になるが……」
『ずっとマシ!怖いはずなのに怖くない気持ち悪さより、当たり前に怖がってる今の方がずっと安心するよ!』
これ絶対効果的だ!
むしろ人になりたいって気持ちが戻るかもしれない!
もし人化が気持ちきっかけなら……
これが1番効果があるはずだ!!
ただ、想像の何倍も恐怖感が強い……
スライムに気持ちが覆いつくされないうちに早くしないと……
『どれくらいの期間そうしているのかわからないんだ。多大な迷惑をかけると思うよ……。本当にいい?』
「……うん。……迷惑なんかどうでもいい」
「怪我したら治してやるのじゃ。ゆっくり練習すればええのじゃ」
『ん~?クラムがまもるよ~?だいじょうぶ~!』
「いいに決まってます!クロムさんが強いから一緒に居るのではありません!もっと頼ってください!」
『……姿が色々変わって気持ち悪くない?』
「……興味ない」
「興味ないのじゃ?」
『きょうみない~!』
「ふふ、興味ないです♪」
「……真似?」
「その一言に尽きるのじゃ」
『パパがパパならいい~』
「本当にそれしかありません!」
その後、他にも考えられるだけの皆への迷惑を話した。
食事は頼りきりになってしまうかもしれないこと。
皆の様子を見に行けなくなるかもしれないこと。
些細なことまで色々だ。
でも、みんな興味ないの一点張りだった。
エデンの様子は転移魔石でチラホラ見に帰れるし、
ずっと一緒に付いてきてくれるって。
・
・
・
『そっか……。じゃあ付き合ってもらう!ありがとう。お礼は必ずするから……』
「もう沢山貰いました!お返しする番ですよ?」
「……そうだね。……やっと、返せる」
『いらないよ~?クラムがパパといっしょにいたいんだもん~』
「そうじゃの。クロムの好きにすればいいのじゃ!」
家族って素敵だな……。
本当にみんなありがとう。
絶対僕は……このままの僕で居られるようにするからね。
『わかった!じゃあ明日から少し急ぐ!みんな頼んだ!』
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これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
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