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227話 - くりすます
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「私もクロムさん大好きです~!ふふ♪」(スリスリ)
『…………………』
ずっとエステルに抱かれて頬をスリスリされている。
これはどんな羞恥プレイなんだ……。
面と向かって好きって言う事に抵抗は無い。
好きなの?って他人に聞かれたら好きって全然言える。
幼い頃に
「え~お前あいつのこと好きなの~?」
と、からかわれても
「好きだけど何?」
って僕は言えるタイプだ。
僕は僕の好きな人を好きになったことに誇りを持っている。
何も恥ずかしがることなんてない。
堂々と好きな人のことを自慢するタイプだ。
まぁ修学旅行とか行ったことないしそんなシチュエーションの経験はしたことないんだが。
……だがしかし。
他の人に言ってるところ本人に聞かれるって体験はしたことねぇわ!!
くぅ……。
僕のわずかに残った人間の知能が凄い羞恥を訴えかけてきている気がする……
「……嘘だったんですか?グス」
『嘘じゃないの!恥ずかしいの!!』
「私の事を好きな事は恥ずかしいのです?グス」
『ちがああうっ!なんでそうなるの!?僕はエステルが大好きな事は誇らしいと思ってるよ!エステル以外好きにならない!そもそも人の体を持ったところで僕は恋愛にそんなに積極的ではないの!エステルだから好きなの!わかった!?』
「それなら大丈夫です♪ふふふふふ」(スリスリ)
……………。
ふふふがいつもより多い。
ま、まぁ満足してもらえたならいいか。
そんなこんなで家に帰ってきた。
まだ明け方にもなってないな。
今日から年明けまでは休もう。
もうソフィア様に話かけるのに問題は無いってわかったしね。
一旦寄生への準備は整った。
スライム生最後の休日を謳歌しようと思う。
・
・
・
2日後の夜。
子供達が眠くならないように19時くらい。
場所は孤児院の庭だ。
いつの間にかクラムが地球にあるような遊具をたくさん作っていた。
色とりどりの花が咲いた花壇があってとてもきれいな校庭みたいな感じになっている。
遊び道具を格納する倉庫なども作ってあり幼稚園みたいになってた。
子供達もとても元気そうだ。
その庭にテーブルを並べ料理を沢山置いている。
みんな既に食べ始めているけれどね。
もちろんケーキも作った。
僕とクラム。
マリアさんとエルノアママとスチュワードさんは昼から孤児院に居た。
ミルクから魔法で脂肪分を遠心隔離して泡立てて生クリームを作った。
やりすぎて大量のバターが出来た……。
加減が難しい……。
そしてエルノアママに協力してもらってスポンジケーキ作ったの。
エルノアママはスポンジケーキ作りめちゃくちゃ上手だった。
薄力粉がいるはずなんだけれど、僕薄力粉の作り方なんか知らなかったんだよ。
だからホットケーキ作ろうと思ってたんだけどね。
エルノアママが薄力粉を持ってきてくれたの。
ハイエルフさん達はもともと小麦っぽい植物を色んな挽き方して置いてあるんだって。
パンくらいしかまともに食べられるものがなかったからとのことだ……くっ。
本来はこの粉で食感の違うパンを作っているんだそうだ。
まぁそれはそれとして、植物製品はもうハイエルフさんにお任せだね。
大量の砂糖と卵を泡立てて薄力粉っぽいやついれて……
溶かした牛乳とバターを混ぜて……
僕が作った型に入れて釜で焼く。
ハイエルフさん達には砂糖を使うって文化が無かっただけの話だ。
小麦系はお手の物だよ。
砂糖を入れてふんわり焼いてって言ったらささっと作ってくれた。
300年のベテランさんだもんね。
僕が言うまでもなかったね。
エルノアママは料理スキルカンストしてるよ?
スチュワードさんとマリアさんが作業の手際の良さに見惚れていた。
ママは強しだ!
僕が氷魔法で冷やしながら作ったホイップクリーム&
クラムが刻んでたフルーツを焼けたスポンジケーキを切って挟んでおしまい。
今後は孤児院やスチュワードさんの店でも作られるかもしれない。
だから2人ともちょっと早く呼んで一緒に作ったんだよね。
ハイエルフさん達には砂糖を使う文化が無いの。
獣人国メンツには乳製品を扱う文化があまりない。
ケーキって意外とないみたいなんだ。
またプリンでも作ろっかな。
え?何で作れるのって?
僕ずっと家にいるしかなかったから料理はある程度つくれるんだい!
まぁでも主婦の方やお店の方には勝てないよねぇ。
レシピ知ってるだけって感じだよ。
で、夜になって、エルンさんがハイエルフさん達皆に声をかけてくれた。
皆孤児院に集まっている。
パーティーやるからって言えば簡単に集まってくれるんだ。
よし、”拡声”ッ!
『注目!さて、今日はクリスマスです!これから12月4週目の光の日をクリスマスと定めます!』
今日は12月4週目の光の日。
来週の光の日が年末だ。
今日この日をクリスマスと定めようと思う。
僕がそう決めた!
この世界あんまり○○日みたいな概念薄いみたいなんだよね。
〇月〇週目の火の日、みたいな感じでみんな動いているみたい。
12月25日は特別な日、みたいな覚え方は難しいそうだ。
「くりすますってなんだい?祝い事は歓迎なんだけれどね?」
いい質問だね。
クリスマスとは!
クリスマスとは……
『え、っと……前世の偉い人の誕生日……、だっけ……。でもちがうんだっけ……』
クリスマスってなんだっけ?
キリストの誕生祭だっけ?
でもサンタクロースはニコラウスさんなんだっけ?
「その方の誕生日を祝う日なのかい?」
『たぶん……?』
そういえばあんまり具体的に考えてなかった。
楽しい日は沢山あればいいと思って始めただけだし。
「なんかしっくりこないなぁ。僕等そもそも誕生日を祝うこともしないからね?その僕たちが、君の前世の知らない人の誕生日を祝う日を作るのかい?」
「そうじゃのぉ。我は自分の誕生月すら覚えておらんぞ……」
正論パンチッ!
いえ、本当にそうですね……
ハイエルフさん達&おばあちゃんの長寿組が料理を食べながら首をかしげている。
そして、子供達は全く僕の話に耳を傾けずに料理にパクついている。
それをマリアさんがあたふたしながら見て居る。
全然気にしなくていいよ?
好きに楽しめばいいのだ。
「私も全くしっくりきませんね……。それならクロムさんの誕生日を祝う方がいいです!」
『却下で!僕の誕生月は6月らしいので!』
僕は誕生日はゆっくり過ごしたい派だ。
僕の誕生日パーティーとか要らんのだ。
「僕等自分の誕生日すら忘れるよ?祝い事を作るのには大賛成なんだけどさ?せめてもっとしっくりくる方がいいなぁ。そのうち忘れちゃうと思うんだよね?それにくりすますって何か特別な事をする日なのかい?」
うん、忘れそう。
自分の誕生日覚えてない種族に他人の誕生日祝う習慣を持たせるのは無理だ。
『まぁ僕的には騒げればいいだけなんだけどね……』
……ふむ。
大人組狙って念話で伝えるか。
『子供達に夜中ひっそりプレゼントを渡したりする日なの。今年は急に言ったから来年からでいいと思うけどね?とりあえず孤児院の子供達に僕がプレゼント用意したの。あとは恋人がデートしたりとか、友達同士が年1回パーティーする日なんだ』
『デートの日なのですか!?素敵です!』
『そうかなぁ?恋人がいる子達も僕等の中には少ないし……。子供の日ってしちゃう方が僕等にはしっくりくるかもね?』
『そうじゃの?我もそう思うのじゃ』
『いや、別に大人もプレゼント交換してもいいんだよ……?』
この世界の人にクリスマスの概念を伝えるのめちゃくちゃ難しいぞ!?
長寿組って恋愛の優先度すごく低めだもんねぇ。
エステルは飛びついているけれども……。
『ハイエルフの解放記念日にでもしたらどうよ?それかエデンの創立祭とかの方がいいんじゃねぇの?』
『創立記念かぁ……。確かにその方がいいかもしれないね?』
王様がワインを飲みながら歩いてきた。
ちなみにここのメンバーは魔力使える人なら直ぐ念話はマスターしている。
王様やリトさんにも教えたんだ。
今日は王様とリトさんとスチュワードさんがいるんだ。
でもリトさんはちょっと体調悪くて寝てるんだって。
大丈夫かな?
後で回復しにいこうかって言ったんだけど拒否されたの。
まぁポーション渡しとくか。
スチュワードさんは孤児院の中で料理の方面を手伝ってくれている。
あ、もちろんラクトさんはいるよ?
キャシーは忙しいみたいだった。
王様夫妻ってなんだかんだエデン来るよな?
キャシーと滞在率結局一緒だぞ?
国大丈夫なん?
夜抜けれるようにリトさんと上手い事やってるらしいけどさ。
まぁその辺は任せておこう。
『それなら絶対に忘れないよ!あんなに幸せな日もう二度とない!エデンの創立とハイエルフの解放、子供達によい未来を過ごしてもらえるように願い、贈り物をする日とかでいいんじゃないかな?』
『素敵ですね!それなら私もきっと忘れません!』
おお、ハイエルフさん達皆が頷いている。
やるな王様。
さすが王様。
『んじゃ、まぁそれでいいかな?それなら日も今日じゃなくていいけどね?』
『それは別にこじつけでいいんじゃね?王都にも建国祭はあるが、実際その日に建国されたかどうかなんか誰もしらねぇぞ。近場の覚えやすい日にするんだよ。まぁ光の日か闇の日が多いな』
『そんなもんなの?』
『記念日なんかこの世界ではそんなもんが多いな。日時把握してるやつも少ねぇしな?』
確かに、この世界で苦労してる人いちいち日時とか覚えてなさそうだ。
識字率も低いしね。
実際エデン創立した日を遡れば多分10月とかだっけかな。
でも年末1週間前!とかの方が覚えやすいみたい。
それならそれでいっか。
・
・
・
『はーい。じゃあクラムから孤児院のみんなにプレゼントー!』
『パパもつくったよ~?』
『パパ作ってなくない?』
わーい! 石~?
なに~? 神からの贈り物……。
変な奴いたな今!?
クリスマスプレゼントだから秘密にしようと思ってたんだけどさ。
今日のプレゼントは秘密にすると遊び方わかんないんだよね。
だから僕らからは大っぴらでいいや。
今回、孤児院の子供達の為に作ったのはリバーシと囲碁。
どっちも10台ずつだね。
こんなに要らなかったかもしれないけれど。
囲碁は石を囲って陣地を増やすってルールだけど五目並べとかもできるじゃん?
リバーシは言わずもがなだよね。
簡単だ。定番だね。
どうやらボードゲームの類って少なくとも獣人国にはないみたいなんだよ。
だからこれが一番いいかなと思ったってわけ。
本来、僕とクラムで作ろうと思ったんだよ?
でもさ……?
『えっと……囲碁はリバーシと同じ感じで線が19本かな?』
『わかった~!』
バババババババババババババババッ……
一瞬だ……。
『で、表と裏が白と黒の丸い石がリバーシ台1つに付き64個……なんだけど失くしちゃうと思うし多めにつくっとけば……』
『ほ~い』
ポトポトポトポトポトポトポトポトポトポト……
『囲碁は黒い石が181個と白い石が180』
ポトポトポトポトポトポトポトポトポトポト……
『かんたんだね~?これだけ~?』
制作時間は5分だった。
クラムがもっと凝りたいってことで石に色々掘り出してたくらいだ……
リバーシは緑の石の台に黒い石で線が埋め込んである。
囲碁は花崗岩のようなピンクっぽいの台に黒の線。
リバーシは前僕が暗黒大陸階層で暇なときにパッと作ったからクラムも作り方は分かってたんだ。
石工系は一瞬で作っちゃうなこの子は。
僕等って無から石作ってるから白と黒の石を作って接合とかしなくていいんだよ。
そう思えばそう作れちゃう。
家や神像作ってる子には難易度低すぎたよね。
ということで僕の出番はなかったって感じだ。
トランプも考えたんだけどさ?
製紙技術が発展していないから紙に特徴が出ちゃうの。
それ覚えちゃうと裏の柄わかっちゃうんだよね。
要するに簡単にズルできちゃうんだ。
だから一旦却下だ。
そのうち作りたいなとは思う。
あと僕は麻雀とチェスと将棋は作れるかな?
でもルール覚える難易度が高いじゃん?
将棋と麻雀に至っては駒に何の文字書けばいいんだってのもある。
ちょっと僕が考えるのに時間かかりそうだ。
だから簡単に遊べそうなリバーシと囲碁にしたって訳。
それが人気なら他のも作ってあげようかなって感じだね。
あとはラクト商店で大小色々ある革製のボールを10個買ってきた。
もうこの辺りは子供達の注文があって仕入れていたみたいだ。
で、クラムとバスケットゴールとサッカーゴール作った。
これも石製だ。
簡単だったね。
ルールは後で教えてあげよう。
これで室内で遊びたい子も屋外で遊びたい子もばっちりだ。
『リバーシはルールすごく簡単だよ?挟んでひっくり返すだけ。こっちの囲碁って言うのは五目並べしてみるといいと思う。交互に石おいて5個並べたら勝ちね?これ飽きたらもう少し難しい遊び方教えるから教えてね?』
「「「「「はーい!!」」」」」
おお、みんな飛びついて部屋に持って行った。
薄目に丈夫に作ってるからそんな重くもないんだ。
クラムが作ってくれた後に僕がやすりで角を丸めてあげた。
子供用だし安全にね。
僕の仕事はそれくらいだったね。
皆も教えるのについて行ってくれたみたいだな。
ちなみにリバーシのうちの戦績は……
クラム = クラマ > おばあちゃん > 僕 >エステル
って感じ。
子供組が強いの。
クラムは空間把握能力が凄いのかな?
全然勝てないの。
いつの間にか負けてる感じ。
クラマは戦略的な事が得意なのかもね?
詰められて負ける感じがする。
この子勉強苦手じゃん?
勉強と頭の良さって全然関係ないよね。
興味って大事だよ。
意外とボードゲーム1番好きなのがクラマだったりするんだよねぇ。
おばあちゃんは純粋にうまいなぁって感じ。
誰と戦ってもいい勝負するんだ。
ちなみに僕は苦手でもないし得意でもないってくらいだよ。
エステルは……
期待を裏切らないでくれてありがとうって感じだ。
見え見えの手に引っかかるからちょっと突っ込みたくなる。
いいとおもう。
君は君のままで居て欲しい。
「クロムさん!これは販売許可をいただけますでしょうか!」
『あ、やっぱそうなる?これ売れるの?』
「はい!絶対に売れると確信できます!木で作れば素材費もほぼかからずとても流通させやすい遊具ですな!」
『いいけどさ……、僕はもう利権いらないよ?』
「その辺りは私が上手くやっておりますのでご心配いりませんな!また何か金銭でお困りのことがございましたらご相談ください!」
上手くやってるってなんかちょっと怖いなぁ……。
金銭的に困ったら相談すればいいの?
まぁ、ありがたいけれどさ。
持ちすぎてて困る相談は誰か乗ってくれないだろうか……。
あんまりお金保有するのもよろしくないじゃん?
回した方が経済的にいいよなぁって思うんだけど回し方がわかんないんだよなぁ。
『あ!一個注文していい?』
「ええ、もちろんです」
『庶民に販売可能なものも売って欲しい!貴族用とかは勝手に作っていいからさ?木の板に線引くだけでしょ?駒は紙でも木片でも何でも代用できるでしょ?。地面に線書いても出来るくらいの遊びだからさ。だから高級なもの作る事より貧しい人が遊べることを優先に広めて欲しいな』
「あっはっは!クロムさんらしいですな!かしこまりました」
それなら問題ないな。
『他にも作れるのあるし、いい感じに回りそうだったらまた教えてよ』
「他にもあるのですか!楽しみですなぁ」
僕としても闘技大会とかより庶民が気軽に参加できる平和な大会とかが開かれるといいなって思う。
それはずっと思ってたんだ。
この世界娯楽が少なすぎるよ。
そうだ!
そのうち僕がお金出して大会とか開いてあげればいいかなぁ?
そうすれば皆楽しめるかもしれない。
『もし、こういった遊びが流行ったら僕が金銭面は支援するから大会開こうよ。というか僕への利権に携わる金銭はその大会の為に置いておいてよ。ってか置いてるでしょきっと。勝手に大会開いていいよ。もちろん名前は伏せてね?』
「なるほど!ふふふ、もちろん。クロムさんからいただいた商品の権利収入などはしっかり保管しております。それを使うという事ですね?よいですな!とても大きな経済効果を生みそうです!あっはっは!」
やっぱりね。
ラクトさんそういうところキチンとしてる人なんだよ。
きっとジャムとかの稼ぎもどこかに置いてるんだろうなって思ってたよ。
それなら国側に使ってもらって回してもらった方がいいな。
こういった娯楽を広めていくことで領土争いとかに興味なくなるかもしれないしね。
娯楽の方面は率先してアイディア出してみようかなぁ。
その後、子供たちが寝静まっても結局パーティーは続いていた。
みんな楽しむ事が好きだからね。
むしろ大人たちの方がボードゲームに熱中していたくらいだ。
「これは軍の訓練にもなるんじゃねぇか?」
「えぇ、戦略的な事を日常的に考える癖をつけるのは良いことです」
「頭の体操にいいですな。仕事前に一戦する習慣をつければ効率が上がりそうです」
『そこのおっさん3人!娯楽なの!直ぐ仕事に持っていくんじゃありません!!』
「お、おぉ。すまねぇ、つい癖でよ」
「えぇ、いけませんね。気を抜くところはしっかり抜かなくては」
「いけませんなぁ、あっはっは。まぁ私はこれが趣味ですから」
まったく。
でもそれだけ普段力張ってるってことだな。
ここに来た時は完全に休日を満喫して欲しいもんだ。
大人たちにはちゃんと囲碁のルールも伝えたので今後子供にも教えてくれるだろうと思う。
今後僕達のクリスマスはエデン創立記念祭って事になった。
クリスマスはこの世界には当てはまらなかったみたい。
でもいいんだ。
今年は本当に色々あった。
ハイエルフさんと孤児院の皆。
そろって年末を迎えられてよかったな。
皆にはこれからは楽しむって気持ちをずっと忘れないで居て欲しいな。
・
・
・
チュンチュン……
ドタドタドタドタ……
『パパー!ミスリルのおさいほうせっと~!ありがと~!!』
「ミスリルの解体ナイフ……。貰っていいの?」
「ココにもくれるの?!綺麗な包丁だ~!クロムくんありがと~!」
『………………』
昨日はココちゃんにも泊まってもらったんだ。
この子も我が家の住人だからね。
うちのメイドさんって感じだ。
もちろんうちの子たちにもプレゼントは忘れていない。
金属加工ならクラムにも負けないんだ。
装飾が入ってくるとどうしてもクラムの出番になっちゃうんだけどね。
クラムには針とかはさみとか色々入った裁縫セット。
固い皮の加工もサクサク出来るはずだ。
こっちの裁縫道具って質があまりよくなくて結局クラムはほぼ魔法を使って裁縫してる。
これなら魔法使わなくてもいいでしょ。
クラマには解体ナイフ。
クラマは解体好きで我が家の魔物の解体も大体頼んでいる。
今まではその辺にある鉄製のナイフでやってたんだ。
これでもっと美味しいお肉を切り分けて欲しい。
ココちゃんにもミスリルの包丁……
とは思ったんだけど危ない。
まな板まで切れちゃう。
野菜や加工後の肉切るのにミスリルはね……。
ってことで地球の万能包丁の形をした包丁とフルーツナイフを作ってセットにして送った。
こっちの世界の包丁ちょっと物々しいんだよね。
鉈みたいな形してるの。
困ってはなさそうだけどそっちの方が使いやすそうだよね。
もちろん全部に硬化を付与しているよ?
何で一瞬でバレたんだ……。
昨日夜中にひっそりみんなが寝ている枕元に置いていたはずなのに……。
超魔力消したよ?
本気で隠密使ったよ?
『パパじゃないの!知らんおっさんがいい子の3人にプレゼント置いて行ってくれたの!!』
「知らない人からのおくり物はこわいなぁ……」
『こんなのつくれるのパパしかいないよ~?』
「……他人が家に忍び込んだら気付く。気付かないならパパ」
『………………』
「無理があるじゃろ……」
「えぇ、クロムさんからでいいと思いますよ、ふふ♪」
……くっ。
『パパからです……』
どうやら異世界にサンタクロースの居場所は無かったみたいだ。
『…………………』
ずっとエステルに抱かれて頬をスリスリされている。
これはどんな羞恥プレイなんだ……。
面と向かって好きって言う事に抵抗は無い。
好きなの?って他人に聞かれたら好きって全然言える。
幼い頃に
「え~お前あいつのこと好きなの~?」
と、からかわれても
「好きだけど何?」
って僕は言えるタイプだ。
僕は僕の好きな人を好きになったことに誇りを持っている。
何も恥ずかしがることなんてない。
堂々と好きな人のことを自慢するタイプだ。
まぁ修学旅行とか行ったことないしそんなシチュエーションの経験はしたことないんだが。
……だがしかし。
他の人に言ってるところ本人に聞かれるって体験はしたことねぇわ!!
くぅ……。
僕のわずかに残った人間の知能が凄い羞恥を訴えかけてきている気がする……
「……嘘だったんですか?グス」
『嘘じゃないの!恥ずかしいの!!』
「私の事を好きな事は恥ずかしいのです?グス」
『ちがああうっ!なんでそうなるの!?僕はエステルが大好きな事は誇らしいと思ってるよ!エステル以外好きにならない!そもそも人の体を持ったところで僕は恋愛にそんなに積極的ではないの!エステルだから好きなの!わかった!?』
「それなら大丈夫です♪ふふふふふ」(スリスリ)
……………。
ふふふがいつもより多い。
ま、まぁ満足してもらえたならいいか。
そんなこんなで家に帰ってきた。
まだ明け方にもなってないな。
今日から年明けまでは休もう。
もうソフィア様に話かけるのに問題は無いってわかったしね。
一旦寄生への準備は整った。
スライム生最後の休日を謳歌しようと思う。
・
・
・
2日後の夜。
子供達が眠くならないように19時くらい。
場所は孤児院の庭だ。
いつの間にかクラムが地球にあるような遊具をたくさん作っていた。
色とりどりの花が咲いた花壇があってとてもきれいな校庭みたいな感じになっている。
遊び道具を格納する倉庫なども作ってあり幼稚園みたいになってた。
子供達もとても元気そうだ。
その庭にテーブルを並べ料理を沢山置いている。
みんな既に食べ始めているけれどね。
もちろんケーキも作った。
僕とクラム。
マリアさんとエルノアママとスチュワードさんは昼から孤児院に居た。
ミルクから魔法で脂肪分を遠心隔離して泡立てて生クリームを作った。
やりすぎて大量のバターが出来た……。
加減が難しい……。
そしてエルノアママに協力してもらってスポンジケーキ作ったの。
エルノアママはスポンジケーキ作りめちゃくちゃ上手だった。
薄力粉がいるはずなんだけれど、僕薄力粉の作り方なんか知らなかったんだよ。
だからホットケーキ作ろうと思ってたんだけどね。
エルノアママが薄力粉を持ってきてくれたの。
ハイエルフさん達はもともと小麦っぽい植物を色んな挽き方して置いてあるんだって。
パンくらいしかまともに食べられるものがなかったからとのことだ……くっ。
本来はこの粉で食感の違うパンを作っているんだそうだ。
まぁそれはそれとして、植物製品はもうハイエルフさんにお任せだね。
大量の砂糖と卵を泡立てて薄力粉っぽいやついれて……
溶かした牛乳とバターを混ぜて……
僕が作った型に入れて釜で焼く。
ハイエルフさん達には砂糖を使うって文化が無かっただけの話だ。
小麦系はお手の物だよ。
砂糖を入れてふんわり焼いてって言ったらささっと作ってくれた。
300年のベテランさんだもんね。
僕が言うまでもなかったね。
エルノアママは料理スキルカンストしてるよ?
スチュワードさんとマリアさんが作業の手際の良さに見惚れていた。
ママは強しだ!
僕が氷魔法で冷やしながら作ったホイップクリーム&
クラムが刻んでたフルーツを焼けたスポンジケーキを切って挟んでおしまい。
今後は孤児院やスチュワードさんの店でも作られるかもしれない。
だから2人ともちょっと早く呼んで一緒に作ったんだよね。
ハイエルフさん達には砂糖を使う文化が無いの。
獣人国メンツには乳製品を扱う文化があまりない。
ケーキって意外とないみたいなんだ。
またプリンでも作ろっかな。
え?何で作れるのって?
僕ずっと家にいるしかなかったから料理はある程度つくれるんだい!
まぁでも主婦の方やお店の方には勝てないよねぇ。
レシピ知ってるだけって感じだよ。
で、夜になって、エルンさんがハイエルフさん達皆に声をかけてくれた。
皆孤児院に集まっている。
パーティーやるからって言えば簡単に集まってくれるんだ。
よし、”拡声”ッ!
『注目!さて、今日はクリスマスです!これから12月4週目の光の日をクリスマスと定めます!』
今日は12月4週目の光の日。
来週の光の日が年末だ。
今日この日をクリスマスと定めようと思う。
僕がそう決めた!
この世界あんまり○○日みたいな概念薄いみたいなんだよね。
〇月〇週目の火の日、みたいな感じでみんな動いているみたい。
12月25日は特別な日、みたいな覚え方は難しいそうだ。
「くりすますってなんだい?祝い事は歓迎なんだけれどね?」
いい質問だね。
クリスマスとは!
クリスマスとは……
『え、っと……前世の偉い人の誕生日……、だっけ……。でもちがうんだっけ……』
クリスマスってなんだっけ?
キリストの誕生祭だっけ?
でもサンタクロースはニコラウスさんなんだっけ?
「その方の誕生日を祝う日なのかい?」
『たぶん……?』
そういえばあんまり具体的に考えてなかった。
楽しい日は沢山あればいいと思って始めただけだし。
「なんかしっくりこないなぁ。僕等そもそも誕生日を祝うこともしないからね?その僕たちが、君の前世の知らない人の誕生日を祝う日を作るのかい?」
「そうじゃのぉ。我は自分の誕生月すら覚えておらんぞ……」
正論パンチッ!
いえ、本当にそうですね……
ハイエルフさん達&おばあちゃんの長寿組が料理を食べながら首をかしげている。
そして、子供達は全く僕の話に耳を傾けずに料理にパクついている。
それをマリアさんがあたふたしながら見て居る。
全然気にしなくていいよ?
好きに楽しめばいいのだ。
「私も全くしっくりきませんね……。それならクロムさんの誕生日を祝う方がいいです!」
『却下で!僕の誕生月は6月らしいので!』
僕は誕生日はゆっくり過ごしたい派だ。
僕の誕生日パーティーとか要らんのだ。
「僕等自分の誕生日すら忘れるよ?祝い事を作るのには大賛成なんだけどさ?せめてもっとしっくりくる方がいいなぁ。そのうち忘れちゃうと思うんだよね?それにくりすますって何か特別な事をする日なのかい?」
うん、忘れそう。
自分の誕生日覚えてない種族に他人の誕生日祝う習慣を持たせるのは無理だ。
『まぁ僕的には騒げればいいだけなんだけどね……』
……ふむ。
大人組狙って念話で伝えるか。
『子供達に夜中ひっそりプレゼントを渡したりする日なの。今年は急に言ったから来年からでいいと思うけどね?とりあえず孤児院の子供達に僕がプレゼント用意したの。あとは恋人がデートしたりとか、友達同士が年1回パーティーする日なんだ』
『デートの日なのですか!?素敵です!』
『そうかなぁ?恋人がいる子達も僕等の中には少ないし……。子供の日ってしちゃう方が僕等にはしっくりくるかもね?』
『そうじゃの?我もそう思うのじゃ』
『いや、別に大人もプレゼント交換してもいいんだよ……?』
この世界の人にクリスマスの概念を伝えるのめちゃくちゃ難しいぞ!?
長寿組って恋愛の優先度すごく低めだもんねぇ。
エステルは飛びついているけれども……。
『ハイエルフの解放記念日にでもしたらどうよ?それかエデンの創立祭とかの方がいいんじゃねぇの?』
『創立記念かぁ……。確かにその方がいいかもしれないね?』
王様がワインを飲みながら歩いてきた。
ちなみにここのメンバーは魔力使える人なら直ぐ念話はマスターしている。
王様やリトさんにも教えたんだ。
今日は王様とリトさんとスチュワードさんがいるんだ。
でもリトさんはちょっと体調悪くて寝てるんだって。
大丈夫かな?
後で回復しにいこうかって言ったんだけど拒否されたの。
まぁポーション渡しとくか。
スチュワードさんは孤児院の中で料理の方面を手伝ってくれている。
あ、もちろんラクトさんはいるよ?
キャシーは忙しいみたいだった。
王様夫妻ってなんだかんだエデン来るよな?
キャシーと滞在率結局一緒だぞ?
国大丈夫なん?
夜抜けれるようにリトさんと上手い事やってるらしいけどさ。
まぁその辺は任せておこう。
『それなら絶対に忘れないよ!あんなに幸せな日もう二度とない!エデンの創立とハイエルフの解放、子供達によい未来を過ごしてもらえるように願い、贈り物をする日とかでいいんじゃないかな?』
『素敵ですね!それなら私もきっと忘れません!』
おお、ハイエルフさん達皆が頷いている。
やるな王様。
さすが王様。
『んじゃ、まぁそれでいいかな?それなら日も今日じゃなくていいけどね?』
『それは別にこじつけでいいんじゃね?王都にも建国祭はあるが、実際その日に建国されたかどうかなんか誰もしらねぇぞ。近場の覚えやすい日にするんだよ。まぁ光の日か闇の日が多いな』
『そんなもんなの?』
『記念日なんかこの世界ではそんなもんが多いな。日時把握してるやつも少ねぇしな?』
確かに、この世界で苦労してる人いちいち日時とか覚えてなさそうだ。
識字率も低いしね。
実際エデン創立した日を遡れば多分10月とかだっけかな。
でも年末1週間前!とかの方が覚えやすいみたい。
それならそれでいっか。
・
・
・
『はーい。じゃあクラムから孤児院のみんなにプレゼントー!』
『パパもつくったよ~?』
『パパ作ってなくない?』
わーい! 石~?
なに~? 神からの贈り物……。
変な奴いたな今!?
クリスマスプレゼントだから秘密にしようと思ってたんだけどさ。
今日のプレゼントは秘密にすると遊び方わかんないんだよね。
だから僕らからは大っぴらでいいや。
今回、孤児院の子供達の為に作ったのはリバーシと囲碁。
どっちも10台ずつだね。
こんなに要らなかったかもしれないけれど。
囲碁は石を囲って陣地を増やすってルールだけど五目並べとかもできるじゃん?
リバーシは言わずもがなだよね。
簡単だ。定番だね。
どうやらボードゲームの類って少なくとも獣人国にはないみたいなんだよ。
だからこれが一番いいかなと思ったってわけ。
本来、僕とクラムで作ろうと思ったんだよ?
でもさ……?
『えっと……囲碁はリバーシと同じ感じで線が19本かな?』
『わかった~!』
バババババババババババババババッ……
一瞬だ……。
『で、表と裏が白と黒の丸い石がリバーシ台1つに付き64個……なんだけど失くしちゃうと思うし多めにつくっとけば……』
『ほ~い』
ポトポトポトポトポトポトポトポトポトポト……
『囲碁は黒い石が181個と白い石が180』
ポトポトポトポトポトポトポトポトポトポト……
『かんたんだね~?これだけ~?』
制作時間は5分だった。
クラムがもっと凝りたいってことで石に色々掘り出してたくらいだ……
リバーシは緑の石の台に黒い石で線が埋め込んである。
囲碁は花崗岩のようなピンクっぽいの台に黒の線。
リバーシは前僕が暗黒大陸階層で暇なときにパッと作ったからクラムも作り方は分かってたんだ。
石工系は一瞬で作っちゃうなこの子は。
僕等って無から石作ってるから白と黒の石を作って接合とかしなくていいんだよ。
そう思えばそう作れちゃう。
家や神像作ってる子には難易度低すぎたよね。
ということで僕の出番はなかったって感じだ。
トランプも考えたんだけどさ?
製紙技術が発展していないから紙に特徴が出ちゃうの。
それ覚えちゃうと裏の柄わかっちゃうんだよね。
要するに簡単にズルできちゃうんだ。
だから一旦却下だ。
そのうち作りたいなとは思う。
あと僕は麻雀とチェスと将棋は作れるかな?
でもルール覚える難易度が高いじゃん?
将棋と麻雀に至っては駒に何の文字書けばいいんだってのもある。
ちょっと僕が考えるのに時間かかりそうだ。
だから簡単に遊べそうなリバーシと囲碁にしたって訳。
それが人気なら他のも作ってあげようかなって感じだね。
あとはラクト商店で大小色々ある革製のボールを10個買ってきた。
もうこの辺りは子供達の注文があって仕入れていたみたいだ。
で、クラムとバスケットゴールとサッカーゴール作った。
これも石製だ。
簡単だったね。
ルールは後で教えてあげよう。
これで室内で遊びたい子も屋外で遊びたい子もばっちりだ。
『リバーシはルールすごく簡単だよ?挟んでひっくり返すだけ。こっちの囲碁って言うのは五目並べしてみるといいと思う。交互に石おいて5個並べたら勝ちね?これ飽きたらもう少し難しい遊び方教えるから教えてね?』
「「「「「はーい!!」」」」」
おお、みんな飛びついて部屋に持って行った。
薄目に丈夫に作ってるからそんな重くもないんだ。
クラムが作ってくれた後に僕がやすりで角を丸めてあげた。
子供用だし安全にね。
僕の仕事はそれくらいだったね。
皆も教えるのについて行ってくれたみたいだな。
ちなみにリバーシのうちの戦績は……
クラム = クラマ > おばあちゃん > 僕 >エステル
って感じ。
子供組が強いの。
クラムは空間把握能力が凄いのかな?
全然勝てないの。
いつの間にか負けてる感じ。
クラマは戦略的な事が得意なのかもね?
詰められて負ける感じがする。
この子勉強苦手じゃん?
勉強と頭の良さって全然関係ないよね。
興味って大事だよ。
意外とボードゲーム1番好きなのがクラマだったりするんだよねぇ。
おばあちゃんは純粋にうまいなぁって感じ。
誰と戦ってもいい勝負するんだ。
ちなみに僕は苦手でもないし得意でもないってくらいだよ。
エステルは……
期待を裏切らないでくれてありがとうって感じだ。
見え見えの手に引っかかるからちょっと突っ込みたくなる。
いいとおもう。
君は君のままで居て欲しい。
「クロムさん!これは販売許可をいただけますでしょうか!」
『あ、やっぱそうなる?これ売れるの?』
「はい!絶対に売れると確信できます!木で作れば素材費もほぼかからずとても流通させやすい遊具ですな!」
『いいけどさ……、僕はもう利権いらないよ?』
「その辺りは私が上手くやっておりますのでご心配いりませんな!また何か金銭でお困りのことがございましたらご相談ください!」
上手くやってるってなんかちょっと怖いなぁ……。
金銭的に困ったら相談すればいいの?
まぁ、ありがたいけれどさ。
持ちすぎてて困る相談は誰か乗ってくれないだろうか……。
あんまりお金保有するのもよろしくないじゃん?
回した方が経済的にいいよなぁって思うんだけど回し方がわかんないんだよなぁ。
『あ!一個注文していい?』
「ええ、もちろんです」
『庶民に販売可能なものも売って欲しい!貴族用とかは勝手に作っていいからさ?木の板に線引くだけでしょ?駒は紙でも木片でも何でも代用できるでしょ?。地面に線書いても出来るくらいの遊びだからさ。だから高級なもの作る事より貧しい人が遊べることを優先に広めて欲しいな』
「あっはっは!クロムさんらしいですな!かしこまりました」
それなら問題ないな。
『他にも作れるのあるし、いい感じに回りそうだったらまた教えてよ』
「他にもあるのですか!楽しみですなぁ」
僕としても闘技大会とかより庶民が気軽に参加できる平和な大会とかが開かれるといいなって思う。
それはずっと思ってたんだ。
この世界娯楽が少なすぎるよ。
そうだ!
そのうち僕がお金出して大会とか開いてあげればいいかなぁ?
そうすれば皆楽しめるかもしれない。
『もし、こういった遊びが流行ったら僕が金銭面は支援するから大会開こうよ。というか僕への利権に携わる金銭はその大会の為に置いておいてよ。ってか置いてるでしょきっと。勝手に大会開いていいよ。もちろん名前は伏せてね?』
「なるほど!ふふふ、もちろん。クロムさんからいただいた商品の権利収入などはしっかり保管しております。それを使うという事ですね?よいですな!とても大きな経済効果を生みそうです!あっはっは!」
やっぱりね。
ラクトさんそういうところキチンとしてる人なんだよ。
きっとジャムとかの稼ぎもどこかに置いてるんだろうなって思ってたよ。
それなら国側に使ってもらって回してもらった方がいいな。
こういった娯楽を広めていくことで領土争いとかに興味なくなるかもしれないしね。
娯楽の方面は率先してアイディア出してみようかなぁ。
その後、子供たちが寝静まっても結局パーティーは続いていた。
みんな楽しむ事が好きだからね。
むしろ大人たちの方がボードゲームに熱中していたくらいだ。
「これは軍の訓練にもなるんじゃねぇか?」
「えぇ、戦略的な事を日常的に考える癖をつけるのは良いことです」
「頭の体操にいいですな。仕事前に一戦する習慣をつければ効率が上がりそうです」
『そこのおっさん3人!娯楽なの!直ぐ仕事に持っていくんじゃありません!!』
「お、おぉ。すまねぇ、つい癖でよ」
「えぇ、いけませんね。気を抜くところはしっかり抜かなくては」
「いけませんなぁ、あっはっは。まぁ私はこれが趣味ですから」
まったく。
でもそれだけ普段力張ってるってことだな。
ここに来た時は完全に休日を満喫して欲しいもんだ。
大人たちにはちゃんと囲碁のルールも伝えたので今後子供にも教えてくれるだろうと思う。
今後僕達のクリスマスはエデン創立記念祭って事になった。
クリスマスはこの世界には当てはまらなかったみたい。
でもいいんだ。
今年は本当に色々あった。
ハイエルフさんと孤児院の皆。
そろって年末を迎えられてよかったな。
皆にはこれからは楽しむって気持ちをずっと忘れないで居て欲しいな。
・
・
・
チュンチュン……
ドタドタドタドタ……
『パパー!ミスリルのおさいほうせっと~!ありがと~!!』
「ミスリルの解体ナイフ……。貰っていいの?」
「ココにもくれるの?!綺麗な包丁だ~!クロムくんありがと~!」
『………………』
昨日はココちゃんにも泊まってもらったんだ。
この子も我が家の住人だからね。
うちのメイドさんって感じだ。
もちろんうちの子たちにもプレゼントは忘れていない。
金属加工ならクラムにも負けないんだ。
装飾が入ってくるとどうしてもクラムの出番になっちゃうんだけどね。
クラムには針とかはさみとか色々入った裁縫セット。
固い皮の加工もサクサク出来るはずだ。
こっちの裁縫道具って質があまりよくなくて結局クラムはほぼ魔法を使って裁縫してる。
これなら魔法使わなくてもいいでしょ。
クラマには解体ナイフ。
クラマは解体好きで我が家の魔物の解体も大体頼んでいる。
今まではその辺にある鉄製のナイフでやってたんだ。
これでもっと美味しいお肉を切り分けて欲しい。
ココちゃんにもミスリルの包丁……
とは思ったんだけど危ない。
まな板まで切れちゃう。
野菜や加工後の肉切るのにミスリルはね……。
ってことで地球の万能包丁の形をした包丁とフルーツナイフを作ってセットにして送った。
こっちの世界の包丁ちょっと物々しいんだよね。
鉈みたいな形してるの。
困ってはなさそうだけどそっちの方が使いやすそうだよね。
もちろん全部に硬化を付与しているよ?
何で一瞬でバレたんだ……。
昨日夜中にひっそりみんなが寝ている枕元に置いていたはずなのに……。
超魔力消したよ?
本気で隠密使ったよ?
『パパじゃないの!知らんおっさんがいい子の3人にプレゼント置いて行ってくれたの!!』
「知らない人からのおくり物はこわいなぁ……」
『こんなのつくれるのパパしかいないよ~?』
「……他人が家に忍び込んだら気付く。気付かないならパパ」
『………………』
「無理があるじゃろ……」
「えぇ、クロムさんからでいいと思いますよ、ふふ♪」
……くっ。
『パパからです……』
どうやら異世界にサンタクロースの居場所は無かったみたいだ。
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