最強のチート『不死』は理想とはかけ離れていました ~ 人と関わりたくないので史上最強の家族と引きこもりを目指したいと思います

涅夢 - くろむ

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228話 - 誕生日

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 クリスマスが終わった翌日の朝。
 皆クリスマスプレゼントを受け取って朝食を食べて出かけて行った。
 年始までは休暇中だ。

 皆各々ゆっくりした時間を過ごしている。
 エデンが出来て皆自由に活動できる範囲が広まって嬉しいことだ。

 エステルはハイエルフさん達の様子を見に行っていることが多い。
 エルンさんの補助をしているようだ。

 クラマは肉狩り兼ハチと特訓。
 ココちゃんもそこについて行っている。
 ずっと家で作業してる必要はないよって伝えてる。
 今は魔法の練習をしているみたい。

 おばあちゃんは孤児院で小さな子供達をあやしてるみたい。
 エデンの人にはもうずいぶん慣れたって。
 仮面も全然つけてないね。

 クラムは誰とでも話すし、いつもふらふら~っと飛んで行く。
 皆とお話したり何か作ってたりするんだけど……
 今日はクラムを呼び止めて家で相談中だ。

『次の光の日はエステルとクラマとおばあちゃんの誕生日なんだよ。ちなみにクラムは6月だよ』

 ちなみにココちゃんは8月らしい。
 ちゃんとリサーチはしておいた。

『そうなの~?プレゼントつくるー!おさいほうセットつかうんだー!』


 なんとか皆のクリスマスプレゼントは間に合った。
 クラムが手伝ってくれたからね。
 僕からのクリスマスプレゼントはすぐ思いついたから取り掛かるのに時間が要らなかった。

 だがしかし……
 クリスマス1週間後に誕生日だ。
 12月が誕生日の子供がいるパパさんママさんはきっとこんな悩みを抱えていることだろう……

 何をあげたらいいんだ!?
 特にクラマ!
 プレゼントしたばっかだぞ!

 僕とクラムは割とプレゼント魔だ。
 人に何かを贈るのって楽しい。
 ただ、邪魔なもの送りたくないしなぁ……

『クラムはみんな何欲しがってるか知らない?』

『ん~クラマあんまり何がほしいとかいわないからなぁ~』

 そうなんだよなぁ。
 僕の家族って物欲少な目だもんなぁ。

『みんなほしいものはかうよ~?』

 そうなんだよねぇ。
 僕等普段全くお金使わないんだよ。
 ダンジョン関係以外は多分一般の人より使わない……
 本当に物欲ないんだよなぁ。

 欲しいモノあったら嬉々として買いに行くよ。
 ないから困ってるんだ。

 エステルは本がほしいときは王都に行って勝手に買ってくる。
 でも儲けてしまっているらしいけど……。

 おばあちゃんは王都に行った時に目に付いたお酒買うくらいだ。
 僕と同じだね。
 んで用がないと王都にも率先して行かない。

 クラマはモノに対する関心がとても薄い。
 食べ物くらいだ。
 それも自分で狩った方が新鮮で美味しいと来た。
 だから解体ナイフプレゼントしたんだけどね。

 う~ん。

『クラムはおよ~ふくあげよっかなぁ?パパと2人で1つじゃないとダメなの~?』

『あ、そんなことないよ!それぞれあげてもいいと思う……』

『わかった~!じゃあつくってくる~!』(ピューン)

『あ……』

 頼みの綱のクラムちゃんが……
 僕にできることは金属加工と簡単な木工か……
 う~ん……。

 ・
 ・
 ・

 年末になった。
 特に年末の行事とか年明けの祝いとかこの世界にはないらしい。

 あ、いや僕が知っているこのメンツにはなかったらしい。
 街はいつも通りだ。

 今日も昼からケーキを作った。
 今回はココちゃんと一緒に。
 ココちゃんも作り方に興味があったようだ。

『はっぴば~すで~エステルとクラマとおばあちゃん~♪』

「そういえばそうでしたね?」

「……ぼくも?」

「我も12月なのかぇ?」

『うん、ソフィア様に確認したんだ。3人とも12月生まれだよ』

 実はヒミツにしておいたんだよね。
 クラマとおばあちゃんは誕生日の認識してなかったからさ。
 まぁプチドッキリみたいなもんだ。

『じゃあクラムからプレゼントあげるね~!これはエステル~!』

「わ~!かわいい~♪ありがとうクラムちゃん」

 クラムはエステルにお花の髪飾りを木工で作ってあげたようだ。
 小さな箱に数個入っている。
 とてもかわいいなぁ。

「そろそろ髪切りましょうかねぇ~」

『うん~!きってもつかえるようにかみかざりにしたんだ~』

 そういえばエステルは最近髪のアレンジを良くしている。
 エルノアママに憧れて似た髪型をしていたらしいんだよね。

 あと集落の皆の事を忘れないようにって意味もあったらしいんだ。
 皆を救出できたことでそれも無くなり最近髪を切ろうか悩んでいるみたい。

 前髪は眉にかかるくらい。
 あとは腰くらいまである長髪だもんね。
 いつも大体ゆるく編んでいるから髪を下ろしていることって少ないんだけどね。
 ……ぶっちゃけ手入れが面倒らしい。

『これはクラマね~?』

「……ぼく、またもらっていいの?ありがとねぇね」

 おお、ブラシ!?
 そんな選択あったのか!?
 クラマ用にかなり面が大きい木のブラシだ。

『さらさらになるらしいよ~?』

「……ほんとだ。……引っかからない……すごい」

 しかも植物油を沁み込ませているみたい。
 クラムはいつの間にそんなことを覚えてくるんだろうか。
 多分ハイエルフのお姉さま方が教えてくれてるんだろうなぁ。

 クラマの尻尾ってすごくフワフワで毛量が多いの。
 そしてその分よく絡まる。
 エステルやおばあちゃんに梳かしてもらってるんだけどさ。
 戦闘後にはクラマ本人もしかめっ面しながら毛の絡まりを気にしてるんだ。

 理由は美容とかではないんだけどね。
 動くと絡んだところが突っ張るみたいなの。
 それが凄く気になるんだって。

『これがおばあちゃんの~!』

「おお!これはかっこよいのぉ!似合うか?」

 あれは……マント?
 ローブかな?

 1つのボタンでぱっと羽織れる足元までありそうな羽織りだ。
 凄くかっこいい。
 白色ベースで水色の模様が入ってる。

『おばあちゃんがみられるのって体かくさないからだよ~?』

「そうじゃったのか!?仮面を付けておるのになぜ見られるのかと……」

(気付いてなかったんだ)
(気付いてなかったんですね……)

 おばあちゃんの服ってボディーラインそのまま出る感じなんだよねぇ。
 あの服って昔の友達の服をそのまま作ったらしいんだよ。

 言った方がいいのかなぁとか思いつつ……
 僕が言ったらセクハラにならないかなぁとか思ったりしてたんだよねぇ。

 僕も気になってたんだよ。
 言ってくれて良かった、ふぅ……。

 クラムってすごいなぁ。
 みんなの観察をすごくしてるんだね。

 皆に必要なモノを的確にプレゼントしてる感じだった。
 みんな早速使ったりしててとても喜んでるなぁ。

 ・
 ・
 ・

『パパは~?』

『パパは結構いつも通りだよ。ほい、これがクラマ』

「……脇差?」

 いつも通り世界樹とミスリルの脇差だね。
 もちろん刃も取り外せるようになってるから無属性の刃も使える。

『クラマは大太刀使ってるからさ?たまにはパッと攻撃したいときもあるかなって。防御に使ってくれてもいいし、人前で剣折っちゃった時にも使えるじゃん?』

 ミスリルに硬化付与してるからその辺の敵で折れようないんだけどね。
 エステルみたいに二刀流じゃなくてもサブ武器ってあった方がいいと思うんだよね。

「……ありがと、うれしい。護身用の武器は欲しかった」

『あ、ほんと?言ってくれればいいのに。それならよかったよ』

 好みに合ってたようだ。
 武士の人想像したときに護身用に脇差って差してるよなって思ったんだ。
 大太刀使ってるクラマには特に必要かなって思ったんだよね。

『で、これがおばあちゃん』

「おお、腕輪か?でも持っておるぞ?」

『いや、それ予備じゃんか……』

 そう、おばあちゃんずっと予備の付与アクセサリー使ってるんだよね。
 左右の腕にシルバーのシンプルなブレスレット付けてる感じ。
 これで良いって言うんだよなぁ。

 おばあちゃんが家族になってからずっとドタバタしてたのもきっとあるんだけどさ。
 おばあちゃんってアイテム袋すら欲しいって言わないからなぁ。
 ゴリ押しするのもなぁって思ってたんだけどプレゼントならいいでしょ。

 おばあちゃんに作ったのはミスリル銀と金の合金。
 色は淡い金色になってるね。

 ……ってか僕金も作れるんだよね。
 絶対に売らないよ!?

 金そのものに能力はないらしい。
 柔いから武器にも向かない。
 本当に貴族くらいしか付けてる人はいないらしいね。

 その代わり他の素材の魔力伝導率を妨げないんだって。
 だから結構合金は好まれているみたい。

 この世界金って結構価値高いみたいでミスリル銀より高価なんだ。
 あんまり産出されないらしいよ?

『おばあちゃんは白と綺麗な青色ベースだから金色も似合いそうだなって思ったんだよね。だからこれはおばあちゃん専用の魔道具だよ。無効系と温度変化ね。無効の方には魔石が付いてるよ』

 ちなみに緩やかに波を描いた2本の金属が螺旋を描いてるデザインだ。
 クラムみたいに凝った装飾できないからねぇ。

「うれしいのじゃ!綺麗じゃのぉ。それにしてもクロムが作る魔道具に魔石を付けるのは珍しいの?」

『おばあちゃんはギルドで魔術師登録してるでしょ?魔術師の人って魔石つけた杖とか持つらしいよ?魔法打ちやすいんだって。まぁダミーだよ。正直意味はないから飾りだと思って』

 決まった魔力注いでいればブースト機能があるらしい。
 魔術師専門の人は基本的に高価な杖をかって装備しているそうだ。
 って王様が言ってた。

「人はそうなのかぇ?なるほどのぉ。助かるのじゃ!」

 苦労したんだぁ……。
 今持ってる一番大きいサイズの魔石いくつもダメにしたの。
 直ぐ割れちゃうんだよ……。

 魔石のカットって本当に難しい。
 ウォーターカッター微調整しながらそれっぽくカットしたんだ。

『これクラムのシールドはいる~?』

『元は特級だから入るよ!そうだね、入れてあげて?』

『わかった~!』

 今ゲートじゃない空間魔法も開発中なんだ。
 一瞬姿隠すとかなら何とかならないかなと思ってさ。

 でも魔石に入れるなら結局クラムのシールドが1番効果高いよね。
 頼もうと思ってたんだ。

「大切にするのじゃ。2人ともありがとぉのぉ」

 喜んでもらえたようでよかったよ。
 やっとちゃんと専用のアクセサリー渡せた。
 またココちゃんの分も作ろうかなぁ。

 で、エステルか。
 う~ん……ちょっとここで渡すのは恥ずかしいなぁ……

『エステルは……』

「はい!私は!?」

『ごめん、ちょっと待ってくれない?間に合わなかったんだ……後でいい?』

「もちろんです、楽しみにしています♪ふふ」

 よし、なんとか誤魔化せた。

『じゃ、ご飯とケーキ食べよっか!』

「お料理もっていくねー!」

 ・
 ・
 ・

 ご飯も食べながらちょっと夜遅くまで皆で騒いでいた。
 もちろん年末や年始に特別な事をする文化はないのでみんな日を跨いだりしない。

 正月の特番見る!とか除夜の鐘慣らす!とかないしね。
 そういう行事とかも作ってもいいのかもなぁ。

『エステル!ちょっと下来て!こっそり!』

『は、はい……?わかりました』

 みんな寝静まった深夜。
 ちょっとエステルに起きてもらった。

 申し訳ねぇ……
 家にいる時は基本みんな一緒だから渡すタイミングないんだよな。

『ちょっと散歩行かない?』

「はい、いいですよ?」

 エステルと歩いてソフィア公園の噴水前までやってきた。
 ここが街の中心だ。

『えっと……プレゼントなんだけど……』

「まだできていないのではなかったのです?」

『いや、出来てはいるよ……ちょっとね……あの場で渡しにくかったというか……』

「そうなのです?」

 はー。やば。
 めっちゃ緊張する。
 ドキドキしたりはしないんだけどさ……

 えっと……

『ま、街も大きくなったね』

 ダメだ……。
 直球で言えない……。
 くぅ……意気地なしだなぁ僕……。

「そうですねぇ。ハイエルフ達も子供達も皆、とてものびのびと幸せそうに過ごしています。皆クロムさんのおかげです」

『いや、そんなことはないんだけど……』

「そんなことあります!こんなに幸せな日々が訪れるとは2年前まで思いもしませんでした」

『まだそんなもんかぁ。濃い毎日だったなぁ。もっと時間が経ったように感じるよ』

「あっという間でしたね。集落で閉じこもって暮らしていた時と逆です。毎日窮屈で、ずっと同じ繰り返しで……。これがいつまで続くのかと途方に暮れていました……。こんなに時が早く過ぎるのを感じたことは今までありません」

 そうだよなぁ。
 神様と出会って海藻転生してきた。
 クラムと出会って2人で訓練して海底を脱出した。
 おばあちゃんと話してスライムになったんだ。

 迷子のエステルと出会ってハイエルフの集落に送って……
 エルフからエステルを連れ去って……

 そういえば獣人国に来て冒険者依頼をこなしたなぁ。
 結局冒険者活動なんてほとんどしてないや。

 その最中、奴隷問題があって、王様達とも出会った。
 その後クラマと出会ったんだ。

 王都に到着して、
 孤児の皆と一緒に過ごすようになって
 ダンジョンに入って転移魔石を作った。

 おばあちゃんを連れ出して、
 ハイエルフさん達を奪還して村作って孤児のみんなを連れてきた。

 なんかいつの間にか使徒とかになってるしなぁ。

 これが2年の間にあった事か……
 転生してから換算してもたった3年程だと……。

 濃ゆすぎるよ!!

『スローライフってどこ行ったんだろうね……』

 実は合間合間にスローライフ出来るように意地で色んなことしてるんだけどね。
 それはまた別のお話だ。

「ふふ、これからです♪そろそろクロムさんには自分の為に活動して欲しいです」

『全部僕の為なんだけどねぇ』

 クラマの件に関してはいつでもいいってクラマも言ってる。
 もちろん見つけたらすぐに向かうけれどね。

 正直もうドラゴン問題に関しては問題ないと思う。
 最低限クラマを鍛えることも終わった。
 あとはもう見つかるのを待つだけって感じだ。

「私はクロムさん達と家族になって本当に幸せです。ハイエルフの家族にも囲まれて……、エデンは私の家族でいっぱいです。本当に……ありがとうございます……グス」

『え!なんで泣くの!?』

「これからもずっと……皆と一緒に……」

 お、おお……
 ど、どうしよう……
 このタイミングで渡すのか!?

 い、いや……もういい!
 また話逸れちゃう!
 無限リピートするぞ!

 行け、僕!
 ここで行くんだ!!

『え、えっと……。これ……』

「グス……。これは……?指輪ですか?私はもうクロムさんからいただきましたけれど……」

『いや、誓いの指輪ってこと僕知らなかったもん』

 だって今エステルが大事にしてる指輪ってアクセサリー感覚どころか装備感覚で渡したんだよ!?

 装備だよ!?
 戦闘用だよ!?
 男としてそりゃないよね!!

『エステルは、あの指輪で良いって言ってたけどさ。僕の気持ち的にね……。似たデザインの指輪だけどさ……』

 いくら考えても前贈ったデザイン以外に思い浮かばなかったんだよね。
 ただ少しだけ装飾に凝っている。
 もちろん全部僕が作った。

『新しい指輪いらなかったかなぁ。これは僕の勝手だもんね……』(チラ)

 あれ!?
 エステルが大号泣してしまっている!!

 大丈夫だよね!?
 僕ここにきて断られないよね!?

 いや、断られないから告白するとかじゃないんだよ。
 僕の気持ちだから。

 すぅーはぁ……
 すぅ~はぁぁぁぁぁ~

『末永く、僕と一緒に歩んでください……』

 …………。

 あら?沈黙……?

 え、なにしてんの……。
 エステルが震えながら僕が送った指輪を……
 外したアアアア!!!

 あ、あれ、僕、ひょっとしてフラれる?
 うう、黙って見てるの辛い……

「……この指輪はクロムさんがつけてください」

 へ?

「私の世界で1番大切な指輪です」

『あ、ありがと。でもそれもエステルがつけてていいよ?サイズ変えようか?』

「ハイエルフの誓いは指輪を贈り合うものなのですよ?」

『あ、そうなんだ。知らなかった……』

「ずっと一緒に、私の長い生はクロムさんと共に……。一緒に歩んでください」

『……うん、もちろんだよ』


 ・
 ・
 ・

 ……これはプロポーズだったのかな?
 ハイエルフの習慣がわからないんだけど。

 あれから3分程、お互い無言で静止している。
 二の句が継げぬっ!!

 エステルも泣き止んできたようだ。
 これってちゅーとかした方がいい流れだったのかなぁ?
 僕スライムだけど……

「……最近出来た私の夢を聞いていただけますか?」

『ん?うん、夢?』

「私は、クロムさんと結婚したいです!」

『結婚!?』

「嫌ですか……?」

『そうじゃなくて……。結婚ってハイエルフの文化にはなかったんじゃなかったっけ?』

「はい。ただ旅をするうちに幸せそうな家庭を見て羨ましいなと……。クロムさんを慕い始めて、人々を見て居るうちに私も結婚したいなと思ったのです。結婚してはダメと言う決まりはないですよ?」

『結婚かぁ……』

 結婚なぁ。
 う~ん……。

『それは、保留でいい?』

「はい………」(ズーン)

『あ!ちがうよ!?エステルはすぐ邪推するんだから!いや、僕の言い方が悪いのかもしれないけれど……』

 結論から先に言えってずっと教育されてきたので……
 すみません……。

「私ではダメということではないのですか?」

『……僕の問題だよ。この体って恋愛できないのはエステルも良く知ってるでしょ?』

「はい、ずっと一緒にいますので……」

『僕がこのタイミングでエステルに誓いの指輪を贈ったのは、エステルは僕のこの体を見て好きになってくれたからなんだ。恋愛できない僕でも一緒で良いって思ってくれたんでしょ?』

「もちろんです!他の体になっても変わりません!」

『うん、疑ってるんじゃないよ。神様と話したんだけどね?』

 人々は転生を繰り返している。
 魂は再利用されている。

 輪廻は巡っているんだ。
 ただ前世の記憶がないだけなんだ。

 僕は寄生で魂を他の肉体に移す。
 実質、前世の記憶があるだけの転生を何度も繰り返しているだけなんだよ。

「そうだったのですか。皆転生していると……。でも、そう言われれば確かに……」

『でしょ?僕って何度も転生してるだけなの。だから、ある意味では僕は次の体になったら次の人生を始めることになっちゃう。それで今のタイミングでハイエルフの誓いの返事したんだよ。エステルから好いてもらったこの体で返事したかったんだ』

「私の事を考えてくれたのですね」

『いや、僕の問題。僕のケジメっていうのかな?』

「私は次の体になっても絶対に気持ちは変わりませんよ?」

『僕も変わらないよ。というより、僕には別の人生を歩んでいる自覚はあまりないんだもん。ただ、結婚ってなると完全に人側の儀式じゃん?』

「それはそうですね?」

『僕は多分人にはならないけれど、せめて恋愛がしっかりできるようになってから返事したい。ずっと一緒に居るってハイエルフの誓いにはこの体でも返事できるんだ。でも結婚って儀式になるとさ?もう少しまともに人の事を考えられるようになってから返事したいな。なんかめんどくさくてごめんね』

 僕ってめんどくさい性格してるよなぁ。
 でも僕って今半分なんだよ。

 人間の記憶で恋愛してる。
 体はしていない。

 一緒に過ごすことへの応答は出来る。
 でもやっぱり体も含めて恋愛したいよね。

「ふふふ、クロムさんのそういうところが大好きです。真摯に受け止めていただいてるんですね」

『普通だと思うけどなぁ。気持ちの面だけで返事するならOKだよ。と言うよりエステル以外に結婚したいと思う人なんていないよ』

「では婚約はして頂けますか?」

『うん、もちろん。そうしよっか』

 ……そもそも結婚ってこの世界どうすればいいんだろうか。
 魔物の体で受理されんのかな?
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