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最終章 戦いの果てに
第十五話 手遅れ
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「始まった……心配するな。お前も直ぐに両親の元へ━━」
「止めよ!!」
飛んで来たビエントの三叉戟の突きがケイハルトの話を止める。
アインベルクもまた飛び移って来て、フラムに駆け寄る。
「フラム、落ち着きなさい! 怒りと憎しみに身を委ねてはなりません! それではケイハルトの思う壺ですよ!」
ビエントが三叉戟で激しい突きを繰り出すが、ケイハルトの口は止まらない。
「どうした、小娘? あの時は殺せなかったが、直ぐに両親に会わせてやるぞ。虫けらのように死んでいった両親の元にな!」
「黙れ、卑怯者が!」
高笑いするケイハルトにビエントが再三突き掛かるものの、自分の怒りも高ぶり過ぎないように抑えるあまり、その腕も鈍る。
その間にも、フラムの息は荒く、噴き出す五属性の力も少しずつ強まって行くように見える。
「このままここに居てはまずいですね」
とは言え、アインベルクにフラムを抱き上げるだけの力はない。
ビエントと代ろうにも、それを知ってかケイハルトが反撃に転じている。
「仕方ありませんね」
少し下がったアインベルクは、フラムに体当たりした。
バランスを崩したフラムは雷帝の頭から足を踏み外し、意図通り転落した。
そこに飛んで来た炎帝が攫って行く。
「これで何とか……」
凌げたかとアインベルクは胸を撫で下ろしたが、炎帝の頭上に立つフラムは、体から噴き出した自らの炎に包まれてしまった。
「そんな……」
ビエントとアインベルクの悲壮な声に重なって、ケイハルトの高笑いが響き渡る。
「残念だったな。属性魔力の暴走だ。ああなってはもう手遅れだ」
「卑怯者が!」
「良い誉め言葉だ。その分だと、お前も暴走しそうだな」
「その手には乗らぬ!」
そうは言いつつもビエントが冷静でいられないのは明らかだった。
地帝の頭上に居るルシェールもまた、遠いながらも状況を察し、落胆の色を隠さなかった。
「何と言う事じゃ……」
「今度はどうしたんです? 炎帝の暴走が止まらないのですか?」
目が見えないラファールが訊く。
「炎帝の暴走は何とか止まったのじゃが、今度は属性魔力の暴走じゃ」
「属性魔力の暴走? 一体誰が━━まさかフラムが!?」
見えないながらも少しずつ前に出ようとするラファールを、ルシェールが手を出して制する。
そのまま歩いていれば足を踏み外し、地帝から下に落ちていたであろう。
「フラムよ……」
ルシェールと同じく地上に居るフリードも、何もできないもどかしさに苦渋の面持ちでいた。
そこにシャルロアを乗せたサウロンが戻って来て、フリードの近くに舞い降りて来た。
飛び降りて来たシャルロアの胸元にはオロドーアを抱き留めている。
「遅れて済みません。なかなかオロドーアさんが見つからなくて。それで、どうなりましたか? 炎帝はまだ暴走しているのですか?」
「いや、シャルロアの一撃で正気に戻ったみたいだ」
「私の?」
俺の一撃だろうと言わんばかりにオロドーアが騒ぎ立てる。
「それは良かったんだが……」
「何かあったのですか?」
「今度はフラムが……魔力の暴走を……」
「魔力の暴走? まさか属性魔力の暴走!?」
見上げているフリードの目線を追って、その先の宙に制止している炎帝の頭上に居るフラムが自らの炎に包まれている姿に、シャルロアは驚愕すると共に口を押さえる。
「そんな……」
その脳裏に、ヴェルティエで壮絶な死を遂げたブレアの光景が呼び起される。
「あんなになってしまってはもう…………」
その目にはもう、涙が滲み始めている。しかし、
「シャルロア、一つ頼みがあるんだけどな」
「な、何でしょうか?」
決意に満ちた顔を向けて来たフリードに、シャルロアは思わず畏まった。
「止めよ!!」
飛んで来たビエントの三叉戟の突きがケイハルトの話を止める。
アインベルクもまた飛び移って来て、フラムに駆け寄る。
「フラム、落ち着きなさい! 怒りと憎しみに身を委ねてはなりません! それではケイハルトの思う壺ですよ!」
ビエントが三叉戟で激しい突きを繰り出すが、ケイハルトの口は止まらない。
「どうした、小娘? あの時は殺せなかったが、直ぐに両親に会わせてやるぞ。虫けらのように死んでいった両親の元にな!」
「黙れ、卑怯者が!」
高笑いするケイハルトにビエントが再三突き掛かるものの、自分の怒りも高ぶり過ぎないように抑えるあまり、その腕も鈍る。
その間にも、フラムの息は荒く、噴き出す五属性の力も少しずつ強まって行くように見える。
「このままここに居てはまずいですね」
とは言え、アインベルクにフラムを抱き上げるだけの力はない。
ビエントと代ろうにも、それを知ってかケイハルトが反撃に転じている。
「仕方ありませんね」
少し下がったアインベルクは、フラムに体当たりした。
バランスを崩したフラムは雷帝の頭から足を踏み外し、意図通り転落した。
そこに飛んで来た炎帝が攫って行く。
「これで何とか……」
凌げたかとアインベルクは胸を撫で下ろしたが、炎帝の頭上に立つフラムは、体から噴き出した自らの炎に包まれてしまった。
「そんな……」
ビエントとアインベルクの悲壮な声に重なって、ケイハルトの高笑いが響き渡る。
「残念だったな。属性魔力の暴走だ。ああなってはもう手遅れだ」
「卑怯者が!」
「良い誉め言葉だ。その分だと、お前も暴走しそうだな」
「その手には乗らぬ!」
そうは言いつつもビエントが冷静でいられないのは明らかだった。
地帝の頭上に居るルシェールもまた、遠いながらも状況を察し、落胆の色を隠さなかった。
「何と言う事じゃ……」
「今度はどうしたんです? 炎帝の暴走が止まらないのですか?」
目が見えないラファールが訊く。
「炎帝の暴走は何とか止まったのじゃが、今度は属性魔力の暴走じゃ」
「属性魔力の暴走? 一体誰が━━まさかフラムが!?」
見えないながらも少しずつ前に出ようとするラファールを、ルシェールが手を出して制する。
そのまま歩いていれば足を踏み外し、地帝から下に落ちていたであろう。
「フラムよ……」
ルシェールと同じく地上に居るフリードも、何もできないもどかしさに苦渋の面持ちでいた。
そこにシャルロアを乗せたサウロンが戻って来て、フリードの近くに舞い降りて来た。
飛び降りて来たシャルロアの胸元にはオロドーアを抱き留めている。
「遅れて済みません。なかなかオロドーアさんが見つからなくて。それで、どうなりましたか? 炎帝はまだ暴走しているのですか?」
「いや、シャルロアの一撃で正気に戻ったみたいだ」
「私の?」
俺の一撃だろうと言わんばかりにオロドーアが騒ぎ立てる。
「それは良かったんだが……」
「何かあったのですか?」
「今度はフラムが……魔力の暴走を……」
「魔力の暴走? まさか属性魔力の暴走!?」
見上げているフリードの目線を追って、その先の宙に制止している炎帝の頭上に居るフラムが自らの炎に包まれている姿に、シャルロアは驚愕すると共に口を押さえる。
「そんな……」
その脳裏に、ヴェルティエで壮絶な死を遂げたブレアの光景が呼び起される。
「あんなになってしまってはもう…………」
その目にはもう、涙が滲み始めている。しかし、
「シャルロア、一つ頼みがあるんだけどな」
「な、何でしょうか?」
決意に満ちた顔を向けて来たフリードに、シャルロアは思わず畏まった。
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