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第四章 動き出す歯車
第三話 集いし猛者たち
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「フラムさん、どうするんです? あの人凄く怒ってますよ」
「それもこれもあんたのせいよ」
不意に向けられたフラムの怒りの視線を、フリードは目を泳がせて躱す。
「シャルロア、隙を見て逃げるわよ」
シャルロアと示し合わそうとしたその時、
「おお、今度は女同士の喧嘩か!」
周りに野次馬が集まり始めて直ぐに黒山の人だかりが出来てしまった。
野次馬達が囃し立て始める中、柄の悪そうな大柄な男が少し前に出て来た。
「よう、お嬢さん達。あんた達も王位継承戦に出る口かい? ケガするだけだ。止めといたほうがいいぜ」
「ただでかいだけの男が何言ってんのよ。あんたこそケガしたくなかったらすっこんでなさい」
エレーナがその剣先をフラムから男の方に移す。
「お前さんこそ、そのでかい口叩けないようにしてやろうか」
怒りに任せて男は剣を抜き放つなり、エレーナに向かって駆け出した。しかし、エレーナの前で剣を振り上げた姿勢で動きを止めてしまった。
野次馬達が不思議そうな顔をする中、男はその場にばったりと倒れてしまった。
何があったか解からず、一瞬静まり返ったその場が、感歎と驚歎の声が入り混じる。
「とても逃げる隙がありそうには見えないでヤンスよ」
「俺ほどじゃないが、エレーナの剣の速さはそこらの剣士じゃとても敵わない。逃げるのはとても無理だと思うぞ」
まるで他人事のように言うフリードに、再びフラムのムッとした顔が向くが、また素早く顔を背けて躱す。
フラムの溜息が深くなる。
「さあ、剣を抜きなさい」
エレーナはその剣先をフラムに向け直す。
周りに集まった野次馬達も、早く始めろと急き立てる。
「最悪だわ」
溜息だけが深くなる。
これがシャルロアの力なのか、これが最悪ではなく、更に悪い事は重なるもので。
「ちょっと、ちょっと、何勝手にフラムと勝負しようとしてんのよ!」
人ごみを掻き分けてイグニアが躍り出て来た。
「またややこしいのが来た」
「知り合いか?」
「違うわよ」
フラムのイライラも募る中、今度は上空から何か大きな塊が落ちて来た。
野次馬達がざわつく中、二つに分かれたそれは、雷魔獣のライディオスと地魔獣のボロガルドだった。
二匹は距離を取って向かい合い、互いに身を低くして威嚇している。
「今度は何?」
少し遅れて人垣を押し退けて二人の男が飛び出して来て剣を合わせて鍔迫り合いを始める。
「おい、あれって魔獣狩りのライオじゃないか?」
「もう一人はルシェールの再来と言われているシュタイルだ」
ライオはフラムを一瞥するも、さしたる反応は見せなかった。
野次馬がどんどん増え、異常な盛り上がりを見せる。しかし、ライディオスが放電する度に、近くに居る数人が感電して倒れて行く。
「おいおい、面白そうな事やってんじゃねえか。俺たちも混ぜろや」
今度は顔がそっくりな二人組が前に出てくる。
「今度はドルディ兄弟だ!」
どんどん収拾がつかなくなって来た。
「どうすんのよ、これ!」
騒ぎの元であるフリードに怒りをぶつけようとするも、喧騒の中、いつの間にかその姿は消えていた。
「あいつ!」
「相変わらず逃げ足も速いわね」
エレーナは呆れ顔で剣を鞘に納める。
「フリードの前じゃなきゃあ意味がないし、今回は勝負を預けるわ。今度会った時は決着を付けさせて貰いますからね」
そう言って去って行った。
「何よ、あいつ。フラムと勝負するのは私が先ですからね」
イグニアはあかんべをして見送った。
「さてと、じゃあ私達は始めましょ━━あれ?」
振り返ったその先に、フラム達の姿も消えていた。
「またやられた!」
「それもこれもあんたのせいよ」
不意に向けられたフラムの怒りの視線を、フリードは目を泳がせて躱す。
「シャルロア、隙を見て逃げるわよ」
シャルロアと示し合わそうとしたその時、
「おお、今度は女同士の喧嘩か!」
周りに野次馬が集まり始めて直ぐに黒山の人だかりが出来てしまった。
野次馬達が囃し立て始める中、柄の悪そうな大柄な男が少し前に出て来た。
「よう、お嬢さん達。あんた達も王位継承戦に出る口かい? ケガするだけだ。止めといたほうがいいぜ」
「ただでかいだけの男が何言ってんのよ。あんたこそケガしたくなかったらすっこんでなさい」
エレーナがその剣先をフラムから男の方に移す。
「お前さんこそ、そのでかい口叩けないようにしてやろうか」
怒りに任せて男は剣を抜き放つなり、エレーナに向かって駆け出した。しかし、エレーナの前で剣を振り上げた姿勢で動きを止めてしまった。
野次馬達が不思議そうな顔をする中、男はその場にばったりと倒れてしまった。
何があったか解からず、一瞬静まり返ったその場が、感歎と驚歎の声が入り混じる。
「とても逃げる隙がありそうには見えないでヤンスよ」
「俺ほどじゃないが、エレーナの剣の速さはそこらの剣士じゃとても敵わない。逃げるのはとても無理だと思うぞ」
まるで他人事のように言うフリードに、再びフラムのムッとした顔が向くが、また素早く顔を背けて躱す。
フラムの溜息が深くなる。
「さあ、剣を抜きなさい」
エレーナはその剣先をフラムに向け直す。
周りに集まった野次馬達も、早く始めろと急き立てる。
「最悪だわ」
溜息だけが深くなる。
これがシャルロアの力なのか、これが最悪ではなく、更に悪い事は重なるもので。
「ちょっと、ちょっと、何勝手にフラムと勝負しようとしてんのよ!」
人ごみを掻き分けてイグニアが躍り出て来た。
「またややこしいのが来た」
「知り合いか?」
「違うわよ」
フラムのイライラも募る中、今度は上空から何か大きな塊が落ちて来た。
野次馬達がざわつく中、二つに分かれたそれは、雷魔獣のライディオスと地魔獣のボロガルドだった。
二匹は距離を取って向かい合い、互いに身を低くして威嚇している。
「今度は何?」
少し遅れて人垣を押し退けて二人の男が飛び出して来て剣を合わせて鍔迫り合いを始める。
「おい、あれって魔獣狩りのライオじゃないか?」
「もう一人はルシェールの再来と言われているシュタイルだ」
ライオはフラムを一瞥するも、さしたる反応は見せなかった。
野次馬がどんどん増え、異常な盛り上がりを見せる。しかし、ライディオスが放電する度に、近くに居る数人が感電して倒れて行く。
「おいおい、面白そうな事やってんじゃねえか。俺たちも混ぜろや」
今度は顔がそっくりな二人組が前に出てくる。
「今度はドルディ兄弟だ!」
どんどん収拾がつかなくなって来た。
「どうすんのよ、これ!」
騒ぎの元であるフリードに怒りをぶつけようとするも、喧騒の中、いつの間にかその姿は消えていた。
「あいつ!」
「相変わらず逃げ足も速いわね」
エレーナは呆れ顔で剣を鞘に納める。
「フリードの前じゃなきゃあ意味がないし、今回は勝負を預けるわ。今度会った時は決着を付けさせて貰いますからね」
そう言って去って行った。
「何よ、あいつ。フラムと勝負するのは私が先ですからね」
イグニアはあかんべをして見送った。
「さてと、じゃあ私達は始めましょ━━あれ?」
振り返ったその先に、フラム達の姿も消えていた。
「またやられた!」
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