幼馴染の少女に触れたくても触れられない私は代わりに彼女を求めた……キスをしたのもそんな目で私を見上げるあんたのせいなんだよ

tataku

文字の大きさ
40 / 77
第3章

第40話

しおりを挟む
 バスケ部は、4年前から地区予選を突破できるまでの実力を身につけている。その中、去年1年でレギュラーになれたのは小倉だけでなく九条もだ。

 一緒にプレイし、九条の実力の高さはよく分かっている。
 しかし、前回の球技大会で優勝できたのは、やはり小倉のおかげだと思う。
 
 1年の時クラスにいたバスケ部員は2人。バスケ部員4人の3年生チームを破ったときには――正直、あまり認めたくはないが、かなり快感だった。

 九条は外側で司令塔として試合を回し、私はその補助と、フリーになったとき、3Pシュートを打つだけ。
 たとえボールが中に入らなくても、ゴールのリング部分に当て、弾くだけで十分だ。だって、小倉なら必ず弾いたボールを取ってくれると分かっていたから。
 フリーならば、最悪リングに当てるぐらいの自身はある。だって昔、それなりにはやってきたのだから。

 小倉は例え、マークが3人つこうがそれをものともせず、中と外どちらでも精度の高い攻撃を行う。守備のときだって、彼女はだれよりも動き、誰よりもボールをカットした。

 彼女の背中は大きく、でかい。
 味方のときは心強いが、敵になればこれほど恐ろしい相手はいないだろう。
 私は正直、彼女に勝てるビジョンが思い浮かばない。



 想像通り、体育館は人で溢れかえっている。
 私は思う。――馬鹿ばっかりだなぁーと。当然、その中に自分も含まれるわけだが。

 ボールを持って、裏庭に行く。

「因みに、ここにバスケ部のスタメンはいるの?」
「私だけよ」

 九条はそう答えた。

「なんだ、いないんだ」

 手下ABCからぶーぶーと文句を言われた。私の態度に、プライドをいたく傷つけられたらしい。彼女たちの言葉はなんの益にもならず、私の脳を刺激することなくさっさと外に放りだした。

 ちなみに、スタメンは九条と小倉以外は全員3年生らしい。

「何か策はあるの? 去年のやり方だと、絶対に勝てないと思うんだけど」

 私の言葉は弱音と受け取られ、ABCから再び文句を言われた。

「凛は――私が止めるわ。必ず」

 決意を込めて、九条は言葉を吐く。

「だから、私を信じて」

 私は一瞬、それは無理だと思った。しかし、直ぐにその考えを捨てた。
 リーダーがそう言うのなら、それを信じるだけ。

 ――それは、昔、雪乃が私に言ったこと。

 リーダーの言うことは、信じなさい――と。

 つい、思い出してしまった。

 
 
 2-Aのクラスにいるバスケ部員は小倉を含めて3人。他の2人の実力はそれほど大したことがなく、身長も私より少し高いくらいだ。その代わり、他のメンバーは背が高く運動神経のよい人間を選んだみたいだが、九条は特に問題としていない。
 全体的に見ればこちらの方が有利だと九条は言った。なによりAとBの二人は控のメンバーに入っており、実力は高いらしい。身長も175cm以上と高く、得意のポジションも上手く分かれているとのこと。
 
 だから、小倉さえ押さえることができれば決して勝てない試合ではないと――九条は言う。
 
 しかし、それが何よりも難しいと、私は思うのだが。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

学園の美人三姉妹に告白して断られたけど、わたしが義妹になったら溺愛してくるようになった

白藍まこと
恋愛
 主人公の花野明莉は、学園のアイドル 月森三姉妹を崇拝していた。  クールな長女の月森千夜、おっとり系な二女の月森日和、ポジティブ三女の月森華凛。  明莉は遠くからその姿を見守ることが出来れば満足だった。  しかし、その情熱を恋愛感情と捉えられたクラスメイトによって、明莉は月森三姉妹に告白を強いられてしまう。結果フラれて、クラスの居場所すらも失うことに。  そんな絶望に拍車をかけるように、親の再婚により明莉は月森三姉妹と一つ屋根の下で暮らす事になってしまう。義妹としてスタートした新生活は最悪な展開になると思われたが、徐々に明莉は三姉妹との距離を縮めていく。  三姉妹に溺愛されていく共同生活が始まろうとしていた。 ※他サイトでも掲載中です。

身体だけの関係です‐三崎早月について‐

みのりすい
恋愛
「ボディタッチくらいするよね。女の子同士だもん」 三崎早月、15歳。小佐田未沙、14歳。 クラスメイトの二人は、お互いにタイプが違ったこともあり、ほとんど交流がなかった。 中学三年生の春、そんな二人の関係が、少しだけ、動き出す。 ※百合作品として執筆しましたが、男性キャラクターも多数おり、BL要素、NL要素もございます。悪しからずご了承ください。また、軽度ですが性描写を含みます。 12/11 ”原田巴について”投稿開始。→12/13 別作品として投稿しました。ご迷惑をおかけします。 身体だけの関係です 原田巴について https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/734700789 作者ツイッター: twitter/minori_sui

義姉妹百合恋愛

沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。 「再婚するから」 そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。 次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。 それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。 ※他サイトにも掲載しております

私がガチなのは内緒である

ありきた
青春
愛の強さなら誰にも負けない桜野真菜と、明るく陽気な此木萌恵。寝食を共にする幼なじみの2人による、日常系百合ラブコメです。

身体だけの関係です‐原田巴について‐

みのりすい
恋愛
原田巴は高校一年生。(ボクっ子) 彼女には昔から尊敬している10歳年上の従姉がいた。 ある日巴は酒に酔ったお姉ちゃんに身体を奪われる。 その日から、仲の良かった二人の秒針は狂っていく。 毎日19時ごろ更新予定 「身体だけの関係です 三崎早月について」と同一世界観です。また、1~2話はそちらにも投稿しています。今回分けることにしましたため重複しています。ご迷惑をおかけします。 良ければそちらもお読みください。 身体だけの関係です‐三崎早月について‐ https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/500699060

恋してしまった、それだけのこと

雄樹
恋愛
小学3年生の女の子が、母の妹に恋をした。 星野未来(ほしのみく)は、母の妹である水瀬沙織(みなせさおり)に恋をした。 出会ったとき、未来は8歳。 沙織は20歳の大学生だった。 優しくて、少し不器用で、どこか寂しそうなその人が好きな人は、私ではなく…私の「母」だった。 一生でたったひとつの初恋。 言葉にできない想いを抱えたまま、少女は季節を重ねていく。 あなたは私の叔母で。 あなたは私と同性で。 あなたは私と12歳も歳が離れていて。 あなたが好きな人は…私じゃなくて。 それでも、この初恋を諦めることは出来なかった。 これは、ひとりの少女の、恋のはじまりと記憶の物語。

【完結】【ママ友百合】ラテアートにハートをのせて

千鶴田ルト
恋愛
専業主婦の優菜は、夫・拓馬と娘の結と共に平穏な暮らしを送っていた。 そんな彼女の前に現れた、カフェ店員の千春。 夫婦仲は良好。別れる理由なんてどこにもない。 それでも――千春との時間は、日常の中でそっと息を潜め、やがて大きな存在へと変わっていく。 ちょっと変わったママ友不倫百合ほのぼのガールズラブ物語です。 ハッピーエンドになるのでご安心ください。

処理中です...