幼馴染の少女に触れたくても触れられない私は代わりに彼女を求めた……キスをしたのもそんな目で私を見上げるあんたのせいなんだよ

tataku

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第4章

第68話

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 10月の後半に、文化祭がある。

 そのため、10月になると文化祭の準備が始まり、その話題一色となる。

 今年は、小倉もいないため、あまり関わることもない。そう、思っていたのに、九条のせいでそうも言っていられない。奴は何故か、文化祭ですら打倒、小倉と声高らかに宣言している。頭がいいくせに、馬鹿なのか?

 

 クラスの出し物を何にするか決めるため、委員長である九条が黒板の前で突っ立つこととなる。しかし、中々うまく話が進まない。

 自分も含めてだが、基本的に大人しく、平凡な生徒しかいないクラスだ。当たり障りのないものしかでてこない。九条は演劇をしようと、ふざけたことを抜かした。当然、誰一人賛同者はでてこない。九条は何故なの? という顔をするが、そんなの当たり前だ。演劇部員なんてひとりもいないし、地味な生徒ばかりだし、しかも本番まで一ヶ月もないしで、一体誰が賛同なんてするものか。

 私としては楽な催しがいい――というか、私の中での選択肢など、それ一択だ。

 私は誰にもばれないよう、こっそりとスマホで検索する。

 そして、なるほどと思った。

 私は手を上げる。

「あら、月城さん、何かいい案があるのかしら?」

 いい案かは分からないが、楽な案ならある。
 
「上映会とかはどうかな?」

 九条は、は? という顔をした。

 正直、あんたの言った演劇よりは百倍ましだと思うけど?

「それは休憩所として運営するつもり。プロジェクターやスクリーン、DVDのデッキなどは前の授業で使用したものを借りるだけでいい。後はただひたすら映像を流すだけ。どう?」

 九条はため息を吐く。

「月城さん、そんなのあり得ないわ。そんなんで本当に、凛のクラスに勝てると思っているのかしら?」

 そんな目標、あんたの頭の中だけの話だ。

「どうかな、この案」

 私はクラスを見回す。

 教室がざわついた。

「いいと思う」

 誰かが発した言葉により、賛同の声が広がる。

「い、いや、ちょっと待って。そんなのあり得ないわ。みんな、考え直して」
 
 考え直すのは、あんたの頭の方だ。
 
 その後、多数決を取ることとなる。

 そして見事、上映会に決まった。

「ありえない」

 と、九条は言った。

「ですよね、先生!」

 うちの担任の教師はやる気のない顔だ。

 そして、言った。

「私は、あなたたちの自主性にまかせるわ」
「……つまり?」

 九条は、分かりきった問を尋ねる。

「好きにしなさい」

 教師の言葉で、無事、上映会へと決まった。

 それについて、とくに喜んだ空気になることもない。

 本当、うちのクラスはあまりやる気がない。

 まぁ、私にとっては好都合なわけだが。
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