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7話 危機回避!? これからみんなのために全力で頑張るぞ!!
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「どうした?」
「何だぁ? 急にどうしたんだ?」
「この前お話しした方々ですよ?」
今、ちょっとした……いや、かなりの問題が起きていて、私はアンドリューさんの後ろに思い切り隠れている。
うん、初めて会う人たちだし、これからの私に関係あることだから、ちゃんと挨拶しないといけないのは分かっているんだけど。
それと、そんな隠れている私の頭に乗っていた可愛いピンクの小鳥も、頭から肩に移動すると、アンドリューさんの時よりも、鋭く威嚇し始めたんだ。もしかして、私と同じ物が見えている? 他の人たちは見えていないみたいだけど。
私が目を覚ましてから2日。今日私は、ある人たちと会うことになっていたんだ。それは目を覚ました時にしていた、話し合いの続きのこと。
あの日、総団長さんとヒルドレッドさんが、あちらとの話し合いになるとか、君のこれからについて話し合っている者たちがいるとか、そんなことを言っていたでしょう? どこで暮らすかとか、保護についてとか。
私が今保護されているのは、獣人たちで構成されている獣騎士団の宿舎。そして私は3歳のちびっ子。
別にこのままここで、私を保護しても良いんだけど、小さい子に何かあった時のことを考えると、同じ種族、人間と一緒にいた方が良いんじゃないかって。総団長さんたちが、人で構成されている騎士団の方へ、話をしてくれていたみたいなんだ。
それから、この世界にはバカ神も言っていたけど、教会と呼ばれている施設があって、そこでも子供たちを保護しているんだけど。
ただ私は、発見された時の状況が状況だから。もしかしたら事件に巻き込まれた可能性もあるし、親族が迎えに来るかもしれないってことで、騎士団が保護していた方が良いと判断されたみたい。
あ、それと3歳っていうのは、総団長さんたちが調べてくれたの。ほら、異世界のライトノベルや漫画に出てくる、人の名前とか歳とか、どんな力があるとか、そういう情報が分かるステータスってあるでしょう? あれで調べてくれたらしくて、私は3歳児だったって。
そして私は、それを鏡を見て確認。髪の毛が肩より少し下くらいの黒髪、黒目に顔が子供にようにぷくっとしている、ちんちくりんな3歳児でね。どうせちびっ子になるなら、もう少し可愛い、モデル風の子になれたら良かったのにって、ちょっとがっかりしたよ。
と、まぁ、今の私の姿は置いておいて。こういった理由で、私は今日、人の方の騎士団の人たちと顔合わせをすることが決まって。それで呼ばれたから、すぐにアリシアさんとみんながいる部屋へやってきたの。
だけど部屋に入った途端、問題が発生。私はアンドリューさんの後ろに隠れたんだ。それはどうしてか……。
部屋の中には総団長さんと3人の団長たち、それと他に、初めて会う人が2人いて。1人は元気がはち切れんばかりの笑顔で、私を見てきたんだけど、もう1人の人が……。
ドロドロ? ネチョネチョ? したドス黒い物を身にまとっていたんだよ。しかもそれがポタポタと落ちて、床を汚すとスッと消えるの。
しかもそれだけじゃなく、これまたドス黒い煙? みたいなものも体から溢れていて。それを見た瞬間、私の本能が、あの煙? に近づいたらまずいと訴えかけてきて。私も、あれは絶対にアウト! と思い、すぐにアンドリューさんの後ろに隠れたんだ。
って、ちょっと!? 可愛いピンクの小鳥が威嚇しながら、もう少しあの黒モヤも人に近づこうとしてる!? 威嚇してくれるのは嬉しいけど、それ以上近づくのはまずい!
そう思い私はすぐに可愛いピンクの小鳥を呼んだよ。
「もどってきちぇ!!」
私の声に、最初は威嚇をやめなかったけど、もう1度呼ぶと、はぁ、しょうがないという顔をして戻ってきてくれる。ダメだよ、あの人は絶対にダメ。
「おい、どうしたんだ?」
「すまない。いつもはこんな感じじゃないんだが」
「いや、気にするな。初めて会う人間だから緊張しているんだろう」
「緊張……か。とりあえず座って話を始めよう。さぁ、ここへ座れ」
総団長さんに、ソファーの真ん中に座るように言われたけれど、私は黒モヤの人から1番離れた場所に座る。
「……本当にどうした?」
「そこが良いなら、そこで大丈夫だぞ」
変ある物が纏わりついていない人にそう言われ、申し訳なかったけどそのまま離れた場所に座らせてもらう。
「さて、俺は第1騎士団隊長のセリオス・ドレイファスだ。よろしくな。それからこっちが」
「第1騎士団副隊長のフィンレイ・ストーンフォードです。よろしくお願いします」
「……おねがいちましゅ」
問題の人は副団長でフィンレイというらしい。何だろう、あのドス黒い物とフィンレイの目つきのせいで、余計にフィンレイが怖く感じるよ。言ったら悪いけど、ライトノベルや漫画に出てくる悪役みたいだ。
「この間話していた、騎士団の者たちだ」
「これから、君のことについて話したいんだが……」
「……あい」
「「「……」」」
私の反応のせいか、少し話すたびに沈黙が流れる。私は隣に座ってくれたアンドリューさんの洋服を掴んで、できる限り隠れさせてもらったよ。いや、本当にあのドス黒い物がダメなの。
そうして始まった話し合い。
「それでだな、もしこのまま俺たちの方の宿舎に来るのなら……」
「他のこともすぐできるようになっていて……」
ゆっくり丁寧に、私が分かるように話してくれるセリオス団長。さらに細かく、まるで子供に語りかけるように説明してくるフィンレイ。
ただ、フィンレイのそれが、さらに怖さに拍車をかけ、話の半分も頭に入ってこなくて、私はそれだけでかなり疲れてしまったんだ。ここまで30分も経っていなかったのにね。
私のグッタリした様子に、話が一区切りつくと、少し長い沈黙が流れたよ。でも、そのグッタリが、私にとっては良かったのかもしれない。私のために集まってもらって、話し合いをしてもらったこと対しては、本当に申し訳ないんだけどね。
沈黙を破ったのはセリオスさんだった。
「……俺は子供が大好きだし、総団長もあれで子供を大切に思う人で、この子が来ることを楽しみにしていたんだが。これは無理そうだな」
「そうですね、ここまで怖がられてしまったら無理でしょう」
「無理矢理、連れて行くわけにはいかないからな」
ん? 何? 話半分だった私は、急な展開についていけず、みんなの顔を見渡す。
「すまない、こちらから話をしておきながら」
「いや、気にしないでくれ。目が覚めて初めて会ったのがお前たちだったから、お前たちといる方が安心するんだろう。それなら安心できる場所で生活した方が良い。俺たちはちょっと残念だがな」
「今回のこと、改めてそちらに挨拶に伺わせてもらう」
「承知した。……ここの獣人たちは優しい者ばかりだ。何かあったらすぐに話して助けてもらうんだぞ」
「……あたち、ここいる?」
私がちゃんと話を聞いていないうちに、話し合いが終わっちゃったけど、どうやら私はここに残れるらしい。
「ああ、ここで暮らすんだ。ここにいる獣人たちは皆、優しい者ばかりだからな。何かあったらすぐに言うんだぞ。それと今度、こちらへ遊びに来てくれ。総団長が本当に楽しみにしていたんだ。来てくれたらとても喜ぶだろう。それと、今度お菓子を届けさせよう」
「……ありたと、ごじゅましゅ」
「それじゃあ俺たちはこれで」
「俺が行こう」
セリオス団長とフィンレイと共に、エディスンさんが部屋を出て行く。するとすぐにみんなが、私を心配して声をかけてくれたよ。
「おい、どうした? そんなに怖がって」
「……ごめんしゃい」
「いや、怒ってるわけじゃないぞ? ただ、どうしたのかと思っただけだ」
「はぁ、こういうこともあるだろう。誰だって苦手な人物はいるものだ」
「それはそうなんだが」
「まぁ、何はともあれ、彼女はここで暮らすことが決まりましたからね。いろいろと準備をしなければ」
「そうだな。まずは何だ? 登録からか?」
「それもですが、部屋を用意したり、彼女の日常生活で必要な物も揃えたり、それぞれ手分けして進めましょう」
「だな。よし、やるか! アリシアが喜び狂いそうだな」
アンドリューさんが私を抱き上げ、私の頭に可愛いピンクの小鳥が乗り、みんなで部屋から出る。難しい表情をしている総団長さん。
今回のこと。私を思っていろいろ進めてくれたのに、本当申し訳ない。でも、どうしてもあのフィンレイがいる所へは行きたくない。あれは絶対にダメだ。
というか、本当にみんな、あの黒い煙に気付いてないのかな? ちょっと聞いてみる?
「あの……」
「ん? どうした?」
「もやもやのくろいけむり、みえちゃ?」
「黒い煙?」
「窓から見えたのですか? 火事でしょうか? ですがいっさいそのような匂いはしませんが」
「俺もしないが、確かめてくるか」
「あっ、みまちがいまも! へやでるとき、みえなかっちゃ!」
「そうなのか?」
「ですが一応確認はした方がいいでしょうね。総団長、私が確認をしてきます」
「頼む」
やっぱり見えてないみたい。なら、あまり言わない方が良いかな? 変なことを言う子供だと思われたくないし、たまたま見えただけかもしれないしね。
それにしても、はぁ、ここにいられることになって本当に嬉しいし、とっても安心したよ。そして、私を保護し受け入れてくれた総団長たち、本当にありがとうございます。
……そうか、私は今日から正式に、ここで暮らせることになったんだ。そうと決まれば……私を助けてくれた総団長さんたちに、何か恩返しがしたいな。
でも、ちびっ子の私に何ができる? せめて成人してればなぁ。そうすれば少しは、俊敏に動けたと思うんだけど。今の私じゃ、ちょっとしたお手伝いしかできない気がするよ。……ん? お手伝い? それだ!!
地球では仕方なく身に着けた家事や、身の回りの世話や雑用全般だったけど、それを活かせないかな? みんなのためだったら苦じゃないし、恩を返すためだったら何でもやるよ。
そして働からず者、食うべからず。その辺はしっかりしないとね!
よし!! これからいろいろとやることがあるみたいだから、それが終わったら、みんなのために全力で頑張るぞ!!
こうして、私の決意と共に、獣騎士たちとの生活が始まったんだ。
◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆
お読みいただきありがとうございます。
次回更新12時、15時、18時、21時です。
よろしくお願いします。
「何だぁ? 急にどうしたんだ?」
「この前お話しした方々ですよ?」
今、ちょっとした……いや、かなりの問題が起きていて、私はアンドリューさんの後ろに思い切り隠れている。
うん、初めて会う人たちだし、これからの私に関係あることだから、ちゃんと挨拶しないといけないのは分かっているんだけど。
それと、そんな隠れている私の頭に乗っていた可愛いピンクの小鳥も、頭から肩に移動すると、アンドリューさんの時よりも、鋭く威嚇し始めたんだ。もしかして、私と同じ物が見えている? 他の人たちは見えていないみたいだけど。
私が目を覚ましてから2日。今日私は、ある人たちと会うことになっていたんだ。それは目を覚ました時にしていた、話し合いの続きのこと。
あの日、総団長さんとヒルドレッドさんが、あちらとの話し合いになるとか、君のこれからについて話し合っている者たちがいるとか、そんなことを言っていたでしょう? どこで暮らすかとか、保護についてとか。
私が今保護されているのは、獣人たちで構成されている獣騎士団の宿舎。そして私は3歳のちびっ子。
別にこのままここで、私を保護しても良いんだけど、小さい子に何かあった時のことを考えると、同じ種族、人間と一緒にいた方が良いんじゃないかって。総団長さんたちが、人で構成されている騎士団の方へ、話をしてくれていたみたいなんだ。
それから、この世界にはバカ神も言っていたけど、教会と呼ばれている施設があって、そこでも子供たちを保護しているんだけど。
ただ私は、発見された時の状況が状況だから。もしかしたら事件に巻き込まれた可能性もあるし、親族が迎えに来るかもしれないってことで、騎士団が保護していた方が良いと判断されたみたい。
あ、それと3歳っていうのは、総団長さんたちが調べてくれたの。ほら、異世界のライトノベルや漫画に出てくる、人の名前とか歳とか、どんな力があるとか、そういう情報が分かるステータスってあるでしょう? あれで調べてくれたらしくて、私は3歳児だったって。
そして私は、それを鏡を見て確認。髪の毛が肩より少し下くらいの黒髪、黒目に顔が子供にようにぷくっとしている、ちんちくりんな3歳児でね。どうせちびっ子になるなら、もう少し可愛い、モデル風の子になれたら良かったのにって、ちょっとがっかりしたよ。
と、まぁ、今の私の姿は置いておいて。こういった理由で、私は今日、人の方の騎士団の人たちと顔合わせをすることが決まって。それで呼ばれたから、すぐにアリシアさんとみんながいる部屋へやってきたの。
だけど部屋に入った途端、問題が発生。私はアンドリューさんの後ろに隠れたんだ。それはどうしてか……。
部屋の中には総団長さんと3人の団長たち、それと他に、初めて会う人が2人いて。1人は元気がはち切れんばかりの笑顔で、私を見てきたんだけど、もう1人の人が……。
ドロドロ? ネチョネチョ? したドス黒い物を身にまとっていたんだよ。しかもそれがポタポタと落ちて、床を汚すとスッと消えるの。
しかもそれだけじゃなく、これまたドス黒い煙? みたいなものも体から溢れていて。それを見た瞬間、私の本能が、あの煙? に近づいたらまずいと訴えかけてきて。私も、あれは絶対にアウト! と思い、すぐにアンドリューさんの後ろに隠れたんだ。
って、ちょっと!? 可愛いピンクの小鳥が威嚇しながら、もう少しあの黒モヤも人に近づこうとしてる!? 威嚇してくれるのは嬉しいけど、それ以上近づくのはまずい!
そう思い私はすぐに可愛いピンクの小鳥を呼んだよ。
「もどってきちぇ!!」
私の声に、最初は威嚇をやめなかったけど、もう1度呼ぶと、はぁ、しょうがないという顔をして戻ってきてくれる。ダメだよ、あの人は絶対にダメ。
「おい、どうしたんだ?」
「すまない。いつもはこんな感じじゃないんだが」
「いや、気にするな。初めて会う人間だから緊張しているんだろう」
「緊張……か。とりあえず座って話を始めよう。さぁ、ここへ座れ」
総団長さんに、ソファーの真ん中に座るように言われたけれど、私は黒モヤの人から1番離れた場所に座る。
「……本当にどうした?」
「そこが良いなら、そこで大丈夫だぞ」
変ある物が纏わりついていない人にそう言われ、申し訳なかったけどそのまま離れた場所に座らせてもらう。
「さて、俺は第1騎士団隊長のセリオス・ドレイファスだ。よろしくな。それからこっちが」
「第1騎士団副隊長のフィンレイ・ストーンフォードです。よろしくお願いします」
「……おねがいちましゅ」
問題の人は副団長でフィンレイというらしい。何だろう、あのドス黒い物とフィンレイの目つきのせいで、余計にフィンレイが怖く感じるよ。言ったら悪いけど、ライトノベルや漫画に出てくる悪役みたいだ。
「この間話していた、騎士団の者たちだ」
「これから、君のことについて話したいんだが……」
「……あい」
「「「……」」」
私の反応のせいか、少し話すたびに沈黙が流れる。私は隣に座ってくれたアンドリューさんの洋服を掴んで、できる限り隠れさせてもらったよ。いや、本当にあのドス黒い物がダメなの。
そうして始まった話し合い。
「それでだな、もしこのまま俺たちの方の宿舎に来るのなら……」
「他のこともすぐできるようになっていて……」
ゆっくり丁寧に、私が分かるように話してくれるセリオス団長。さらに細かく、まるで子供に語りかけるように説明してくるフィンレイ。
ただ、フィンレイのそれが、さらに怖さに拍車をかけ、話の半分も頭に入ってこなくて、私はそれだけでかなり疲れてしまったんだ。ここまで30分も経っていなかったのにね。
私のグッタリした様子に、話が一区切りつくと、少し長い沈黙が流れたよ。でも、そのグッタリが、私にとっては良かったのかもしれない。私のために集まってもらって、話し合いをしてもらったこと対しては、本当に申し訳ないんだけどね。
沈黙を破ったのはセリオスさんだった。
「……俺は子供が大好きだし、総団長もあれで子供を大切に思う人で、この子が来ることを楽しみにしていたんだが。これは無理そうだな」
「そうですね、ここまで怖がられてしまったら無理でしょう」
「無理矢理、連れて行くわけにはいかないからな」
ん? 何? 話半分だった私は、急な展開についていけず、みんなの顔を見渡す。
「すまない、こちらから話をしておきながら」
「いや、気にしないでくれ。目が覚めて初めて会ったのがお前たちだったから、お前たちといる方が安心するんだろう。それなら安心できる場所で生活した方が良い。俺たちはちょっと残念だがな」
「今回のこと、改めてそちらに挨拶に伺わせてもらう」
「承知した。……ここの獣人たちは優しい者ばかりだ。何かあったらすぐに話して助けてもらうんだぞ」
「……あたち、ここいる?」
私がちゃんと話を聞いていないうちに、話し合いが終わっちゃったけど、どうやら私はここに残れるらしい。
「ああ、ここで暮らすんだ。ここにいる獣人たちは皆、優しい者ばかりだからな。何かあったらすぐに言うんだぞ。それと今度、こちらへ遊びに来てくれ。総団長が本当に楽しみにしていたんだ。来てくれたらとても喜ぶだろう。それと、今度お菓子を届けさせよう」
「……ありたと、ごじゅましゅ」
「それじゃあ俺たちはこれで」
「俺が行こう」
セリオス団長とフィンレイと共に、エディスンさんが部屋を出て行く。するとすぐにみんなが、私を心配して声をかけてくれたよ。
「おい、どうした? そんなに怖がって」
「……ごめんしゃい」
「いや、怒ってるわけじゃないぞ? ただ、どうしたのかと思っただけだ」
「はぁ、こういうこともあるだろう。誰だって苦手な人物はいるものだ」
「それはそうなんだが」
「まぁ、何はともあれ、彼女はここで暮らすことが決まりましたからね。いろいろと準備をしなければ」
「そうだな。まずは何だ? 登録からか?」
「それもですが、部屋を用意したり、彼女の日常生活で必要な物も揃えたり、それぞれ手分けして進めましょう」
「だな。よし、やるか! アリシアが喜び狂いそうだな」
アンドリューさんが私を抱き上げ、私の頭に可愛いピンクの小鳥が乗り、みんなで部屋から出る。難しい表情をしている総団長さん。
今回のこと。私を思っていろいろ進めてくれたのに、本当申し訳ない。でも、どうしてもあのフィンレイがいる所へは行きたくない。あれは絶対にダメだ。
というか、本当にみんな、あの黒い煙に気付いてないのかな? ちょっと聞いてみる?
「あの……」
「ん? どうした?」
「もやもやのくろいけむり、みえちゃ?」
「黒い煙?」
「窓から見えたのですか? 火事でしょうか? ですがいっさいそのような匂いはしませんが」
「俺もしないが、確かめてくるか」
「あっ、みまちがいまも! へやでるとき、みえなかっちゃ!」
「そうなのか?」
「ですが一応確認はした方がいいでしょうね。総団長、私が確認をしてきます」
「頼む」
やっぱり見えてないみたい。なら、あまり言わない方が良いかな? 変なことを言う子供だと思われたくないし、たまたま見えただけかもしれないしね。
それにしても、はぁ、ここにいられることになって本当に嬉しいし、とっても安心したよ。そして、私を保護し受け入れてくれた総団長たち、本当にありがとうございます。
……そうか、私は今日から正式に、ここで暮らせることになったんだ。そうと決まれば……私を助けてくれた総団長さんたちに、何か恩返しがしたいな。
でも、ちびっ子の私に何ができる? せめて成人してればなぁ。そうすれば少しは、俊敏に動けたと思うんだけど。今の私じゃ、ちょっとしたお手伝いしかできない気がするよ。……ん? お手伝い? それだ!!
地球では仕方なく身に着けた家事や、身の回りの世話や雑用全般だったけど、それを活かせないかな? みんなのためだったら苦じゃないし、恩を返すためだったら何でもやるよ。
そして働からず者、食うべからず。その辺はしっかりしないとね!
よし!! これからいろいろとやることがあるみたいだから、それが終わったら、みんなのために全力で頑張るぞ!!
こうして、私の決意と共に、獣騎士たちとの生活が始まったんだ。
◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆
お読みいただきありがとうございます。
次回更新12時、15時、18時、21時です。
よろしくお願いします。
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