異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~

ありぽん

文字の大きさ
6 / 70

6話 私の身に起きていたこと、寄り添ってくれる優しい小鳥の敵認定

しおりを挟む
 それは一昨日の出来事。獣騎士団の宿舎がある街から2日くらい行ったところに、人も獣人もあまり立ち入らない、強い魔獣が数多く住んでいる、危険な森があるらしいんだけど。

 その森から魔獣が出てきて、街に来られると困るからと、この街には人の騎士団もあって、そっちの騎士団と交代で、定期的に森へ巡回しに行くんだって。それで今回は第1獣騎士団が、巡回に行っていたんだ。

 すると一昨日の夕方少し前。巡回を終えて帰ろうとしていた時、森のある場所で、急に森の魔獣たちがザワザワし始めたため、すぐに確認に向かったアンドリューさんたち。すると、かなりの数の魔獣が集まっており、暴れられたらまずいと、すぐに討伐を開始。

 そうしたら、その討伐の最中、倒れている私と、私を守ろうとしてくれている、可愛いピンクの小鳥を確認して、しかも私は結界に包まれていたらしい。

 だけど魔獣たちを全て倒し私たちに近づけば、結界が消えたため、私と可愛いピンクの小鳥を保護。そのまま獣騎士団の宿舎に連れてきてくれて治療をした。

 と、これが、私と獣騎士さんたちに起きた出来事だって。

 うん、話を聞き終わった瞬間、私は思わず大きな溜め息を吐きそうになった。あのバカ神、またミスったな、って。
 バカ神の使いのセシルさん。彼によると、バカ神はよくミスをするってぼやいていたからさ。私を死なせたのもミスだったし。これ、絶対にまたやらかしたでしょう。

 何が『新しい世界では、君の生きたいように生き、幸せに暮らしてね』よ。転生早々死にかけてるじゃん!

「森には、君以外の気配……気配は分からないか? 私たちは人間がどこにいるのか、よく分かるのだが、森には君しかいなかったようだ。そこでだ、君の名前に戻るのだが、君は何という名前で、誰と一緒に森へ入り、どうして森で気を失っていたのか……寝ていたのか分かるか?」

「総団長の話は分かりましたか」

 小さく頷く私。ただ、うーん。

 名前は今なんとか考えられたとして。森にいたのはバカ神のミスだろうけど、なんで気絶したのかは、バカ神に聞かないと分からないし。というかその前に、バカ神のことは話さない方がいいだろうし。結界も誰の結界か分からないし、私にも分からないことだらけで話せることがない。

「……」

「名前、分からない? 両親……お母さんやお父さんは?」

「……なまえ、おとうしゃん、おかあしゃん」

 両親の記憶もないしなぁ、これは困ったぞ。どうしたらいい? と、さらに追い込まれる私。でもその時だった。

「記憶喪失か」

「そのようですね」

「森でも出来事が原因か。それともそれ以外の原因か……」

「なんとか思い出せってのもな。無理をさせれば、こんな小さな子供だ。負担が大きすぎて、また倒れるかもしれないぞ」

「総団長、ここは自然に任せ、待った方がよろしいかと」

「そうだな」

 やっぱり話が分かるのか、団長さんたちの会話を聞いた可愛いピンクの小鳥が、テーブルから私の肩へ移動してきて。記憶がなくても大丈夫だよ、というように、そっと寄り添ってくれたよ。

 ただその後、テーブルに戻ると、またアンドリューさんに向かって威嚇しつつ、軽やかなフットワークで翼をパサパサ動かし始めた。アンドリューさんは髪の毛と顎髭を慌てて抑える。

 予想外の展開だった。いや、今の私にとっては、とても都合のいい流れだけど。まさか記憶喪失だと思われるなんて。これ以上何も聞かれそうになくてホッとしたよ。ああ~、変に名前を言わなくて、そして余計なことを言わなくて良かった。

 でも、一応謝っておかないとね。みんな、とても心配してくれているのに、喜ぶだけじゃ失礼だし。それに、可愛いピンクの小鳥にもお礼を言わなくちゃ。

「なまえ、わからなくて、ごめんしゃい」

「いや、謝らなくて良い」

「ことりしゃん、ちんぱいちてくれて、ありがちょ!」

『ぴぃっ!!』

 フットワークの良い翼パサパサを止めて私の方を向き、片方の翼を胸に当て。まるで、それくらい当たり前だよ! と言っているかのような仕草をする、可愛いピンクの小鳥。

 でも、またすぐにアンドリューさんを睨みつけた。その目つきの鋭いこと。どうやら、完全に敵認定したようだ。

「チッ、最初を失敗したな、威嚇しすぎだろう……」

『ぴぃ?』

 今度は、何か言った? とでも言うよう表情になる。

「な、何も言ってねぇよ」

 そういえば、総団長さんたちは、どこまで言葉が分かるんだろう? 可愛いピンクの小鳥も魔獣なんだろうけど、言葉は話せないでしょう? でも総団長さんたちは、時々小鳥と話しているような感じがするし。後で聞いてみようかな?

「ま、まぁ、名前も他のことも、ゆっくり思い出せば良い。思い出すまでは俺たちが名前を考えても良いしな」

「そうですね、と言いたいところですが、それについては、あちらとの話し合い次第では?」

「確かにそうだな」

 ん? 今度は何?

「あちら?」

「ああ、君のこれからについて、話をしている者たちがいるんだ。そうだな、どこで暮らすか、誰が保護するかをな」

 ん? どういうこと?

「ですから総団長、ですからもう少し優しく……」

「だいじょぶ、わかりましゅ」

「そうですか? 先ほどから思っていたのですが、あなたは歳の割に、他の子供と比べると理解力がありそうですね」

 まぁ、地球では25歳だったからね。それよりも、あちらって? 話している者たちがいるってどういうことかな?
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

異世界転生旅日記〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆1/19〜1/27まで、予約投稿を1話ずつ行います。 農家の四男に転生したルイ。   そんなルイは、五歳の高熱を出した闘病中に、前世の記憶を思い出し、ステータスを見れることに気付き、自分の能力を自覚した。  農家の四男には未来はないと、家族に隠れて金策を開始する。  十歳の時に行われたスキル鑑定の儀で、スキル【生活魔法 Lv.∞】と【鑑定 Lv.3】を授かったが、親父に「家の役には立たない」と、家を追い出される。   家を追い出されるきっかけとなった【生活魔法】だが、転生あるある?の思わぬ展開を迎えることになる。   ルイの安寧の地を求めた旅が、今始まる! 見切り発車。不定期更新。 カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

【完結】胃袋を掴んだら溺愛されました

成実
恋愛
前世の記憶を思い出し、お菓子が食べたいと自分のために作っていた伯爵令嬢。  天候の関係で国に、収める税を領地民のために肩代わりした伯爵家、そうしたら、弟の学費がなくなりました。  学費を稼ぐためにお菓子の販売始めた私に、私が作ったお菓子が大好き過ぎてお菓子に恋した公爵令息が、作ったのが私とバレては溺愛されました。

【書籍化決定!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆皆様のおかげで、書籍化が決定致しました!3月中旬頃、発売予定です。よろしくお願い致します。 ※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

異世界ママ、今日も元気に無双中!

チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。 ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!? 目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流! 「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」 おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘! 魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!

聖獣召喚に巻き込まれた俺、モフモフの通訳をしてたら冷徹騎士団長に外堀を埋められました

たら昆布
BL
完璧っぽいエリート騎士×無自覚な愛され系

元社畜悪役令嬢、辺境のボロ城を全自動ボタニカル美容スパに大改造して引きこもる ~前世コスメで冷徹公爵を完治させたら溺愛されました~

季未
恋愛
「貴様のような悪逆非道な女は、極寒の辺境へ追放だ!」 建国記念の夜会で王太子から婚約破棄を突きつけられた公爵令嬢シャルロッテ。 しかし、彼女の中身は前世でブラック企業に殺された過労で過労死したマーケターだった! (激務の王妃ルート回避!? しかも辺境は誰にも邪魔されないブルーオーシャン! 最高のフリーランス生活の始まりじゃない!) 理不尽な追放を究極のホワイト・スローライフへのパスポートだと歓喜した彼女は、あてがわれた辺境のボロ城を、前世の「DIY・スマートホーム知識」と「土・水魔法」を駆使して爆速で大改造! 隙間風の吹く部屋は、一瞬で「床暖房完備の全自動温水スパ」へ。 辺境に自生する雑草からは「極上ボタニカルコスメ」を開発し、自らも絶世の美女へと変貌していく。 さらに「お前には干渉しない」と白い結婚を突きつけてきたはずの、呪いで顔に火傷を負った氷の公爵に特製マッサージと美肌治療を施したところ……。 「お前が作ったこの空間と、お前自身が……俺のすべてだ」 冷徹だったはずの公爵様が、極上の癒やし空間と彼女の手技で完全に骨抜きにされ、異常なまでの過保護・溺愛モードに突入!? 現代マーケティングと美容チートで辺境を超高級スマート・リゾートへと再生させ、かつて自分を追放した王太子たちを大後悔させる! 爽快&極甘な、異世界リゾート経営×溺愛ファンタジー、堂々開幕!

没落領地の転生令嬢ですが、領地を立て直していたら序列一位の騎士に婿入りされました

藤原遊
ファンタジー
魔力不足、財政難、人手不足。 逃げ場のない没落領地を託された転生令嬢は、 “立て直す”以外の選択肢を持たなかった。 領地経営、改革、そして予想外の縁。 没落から始まる再建の先で、彼女が選ぶ未来とは──。 ※完結まで予約投稿しました。安心してお読みください。

捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。

蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。 これで、貴方も私も自由です。 ……だから、もういいですよね? 私も、自由にして……。 5年後。 私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、 親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、 今日も幸せに子育てをしています。 だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。 私のことは忘れて……。 これは、すれ違いの末に離れ離れになった夫婦の物語。 再会したとき、二人が選ぶのは「離婚」か、それとも「再構築」か。 妻を一途に想い続ける夫と、 その想いを一ミリも知らない妻。 ――攻防戦の幕が、いま上がる。

処理中です...