扇風機を持って異世界転移!? もふもふたちと共に扇風機を操り俺はこの世界を生き延びる!!

ありぽん

文字の大きさ
50 / 78

49話 突然聞こえてきた声

しおりを挟む
「何だ?」

“みんな怖いなぁ。いつもは話くらいはできるのに、今はできないし”

 俺は周りを確認する。だが、俺の周りにいるのはミルフィー達だけ。その時は冒険者も騎士達も、誰1人として近くにはおらず。戦闘と、どこかの避難誘導の音が、あいかわらず聞こえているだけだった。

 俺がカピパラ似の魔獣を持ったまま動きを止めたせいか、みんなが俺に話しかけてきた。

『リョウパパ、ぽいしない?』

『どうした?』

『リョウ、どうしたの? その魔獣に何かあるの?』

『それにキョロキョロしてるしさ。こいつの仲間でもいるのか?』

『で、でも僕達分からない』

『そうですね、気配は感じませんが』

「すまない、何でもない、どうも俺の気のせいみたいだ。すぐにこいつをどかして……」

 と、その時また。

“早く逃げないと街に着いて、攻撃されちゃう。攻撃されたら絶対に痛いもん。それに逃げられなかったら、やっつけられちゃうかも”

「誰だ? どこから話してる!!」

 俺はしっかりとした声に、気のせいではないと確信し、その声に話しかけてみる事にした。まぁ、相手が俺の存在に気づいてくれない可能性もあるけど。なにせ声だけ聞こえて、姿が見えない存在だからな。

「誰だ? 早く逃げないと、って言ってるのは? 攻撃されたら痛いもん、って言ってるのは?」

 一応話しかけているのが分かるよう、話していた内容を付け加えてみる。

“だ、誰!? 僕にお話ししてるの? 僕の話し分かる? 良かったぁ。みんなお話しできないから、どうしようかと思ってたんだよ。どこで飛んでるの? 僕、そっちに行って良い?”

「飛んでる? 俺は立っているんだが?」

“立ってる? ここから抜けられて、下に降りられたの!? どこどこ? ……ってあれ? 僕声に出してないで、思っているだけなのに、どうして僕の思ってる事分かるの?”

 何なんだ一体。こいつは何を言ってるんだ? 不思議に思っていると、シルフ達俺に話しかけてきた。

『ねぇ、リョウ、本当にどうしたの? 誰と話してるのさ? 僕達の周りには、誰も話しをしてる人いないよ?』

『そうだぜ。1人で話してどうしたんだよ』

「いや、それが……」

 俺はすぐに、どこからともなく、声が聞こえてきたこと。そして今、聞こえてききた声に話しかけたら、答えが返ってきたことを伝えた。

『あっ!! それってもしかして、完璧に相性があったってことじゃない?』

『う、うん。そ、そうかも』

「どう言うことだ?」

 先に声の相手に少し待つように伝えてくれ、と言われたため、俺は声の相手にそのことを伝える。

「すまないが、少しだけ待ってくれ。すぐにまた話すから」

“分かったぁ”

 返事が帰ってきたので、シルフ達の話しを聞く事に。詳しく話すと時間がかかると言う事で、今は何があるか分からないし、簡単に話しを聞く事に。

 シルフ達によるとこうだ。人や獣人、エルフでも誰でも。ある日突然、離れている魔獣と話しができることがある。それはその者同士の相性が、完璧に合っている時に起きる現象で。

 契約をすれば、相性が合っているだけあって、お互いの力が上がり、普通の魔法でもより強い魔法を使えるようになるし。そこで信頼関係が築ければ、さらにお互いの能力を高め合うことができる。

 また、契約にはもちろん、お互いの思いが大切だけれど。相性のいい相手の場合は、契約してから、幸せに暮らす者達がほとんどらしい。

 ただ、それだけ相性が合うことはなかなかなく、長く生きているシルフ達でも、数人見た程度で。みんなのを合わせても10数人だから、本当にとても珍しい事だと。

『リョウ!! 絶対その魔獣と契約するべきだよ!!』

『そうだぜ!! 奇跡だぞ!!』

『契約の話は後でも良いですが、会うのは絶対会った方が良いです』

『う、うん。ぜ、絶対』

「そんなにか? そうか、じゃあみんなが言うなら。でもどこにいるか分からないからな」

『周りのこと聞いてみて!』

『何が見えるかとか』

『離れている相手と言っても、思いが届くほどの距離にはいるはずです』

『ぼ、僕が前にあった人達は、離れていても山2つ分くらいまでだった』

『あ、僕も僕も!!』

 いや、かなり遠いだろう、それ。そう思いながら、俺は声の相手に話しかける。

「待たせたな」

“ううん。大丈夫”

「それでだな。もっとゆっくり話しがしたいんだが、ちょっと俺は今動けなくてさ。お前がどこにいるか分かれば、後で俺がお前を尋ねに行くか、もしかしたらお前に俺の所まで、来てもらおうと思うんだけど」

“そうなの? でもお話ししてるなら近くにいるでしょう? 僕の近くで飛んでるんじゃないの?”

「飛んでる……か」

『飛んでるってことは、飛ぶことができる魔獣で、今空を飛んでいる最中かもね。周りに何が見るか聞いてみて』

「飛んでいるのは分かった。それじゃあ周りには何が見える?」

“何がって、僕達の仲間でしょう? 僕の周りは僕より大きい仲間ばっかり。今もとっても大きな仲間が、僕達のこと見てるし。う~ん、ねぇ、君の周りは?”

 俺が相手の言葉を、そのまますぐに声に出して話すことで、シルフ達に伝える。

『群れで行動する魔獣かな?』

『じ、自分が何の魔獣か言えるかな?』

『時々自分は自分だとだけ、言う魔獣もいますからね』

『リョウ、自分が誰なのか聞いてみて』

「俺はリョウって言うんだけど、君は誰だ? 君が誰なのか分かれば、もしかしいろいろなことが、分かるようになるかもしれないんだけど」

“僕? 僕はワイバーンだよ。えっとね、みんなにはチビワイバーンって言われてる”

「ワイバーン!!」

 俺は思わず叫んでしまい、急いで口を塞ぐ。そして周りを見たけれど、誰にも聞かれていないようで安心した。
しおりを挟む
感想 49

あなたにおすすめの小説

娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る

ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。 異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。 一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。 娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。 そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。 異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。 娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。 そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。 3人と1匹の冒険が、今始まる。 ※小説家になろうでも投稿しています ※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!  よろしくお願いします!

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ

双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。 彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。 そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。 洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。 さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。 持ち前のサバイバル能力で見敵必殺! 赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。 そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。 人々との出会い。 そして貴族や平民との格差社会。 ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。 牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。 うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい! そんな人のための物語。 5/6_18:00完結!

神樹の里で暮らす創造魔法使い ~幻獣たちとののんびりライフ~

あきさけ
ファンタジー
貧乏な田舎村を追い出された少年〝シント〟は森の中をあてどなくさまよい一本の新木を発見する。 それは本当に小さな新木だったがかすかな光を帯びた不思議な木。 彼が不思議そうに新木を見つめているとそこから『私に魔法をかけてほしい』という声が聞こえた。 シントが唯一使えたのは〝創造魔法〟といういままでまともに使えた試しのないもの。 それでも森の中でこのまま死ぬよりはまだいいだろうと考え魔法をかける。 すると新木は一気に生長し、天をつくほどの巨木にまで変化しそこから新木に宿っていたという聖霊まで姿を現した。 〝この地はあなたが創造した聖地。あなたがこの地を去らない限りこの地を必要とするもの以外は誰も踏み入れませんよ〟 そんな言葉から始まるシントののんびりとした生活。 同じように行き場を失った少女や幻獣や精霊、妖精たちなど様々な面々が集まり織りなすスローライフの幕開けです。 ※この小説はカクヨム様でも連載しています。アルファポリス様とカクヨム様以外の場所では公開しておりません。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花
ファンタジー
 神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。  神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。 書籍8巻11月24日発売します。 漫画版2巻まで発売中。

最凶と呼ばれる音声使いに転生したけど、戦いとか面倒だから厨房馬車(キッチンカー)で生計をたてます

わたなべ ゆたか
ファンタジー
高校一年の音無厚使は、夏休みに叔父の手伝いでキッチンカーのバイトをしていた。バイトで隠岐へと渡る途中、同級生の板林精香と出会う。隠岐まで同じ船に乗り合わせた二人だったが、突然に船が沈没し、暗い海の底へと沈んでしまう。 一七年後。異世界への転生を果たした厚使は、クラネス・カーターという名の青年として生きていた。《音声使い》の《力》を得ていたが、危険な仕事から遠ざかるように、ラオンという国で隊商を率いていた。自身も厨房馬車(キッチンカー)で屋台染みた商売をしていたが、とある村でアリオナという少女と出会う。クラネスは家族から蔑まれていたアリオナが、妙に気になってしまい――。異世界転生チート物、ボーイミーツガール風味でお届けします。よろしくお願い致します! 大賞が終わるまでは、後書きなしでアップします。

処理中です...