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第一章
第29話:従魔との話し合い
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それから楓とセリシャは、他の職員とも話し合いを行い、全員が従魔具を作ってほしいと答えてくれた。
中にはサブスキル〈翻訳〉のことを伝える前に、前のめりで答える職員もいて、楓としてはやる気が出る出来事となった。
主との話し合いは終わった。次は、従魔との話し合いだ。
順番は主である職員の時と同じで、その従魔から順番で話を聞くことにした。
「それじゃあ、従魔房へ移動しましょうか」
「はい!」
さすがに従魔全員をセリシャの部屋に入れるわけにはいかないので、楓たちが従魔房へ出向くことにした。
「最初はエリンさんの従魔ですね。名前は確か……ハオ君」
「そうよ。確か、鳥の従魔だったはずだわ」
「鳥ですか! カッコいいですね!」
「ギュギュッギュギャ!?(おいらの方がカッコいいけど!?)」
楓がカッコいいと言ったからか、ピースが対抗心を燃やしてきた。
腰に両手を当て、どうだと言わんばかりに胸を張る。
その姿が可愛らしく、楓は優しくピースの頭を撫でた。
「ピースは可愛いねー」
「ギギュギャギャ!?(カッコいいんだけど!?)」
楓の感想が許せなかったのか、ピースは両腕をバタバタさせながら抗議する。
しかし楓は抗議を受け付けず、そのまま歩いていき従魔房に到着した。
「ここよ」
「セリシャ様の部屋から見ていましたけど、実際に見ると大きいんですね」
「ラッシュみたいな大きな従魔もいるからね。それに合わせて増築を繰り返していたら、こうなってしまったのよ」
従魔房の大きさは、ラッシュが一〇匹いても余裕で入るくらいの広さを持っている。
さすがに走り回ることはできないが、歩いたり、寝転がるくらいはできそうだ。
「ガガウッ!? キャンキャンクウウウウンッ!!」
するとここで、楓の存在に気づいたラッシュが盛大に鳴いた。
そのせいもあり、従魔房にいる従魔全員が楓に気づくと、檻の柵ギリギリまで全員が集まってしまった。
「お、落ち着いてね?」
「あなたたち? これ以上カエデさんに迷惑を掛けるようであれば、従魔具をお願いしないわよ?」
「「「「「「――!?」」」」」」
セリシャの言葉の意味を理解したのだろう、従魔たちは衝撃の表情を浮かべると、その場で姿勢正しくお座りをする。
鳥の従魔に関してはラッシュの頭の上に止まっており、楓は笑いを堪えるのが大変だった。
「……えっと、そ、それじゃあ……ふぅ。エリンさんの従魔のハオ君?」
「ピーヒョロロー!」
楓が名前を呼ぶと、ラッシュの頭の上に止まっていた鳥の従魔が大きく羽ばたいた。
「あ、君だったんだね。うふふ、やっぱりカッコいいね」
「……ギギギギ!(……負けないからな!)」
ピースの中では勝手にハオがライバル認定されていたが、楓がそのことを知る由はなかった。
「エリンさんからは、ハオ君に従魔具を作ってほしいって言ってもらえたの。どんな従魔具が欲しいのか、希望を聞かせてくれるかな?」
楓はそう口にしながら柵の間から腕を従魔房に入れる。
するとハオはラッシュから話を聞いていたのか、頭の上から飛び上がり、そのまま楓の腕に優しく下りた。
「ピピピーヒョロロ! ピッピピチチチ、ピピチチチッチ!(俺は誰よりも速く飛びたい! ラッシュができたんだ、俺のことも早くしてくれるだろう!)」
可愛い鳴き声とは異なり、言っていることは結構強気だなと、楓は思わず苦笑いしてしまう。
「ハオ君は、速く飛べるようになりたいと……他に希望はあるかな? 例えば、足に付けたいとか、頭に付けたいとか?」
「ピピ! ヒョロピピチチピッピ!(足だ! 飛ぶのに邪魔にならないようにしてくれ!)」
「分かった、ありがとう」
それから楓は、他の従魔たちにも触れながら、それぞれの希望を聞いて回った。
その数はラッシュを除けば、合計で五匹。
誰もが興奮したように答えていたからか、たまに話が脱線することもあったが、楓は笑顔で話を聞き、従魔たちの希望を把握した。
「よし! みんな、ありがとう! 完成には少し時間が掛かるかもしれないけど、待っていてね!」
楓が力強くそう伝えると、従魔たちは嬉しそうに鳴いた。
「大丈夫なの、カエデさん?」
そこへセリシャが心配そうに声を掛けてきた。
「みんなが喜んでくれる顔を見たいんです。頑張ります!」
「やる気があるのはいいことだけれど、無理だけはしないでね?」
そう口にしたセリシャは、楓の肩を優しく叩いた。
「はい! ……もう、ブラック企業で働いたりしたくないですからね」
「え? ブラックがなんですって?」
「あ! いえ、こっちの話です! あは、あははー!」
思わず日本での仕事のことを呟いてしまい、楓は苦笑しながら誤魔化した。
「ならいいのだけれど……従魔具を作る場所は、私の部屋を使ってくれて構わないわ」
「でも、邪魔になりませんか?」
「ならないし、むしろ私が見たいの。フェザリカの森には低品質の材料ばかりなのだけれど、そこからカエデさんがどのような従魔具を作り上げるのかをね」
場所を提供してくれたセリシャへ申し訳なさそうに確認を取った楓だったが、セリシャは楽しそうにそう答えてくれた。
「期待に応えられるよう、頑張ります!」
「応援しているわ、カエデさん」
「はい!」
こうして、楓の従魔具職人としての一日が始まった。
中にはサブスキル〈翻訳〉のことを伝える前に、前のめりで答える職員もいて、楓としてはやる気が出る出来事となった。
主との話し合いは終わった。次は、従魔との話し合いだ。
順番は主である職員の時と同じで、その従魔から順番で話を聞くことにした。
「それじゃあ、従魔房へ移動しましょうか」
「はい!」
さすがに従魔全員をセリシャの部屋に入れるわけにはいかないので、楓たちが従魔房へ出向くことにした。
「最初はエリンさんの従魔ですね。名前は確か……ハオ君」
「そうよ。確か、鳥の従魔だったはずだわ」
「鳥ですか! カッコいいですね!」
「ギュギュッギュギャ!?(おいらの方がカッコいいけど!?)」
楓がカッコいいと言ったからか、ピースが対抗心を燃やしてきた。
腰に両手を当て、どうだと言わんばかりに胸を張る。
その姿が可愛らしく、楓は優しくピースの頭を撫でた。
「ピースは可愛いねー」
「ギギュギャギャ!?(カッコいいんだけど!?)」
楓の感想が許せなかったのか、ピースは両腕をバタバタさせながら抗議する。
しかし楓は抗議を受け付けず、そのまま歩いていき従魔房に到着した。
「ここよ」
「セリシャ様の部屋から見ていましたけど、実際に見ると大きいんですね」
「ラッシュみたいな大きな従魔もいるからね。それに合わせて増築を繰り返していたら、こうなってしまったのよ」
従魔房の大きさは、ラッシュが一〇匹いても余裕で入るくらいの広さを持っている。
さすがに走り回ることはできないが、歩いたり、寝転がるくらいはできそうだ。
「ガガウッ!? キャンキャンクウウウウンッ!!」
するとここで、楓の存在に気づいたラッシュが盛大に鳴いた。
そのせいもあり、従魔房にいる従魔全員が楓に気づくと、檻の柵ギリギリまで全員が集まってしまった。
「お、落ち着いてね?」
「あなたたち? これ以上カエデさんに迷惑を掛けるようであれば、従魔具をお願いしないわよ?」
「「「「「「――!?」」」」」」
セリシャの言葉の意味を理解したのだろう、従魔たちは衝撃の表情を浮かべると、その場で姿勢正しくお座りをする。
鳥の従魔に関してはラッシュの頭の上に止まっており、楓は笑いを堪えるのが大変だった。
「……えっと、そ、それじゃあ……ふぅ。エリンさんの従魔のハオ君?」
「ピーヒョロロー!」
楓が名前を呼ぶと、ラッシュの頭の上に止まっていた鳥の従魔が大きく羽ばたいた。
「あ、君だったんだね。うふふ、やっぱりカッコいいね」
「……ギギギギ!(……負けないからな!)」
ピースの中では勝手にハオがライバル認定されていたが、楓がそのことを知る由はなかった。
「エリンさんからは、ハオ君に従魔具を作ってほしいって言ってもらえたの。どんな従魔具が欲しいのか、希望を聞かせてくれるかな?」
楓はそう口にしながら柵の間から腕を従魔房に入れる。
するとハオはラッシュから話を聞いていたのか、頭の上から飛び上がり、そのまま楓の腕に優しく下りた。
「ピピピーヒョロロ! ピッピピチチチ、ピピチチチッチ!(俺は誰よりも速く飛びたい! ラッシュができたんだ、俺のことも早くしてくれるだろう!)」
可愛い鳴き声とは異なり、言っていることは結構強気だなと、楓は思わず苦笑いしてしまう。
「ハオ君は、速く飛べるようになりたいと……他に希望はあるかな? 例えば、足に付けたいとか、頭に付けたいとか?」
「ピピ! ヒョロピピチチピッピ!(足だ! 飛ぶのに邪魔にならないようにしてくれ!)」
「分かった、ありがとう」
それから楓は、他の従魔たちにも触れながら、それぞれの希望を聞いて回った。
その数はラッシュを除けば、合計で五匹。
誰もが興奮したように答えていたからか、たまに話が脱線することもあったが、楓は笑顔で話を聞き、従魔たちの希望を把握した。
「よし! みんな、ありがとう! 完成には少し時間が掛かるかもしれないけど、待っていてね!」
楓が力強くそう伝えると、従魔たちは嬉しそうに鳴いた。
「大丈夫なの、カエデさん?」
そこへセリシャが心配そうに声を掛けてきた。
「みんなが喜んでくれる顔を見たいんです。頑張ります!」
「やる気があるのはいいことだけれど、無理だけはしないでね?」
そう口にしたセリシャは、楓の肩を優しく叩いた。
「はい! ……もう、ブラック企業で働いたりしたくないですからね」
「え? ブラックがなんですって?」
「あ! いえ、こっちの話です! あは、あははー!」
思わず日本での仕事のことを呟いてしまい、楓は苦笑しながら誤魔化した。
「ならいいのだけれど……従魔具を作る場所は、私の部屋を使ってくれて構わないわ」
「でも、邪魔になりませんか?」
「ならないし、むしろ私が見たいの。フェザリカの森には低品質の材料ばかりなのだけれど、そこからカエデさんがどのような従魔具を作り上げるのかをね」
場所を提供してくれたセリシャへ申し訳なさそうに確認を取った楓だったが、セリシャは楽しそうにそう答えてくれた。
「期待に応えられるよう、頑張ります!」
「応援しているわ、カエデさん」
「はい!」
こうして、楓の従魔具職人としての一日が始まった。
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