54 / 901
一章 魔王城、意外と居心地がいい気がする。
51※
しおりを挟む俺を扉に押しつけたアゼルは、そのまま薄いインナーの上から俺の肌に触れる。
首筋から胸、腹筋、腰、そして下腹のあたりまでを、ツツ……、となぞった。
「ン……っ」
そんなことをされたら、たまらない。
火照った体は容易に熱を上げ、俺は快感で潤んだ目を見開きビク、と身を捩る。
「ひっ……なにを……ぁ、あぁ、あ」
「別に、もっと乱してやりたいとか思ってねぇぜ。ちっとも思ってねぇ。思ってねぇけど、俺はもうお前の血でだいぶ満たされたからな。今度は俺が手伝ってやる……どこが気持ちいいのか、言えよ」
「はっ……? なっ、ぁ、ンん……ッ」
アゼルはどのあたりにそう思う要素があったのかわからないが、とんでもないことを言いだした。
緊張して固くなった体を解すように筋肉をなでまわしながら、熱い唇に胸を這われる。
それだけでもうビク、ビク、と俺の体は敏感に刺激を受け取り、否応なしに揺らめきだしてしまった。
待て待て。責任を取るってこういうことなのか……!? だとしたらなにも解決していない。俺が恥ずかしくてたまらないということが、解決していない……!
ドン引きされるならまだしも、予想外の展開に混乱して硬直する。
その間に俺の体をなでながら舐めているアゼルは、どんどん彼曰く〝手伝ってやる〟を実行し始めた。
器用なアゼルが俺の反応を見ながら、脇腹や肩口、内ももなどのいろんな場所を触り、どこが気持ちがいいのかあたりをつけだす。
やめろ、そこはいけない。
性感帯がバレる。
勉強熱心なのはいいことだが、これだけは本当によしてくれ。
「へぇ。シャル、お前肩甲骨の谷間なんてトコ、感じるのかよ? それに男だから、ここは正解だろうな……ほら、勃ってる」
「あっ、そこは、ん……っ、アゼルっ」
「触られただけでこんなになるんだな……よし、吸血量の加減を覚えたぞ。昨日はもっと量多かったからもっと酷かっただろうし、これで適度によくしてやれるぜ。今日はちゃんと最後まで面倒みるからな? この俺に身を任せやがれ、ふふん」
「いっいいから触っ、あ、あぁ……っ」
おバカ、じゃない。
やや暴走癖のある魔界最強魔王さん。
舐めるのをやめて顔を上げつつ、緩やかに勃起する屹立を布の上から指先でカリッと擦り昂る反応を指摘され、俺は切れ切れに悲鳴をあげた。
自分でも知らなかった性感帯。
まさかの、肩甲骨の間の背骨。
そこをゴリゴリと指の関節で刺激され、ビクンッ、と背中をしならせ「あぁあ……ッ」と喘ぐ。
まさかこんなところを触られて、官能を感じゾクゾクするとは。くっ、自分が変態な気がしてきた。
喘がせている間にツンと俺のベルトに触れたアゼルの魔法で、しっかりと締めていたベルトはスルスルと解けて開く。
なるほど、開錠の魔法か。
──使い方、間違ってるぞ……!
ただでさえ催淫毒でもうその気にさせられている俺は、滑り込んだアゼルの白枝のような指に絡めとられ、頭を振って悶えた。
「きっ汚い、汚いからやめ、っく」
ちゅぷ、と粘着質な音をたてながら芯を持ち始めている陰茎に触れられ、目を見開く。
俺の火照った体の責任を取る気満々のアゼルは、感じる場所を見つけると執拗にそこを責めるのだ。
118
あなたにおすすめの小説
相性最高な最悪の男 ~ラブホで会った大嫌いな同僚に執着されて逃げられない~
柊 千鶴
BL
【執着攻め×強気受け】
人付き合いを好まず、常に周囲と一定の距離を置いてきた篠崎には、唯一激しく口論を交わす男がいた。
その仲の悪さから「天敵」と称される同期の男だ。
完璧人間と名高い男とは性格も意見も合わず、顔を合わせればいがみ合う日々を送っていた。
ところがある日。
篠崎が人肌恋しさを慰めるため、出会い系サイトで男を見繕いホテルに向かうと、部屋の中では件の「天敵」月島亮介が待っていた。
「ど、どうしてお前がここにいる⁉」「それはこちらの台詞だ…!」
一夜の過ちとして終わるかと思われた関係は、徐々にふたりの間に変化をもたらし、月島の秘められた執着心が明らかになっていく。
いつも嫌味を言い合っているライバルとマッチングしてしまい、一晩だけの関係で終わるには惜しいほど身体の相性は良く、抜け出せないまま囲われ執着され溺愛されていく話。小説家になろうに投稿した小説の改訂版です。
合わせて漫画もよろしくお願いします。(https://www.alphapolis.co.jp/manga/763604729/304424900)
平凡ハイスペックのマイペース少年!〜王道学園風〜
ミクリ21
BL
竜城 梓という平凡な見た目のハイスペック高校生の話です。
王道学園物が元ネタで、とにかくコメディに走る物語を心掛けています!
※作者の遊び心を詰め込んだ作品になります。
※現在連載中止中で、途中までしかないです。
その男、ストーカーにつき
ryon*
BL
スパダリ?
いいえ、ただのストーカーです。
***
完結しました。
エブリスタ投稿版には、西園寺視点、ハラちゃん時点の短編も置いています。
そのうち話タイトル、つけ直したいと思います。
ご不便をお掛けして、すみません( ;∀;)
女子にモテる極上のイケメンな幼馴染(男)は、ずっと俺に片思いしてたらしいです。
山法師
BL
南野奏夜(みなみの そうや)、総合大学の一年生。彼には同じ大学に通う同い年の幼馴染がいる。橘圭介(たちばな けいすけ)というイケメンの権化のような幼馴染は、イケメンの権化ゆえに女子にモテ、いつも彼女がいる……が、なぜか彼女と長続きしない男だった。
彼女ができて、付き合って、数ヶ月しないで彼女と別れて泣く圭介を、奏夜が慰める。そして、モテる幼馴染である圭介なので、彼にはまた彼女ができる。
そんな日々の中で、今日もまた「別れた」と連絡を寄越してきた圭介に会いに行くと、こう言われた。
「そーちゃん、キスさせて」
その日を境に、奏夜と圭介の関係は変化していく。
イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした
天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです!
元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。
持ち主は、顔面国宝の一年生。
なんで俺の写真? なんでロック画?
問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。
頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ!
☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。
【完結】※セーブポイントに入って一汁三菜の夕飯を頂いた勇者くんは体力が全回復します。
きのこいもむし
BL
ある日突然セーブポイントになってしまった自宅のクローゼットからダンジョン攻略中の勇者くんが出てきたので、一汁三菜の夕飯を作って一緒に食べようねみたいなお料理BLです。
自炊に目覚めた独身フリーターのアラサー男子(27)が、セーブポイントの中に入ると体力が全回復するタイプの勇者くん(19)を餌付けしてそれを肴に旨い酒を飲むだけの逆異世界転移もの。
食いしん坊わんこのローグライク系勇者×料理好きのセーブポイント系平凡受けの超ほんわかした感じの話です。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる