本日のディナーは勇者さんです。

木樫

文字の大きさ
190 / 901
終章 本日のディナーは勇者さんです。

18※

しおりを挟む


 うつ伏せにされると涎を垂らす屹立がシーツに擦れるのが気持ちよくて、俺は淫らに腰を揺らめかせて自慰に耽る。

 粘膜がシーツにヌルヌルとあたり心地よく、夢中で前後の淫惑に堕ちていく体。
 俺の内部はだんだんと自ら求めるように、アゼルの指を締めつけ始めた。


「ん……っんふ……んっ……」

「自分で前こすりつけて、やらしいのはシャルだろ。……変態」

「っ、ぅ、くぅ……っ」


 突然ズルッ、と全ての指が引き抜かれてしまい、名残惜しそうな声が漏れた。せっかく体内を擦られる感覚を堪能しながら射精したくて自分で動いていたのに酷い。

 抱えられていた体が離される。
 力の入らない肉体は簡単にベッドへ沈み、下腹部を濡らして全身が火照っていた。

 どうしてやめるんだ? まだ足りないのに。もっと欲しいのに。


「んっ……やめないで、触って……んっ……」


 欲望に突き動かされ、俺は口元を押さえていた手を濡れそぼった勃起に添え、赴くままにヌチュ、ヌチュ、と擦った。


「はぁ……アゼル、アゼル、もっと、して……もっと、アゼル……」

「っは、ちょっとトンでんのか……?」


 俺の体に覆いかぶさり、唾液に濡れた顎をすくい上げるアゼル。

 のぼせ上がった視界に、欲情しきった男のオニキスに似た瞳が映る。
 こんな筋肉で骨ばった体を触って、かわいげのない男の痴態で興奮するなんて、奇特なやつだ。

 自分だって早く感じたいくせに、俺ばかり淫乱だと詰る。ズルいな。俺ばっかりお前が大好きじゃないか。


「アゼル、好きだ、好き、だ」


 横向きに横たわる俺は、のしかかるアゼルの足に自分の足をするりと絡ませる。

 くちゅ、くちゅ、と濡れた音を響かせて自慰をしながら空いていたもう片方の手をアゼルの首に回し、ぐっと彼を引き寄せた。


「もう中に、欲しい……好きだ……」

「っん、ぅ」


 顎を掴まれたまま必死に首を伸ばし、目の前のアゼルの唇へ触れるだけのキスを何度も送る。

 体の奥がキュンキュンと疼くのがわかった。早く欲しい。指じゃ足りない。あんなに激しく擦られたら、お前の熱く、太く、大きなモノが、欲しくなるに決まってる。

 俺に好きだと言われるとたまらないと言っていたことを思い出して、うわ言のように好きを繰り返す。


「は、っも、お前それ、誘ってるつもりなのかよ……、っ」

「うん、ぁっ、お前が好きだから、欲しいんだ……一番、っ好きだ……」


 頭のとろけた俺には、上手に誘うだとかはなにも思いつかない。好きだと言って絡ませた足をすりすりと動かし、敏感になった内腿をアゼルの足に擦りつけて強請る。

 するとアゼルが歓喜を隠すように唸り、乱暴に絡みつく俺の足を抱え上げた。

 前をくつろげて俺に触れながら、勃ちあがっていた杭をしっとりと濡れた内腿に擦りつける。


「は……っあ、熱い……」

「お前のせいだろっ、アホシャル、馬鹿、ドエロ野郎っ」

「だって俺、俺が変態……ん、あっ……熱い、の、こすれる……んっ……」

「く……っコイツ、ああくそ……っ」


 我慢ならないように仰向けに押し倒され、シーツにトロけた体を押しつけられた。

 抱え上げた片足の内側に、熱すぎる熱をどうにか発散するためか牙を立てられる。尖った牙が肉に埋められ、チュルリと柔らかい肉を食い締められた。


「あぁ……っ早く、お願い……」


 そんなところから血を吸われたのは初めてだ。
 それが余計に感じてしまうから、自由なもう片方の足をアゼルの腰に巻きつけ、硬い勃起にヒクつく窄まりを擦りつけた。




しおりを挟む
感想 216

あなたにおすすめの小説

相性最高な最悪の男 ~ラブホで会った大嫌いな同僚に執着されて逃げられない~

柊 千鶴
BL
【執着攻め×強気受け】 人付き合いを好まず、常に周囲と一定の距離を置いてきた篠崎には、唯一激しく口論を交わす男がいた。 その仲の悪さから「天敵」と称される同期の男だ。 完璧人間と名高い男とは性格も意見も合わず、顔を合わせればいがみ合う日々を送っていた。 ところがある日。 篠崎が人肌恋しさを慰めるため、出会い系サイトで男を見繕いホテルに向かうと、部屋の中では件の「天敵」月島亮介が待っていた。 「ど、どうしてお前がここにいる⁉」「それはこちらの台詞だ…!」 一夜の過ちとして終わるかと思われた関係は、徐々にふたりの間に変化をもたらし、月島の秘められた執着心が明らかになっていく。 いつも嫌味を言い合っているライバルとマッチングしてしまい、一晩だけの関係で終わるには惜しいほど身体の相性は良く、抜け出せないまま囲われ執着され溺愛されていく話。小説家になろうに投稿した小説の改訂版です。 合わせて漫画もよろしくお願いします。(https://www.alphapolis.co.jp/manga/763604729/304424900)

平凡ハイスペックのマイペース少年!〜王道学園風〜

ミクリ21
BL
竜城 梓という平凡な見た目のハイスペック高校生の話です。 王道学園物が元ネタで、とにかくコメディに走る物語を心掛けています! ※作者の遊び心を詰め込んだ作品になります。 ※現在連載中止中で、途中までしかないです。

女子にモテる極上のイケメンな幼馴染(男)は、ずっと俺に片思いしてたらしいです。

山法師
BL
 南野奏夜(みなみの そうや)、総合大学の一年生。彼には同じ大学に通う同い年の幼馴染がいる。橘圭介(たちばな けいすけ)というイケメンの権化のような幼馴染は、イケメンの権化ゆえに女子にモテ、いつも彼女がいる……が、なぜか彼女と長続きしない男だった。  彼女ができて、付き合って、数ヶ月しないで彼女と別れて泣く圭介を、奏夜が慰める。そして、モテる幼馴染である圭介なので、彼にはまた彼女ができる。  そんな日々の中で、今日もまた「別れた」と連絡を寄越してきた圭介に会いに行くと、こう言われた。 「そーちゃん、キスさせて」  その日を境に、奏夜と圭介の関係は変化していく。

塔の魔術師と騎士の献身

倉くらの
BL
かつて勇者の一行として魔王討伐を果たした魔術師のエーティアは、その時の後遺症で魔力欠乏症に陥っていた。 そこへ世話人兼護衛役として派遣されてきたのは、国の第三王子であり騎士でもあるフレンという男だった。 男の説明では性交による魔力供給が必要なのだという。 それを聞いたエーティアは怒り、最後の魔力を使って攻撃するがすでに魔力のほとんどを消失していたためフレンにダメージを与えることはできなかった。 悔しさと息苦しさから涙して「こんなみじめな姿で生きていたくない」と思うエーティアだったが、「あなたを助けたい」とフレンによってやさしく抱き寄せられる。 献身的に尽くす元騎士と、能力の高さ故にチヤホヤされて生きてきたため無自覚でやや高慢気味の魔術師の話。 愛するあまりいつも抱っこしていたい攻め&体がしんどくて楽だから抱っこされて運ばれたい受け。 一人称。 完結しました!

イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです! 元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。 持ち主は、顔面国宝の一年生。 なんで俺の写真? なんでロック画? 問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。 頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ! ☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。

【完結】※セーブポイントに入って一汁三菜の夕飯を頂いた勇者くんは体力が全回復します。

きのこいもむし
BL
ある日突然セーブポイントになってしまった自宅のクローゼットからダンジョン攻略中の勇者くんが出てきたので、一汁三菜の夕飯を作って一緒に食べようねみたいなお料理BLです。 自炊に目覚めた独身フリーターのアラサー男子(27)が、セーブポイントの中に入ると体力が全回復するタイプの勇者くん(19)を餌付けしてそれを肴に旨い酒を飲むだけの逆異世界転移もの。 食いしん坊わんこのローグライク系勇者×料理好きのセーブポイント系平凡受けの超ほんわかした感じの話です。

その男、ストーカーにつき

ryon*
BL
スパダリ? いいえ、ただのストーカーです。 *** 完結しました。 エブリスタ投稿版には、西園寺視点、ハラちゃん時点の短編も置いています。 そのうち話タイトル、つけ直したいと思います。 ご不便をお掛けして、すみません( ;∀;)

僕の恋人は、超イケメン!!

BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?

処理中です...