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六皿目 純情変態桃色魔王
17(sideアゼル)
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「いや~全く当初の目的は果たせてなかったケド、いいこと聞いちゃったわぁ。ね~魔王様ぁ?」
「…………」
石化するライゼンを放置して、作戦会議室に戻ってきた俺達。
協力者であるマルガンは、リベンジマッチもこっそり様子を見ていたんだ。
しばしの放心の後帰還した脳内桃色コンビは、取り敢えず執務室で新たに浮上したシャルのとんでも発言について、考えることとなった。
マルガンはあははは~! とパッションピンクなソファーに座りながら、気楽に声をかけてくる。
そんな気分ではない俺は腿に肘をつき、物事を処理する為に真剣な顔をした。
落ち着け、落ち着くんだアゼリディアス。
順番にゆっくりと考えよう。
まずシャルは、俺を抱きたい発言をユリスにしていた。
だが俺はシャルのほうがかわいいので、抱かれるべきはシャルだと思う。
そう思っていた矢先、シャルが俺をかわいいと言った。ここまでは理解した。
それでシャルには俺がかわいく見えることは、不本意ながら知っている。
なのでかわいいで思い出した抱きたい発言の裏を取るべく、真剣に聞いてみたわけだ。
しかし答えはノー。
これには俺も頷いた。
だがその言葉には、いろいろとおまけがついてもいた。ここがミソだ。
シャルが本当は俺との夜が苦手だという理由は、〝趣味が合わないからしたいと思わない〟。
ってことはだ。
(シャルは普段趣味じゃないセックスに、持ち前の大丈夫だ精神と俺への愛で、付き合っていたってことか?)
その思考に至って、俺はハッとした。
ここであの下手くそ発言が繋がるぜ。
性癖に合わねぇから、満足度が低かったってワケだな……!
これには俺も諸手を上げて喜んだ。
おかしいと思ったんだよ、まったく。
持ち前の勤勉さで知識をつけ、まっさらな身体のアイツに尽く実践した日々。
結果。あんなに敏感でどこに出しても恥ずかしくない、ドエロい身体になったんだぜ? 夜の相性は悪くねぇ。
問題はメンタルだったのだ。
性癖に突き刺さっていないから、物足りなかったのだろう。
それを踏まえて。
続いたシャルの提案は──野外だった。
「確かに野外プレイはしたことねぇよ。正直悪くねぇ、いやむしろしたい。そりゃエロい雑誌を借りて読んだ時、やってみたいと思ったからな。でも誰かにうっかりシャルの痴態を見られる可能性は、無視できねぇんだよ……ッ!」
「魔王様……ここはあえて言おう……見せつけるのがたまんないんだと! 好奇心で見に来た出歯亀野郎に〝見ろよ、エロいだろ? コイツ。これ、俺のなんだぜ?〟とドヤるのが禁断の蜜の味なんだと!」
「んんん……ッ! そ、の後……出歯亀野郎を殺してもいいなら……ッ! いややっぱダメだッ! 最中のアイツは汗の一滴まで俺だけ知ってればいいんだよ!」
「男の欲望より独占欲が勝つとは……っ」
チャラ男には真似出来ない! よっさすが魔王様! と拍手をされた。
うるせぇほっとけ。
独占欲むき出しは公認されてんだよ!
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