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六皿目 純情変態桃色魔王
32(sideアゼル)
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──翌日。
昨日の長過ぎる休憩が嘘のように、俺はバリバリと機嫌よく仕事をこなしていく。
こそこそといろいろ考えて好かれようとしたりしたのだが、ことが収まれば終わりはかくもあっけない。
聞きたかったことをガドがワンパンで聞き出したことにより、俺は素敵な夜を過ごしたのだ。
なんだ。こんなことなら初めからこっそりお散歩形態に擬態して、ガドに聞き出してもらえばよかったぜ。
マルガンのことは知らないだろうし、ライゼンなんかなら恥ずかしがるだろうからダメだ。
でもガドなら仲がいい。
羞恥心ガバガバ判定だったろうに。
クックックと喉を鳴らしてニヤニヤとヤニ下がる俺は、最高の気分だ。
小さなものを浮かせて操る魔法をフルで使ってペンを浮かせては、書類作成と確認の全てを同時進行でこなし、サインを進めていく。
その間、俺の惚気は留まるところを知らない。
仕事の速度に比例して、俺の口は饒舌にシャルのエロさを自慢する。
ふっふっふ、まぁ聞けよ。
昨日のシャルは……凄みがあったぜ。
俺は知らないことになっているのでなにも言わなかったが、シャルは有言実行の真面目な男だ。
あのエロ本で積極性と性技を磨くと言っていたのは本当だったようで、夜、本当に自分から乗ってきた。
焦った俺は一瞬やっぱり抱く気なのか!? と思い、我慢できずに押し倒し返すことにならないよう気合を入れたのだが、そこはやはりシャル。
シャルは凄く真剣な顔で
『マンネリ化防止のためにもっといろいろなセックスを練習したいんだが、お前のコレを貸してほしい』
と言った。
──無機物でもだめだとお散歩形態の俺(仮名・マオ)が言ったから諦めたと思ったら、本人のブツを借りれば問題ないとか思ってやがったのか……!!
なんて天然スケベなんだ。
国宝級の天然スケベ嫁である。
チクショウ、おい聞けゼオ。
俺の妃は元々ドスケベな最高の嫁だったぜ……!
そんなわけで、凄かった。
昨夜のシャルは……エロの伝道師としての凄みがあったんだ!
「根が勉強熱心だから、いちいち舐めながら俺にここはどうだ? とか気持ちいいか? とか聞いてくんだぜ? しかも一切の躊躇なく咥えたんだ。エロの塊だった。世界の美しさを称えたい」
うし、昇給従魔リストの確認とその全員分の申請書類署名、一山完成。
最後の一枚を山の上に置くと、ライゼンが抱えて運び出し新しい山をドンと置く。
今度はファイル確認か。
ククク、いいぜ? なんでもやってやる。
その代わりに聞け。際限なく聞け。永遠に聞け。俺のために聞け。
「それに口でしながら後ろ自分で弄るんだぜ? アイツ。そんな光景見て、我慢できるわけねぇ。俺が押し倒して抱いたら、〝ちゃんと練習したかったんだが〟って……! これ本番だろもう気付けよ馬鹿野郎っ!」
「馬鹿だなァ~。でもそれがシャルのイイトコだぜェ? 面白い、愉快、本人は真剣。真面目天然のほほんシャルの真骨頂よ? ククク……!」
「そうなんだよアイツは全て最高だけど自分のこと大人だって言うくせに変なとこズレてるのがたまんねぇんだよ……ッ!」
ガドが面白そうにニヤニヤして、尻尾を揺らしながら、今週の巡視報告書を俺の横にバサッと置いた。
おうさ、構わねぇぜ。
できないことなど今の俺にはありはしねぇ。無敵の魔王だ。
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