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第8章 親密な関係になりたい
409★今更だけど、全部、英語のコマンドの方が良かったかな?
しおりを挟むふぅ~……みんなが、気遣いしてしてくれたのが幸いしたなぁ……
何時もだったら、誰が俺と同室で寝るかって騒ぐのに………
いやぁ~……流石に、こんな時間に鳴ると思っていなかったスマホが
予定外に鳴った時には、ドキッとしたからなぁ
いや、マジで誰もスマホの音で起こさなくて良かったぜ……さてと
そぉ~と忍び足で玄関に到着した和輝は、小さなのぞき窓から外の様子をうかがう。
と、その玄関前には、きっちりと3頭が揃って居る姿が見て取れた。
あははは………やっぱり、3頭ともちゃんと居たな
外に気配を感じたから、そうじゃないかと思ったんだよなぁ
玄関ドアの前に来た和輝の気配を感じとったらしい3頭は、吠えようか?鳴こうか?どうしようか?と、耳をパタパタとさせながら愛らしく首を傾げていた。
勿論、その機嫌を表わすように、優雅な尻尾はふぁっさふぁっさと、その容姿に相応しく優雅に振られていた。
クスッ………マジで、逃亡したりする、悪戯っ子達だけど、可愛いよなぁ
……じゃない……ここで、あいつらに吠えられたら、流石に不味い
絶対に、ひと吠えで全員が起きて来ちまうわ
どいつもこいつも、耳聡いやつらだからな
だぁ~……しょうがなねぇ~…ダメもとで、小声で命令してみっか
ドアの外にいるけど、ボルゾイ達の耳なら、それで充分なはず
ボルゾイはサイトハウンドだけど、耳も良かったはずだからな
人間の耳に比べたら、かなぁ~り良いはずだから大丈夫
和輝は、微かにクッキー缶を揺らしてから、3頭に小声で命令する。
「クッキーの欲しい、グッドゥガール…グッドゥボーイは
ステイ……シット」
その声と同時にピタッと動きを止め、3頭はストッと玄関前にお座りする。
勿論、可愛く見えるようにと、ちょっと胸をはり、小首を傾げて、片手をお手のポーズのように持ち上げ、空中で停止してみせるという、細かい芸までしていたのは当然のコトだった。
そう、食い意地が張っているだけに、とても賢い〈カオス〉は、如何に和輝が喜んでくれて、美味しいモノを食べさせて上げたいと思えるかを小さな頭で考えて、そうしたのだ。
勿論、その子供達である〈レイ〉も〈サラ〉もそれにならって、同じポーズをとって見せる。
のぞき窓から、3頭の数田を確認した和輝は、ホッとして、胸を撫でおろす。
よしっ……オーケー……思った通りだな………にしても、可愛いなぁ~
後は、そっと外に出て、紅夜が首輪と引き綱を持って来るのを待てば良い
取り敢えず、みんなを3頭の吠え声で起こされるという危険を回避した和輝は、玄関の壁に取り付けられているキーボックスから、玄関の鍵を手に取る。
はぁ~……どれぐらいで、紅夜は来てくれるかな?
そんなコトを考えながら、和輝は静かに止めたドアの鍵を開けて、ドアをそぉ~と開いた。
カチッという鍵の開く音に、3頭は座ったままお尻尾をふぁっさふぁっさと振り、空中でお手ポーズで固定していた手で空中をタシタシする。
まるで、お手のパントマイムでも見ているような感じに、和輝はクスクすと笑ってしまう。
可愛い3頭の姿に、和輝は小さく笑ってから、スルリッと玄関外へと出る。
そして、その精一杯の良い子でしょぉ~…だから、何かちょうだいというような姿に、和輝はくすくすと柔らかく笑いながら命令する。
「ああ…いい子だよ…お前達は……んじゃ〈カオス〉からな
お手……お代わり……グッド……ほれ…あぁ~ん」
お手とお代わりをした〈カオス〉の口に、直接クッキーをひょいっと入れる。
そして、残りの〈サラ〉と〈レイ〉にも、同じようにお手とお代わりをさせてから、和輝はクッキーを与えて、3頭をおとなしく座らせ、待機させた。
あぁ~………ものすごぉ~く……今更……気付いたコトなんだけど……
何気なく、やっちまってたけど……こいつらのお手とかお代わりも
英語のコマンドの方が良かったかなぁ?
でも、こいつら…お手とお代わりでちゃんと反応しているしなぁ?
って、これがアレか?桜の言う支配力とかいうヤツのセイなのかな?
などと考えているところに、ちょっと息を切らせた紅夜が、首輪と引き綱を持って走り寄って来た。
それでも、やはり海外の、それもハリウッド俳優を生業としているだけあって、気遣いを怠らない紅夜は、片手を顎先の前に立てて小声で謝るのだった。
「和輝…ごめん…待たせたな………はぁ~……」
そんな紅夜の気配りに感謝しつつ、和輝は肩を竦める。
「んにゃ………そんなに待っていないから、大丈夫だ
それより、さっさと首輪と引き綱を3頭に着けちまおうぜ」
和輝の提案に、紅夜は乱れていた呼吸を整えながら、小さな声で頷く。
「おう…そうだな……はぁ~…勘弁して欲してぞ、お前達」
そう言いながら、紅夜は手早く首輪を着ける。
同時に、引き綱を渡されていた和輝がチャッチャッと引き綱を着ける。
三頭を繋いだコトで、ホッとした紅夜は和輝は、苦笑いを浮かべる。
紅夜は、思わず〈レイ〉の頭を撫でながら、ぼやくように言う。
「はぁ~…マジで、真夜中の逃亡なんて、勘弁してくれよ、お前達
桜がヒスるだろぉ~……なっ……特に〈レイ〉……」
そう呟くように言いながら、紅夜はワシワシと〈レイ〉を撫でるが、クフッと笑って胸張りし、素知らぬ顔をしながら、和輝を見て嬉しそうに尻尾をふぁっさふぁっさと振るのだった。
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