お犬様のお世話係りになったはずなんだけど………

ブラックベリィ

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第3章 蓬莱家で住み込みのお仕事

066★流石、ボルゾイのペットハウスは広いです

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 全員が降りた後から、和輝はゆっくりと桜を抱えて立ち上がる。
 すると、和輝に命令された訳でもないのに〈レイ〉と〈サラ〉が、伏せた状態から起き上がり、こちらもゆっくりと2人の後に続いて車から降りた。
 そのお陰で、2頭に引っ張られることなく、和輝は眠ったままの桜を腕に抱いて車からとゆっくりと降りるコトが出来た。

 「さてと…これが……
  〈レイ〉と〈サラ〉が
  日々暮らしている家
  ペットハウスですか?」

 眼前に、デンッと鎮座する大きな目な平屋に、ちょっと疑問符を付けながらの言葉に、先に車から降りた蓬莱家の爺やを見る。

 「はい、神咲君、ここが
  普段〈レイ〉と〈サラ〉が
  暮らしている部屋です

  今、鍵を開けますので………
  こちらへ………」

 そう言うだけで、やはり誰も眠っている桜を受け取ろうとはしないので、相変わらず、和輝が桜を抱いて歩くことになる。
 代々蓬莱家に仕える爺やはおろか、お迎えに来たボディーガードも、なんとなくそこここに使用人かの気配もあるのに、誰も和輝から眠る桜を受け取ろうとはしなかった。

 和輝には判らないが、現在の桜は刻一刻と、一族へと変化している為に、彼らには抱き上げることはおろか、側に居るのも、実はつらいのだ。
 そういう意味では、ズレはあるものの、和輝が車の中で先刻推察した通りだとも言えた。

 ごく普通の人間から、一族の者の体組織が変化する時に発する《波動》は、感覚が敏感な彼らに、耐え難い苦痛をもたらすのだ。
 ただ、豊富な《生気》を常に発散させている和輝が、変化中の桜を無意識で包むようにして抱きかかえている為、車内という小さな限定空間に一緒に居ても、彼らは、その変化中の《波動》の影響を受けずにすんでいるのだ。

  
 が、しかし、そんなコト和輝にも、妹の優奈や真奈にもわかるはず無かった。
 それが判るのは、桜が変化している一族の血統を引く者達だけである。

 たぶん使用人だと思うけど
 気配あるのに現れないなぁ?
 やっぱり、なんかあるのかな?

 感じる気配がよそ者って感じの
 不信感と拒絶感らしいモンを
 ヒシヒシと感じるし

 なんか、遠巻きに観察されて
 いるような感じだな
 あと…感じるのは、畏怖かな?

 そんな中で、蓬莱家の爺やは、まず最初に、和輝の腰に繋がれている〈レイ〉と〈サラ〉が暮らす、ペットハウスの引き戸を開ける。
 三重の扉がある玄関を抜けると、二十畳は確実にあるだろう、広いリビング?が現れる。

 おいおい…ここの扉って
 三重なのかぁ?
 普通は、あっても二重だよなぁ

 やっぱり…頭が良くて…
 この平屋から脱走するのかな?
 それにしても、流石に広い
 リビングだな

 「うわぁ~…広いねぇ~……
  真奈ちゃん

  コレだけ身体が大きいと
  生活空間も大きくなきゃ
  いけないのかな?」

 「本当にねぇ~やっぱり
  身体の大きさに正比例した
  器が必要みたいだね」

 そんなコトに感心している和輝達兄妹に向かって、爺やが部屋について説明する。

 「ここがリビングです
  神咲君達も見ての通り
  リビングに対して
  対面式のキッチンが備え
  付けられています

  冷蔵庫の中身は
  各地のファームから
  その時々の旬のモノが

  本邸と同様に、こちらの
  ペットハウスの冷蔵庫にも
  届けられています

  基本的に、冷蔵庫の中身は
  毎日更新しますので
  入っているモノは

  その日のうちに使い切って
  下さい
  また、使い切れなければ
  処分して下さい」

 そう言いながら、リビングの奥へと爺やが進むので、和輝は桜を抱いたままついて行く。
 ちなみに、2人のボディーガードは、なぜかペットハウスの仲までは付いてこなかった。
 蓬莱家のペットハウス前までがお仕事だったようである。







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