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第1章:ちょろいヤンキーは幼馴染みが苦手?
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しおりを挟む運動は得意だ。
おかげで不良と呼ばれ喧嘩を売られるようになっても、負けることは少なかった。
勉強はどの教科も苦手なので、体育の授業では成績を落とさないために、いつも真面目に受けている。
「二人一組になって柔軟をはじめろ」
奏十に柔軟をしようと声をかけられ、みんなの輪から少し離れようと移動していると、ふと視界の隅に何かが見えた。
反射的に顔を上げると、校舎の三階の窓に冬牙の姿が見えた。授業中であるはずなのに、なぜかこちらを見ていて、おまけに何かを手に持っている。
よく目を凝らしてみると、それは『悠雨、ウインクして♡』と書かれたうちわだった。
頭がおかしい幼馴染みを持つと大変だと思った。
「悠雨? どうかした?」
奏十が心配そうに声をかけてきた。
「いや、なんでもない。それよりあっちで柔軟やろうぜ」
幼馴染みの残念な姿を見られないために、誤魔化すように奏十の手を引いて、校舎からより離れた場所に移動した。
柔軟のあと、二つのチームに別れて試合がスタートした。
サッカーでシュートを決めたときは気分がいい。ゴールをアシストしてくれたの奏十とハイタッチをする。
「ナイスゴール! やっぱ悠雨って運動神経いいよな!」
「お前がいなかったら、あそこでゴールするのはキツかった。ありがとな!」
試合のあと再び視界の隅に何かが見え、顔を上げると、また冬牙がこちらを見てにこにこと笑っていた。『ナイスゴール♡』と書かれたうちわを持っている。
授業に集中しろ! と口パクで伝えると、別のうちわを見せてきた。
『愛してる♡』
やっぱり、頭のおかしい幼馴染みを持つと大変だと思った。
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