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第1章:ちょろいヤンキーは幼馴染みが苦手?
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しおりを挟む冬牙は俺の隣に座って、スマホを確認している。
「冬牙。お前、本当に今日うちに泊まるのか?」
「当然だろ」
「女と約束してるんじゃなかったのかよ」
「今、断ってる」
「お前なあ……」
忙しなく指を動かしているかと思えば、そういうことか。相手の女は冬牙に会えることを楽しみにしていたかもしれないのに、この男はその約束をいとも簡単に反故にする。
そしてそこに罪悪感なんてものは、これっぽっちもないんだろう。
「悠雨より優先することなんかねえし」
「……高一の時は絶対泊まらなかったじゃえねえか」
幼稚園のころから一緒にいて、冬牙が俺の家に泊まりに来ることはしょっちゅうあった。中学生になってもそれは普通にあって、それなのに高校に入学したとたん、冬牙は俺の家に泊まらなくなった。
遅くても夜の九時には必ずここを出たがる。単に夜は女に会いに行きたいだけだと思っていたのに、今の返事だと辻褄が合わない。
「泊まったら歯止めが効かなくなるからな」
「……何のだよ?」
冬牙がゆっくりと顔を上げる。色素の薄い目と目が合った。そこにいつもの笑みはない。
スマホをソファに置いた冬牙に両肩をゆっくりと、それでいて力強く押された。
「……体幹良くなったな、悠雨」
「……そりゃ、どうも」
女なら押し倒されそうなほどの力だ。だが、残念ながら俺は男で、それもある程度鍛えている。この程度の力で倒れるはずがない。
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