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第1章:ちょろいヤンキーは幼馴染みが苦手?
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しおりを挟む嵐が去ったあとのように、突然室内が静かになり、そのついでに俺の頭も冷静になった。
「続きしていい?」
「いいわけねえだろ」
何でいいと思ったんだよ。
心臓がバクバクしていたのは内緒で、俺はできるだけ平静を装って冬牙を睨みつけた。
「いいタイミングだと思ったんだけどなあ」
なんて言いながら、拗ねた子供みたいな顔をするから、それ以上責めることはできなかった。俺はこいつの顔に弱い。認めたくないが事実だ。
「……わけわかんねえこと言ってねえで、さっさと勉強すんぞ」
気を取り直してテーブルに教科書とノートを広げる。
冬牙は性格クズだが頭はいいので、勉強の教え方がめちゃくちゃ上手い。難しい英文の説明を聞いているときも、理解不能な数学の解説を聞いても、眠くならないのがその証拠だ。
「……今日はこれくらいにしようぜ。そろそろおばさんが言ってた時間だし」
スマホの画面を見ると、八時四十五分だった。
ちょうど俺が教科書を閉じたタイミングでお袋に呼ばれ、三人でシチューを食べた。
「二人ともお風呂も沸かしてあるからね」
それだけ言うと、お袋は何やら忙しなくスマホを触りながら、リビングをあとにした。
風呂は好きだ。心身ともに疲れていても、入るだけで癒される。脱衣所でシャツを脱いでカゴに入れ、その流れでズボンを脱ごうとベルトに手をかけた。
「悠雨ー! 風呂上がりに何飲みたい?」
いきなり脱衣所のドアが開いて振り返ると、にこにこと人の良い笑を浮かべた冬牙が立っていた。
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