╣淫・呪・秘・転╠亡国の暗黒魔法師編

流転小石

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第6章 棘城編2

第158話 セルビエンテ族改めドラコ族

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「流石はペルフメだ。初めての魔法も完璧だな」

褒めてやると顔を真っ赤にして恥ずかしがっていたペルフメは上半身しか服を着ていなかったので、薄布を腰に巻いて座っている彼女に言葉の事も説明した。
”一族が新しい世界で暮らす為にも言葉を覚える必要がある”と話し、あっさりと納得してくれた。
移住先では言葉を教える者として数人世話をする者を用意するなど細かな事を説明し彼女達からの質問も聞いて答えた。

それは最低限の生活をする為に必要な事ばかりだった。
住居、食事、言葉、交流、対価などだ。
住居は用意してやって食事は何食べてんだろう? 言葉はこれから練習だ。
交流と対価はどうするか? 

「ペルフメ。この土地を離れたら二度と戻る事は無いと思え。そしてお前達はドラコ族として生きるのだ。良いな?」
「分かった。妾達はお前に付いて行くから一生面倒を見てくれよ」
「んっ、ちょっと待て。どう言う意味だ」
「我らは全てをお前に捧げるから面倒を見てくれ」
(ん? 話しがおかしな方向へ向かっているぞ)

「一応言っておくが俺は結婚している。伴侶が居る。妻が存在する」
「構わぬ。妾はそなたの子を産むぞ」

恥らいながら抱き付いて来た。
困った。

「・・・その件は後で話そう。今は一族が全員変化する事が重要だ」
エルヴィーノは問題を先送りにして、ペルフメは返事をして一族の所にゆっくりと歩き出す。

「今日は夕方までだ。明日にはまたプレテを連れて来るから」
短時間で変身できるとは思っていなかったが、それよりも問題は歩く事だった。

翌日からプレテを連れて送り迎えをしていると、徐々に一族の者達とも打ち解けて話をしているプレテだった。
そうこうしている内に、ある人物達に会っていた。

「ごめーん、待った? フォーレが何か企んでいそうだったから間諜を付けていたの」
(フォーレよ。お前はめげないなぁ)と感心していた。

「私も今来た所よ」
グラナダとチャルタランにもう1人。

「では陛下からお話が有る」
ロディジャだ。
全員ペロ族で固めた布陣だ。

「新たに見つかった希少種族でドラコ族の教育と管理に仕事の斡旋を皆に手伝って欲しい。計画や指示はロディジャが考えて、グラナダとチャルタランが実施して欲しい」
「陛下、私が直接指導するのでは無いのですか?」

(確かにその方が早いのは解っている。しかし、ロディジャも男だ。もしも、万が一。あれ?)

「そう言えばロディジャは結婚しているのか?」
「いいえ、私はまだ独身です」
(なんだ、問題無いな)

「予定変更します。三人で当たって下さい。それからもう1人、人族の女性が通訳としてペンタガラマに移り住みますので彼女の身の回りもお願いします」
「まずは獣人族の常識と、言葉を中心に教えて欲しい。それとドラコ族の特徴を説明するが、まだ極秘にして欲しい」
三人の顔を見ると頷いたので進める。

「まず、彼女たちは女系の一族だ。男は居ない」
へぇと言った顔を聞いている。

「次に、特殊な魔法を使う。即死と同位の呪文だ。だから怒らせるなよ」
緊張の三人だ。

「最後に、特に注意が必要なのがロディジャだが、彼女たちはとても美しい。妖艶と言ったたぐいだ。俺がお前達を集めた理由が解るか? グラナダ!」
「はい! 情報は厳重に管理して”内外”に漏れない様にします」
「宜しい!」

グラナダは理解してくれたようだ。
そして住居先に家財道具。
必要最低限の物を用意させて準備する。

住居は街の外れに用意した。
ちょうどまだ入居していない場所が有ったので使う事にした。
そこは、”とある黒い人”の隠し部屋(4階)の下の階(2階3階)だ。
まずは一族が一ケ所で集まっていた方が何かと便利なので決めたのだ。
女族長ペルフメと、人族の女性で通訳のインテル・プレテが3階を使い、2階は一族の部屋に割り振る。
3階は広いがまずは2人で、いずれプレテも出て行くだろうし一族の憩いの場にすれば良いと思っていた。



※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez



プレテを連れて一族の移転に際しての衣服や履物を買いにペンタガラマに来た。
下半身が裸じゃ不味いし、今は歩行練習中だが街は石畳みだから履物があった方が良いに決まっている。
その辺の見立てて選ぶのは面倒なのでプレテに丸投げした。
そして、以外にも歩行に対するプレテの指導が厳しいのだ。
ただ歩くだけでは男のような歩き方なので、上半身に合う”女性らしい”歩き方を指導している。
だから買うのはスカートだ。

実はプレテに聞いたのだがドラコ族(旧セルビエンテ族)の貞操感が変なのだ。
二本足で歩く今でも下半身は何も履かないらしい。
しかし、上半身。
特に胸部はプレテに対してもかたくなに隠すそうだ。
確かに種族が違えば考え方も違うのだろう。
プレテは胸部と同様に股間も大切な場所で必ず隠す様にと日々指導しているそうだ。

(妖艶なオネェさんがパンツも履かないでウロウロしている所をロディジャに見られたら大変な事になるだろうからな、まずは女性だけにするか)

エルヴィーノはフッと気づいた。
下着を履かせる事に悩んでいる国王。
周りから見れば、国の重要な問題を悩んでいる様に見えているが、実は下着を履いてもらう事で悩んでいると言う事実。
実に滑稽だ。
思わず笑いが込み上げてくる。

プレテ、ロディジャ、グラナダ、チャルタランを呼び寄せて説明した。
文化の違いで最低限の指導を女性達がもうしばらく現地で行なうと。
四人に問題を説明し女性だけを連れて現地に向った。

「えっ」
「うわっ」

それがグラナダとチャルタランの第一声だった。
目の前をうろついているのは下半身が裸の綺麗なお姉さん。
本当に街に居たら男共が振り返るような色香を持っているが困ったお姉さん達なのだ。
しかし、ペルフメだけはエルヴィーノの指示に従っているのか、それとも新たな族長として手本になっているのか定かでは無いが現在半数が”まだ下半身が裸だ”

ペルフメにグラナダとチャルタランを紹介して服装と常識について指導をしてもらう。
そして、全員が衣服を着用し履物を使って歩かなければ移転は出来ないと言い切った。

一族に動揺が走った。
無理だ。
出来っこない。
いきなり言われても。
もういい。
などと聞こえて来る。
エルヴィーノはプレテ、グラナダ、チャルタランを屋敷の外に出し一族全員に話した。

「良く聴け、お前達。この国の王として俺の言う事を聞か無い者はこの場所に残り、セルビエンテとして生きるが良い。お前達が亡びようとも俺は知らん。しかし、ドラコ族として衣服を身に纏い付いて来る者は、黒龍の加護を与え、我が国で保護しよう。さぁ選べ。新しい時代を共に”歩く”のか、”過去”を引きずって滅びるのか」

全員が黒龍王を凝視する中、いち早く声を上げたのはペルフメだった。

「妾はこの男の物じゃ永久とわにこの男と共に生きるぞ」

(おい! 変な事を言うなよ)
眉間のシワと額の汗で合図するが一向に変わらない笑顔だ。

(あいつらを外に出して、聞かれ無くて良かった)
内心ホッとするがこの件も何とかしなくては。

(だが、今は目の前の事だ)
そう思い、また問題を先送りにした。

「私は女王に付いて行きます」
1人がそう言うと
「私も女王と一緒に」
「私も」
「私も」
そして全員が心を1つにしてくれたのか解らないが賛同してくれたようだ。

「では、もう一度言う。ドラコ族の女性は全身衣服を着用する事を義務付ける。良いな、二度は無いぞ。もしも、約束を破ったら、その者はセルビエンテにして追放とする」

「「「ハイ、畏まりました」」」
全員がひれ伏した。

ペルフメを優しく抱き起しお願いした。
「これからお前は族長として、一族の代表になる。全員の指導を頼むぞ」
「あい! 妾の心と体も受け取ってくんなまし」
嫌な汗が脇を伝う感覚が有った。

「・・・いつかな」
「もう! 約束だからね」
早々に撤退したいので外に居る三人を呼んだ。

「ああ、みんな。一族もようやく納得してくれてね、服を着てくれるそうだから」
一安心のプレテだ。
グラナダとチャルタランも手伝って全員に服を着させ履物を履かせる。
素足の歩行は問題無く可能になったが履物を履かせての歩行はたどたどしい。
履物の必要性などを説明されて理解はしているようだ。

グラナダから提案が有った。
やはり彼女たちは街でも目立つので組み分けした方が良いのでは? と言う物だ。
会話の勉強で終日部屋に、しかも毎日いるのでは窮屈だろうから三組に分け一組は七人で族長含む側近一人は待機とする案だ。
理由はプレテ、グラナダ、チャルタランの組に分けて街を歩く事を可能にする為だ。
必要ならばロディジャも同行しても良し。
とても良い案だと思い許可を出して準備に取り掛かる。

そして、移転は10日後となった。







あとがき
一般獣人として振る舞うがどうしても妖艶さが目立ちそう。
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