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第6章 棘城編2
第157話 セルビエンテ族3
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「まず、お前はセルビエンテ族には捕まっていない。だからお前の住む街に戻っても、この場所での事は一切他言無用だ」
何が何だかわからない男はたずねた。
「一体どうすれば」
「お前が捕まった時は山に出ていて、ある時猛烈な嵐に会って吹き飛ばされた事にしろ。そして、いくつも山を飛ばされて運良く海に落ちた事にすれば良い。そこからずっと歩いて来たのだとな」
「一体なぜですか」
何も解らず理由を聞いて来る男。
「あとひと月もしない内にセルビエンテ族はこの場所から居なくなるからだ」
「「ええっ」」
驚いたのは囚われていたガトー族の男とペルフメだった。
聞いて無いよと言う顔のペルフメを手で制し説明する。
「囚われたのはお前が最後だ。今後はお前のような者は現れないだろう。この事は怖い話としてガトー族に根付かせるのだ。”悪い事をすると、セルビエンテ族が現れて石にするぞ”とな」
何でも言う通にすると言った手前、相槌を打つ男。
「では出してやってくれ」
全員で集落の入口まで来ると囚われていた男が問いかけて来た。
「この事は一生忘れませんので、貴男様のお名前を教えてください」
ちょっと考えたが名乗らない事にした。
「俺もお前も不自由な者だ。またいつか会う縁が有ったなら教えよう」
そう言って持っていた短剣を渡した。
「”河原で倒れていた”お前はこれを持っていた男に助けられ、何とか帰る事が出来た。とな」
その短剣は宝石が散りばめられて見るからに高そうだった。
そして黒い龍の紋様が入っていた。
「この短剣は見る者が見れば解るだろう。良いな、これはお前の為であり、俺の為でもある」
うなずいて手を振りながら逃げるようにして河原を下って行く男だった。
「のぉ、妾達がここに居なくなると言うのはどういう事じゃ?」
「変化したら俺の街に移り住め」
キャーと言いながら抱き付くペルフメに驚く一族。
強引に引きはがし一族に説明させた。
その光景を見て問題点を見つけた。
一族は全部で23人だ。
変化の魔導具も、翻訳魔導具も複製を造れば問題無い。
しかし、彼女たちから話す事が出来ないと他部族との共存はうまく溶け込めないだろう。
(誰か言葉を教える者が居るなぁ。ガトー族以外の種族か人族だな。後あの男は絶対にダメだし)
もう一度屋敷に戻り今後の計画を話す前に翻訳魔導具を複製して全員に渡す。
ペルフメが使い方を教えてエルヴィーノが話す。
「みんな聞こえますか?」
「「「キャー」」」
喜んでいるようだ。
仕切り直して説明を始める。
「まず、人族の女性を連れてくる。良く観察する。変化して見る。街に行く。着る物など最低限用意してやる。言葉を覚える為に勉強させる。その為には先生が必要。ざっとこんな所かな」
「妾達は何をしていれば良いのじゃ」
引っ越しの準備と聞きたい事を書きだして欲しいと告げる。
「じゃ一度戻るからな」
そう言うとエルヴィーノの手を掴み目をウルウルさせる。
「いつ戻るのじゃ?」
「女性を連れて直ぐに戻ってくるよ」
ウルウルした目で見つめられると胸がキュンとしたが後ろ髪を引かれつつ広場に行って転移した。
エルヴィーノが急に居なくなったので驚いたセルビエンテ族の女達。
「女王様。宜しかったのですか?」
「お前達も見たであろう。あの巨大な龍を。そしてあの男の魔力を感じたであろう」
うなずく一同。
「あの男が妾達の王になるのかもしれん」
何を持って彼女たちの王なのかは定かでは無いが現実はその通りなのだから。
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
城に戻って昼食を食べながら考えた。
「さてと、誰を連れて行くかな。女性の前で股を開く訳だから普通の女じゃダメだよなぁ」
そう言う事でトラバオンの所に向った。
「よぉドラバオン元気か?」
「これは陛下。私の所へ来られるとは一体どのような用事が御座いましたか?」
流石はトラバオン。
エルヴィーノが女を求めて来ているのでは無いと気づく。
いや、求めているのだ、違う意味で。
丁度、妻のコンシャも居たので説明した。
「ちょっと若い女性を連れて来て欲しい」
「あら、陛下。夜の倦怠期ですか?」
イヤらしく微笑むコンシャだ。
「残念ながら違うぞ。コンシャが怖いと思う魔物は居るか?」
「魔物は全て恐ろしいですよ」
「では、その恐ろしい魔物の前で股を開けるか?」
「えっ?」
「見せるだけだ。触らないし、何もしない。本当に見られるだけだ。俺も同席する」
「ちょっ、ちょっと待ってください。どういう事ですか?」
トラバオンが興味津々で聞いて来た。
「実際は魔物では無いがな。ちょっと変わった種族でさ、人族の身体を見て真似する訳さ。特に下半身だけどな。あぁ、相手も女性だから安心して欲しい」
2人は想像も付かなかったが、エルヴィーノの言葉に逆らう事は無く返事をする。
「分かりました。どのような女が良いでしょう?」
「一番重要なのは腰の骨格と股間の細部なので容姿は問わないが秘密を守れる者で出来れば若い方が良い。当然報酬も出す」
「分かりました。ちょっとお待ちください」
そう言って2人で出ていった。
しばらくして現れたのは3人だった。
「さぁ自己紹介して」
コンシャに言われて恐る恐る話す少女。
「あのぉ、私、インテル・プレテと申します」
至って普通の女の子だ。
「一応確認したいのだが、彼女はどうして?」
「親の借金です」
簡潔に答えたトラバオン。
手招きしてトラバオンの耳に囁いた。
「一体いくらの借金だ」
聞くとボソッと答えたトラバオン。
「たったそれだけか!」
エルヴィーノの金銭感覚がおかしいのか大した額では無かった。
「陛下が買って頂けるなら直ぐにでも、お売りしますよ」
コンシャの売り込みを無視して問いかける。
「プレテ。俺が誰か解るか?」
「はい、国王陛下」
「ああそうだ。お前に特別な任務を与える為に呼んだのだ」
「は、はい!」
緊張しまくるプレテ。
「この仕事が終われば、お前を束縛から解放しても良い」
「えっ。借金が!」
「そうだ俺が建て替えてやる」
泣きそうになるプレテ。
「あら、陛下は御目が高いわ。この子はまだ店に出す前の子なのぉ。だからぁ多分まだ男を知らないと思いますよ」
夫婦が微笑んでいるが、エルヴィーノの目的は違う。
「いいかプレテ。お前の仕事は秘密厳守だ。例え親兄弟、この2人に聞かれても絶対に話してはダメだ。もしも話したならば、お前の人生がそこで終わる事になる」
「あら怖いわぁ。私は聞かないから安心して」
そう言ったコンシャが一番怪しいのだがエルヴィーノに考えが有った。
「ハイ!」
元気な返事をもらいブルデールの事務所からプレテを連れて出た。
向かった先はティールーム・カラコルだ。
定番のハーブティとビスケットを食べながら翻訳魔導具を付けさせて使い方を説明する。
そして、今回の内容だ。
未知の部族を発見したから下半身を人族に変化させる為に、その種族の女達にプレテの股を見せて欲しい事。
その事で今回の依頼として自由になるが、そのままその種族に言葉を教える先生になって欲しい事。
騒然住まいの保障と給金も払いうが、住む場所は獣王国バリエンテの首都になる事。
一通り説明して返事を待つ。
「あのぉ、未知の部族って一体どんな身体ですか?」
微妙だ。
女性は蛇と聞いてどう思うのか解らなかった。
「俺から言う事は、お前に危険が及ぶ事は無い。安心してくれ。ただ、最初は驚くと思う。今はセルビエンテ族と言うがチョット問題があってな、ドラコ族と種族名を変えようと思っている」
「分かりました。陛下が側に居てくれるなら安心です。それに私一人がどこに行くのも大丈夫です」
「そうか。では行くか」
「えっ、今からですか!」
「そうだ。今も俺達が来るのを待っているからな」
本人が良いと言っているのだから気が変わらない内に行動する。
支払を済ませてから手を取って転移する。
「では行くぞ」
「キャー!」と叫ぶプレテ。
昼に転移した場所にセルビエンテ族が取り囲んでいたのだ。
プレテは驚いた。
当然だろう。
上半身は人族と似ているが下半身は蛇なのだから。
とは言え、襲われる事が無いと解っているし全員が女性なのも安心できた。
「おっ待っていたのか?」
「勿論だ。奥で女王がお待ちだ」
(女王? ペルフメの事か)
とりあえず話を進める為に屋敷に入る。
待っていたペルフメが甲斐甲斐しくエルヴィーノの手を取って誘導してくれた。
その顔は戻って来た事に安心したような雰囲気だった。
「みんな聞いてくれ。これから変化の魔法を常時発動できる魔導具を渡す。使い方は強く心に思い浮かべる事だ。それで彼女を紹介する」
一斉に注目を集めるプレテ。
「彼女が下半身を全員に見せるので、良く観察し同じようにして欲しい。それから失敗しても気にするな。何度でも挑戦すれば良い事だからな。あっそれからプレテに触るなよ。この子も恥ずかしさを我慢してお前達の為に頼んで協力してくれているのだからな」
恩を着せてプレテの安全と信用を得る作戦だ。
恥ずかしながら股を開いて、エルヴィーノの指示通り自らの指で秘部を見せるプレテ。
流石に自分はプレテの後ろで見ない様にしながらセルビエンテ族を監視していた。
「まずは妾が変化して見る」
名乗り上げたのはペルフメだ。
一族が見守る中、少し離れて集中するペルフメ。
「カンビオ!」
大きな声で叫ぶと見る見る内に腰から下が変化して行った。
「「「おおおっ!」」」
驚く一族に、ゆっくりと目を開けたペルフメが歩き出すと思ったら倒れた。
「どうした!?」
「どうやって進めばよいか解らぬ」
そっか! “2本足”で歩くのは始めてだからな。
一族の者が両手で支えプレテがゆっくりと歩いて見せた。
しばらく練習し、慣れた頃に聞いてみた。
「とりあえず股を見比べてくれ」
肝心な部分が変化出来ているかをプレテに確認してもらった。
「だ、大丈夫です」
恥ずかしそうに答えてくれたプレテだ。
あとがき
優しいプレテ。
何が何だかわからない男はたずねた。
「一体どうすれば」
「お前が捕まった時は山に出ていて、ある時猛烈な嵐に会って吹き飛ばされた事にしろ。そして、いくつも山を飛ばされて運良く海に落ちた事にすれば良い。そこからずっと歩いて来たのだとな」
「一体なぜですか」
何も解らず理由を聞いて来る男。
「あとひと月もしない内にセルビエンテ族はこの場所から居なくなるからだ」
「「ええっ」」
驚いたのは囚われていたガトー族の男とペルフメだった。
聞いて無いよと言う顔のペルフメを手で制し説明する。
「囚われたのはお前が最後だ。今後はお前のような者は現れないだろう。この事は怖い話としてガトー族に根付かせるのだ。”悪い事をすると、セルビエンテ族が現れて石にするぞ”とな」
何でも言う通にすると言った手前、相槌を打つ男。
「では出してやってくれ」
全員で集落の入口まで来ると囚われていた男が問いかけて来た。
「この事は一生忘れませんので、貴男様のお名前を教えてください」
ちょっと考えたが名乗らない事にした。
「俺もお前も不自由な者だ。またいつか会う縁が有ったなら教えよう」
そう言って持っていた短剣を渡した。
「”河原で倒れていた”お前はこれを持っていた男に助けられ、何とか帰る事が出来た。とな」
その短剣は宝石が散りばめられて見るからに高そうだった。
そして黒い龍の紋様が入っていた。
「この短剣は見る者が見れば解るだろう。良いな、これはお前の為であり、俺の為でもある」
うなずいて手を振りながら逃げるようにして河原を下って行く男だった。
「のぉ、妾達がここに居なくなると言うのはどういう事じゃ?」
「変化したら俺の街に移り住め」
キャーと言いながら抱き付くペルフメに驚く一族。
強引に引きはがし一族に説明させた。
その光景を見て問題点を見つけた。
一族は全部で23人だ。
変化の魔導具も、翻訳魔導具も複製を造れば問題無い。
しかし、彼女たちから話す事が出来ないと他部族との共存はうまく溶け込めないだろう。
(誰か言葉を教える者が居るなぁ。ガトー族以外の種族か人族だな。後あの男は絶対にダメだし)
もう一度屋敷に戻り今後の計画を話す前に翻訳魔導具を複製して全員に渡す。
ペルフメが使い方を教えてエルヴィーノが話す。
「みんな聞こえますか?」
「「「キャー」」」
喜んでいるようだ。
仕切り直して説明を始める。
「まず、人族の女性を連れてくる。良く観察する。変化して見る。街に行く。着る物など最低限用意してやる。言葉を覚える為に勉強させる。その為には先生が必要。ざっとこんな所かな」
「妾達は何をしていれば良いのじゃ」
引っ越しの準備と聞きたい事を書きだして欲しいと告げる。
「じゃ一度戻るからな」
そう言うとエルヴィーノの手を掴み目をウルウルさせる。
「いつ戻るのじゃ?」
「女性を連れて直ぐに戻ってくるよ」
ウルウルした目で見つめられると胸がキュンとしたが後ろ髪を引かれつつ広場に行って転移した。
エルヴィーノが急に居なくなったので驚いたセルビエンテ族の女達。
「女王様。宜しかったのですか?」
「お前達も見たであろう。あの巨大な龍を。そしてあの男の魔力を感じたであろう」
うなずく一同。
「あの男が妾達の王になるのかもしれん」
何を持って彼女たちの王なのかは定かでは無いが現実はその通りなのだから。
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
城に戻って昼食を食べながら考えた。
「さてと、誰を連れて行くかな。女性の前で股を開く訳だから普通の女じゃダメだよなぁ」
そう言う事でトラバオンの所に向った。
「よぉドラバオン元気か?」
「これは陛下。私の所へ来られるとは一体どのような用事が御座いましたか?」
流石はトラバオン。
エルヴィーノが女を求めて来ているのでは無いと気づく。
いや、求めているのだ、違う意味で。
丁度、妻のコンシャも居たので説明した。
「ちょっと若い女性を連れて来て欲しい」
「あら、陛下。夜の倦怠期ですか?」
イヤらしく微笑むコンシャだ。
「残念ながら違うぞ。コンシャが怖いと思う魔物は居るか?」
「魔物は全て恐ろしいですよ」
「では、その恐ろしい魔物の前で股を開けるか?」
「えっ?」
「見せるだけだ。触らないし、何もしない。本当に見られるだけだ。俺も同席する」
「ちょっ、ちょっと待ってください。どういう事ですか?」
トラバオンが興味津々で聞いて来た。
「実際は魔物では無いがな。ちょっと変わった種族でさ、人族の身体を見て真似する訳さ。特に下半身だけどな。あぁ、相手も女性だから安心して欲しい」
2人は想像も付かなかったが、エルヴィーノの言葉に逆らう事は無く返事をする。
「分かりました。どのような女が良いでしょう?」
「一番重要なのは腰の骨格と股間の細部なので容姿は問わないが秘密を守れる者で出来れば若い方が良い。当然報酬も出す」
「分かりました。ちょっとお待ちください」
そう言って2人で出ていった。
しばらくして現れたのは3人だった。
「さぁ自己紹介して」
コンシャに言われて恐る恐る話す少女。
「あのぉ、私、インテル・プレテと申します」
至って普通の女の子だ。
「一応確認したいのだが、彼女はどうして?」
「親の借金です」
簡潔に答えたトラバオン。
手招きしてトラバオンの耳に囁いた。
「一体いくらの借金だ」
聞くとボソッと答えたトラバオン。
「たったそれだけか!」
エルヴィーノの金銭感覚がおかしいのか大した額では無かった。
「陛下が買って頂けるなら直ぐにでも、お売りしますよ」
コンシャの売り込みを無視して問いかける。
「プレテ。俺が誰か解るか?」
「はい、国王陛下」
「ああそうだ。お前に特別な任務を与える為に呼んだのだ」
「は、はい!」
緊張しまくるプレテ。
「この仕事が終われば、お前を束縛から解放しても良い」
「えっ。借金が!」
「そうだ俺が建て替えてやる」
泣きそうになるプレテ。
「あら、陛下は御目が高いわ。この子はまだ店に出す前の子なのぉ。だからぁ多分まだ男を知らないと思いますよ」
夫婦が微笑んでいるが、エルヴィーノの目的は違う。
「いいかプレテ。お前の仕事は秘密厳守だ。例え親兄弟、この2人に聞かれても絶対に話してはダメだ。もしも話したならば、お前の人生がそこで終わる事になる」
「あら怖いわぁ。私は聞かないから安心して」
そう言ったコンシャが一番怪しいのだがエルヴィーノに考えが有った。
「ハイ!」
元気な返事をもらいブルデールの事務所からプレテを連れて出た。
向かった先はティールーム・カラコルだ。
定番のハーブティとビスケットを食べながら翻訳魔導具を付けさせて使い方を説明する。
そして、今回の内容だ。
未知の部族を発見したから下半身を人族に変化させる為に、その種族の女達にプレテの股を見せて欲しい事。
その事で今回の依頼として自由になるが、そのままその種族に言葉を教える先生になって欲しい事。
騒然住まいの保障と給金も払いうが、住む場所は獣王国バリエンテの首都になる事。
一通り説明して返事を待つ。
「あのぉ、未知の部族って一体どんな身体ですか?」
微妙だ。
女性は蛇と聞いてどう思うのか解らなかった。
「俺から言う事は、お前に危険が及ぶ事は無い。安心してくれ。ただ、最初は驚くと思う。今はセルビエンテ族と言うがチョット問題があってな、ドラコ族と種族名を変えようと思っている」
「分かりました。陛下が側に居てくれるなら安心です。それに私一人がどこに行くのも大丈夫です」
「そうか。では行くか」
「えっ、今からですか!」
「そうだ。今も俺達が来るのを待っているからな」
本人が良いと言っているのだから気が変わらない内に行動する。
支払を済ませてから手を取って転移する。
「では行くぞ」
「キャー!」と叫ぶプレテ。
昼に転移した場所にセルビエンテ族が取り囲んでいたのだ。
プレテは驚いた。
当然だろう。
上半身は人族と似ているが下半身は蛇なのだから。
とは言え、襲われる事が無いと解っているし全員が女性なのも安心できた。
「おっ待っていたのか?」
「勿論だ。奥で女王がお待ちだ」
(女王? ペルフメの事か)
とりあえず話を進める為に屋敷に入る。
待っていたペルフメが甲斐甲斐しくエルヴィーノの手を取って誘導してくれた。
その顔は戻って来た事に安心したような雰囲気だった。
「みんな聞いてくれ。これから変化の魔法を常時発動できる魔導具を渡す。使い方は強く心に思い浮かべる事だ。それで彼女を紹介する」
一斉に注目を集めるプレテ。
「彼女が下半身を全員に見せるので、良く観察し同じようにして欲しい。それから失敗しても気にするな。何度でも挑戦すれば良い事だからな。あっそれからプレテに触るなよ。この子も恥ずかしさを我慢してお前達の為に頼んで協力してくれているのだからな」
恩を着せてプレテの安全と信用を得る作戦だ。
恥ずかしながら股を開いて、エルヴィーノの指示通り自らの指で秘部を見せるプレテ。
流石に自分はプレテの後ろで見ない様にしながらセルビエンテ族を監視していた。
「まずは妾が変化して見る」
名乗り上げたのはペルフメだ。
一族が見守る中、少し離れて集中するペルフメ。
「カンビオ!」
大きな声で叫ぶと見る見る内に腰から下が変化して行った。
「「「おおおっ!」」」
驚く一族に、ゆっくりと目を開けたペルフメが歩き出すと思ったら倒れた。
「どうした!?」
「どうやって進めばよいか解らぬ」
そっか! “2本足”で歩くのは始めてだからな。
一族の者が両手で支えプレテがゆっくりと歩いて見せた。
しばらく練習し、慣れた頃に聞いてみた。
「とりあえず股を見比べてくれ」
肝心な部分が変化出来ているかをプレテに確認してもらった。
「だ、大丈夫です」
恥ずかしそうに答えてくれたプレテだ。
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