86 / 104
最終章 ~華やかで煌びやかな地下の世界・元勇者の消滅編~
道場訓 八十六 勇者の誤った行動 ㉘
しおりを挟む
長くて深い地下への階段を下りたあと、俺はそのままソドムたちの後をついていった。
その後、ある場所へと辿り着いた俺は大きく目を見開いた。
「ここは闘技場なのか?」
口に出しては見たものの、円形のリングを見る限りではそうとしか思えない。
しかも円形のリングの周囲には、奈落の底へと通じるような穴が空いている。
それだけではなかった。
左右の穴の上には鳥籠のような檻が吊り下げられ、その中には人間が入っていたのだ。
「そうだ。ここは一部の富裕層たちに人気の闇試合の闘技場さ」
闇試合。
聞き慣れない言葉だったが、表の闘技祭とは異質なことはすぐに分かった。
まず観客たちの熱狂振りが半端ではない。
今も円形のリングの上では二人の男が死闘を繰り広げているのだが、まるで自分たちも闘っていると思わせるぐらい観客たちも沸きに沸いているのだ。
中には周囲に大量の唾を飛ばしながら叫んでいるジジイや、顔を紅潮させながら自分の股間を弄っている女など普通の観戦の仕方ではなかった。
などと俺が異様に興奮している観客たちを観ていると、ソドムとゴモラは「おい、行くぞ」と冷静な顔で声をかけてくる。
「ここはあくまでも催し会場だ。俺たちには関係ない」
そう言うとソドムとゴモラは別の場所に向かって移動する。
まあ、俺もこんなところに用はねえからな。
俺は円形のリングから視線を外し、ソドムとゴモラのあとを追った。
やがて俺たちは奇妙な場所へと辿り着く。
そこはあまりにも異質な空間だった。
頑丈な石の壁で四方を覆われたその部屋には、非常に珍しい硝子張りの奇妙な筒が幾つも並んでいたのだ。
しかも硝子張りの奇妙な筒の中には、黄緑色の液体で満たされていて人間と動物が融合したような奇怪な生物が入っている。
現存している亜生物や魔物とはまるで違う。
まさに不気味としか言いようがない新生物の姿がそこにはあった。
「こいつらは実験体に使われた元人間だ」
俺の疑問を察したのだろう。
ソドムは新生物――もとい元人間たちを見つめながら呟いた。
「魔人の……新魔薬の実験に使ったってことか?」
「よかったな、元勇者さんよ。お前さんの適合率が低かったら、この実験ポッドの中にいる連中の仲間になるところだったんだからな」
そう答えたのはゴモラだ。
俺はゴクリと生唾を飲み込んだ。
その後、ある場所へと辿り着いた俺は大きく目を見開いた。
「ここは闘技場なのか?」
口に出しては見たものの、円形のリングを見る限りではそうとしか思えない。
しかも円形のリングの周囲には、奈落の底へと通じるような穴が空いている。
それだけではなかった。
左右の穴の上には鳥籠のような檻が吊り下げられ、その中には人間が入っていたのだ。
「そうだ。ここは一部の富裕層たちに人気の闇試合の闘技場さ」
闇試合。
聞き慣れない言葉だったが、表の闘技祭とは異質なことはすぐに分かった。
まず観客たちの熱狂振りが半端ではない。
今も円形のリングの上では二人の男が死闘を繰り広げているのだが、まるで自分たちも闘っていると思わせるぐらい観客たちも沸きに沸いているのだ。
中には周囲に大量の唾を飛ばしながら叫んでいるジジイや、顔を紅潮させながら自分の股間を弄っている女など普通の観戦の仕方ではなかった。
などと俺が異様に興奮している観客たちを観ていると、ソドムとゴモラは「おい、行くぞ」と冷静な顔で声をかけてくる。
「ここはあくまでも催し会場だ。俺たちには関係ない」
そう言うとソドムとゴモラは別の場所に向かって移動する。
まあ、俺もこんなところに用はねえからな。
俺は円形のリングから視線を外し、ソドムとゴモラのあとを追った。
やがて俺たちは奇妙な場所へと辿り着く。
そこはあまりにも異質な空間だった。
頑丈な石の壁で四方を覆われたその部屋には、非常に珍しい硝子張りの奇妙な筒が幾つも並んでいたのだ。
しかも硝子張りの奇妙な筒の中には、黄緑色の液体で満たされていて人間と動物が融合したような奇怪な生物が入っている。
現存している亜生物や魔物とはまるで違う。
まさに不気味としか言いようがない新生物の姿がそこにはあった。
「こいつらは実験体に使われた元人間だ」
俺の疑問を察したのだろう。
ソドムは新生物――もとい元人間たちを見つめながら呟いた。
「魔人の……新魔薬の実験に使ったってことか?」
「よかったな、元勇者さんよ。お前さんの適合率が低かったら、この実験ポッドの中にいる連中の仲間になるところだったんだからな」
そう答えたのはゴモラだ。
俺はゴクリと生唾を飲み込んだ。
0
あなたにおすすめの小説
さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。
ヒツキノドカ
ファンタジー
誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。
そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。
しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。
身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。
そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。
姿は美しい白髪の少女に。
伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。
最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。
ーーーーーー
ーーー
閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります!
※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました
御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。
でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ!
これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。
ユニークスキルの名前が禍々しいという理由で国外追放になった侯爵家の嫡男は世界を破壊して創り直します
かにくくり
ファンタジー
エバートン侯爵家の嫡男として生まれたルシフェルトは王国の守護神から【破壊の後の創造】という禍々しい名前のスキルを授かったという理由で王国から危険視され国外追放を言い渡されてしまう。
追放された先は王国と魔界との境にある魔獣の谷。
恐ろしい魔獣が闊歩するこの地に足を踏み入れて無事に帰った者はおらず、事実上の危険分子の排除であった。
それでもルシフェルトはスキル【破壊の後の創造】を駆使して生き延び、その過程で救った魔族の親子に誘われて小さな集落で暮らす事になる。
やがて彼の持つ力に気付いた魔王やエルフ、そして王国の思惑が複雑に絡み大戦乱へと発展していく。
鬱陶しいのでみんなぶっ壊して創り直してやります。
※小説家になろうにも投稿しています。
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~
aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」
勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......?
お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?
A級パーティーを追放された黒魔導士、拾ってくれた低級パーティーを成功へと導く~この男、魔力は極小だが戦闘勘が異次元の鋭さだった~
名無し
ファンタジー
「モンド、ここから消えろ。てめえはもうパーティーに必要ねえ!」
「……え? ゴート、理由だけでも聴かせてくれ」
「黒魔導士のくせに魔力がゴミクズだからだ!」
「確かに俺の魔力はゴミ同然だが、その分を戦闘勘の鋭さで補ってきたつもりだ。それで何度も助けてやったことを忘れたのか……?」
「うるせえ、とっとと消えろ! あと、お前について悪い噂も流しておいてやったからな。役立たずの寄生虫ってよ!」
「くっ……」
問答無用でA級パーティーを追放されてしまったモンド。
彼は極小の魔力しか持たない黒魔導士だったが、持ち前の戦闘勘によってパーティーを支えてきた。しかし、地味であるがゆえに貢献を認められることは最後までなかった。
さらに悪い噂を流されたことで、冒険者としての道を諦めかけたモンドだったが、悪評高い最下級パーティーに拾われ、彼らを成功に導くことで自分の居場所や高い名声を得るようになっていく。
「魔力は低かったが、あの動きは只者ではなかった! 寄生虫なんて呼ばれてたのが信じられん……」
「地味に見えるけど、やってることはどう考えても尋常じゃなかった。こんな達人を追放するとかありえねえだろ……」
「方向性は意外ですが、これほどまでに優れた黒魔導士がいるとは……」
拾われたパーティーでその高い能力を絶賛されるモンド。
これは、様々な事情を抱える低級パーティーを、最高の戦闘勘を持つモンドが成功に導いていく物語である……。
隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる