わたしにしか懐かない龍神の子供(?)を拾いました~可愛いんで育てたいと思います

あきた

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第十五章

100・次世代の子供たち

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「え?なに?誰?っていうか、まさか神様?」
「ソーダが飲めると聞いては、うかうか寝ておれん」

 そう言って少年は立ち上がろうとしたが、へにゃっと床に滑った。

「おや?」
「なにやってんだよ。立てないのか?」

 白磁はくじがさっとかがみこむ。

「なんじゃ?」
「いいから乗っかれよ。歩けないんだろ?」
「成程のう」

 そういって少年は白磁の背にのっかった。

「ったく、神様なら飛べないのかよ」
「面倒じゃ。それよりお前、ムーランの匂いがするのう」
 小蘭しゃおらんにそう少年が言う。

「お母さまを知っているの?」
「やはりか。うむ、結婚式までは覚えておるがの。以前赤子で生まれて面倒な目にあったからのう、今回は長く眠っ……」
 そういうと、少年は白磁の背中で寝落ちして、白磁はいきなり重くなった少年に押しつぶされそうになった。


 なんとか薄氷うすらいの屋敷にたどり着くと、白磁と小蘭を探していた小蘭の母、木蘭むーらん、元、キイロという名前だったが、は驚いた。

「もう、一体どこでなにをして。おまけに一体その背中の子は」

 言いかけて木蘭は更に驚いた。

「りんちゃん!ねえ、りんちゃんなの?」

 すると眠っていた少年、りんはひょこっと顔をあげた。

「おう、ひさしぶりじゃのう。おおきゅうなった」
「そんなの、りんちゃんのほうがじゃないの!」

 がばっと抱きしめる木蘭に、少年も嬉しそうにしがみつく。

「どうして?いきなりなんで大きいの?」
「前は卵で生まれて面倒なことになったからの。もうちょっと大きくなるまで待った。が、時間がかかってしもうた」
「えぇえ、もう一回赤ちゃんから育てたかったのに」

 残念そうに言う木蘭に、りんは笑った。

「どうせもうすぐ生まれるじゃろうが。それで我慢せい」
「え?」
「え?」

 そこに居た皆が驚く。

「うん、我も目いっぱい休んで気分が良い!どれ、その子の守護に早速ついてやろう」
「ちょ、ちょっと待ってりんちゃん、え?私、妊娠してるの?」
「そうじゃ。気づいておらんかったんか?」

 すると小蘭が目を輝かせた。

「本当?私、おねえさんになるの?」
「そうじゃ。弟ができる」
「やったー!!!」
「まじか!うちのとーちゃんとかーちゃんに知らせなきゃ!」

 あまりに賑やかになってしまい、騒ぎを聞きつけたおぼろが、どうしたんだと顔をのぞかせた。

「随分賑やかな声が奥の間まで……りんさま?」
「おう、お前も立派になったのう」
「お久しぶりでございます」

 さっと膝をつく朧に、娘の小蘭が言った。

「ねえお父様!弟のおもちゃを買いにいきましょうよ!」
「弟?りんさまは弟では」
「そうじゃないの!生まれるんですって!わたし、お姉さんになるんですって!」
「本当に?そうなのか?木蘭」
「りんさまがそうおっしゃってて……」
「われがその子の守護につくことに決めたぞ。素直で良い子に育つ。主らの子らしくのう」
「は、はは……なんとも、賑やかというか、情報が多いというか」

 りんが卵から孵り、しかも少年の姿で、おまけに妻の木蘭は妊娠していて、次は男の子。

「それより、その白虎びゃっこの子、ソーダを持って来い」
「びゃっこ?俺の名前は白磁だぞ、間違えんな」
「主は白虎じゃ。立派な王になる」
「ん?」

 そこで驚いたのは朧一人だった。

(白虎の王?白磁が?)

 まだ幼い上に、白磁の父、青白せいはくは確かに白虎の一族ではあるが、いまは傍流でしかも商売をやっていて関わりもないのに。

(これは―――――我が子の世代も、それなりに賑やかになりそうだな)

 さて、藍銅らんどう伯爵にも伝えなければならないな、と朧は苦笑する。

「木蘭、なんだか大変になりそうだ」
「ええ、あなた。でもきっと、賑やかになりますよ」
「楽しく過ごせるならなによりだ。決して、私たちのような目にあわないように」
「そうですね。でも私はずっと幸せです。あなたが見つけて下さったから」

 そういって木蘭はそっとお腹の中に居るだろう、我が子に伝える様に朧の手を腹へあてた。


「だから、ソーダはどこじゃ!持って来い!」
「なんでお前に命令されないといけないんだよ!」
「われはおーりゅーじゃぞ!」
「知らねーよ!」
「喧嘩はやめなさい!白磁、おじさまに叱って貰うわよ!」

 賑やかな子供たちの様子に、朧と木蘭の夫婦は目を細め、騒ぎを優しく見守ったのだった。



 終わり
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