異世界召喚されたので、能天気な冒険者やっています〜復讐を果たすその時まで〜

大和由愛

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新パーティーと新たな目標

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「確かナオトだったな、俺はライト!よろしくな」
「私はユウ、よろしく」

 ナオトと握手を交わし、軽く挨拶を済ませ、依頼の話へと移る。

「どんな依頼行きたいとかあるか?」
「すみません、こういうのよくわからなくて」
「じゃあ、ゴブリン退治でいいんじゃない?」

 ナオトは苦笑いしながら、気まずそうにしている。助けるように、私が提案をする。

 なんていい人なのだ。

「じゃあ、ゴブリン退治にすっか」

 依頼の受け付けを済ませ、早速、近くの草原へ移動する。

 そして、一緒に戦闘して気づく――

「すっご!お前の魔法の威力どうなってんだよ!」

 ナオトの魔法は一般的な魔法の威力と比べて、とんでもない威力なのだ。

 ライトは驚きすぎて、戦闘中ずっと口が半開きだった。

「ゴブリン一撃って、俺らいらなくね?」
「え?これくらい普通なんじゃ……ないんですか?」

 ナオトは私と、ライトの顔を交互に見ている。たぶんこれぐらいなら普通だろうと、一応手加減して打ったのだろう。

「普通ではないだろ、でも、すげえな」
「いえ、でも、ライトの剣も凄いと思います」

 ナオトが話題を逸らすように、ライトへと話を振る。

「そうだろ!この間、洞窟で手に入れたんだ!」

 ライトは剣の事を振られてよっぽど嬉しいのか、大型犬のように尻尾を振っているのがみえる。
 
 「魔剣って言って、スッゲー剣なんだぜ!」

 本当に凄さをわかっているのか。

 魔剣は、魔剣に認められなければ、扱うことは出来ない特別な剣、そんな剣を扱えるということは、バカだけどそれなりに、才能があると言うこと。

 ナオトの魔法もあり、依頼は思ったより早く終わってしまった。
 
 依頼の帰り道――

 ライトと私のいつもの論争を繰り広げていた。この話題が解決することはないのかもしれない。

「やっぱり顔が良くないとでしょ」
「は?胸だろ?」
「じゃあ、胸があったらゴブリンみたいな顔でもいいってこと?」
「それは……じゃ、じゃあ、ユウは顔がよかったら胸が平らでもいいってのか?」
「もちろん」

 即答だ。

「ナオト!お前はやっぱり胸だよな?男だもんな?」
「は?ナオト!顔だよね?」

 ライトと一緒に、ナオトに迫る。

「え?僕は……好きになったら、どちらも、あまり気にしないですかね」

 なんともお手本の様な返しだ。だが、私達は逃さない。

「じゃあこれを見ろ」

 ライトがナオトに見せたのは、写真集だ。

 もちろん異世界でも、写真集という物は売られている、しかも、かなりレベルが高い。

「どの子が一番好きだ?ちなみに俺はこの子だ」

 ライトがそう言いながら指を差したのは、やはり胸がでかい女性だ。本当分かりやすい。

「私だったらこの子だね」
「確かに可愛いけど、胸が小さすぎだろ」
「あ~あ、今、世の胸の小さな女性全員的に回しました」

 いつもの論争とはいえ、今までのように、私たちを止めてくれる人がいない、どんどん周りに人が集まってくる。

「ヤバ!いつのまに!」
「ライト、ナオト、逃げるよ!」

 人混みをぬってギルドまで、走り抜ける。

 「私ちょっと休むから、依頼の報告よろしく」

 ライトとナオトに軽く手を振り、端っこの椅子へと向かう。

 ほとんど見たことがある記憶だとはいえ、あの人数を一度に見ると、頭が痛くなる。

「依頼報告終わったぜ、これ、ユウの分け前な」

 分け前をもらい袋の中身を軽く確認する、やっぱり、ゴブリン退治じゃ大したお金にならない。

「腹減ったし飯でも行こうぜ」

 ライトの提案で、三人でいつもの飲み屋に移動する。
 
  到着すると、いつもの角側の席へつく。

「私いつものでよろしく」
「あれな、もっと豪華なの食べたらいいのに、もったいないな」
「わかってないな、ここで節約すれば、写真集何枚買えると思ってんの?」
「それは、まあ、そうなんだよな」
 
  本当はあの日から何を食べても、味がしないんだ――

 栄養が取れれば食べ物なんてなんでもいい。

「ナオト決まったか?」
「おすすめとかありますか?」
「ユウ、ナオトにどっちが選んだのが気に入ったか選んでもらって、勝負しようぜ!」

 ほう、そんな勝負を持ちかけていいのか、私と彼は同郷だぞ?好みはほぼ一緒まである。

「ライトは負け試合が好きなようで」
「わかってねぇな、俺らは男同士なんだぜ、好みは一緒だ!」

 ナオトの日本にいた時の記憶からすると、好きな食べ物はカレー。

 だけど、ここで一つ問題が生じる、私はこの世界の食べ物の味が何一つわからない、一体、このメニューに書かれている料理たちはどんな味がしているんだ?

「ナオトはちなみに何か好きな食べ物あるのか?」
「そうだな……カレー……えっと、スパイスが効いてるものとかですかね」
「スパイス?」
「もしかして、ライト、スパイス知らないの?」

 少し半笑いで聞くと、ライトは焦ったように、目を泳がせる。

「そ、そんなわけねぇだろ!」
「ふ~ん、じゃあ、私これにしよ、ライトは?」

 私が指を差したのは、米と同じような物にカレーのようなものをが乗ってる料理だ。

 ここまで来たらもう、カレーだろう、きっと。

「じゃあ、これだ、やっぱり男は肉だろ!」

 ライトが選んだのは、大きな塊肉。

 頼んだ料理が、次々と運ばれてきて、最後に大きな肉の塊がテーブルの真ん中に置かれる。

 肉でほぼテーブルが埋まってしまうほどの大きさだ。

「でか!」
「一度食べてみたかったんだよな!」
「これは大きいですね」

 早速肉の塊から、皆で食べる。

「やっぱこれだよな!うま!」
「確かに、これは美味しいですね、もっと硬いのかと思っていました」

 確かに、こんな大きな肉の塊だ、硬いとのかと思っていたが、食べてみると、柔らかく簡単に歯で噛み切れる。

 ナオトの反応もいい。嬉しそうに肉にかぶりついている。

「次はユウが選んだの食べようぜ」

 食べてみるが、味はもちろんわからない。だが、食べた感じはカレーだ。

 後は、皆の反応次第。

「どう?ナオト!」
「う~ん、そうですね」

 ナオトは私が選んだ料理を口に運ぶと、一瞬固まり、顔を歪ませる。

 反応を見る限りカレーとは、程遠いものだったようだ。

「この反応的に勝負あったようだな」
「まさか、負けるとは」
「でも、これも、美味しいですよ」

 ナオトはフォローしてくれるが、負けは負けだ、今日は私が奢ろう。

 食事を続けていると、ライトが急にフォークを置き、神妙な面持ちで口を開いた。

 あまり見たことのない真剣な表情をしている。

「ナオト、お前、勇者だろ」
「え、なん!?」

 ナオトは急なライトの発言に、目を丸くさせていた。

 私も驚ろいている、まさか、ライトが気づくとは思っていなかった。

「あの魔法の威力、勇者じゃないと説明がつかない」
「勇者?なに?どういう事?」

 ナオトとライトの真剣な会話の中に、能天気に割り込む。

「ユウ、勇者召喚してるの知ってるだろ?」
「あ~よく噂になってるやつね」
「そ、それ」
「え?ナオトがそうってこと?」

 ライトが頷くと、私は少し大げさに驚く。

「マッジで!」
「正確に言うと、勇者ではないです、勇者召喚された一人ということになります」
「だから、あんな強かったんだ」

  きっと、他にも沢山、城を追い出された人がいるのだろう。

「僕、どうしても、元の世界に帰りたいんです。どうやったら帰れるのか知らないですか?」
「そう言われてもな~ユウはなんかしらね?」
「う~ん」

 ナオトの真剣な表情に、ライトは腕を組考えている。

 私もいろんな人の記憶を辿ろうとはするが、正直、思い出したいものではない。

「あ!そう言えば」

 ライトが急に、声を上げた。

「昔話があったな」

 その言葉で私も、思い出す、この世界に伝わるおとぎ話を。

「あ~あれね」
「何かあるんですか?」
「この世界には、勇者と魔王って言うおとぎ話があるんだよ」
「勇者と魔王ですか?」
「そう、勇者が魔王を倒すんだけど、倒した瞬間に異世界へ通じる扉が開かれて、召喚された勇者は元の世界へ帰っていくって話」

 ライトが簡単に説明してくれる、まあ、確証がある訳でもないけれど、手がかりと言ったらこれしか思いつかない。

「魔王を……」
「もしかして、倒すつもりか?」
「はい、それしか、帰る方法がないのであれば」

 沈黙が流れる、無謀な発言に言葉が出てこない、この世界を知っている者だからこそ無謀だとわかる。
 
 けれど、私には、都合がいい……

「いいじゃん!やってみよ」
「は!?マジで言ってる?」

 私の発言にライトが驚きの声を上げる。

「マジマジ、大マジだよ」
「いや、無理だろ!」
「ライト、そういうとこだよ、だからモテないんだよ」
「いや、関係ないだろ!」
「なんでも、やる前から無理かどうかなんてわかんないじゃん、一応本物の勇者だって、この世界にいるんだし」
「それは、そうかもだけどよ」

 でも、ライトの反応が普通の人の反応、普通は魔王を倒そうだなんて、思わない、本物の勇者が召喚されたのだから。

「わかったよ、やってやるぜ」
「本当にいいんですか?」

 ライトは、半分諦めたように頷く。

 私たちパーティーの新たなる目標が決まる。

 そして……私の復讐への道も、着々と進んでいる。

 

 
 
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