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番外編
ドSのイケメンにいじめられる事でしか摂取できない栄養がある(4)
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お尻を丸出しにされソファに突っ伏している僕。そんな僕の口に蒼司は指を突っ込んできた。
――舐めろということだ。
僕はアンジュと通話が繋がったままなのにもかかわらず、蒼司の指を舐めた。そして彼は僕のお尻をグイッと持ち上げたかと思うと唾液にまみれた指を秘部に押し込んできた。
「うぅ……んっ……!」
蒼司はゆっくりと長い指を根本まで挿入させた。そのままゆるゆると指がうごめいて中がほぐされる。アンジュの愚痴っぽい話の内容は段々頭に入ってこなくなってきた。
僕はもう息が乱れるのをこらえることができなかった。アンジュが気付いてしまうんじゃないか、こんなこといけないと思うほどゾクゾクして一層感じてしまう。
蒼司はそんな僕を見透かすように、背中を舐めながらくつくつと笑っている。
(気持ちいい……)
「ん……うぅ……」
『ほんっと、菜々といいAoといいドSなアルファと付き合うとお互い大変だよね~。って、Aoはあんたに勃たなくて困ってるんだっけ。あははごめ~ん!』
目の前のスマホからアンジュの笑い声が響く。蒼司がそれを聞いて怒ったのか、指が抜けるギリギリまで引いて、その後一気に奥まで突き入れた。
「あぅっ!」
(アンジュちゃん煽んないでよ……!)
その後何度か指を出し入れされ、僕の一番感じる所をグリグリと押された。そこを集中的に攻められると体がびくびくと跳ね、ペニスの先端から雫が溢れる。同時に彼が僕の背中を噛んだ。
「んぁっ! あ……もうやめ……んっ……」
(もうだめ――声我慢できないよ!)
『もしもし? 蓉平どうかしたの?』
アンジュがとうとう僕の異変に気付いた。必死で後ろを振り返ると、ずっと黙っていた蒼司がついに声を発した。
「おい、アンジュ。俺をED扱いとは随分とバカにしてくれるじゃねえか」
『……? え? 待って待って、え? うそでしょAo……? なんで!?』
さっきまで笑っていたアンジュが急に慌てた声を出した。
「俺が蓉平相手に勃たないわけないだろ。つーか、菜々はどうした。いるんだろ?」
『いないよ! いるわけないじゃん。いたらこんな話できるわけ……あっ!?』
そこまで聞こえた後、急にアンジュの側でゴソゴソと雑音がした。僕はこの隙に四つん這いでそっと逃げようとした。お尻から指は抜けたが、蒼司に足首を引っ掴まれてまた彼の下敷きになってしまう。
そして向こうの雑音が収まった後、アンジュと違ってハスキーな女性の声が聞こえた。
『もしもーし。菜々だよ~』
(うそ。菜々ちゃんもいたの……?)
「ふん。お前も帰ってる頃だと思ったよ」
蒼司はモデルこそ辞めたが、僕が懇願してピンスタグラムのアカウントだけは復活してもらったのだ。それで彼は最近も学業の合間に撮影を行っている。
今日も二人で撮影していて、天候が悪くなってしまったため予定より早めに解散したのだという。
『ごめんね~うちの可愛いビッチが奥様に下品なことばっかダラダラ聞かせちゃって』
菜々の言葉に蒼司が冷たく返す。
「お前、甘やかしすぎなんじゃないのか。ちゃんとおとなしくさせとけよ」
『はーい、そうだね。これだけ舐めた真似してくれたことだし、ちょっとお仕置きしないとね』
菜々の背後で『やめて! ちがうの、お願い聞いて!』とアンジュのわめく声がする。
『というわけだから、またね。蓉平さんは今度女子会で~』
「ふざけるな、お前なんかに会わせるわけないだろ」
『こわ~。独占欲丸出しみっともないよ? それじゃあ切るね』
最後に『蓉平助けて!』と後方からアンジュの声が聞こえて通話が切れた。
僕は呆然とスマホを見つめていた。そこへ蒼司が冷たく言う。
「さて、うちの奥様にもお仕置きが必要だな」
◇◇◇
くちゅくちゅ……と聞くに堪えないいやらしい音に耳を塞ぎたくなる。
あの後僕は自室のベッドに連れて来られた。そして今は蒼司に背後から包みこまれるような体勢で横向きに寝かされている。ただの添い寝ならば良いのだが、問題は彼が後ろの穴を長い指で嫌という程いじり回しているということだ。
「あっ……んぅっ……ダメ! またイッちゃうからやめ、あぁっ……!」
中だけで既に二度射精させられ、それでも止まらない蒼司の手に僕は翻弄され続けていた。
「お願いもう許して……謝るから、んっ……」
「何を謝るんだ?」
蒼司が耳元で低く囁いた。
「あ、アンジュちゃんに電話したことぉ……!」
「それで?」
話しながらも彼は指を止めてくれない。しかも耳を甘噛みされる。
「そ、それで、ん……それで、蒼司くんのこと……相談した!」
「何をどう相談したんだ?」
僕は息も絶え絶えになりながら答える。
「はぁ……はぁ……、蒼司くんが……僕と、エッチしてくれないって……」
すると蒼司が大きなため息をついた。
「はぁ~~~。お前な……俺がどんだけ我慢してたと思うんだよ?」
「え……?」
「しかもなんでアンジュなんかに……」
蒼司がようやく後ろから指を抜いてくれた。
そして僕の体を仰向けにし、顔を覗き込んで来る。
「あのなぁ、俺はお前を怯えさせたことをすげー反省してんだよ」
「うん……」
「それに、まだ自分がお前にふさわしい人間になれたとは思ってない」
(え――? そんなことないのに)
「だから、ちゃんと大学卒業して一人前になるまではお前のこと大事にしようって思ってたんだ」
「そ、そうなの……?」
「お前のフェロモンで酔っ払った状態でセックスなんてしてみろ。さっきアンジュも言ってたけど俺たちアルファは理性ぶっ飛んでめちゃくちゃしちまうんだよ」
「でも、むしろ……僕はそれでいいんだけど……」
「ああ?」
「だって僕……蒼司くんにいじめられるの好きだから……」
蒼司はこれを聞いてがっくりとうなだれた。
「あー……そうだったな。そうだ。お前はそういう奴だった」
そして彼は僕の首筋の匂いを何度か吸い込んだ。
「……蒼司くん?」
「もういい。やめだ。お前、今更後悔すんなよ」
「え?」
「そうやってエロい匂いを撒き散らしてアルファを煽るとどうなるか――」
蒼司はそう言うと自分の服を脱ぎ捨てた。久々に見る彼の綺麗に筋肉がついた体に僕は内心テンションが上ってしまう。
「覚悟しろよ」
肉体美に見惚れていたのもつかの間、僕は彼の下半身で猛り立つものを目にして急に怯えの気持ちが湧いてきた。
「あ……待って……や、やっぱり、それは……無理かも。つ、次のヒートのときにしようかな~……」
「うるさい、アンジュにまで相談するほど欲しかったんだろ? 感謝して受け取れよ」
蒼司は僕の脚を大きく開かせ、あらわになった部分に剛直を押し当てる。そしてそのまま体重をかけるようにしてねじ込んできた。
「ひっ……!」
そこは指で極限までほぐされていたため、彼自身の大きさにも関わらずほぼ抵抗なく受け入れることができた。しかし内部の柔らかさはともかく、僕はそれが入って来た圧迫感で息ができなくなってしまった。
(な、なにこれ――……苦しい……)
「おい、蓉平ちゃんと息をしろ」
「あっ……はっ……はい……」
意識して呼吸するようにしたらやっと苦しさはなくなってきた。しかし間を置かずに蒼司が言う。
「動くぞ」
「え!? 待って、待って待って無理――うぁっ……!」
蒼司は始めはゆっくりと、しかし僕の様子を見ながら次第に激しく動き始めた。出し入れに伴って内臓がえぐられ、引きずり出されるような奇妙な感覚に最初は戸惑った。しかしそれを続けられると徐々に指でされていたときの快感を体が思い出してきた。
(やば……これ気持ちい……)
とにかく僕はただされるがまま、あえぐしかなかった。入口付近を擦られると、どういうわけか自分の性器から先走りの液が滴る。かと思うと奥まで深く突かれ、僕は蒼司の首にしがみついてめまいがするほどの快感に耐えなければならなかった。
抱きつくと彼の汗の匂いがする。アルファのフェロモン混じりのそれを僕は思い切り吸い込んだ。
(ああ……良い匂い……)
「あっ、もうだめ……イきそう……」
「出せよ」
彼はそう言って僕の性器を手で擦る。すると飛び散ったもので彼のお腹が汚れてしまった。ぼうっとそれを見つめる僕に彼が言う。
「おい、まだ終わりじゃないからな」
蒼司は一度自分のものを引き抜くと、僕の体をさっきのように横に向かせた。そして今度は後ろから挿入してくる。
もう何度も射精したのに中の疼きは収まらず、体を揺さぶられれば揺さぶられるほど僕は彼を求めた。
「あ……ぅうっ……」
「気持ちいいか? 怖くない?」
「ん、気持ちいい、すごく……気持ちいい」
その頃には恐怖感は鳴りを潜め、彼に求められていることの嬉しさが勝っていた。
「蓉平、好きだ」
「あっ……ん……僕も、大好き……」
「本当はずっとこうしたかった」
「僕も……」
後ろから抱きしめられ体が密着するとなんとも言えない安心感に包まれる。
「お前の匂いに惑わされないように必死だったんだ」
蒼司は僕のうなじに鼻先を擦り付けた。くすぐったいけど、心地いい。
「初めてだよ、俺もオメガを抱くのは」
「うん……嫌じゃない?」
「当たり前だろ。すげー良い匂いだしめちゃくちゃ気持ちいいよ」
(よかった――蒼司くんが僕に欲情できないわけじゃなくて)
最初は怒った様子だった彼も、最後には甘い声で好きだと言ってキスしながら優しく抱いてくれた。
(激しくされるのも、ドロドロに甘やかされるのもどっちも良い……)
どれくらいの時間が経ったのか、疲れ切ってぐったりしている僕の頬を指でなぞりながら彼が言う。
「さっき菜々とエロくてドMな相手を好きになると大変だよなって話してたんだ」
(え……うそ)
「あんまりそうやって誘惑すんのやめてくれよな」
僕は何か答えようとしたけれど、眠くて言葉が出てこない。
どうやら彼も僕が聞いていないと思って話しかけているらしい。
「本当は最初はもっと優しくしてやるつもりだったのに……無理させてごめんな」
こめかみにキスされ、幸せな気分で僕は眠気に身を委ねた。
〈完〉
⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*
最後までご覧いただきありがとうございました。
本編に入り切らなかったR18シーンの番外編、これにて完結です。
アンジュ達の近況(?)もちらっとお見せしたいと思ったらこんな感じになりました。
変態な受けちゃんを初めて書いたのですが、個人的に新鮮で楽しかったです。笑
(多分、蓉平は結構手のかかる年上妻だと思います。蒼司頑張れの気持ちですね……)
ご笑納いただければ幸いです!
次作としてはオメガバース以外の短めの話を書いてます。
ケーキバースと、あとちょっとダーク目な話。
今回がコメディだった反動でどっちもちょっと暗いかも。
もしよければ更新した際読んでやってください!
ありがとうございました。
――舐めろということだ。
僕はアンジュと通話が繋がったままなのにもかかわらず、蒼司の指を舐めた。そして彼は僕のお尻をグイッと持ち上げたかと思うと唾液にまみれた指を秘部に押し込んできた。
「うぅ……んっ……!」
蒼司はゆっくりと長い指を根本まで挿入させた。そのままゆるゆると指がうごめいて中がほぐされる。アンジュの愚痴っぽい話の内容は段々頭に入ってこなくなってきた。
僕はもう息が乱れるのをこらえることができなかった。アンジュが気付いてしまうんじゃないか、こんなこといけないと思うほどゾクゾクして一層感じてしまう。
蒼司はそんな僕を見透かすように、背中を舐めながらくつくつと笑っている。
(気持ちいい……)
「ん……うぅ……」
『ほんっと、菜々といいAoといいドSなアルファと付き合うとお互い大変だよね~。って、Aoはあんたに勃たなくて困ってるんだっけ。あははごめ~ん!』
目の前のスマホからアンジュの笑い声が響く。蒼司がそれを聞いて怒ったのか、指が抜けるギリギリまで引いて、その後一気に奥まで突き入れた。
「あぅっ!」
(アンジュちゃん煽んないでよ……!)
その後何度か指を出し入れされ、僕の一番感じる所をグリグリと押された。そこを集中的に攻められると体がびくびくと跳ね、ペニスの先端から雫が溢れる。同時に彼が僕の背中を噛んだ。
「んぁっ! あ……もうやめ……んっ……」
(もうだめ――声我慢できないよ!)
『もしもし? 蓉平どうかしたの?』
アンジュがとうとう僕の異変に気付いた。必死で後ろを振り返ると、ずっと黙っていた蒼司がついに声を発した。
「おい、アンジュ。俺をED扱いとは随分とバカにしてくれるじゃねえか」
『……? え? 待って待って、え? うそでしょAo……? なんで!?』
さっきまで笑っていたアンジュが急に慌てた声を出した。
「俺が蓉平相手に勃たないわけないだろ。つーか、菜々はどうした。いるんだろ?」
『いないよ! いるわけないじゃん。いたらこんな話できるわけ……あっ!?』
そこまで聞こえた後、急にアンジュの側でゴソゴソと雑音がした。僕はこの隙に四つん這いでそっと逃げようとした。お尻から指は抜けたが、蒼司に足首を引っ掴まれてまた彼の下敷きになってしまう。
そして向こうの雑音が収まった後、アンジュと違ってハスキーな女性の声が聞こえた。
『もしもーし。菜々だよ~』
(うそ。菜々ちゃんもいたの……?)
「ふん。お前も帰ってる頃だと思ったよ」
蒼司はモデルこそ辞めたが、僕が懇願してピンスタグラムのアカウントだけは復活してもらったのだ。それで彼は最近も学業の合間に撮影を行っている。
今日も二人で撮影していて、天候が悪くなってしまったため予定より早めに解散したのだという。
『ごめんね~うちの可愛いビッチが奥様に下品なことばっかダラダラ聞かせちゃって』
菜々の言葉に蒼司が冷たく返す。
「お前、甘やかしすぎなんじゃないのか。ちゃんとおとなしくさせとけよ」
『はーい、そうだね。これだけ舐めた真似してくれたことだし、ちょっとお仕置きしないとね』
菜々の背後で『やめて! ちがうの、お願い聞いて!』とアンジュのわめく声がする。
『というわけだから、またね。蓉平さんは今度女子会で~』
「ふざけるな、お前なんかに会わせるわけないだろ」
『こわ~。独占欲丸出しみっともないよ? それじゃあ切るね』
最後に『蓉平助けて!』と後方からアンジュの声が聞こえて通話が切れた。
僕は呆然とスマホを見つめていた。そこへ蒼司が冷たく言う。
「さて、うちの奥様にもお仕置きが必要だな」
◇◇◇
くちゅくちゅ……と聞くに堪えないいやらしい音に耳を塞ぎたくなる。
あの後僕は自室のベッドに連れて来られた。そして今は蒼司に背後から包みこまれるような体勢で横向きに寝かされている。ただの添い寝ならば良いのだが、問題は彼が後ろの穴を長い指で嫌という程いじり回しているということだ。
「あっ……んぅっ……ダメ! またイッちゃうからやめ、あぁっ……!」
中だけで既に二度射精させられ、それでも止まらない蒼司の手に僕は翻弄され続けていた。
「お願いもう許して……謝るから、んっ……」
「何を謝るんだ?」
蒼司が耳元で低く囁いた。
「あ、アンジュちゃんに電話したことぉ……!」
「それで?」
話しながらも彼は指を止めてくれない。しかも耳を甘噛みされる。
「そ、それで、ん……それで、蒼司くんのこと……相談した!」
「何をどう相談したんだ?」
僕は息も絶え絶えになりながら答える。
「はぁ……はぁ……、蒼司くんが……僕と、エッチしてくれないって……」
すると蒼司が大きなため息をついた。
「はぁ~~~。お前な……俺がどんだけ我慢してたと思うんだよ?」
「え……?」
「しかもなんでアンジュなんかに……」
蒼司がようやく後ろから指を抜いてくれた。
そして僕の体を仰向けにし、顔を覗き込んで来る。
「あのなぁ、俺はお前を怯えさせたことをすげー反省してんだよ」
「うん……」
「それに、まだ自分がお前にふさわしい人間になれたとは思ってない」
(え――? そんなことないのに)
「だから、ちゃんと大学卒業して一人前になるまではお前のこと大事にしようって思ってたんだ」
「そ、そうなの……?」
「お前のフェロモンで酔っ払った状態でセックスなんてしてみろ。さっきアンジュも言ってたけど俺たちアルファは理性ぶっ飛んでめちゃくちゃしちまうんだよ」
「でも、むしろ……僕はそれでいいんだけど……」
「ああ?」
「だって僕……蒼司くんにいじめられるの好きだから……」
蒼司はこれを聞いてがっくりとうなだれた。
「あー……そうだったな。そうだ。お前はそういう奴だった」
そして彼は僕の首筋の匂いを何度か吸い込んだ。
「……蒼司くん?」
「もういい。やめだ。お前、今更後悔すんなよ」
「え?」
「そうやってエロい匂いを撒き散らしてアルファを煽るとどうなるか――」
蒼司はそう言うと自分の服を脱ぎ捨てた。久々に見る彼の綺麗に筋肉がついた体に僕は内心テンションが上ってしまう。
「覚悟しろよ」
肉体美に見惚れていたのもつかの間、僕は彼の下半身で猛り立つものを目にして急に怯えの気持ちが湧いてきた。
「あ……待って……や、やっぱり、それは……無理かも。つ、次のヒートのときにしようかな~……」
「うるさい、アンジュにまで相談するほど欲しかったんだろ? 感謝して受け取れよ」
蒼司は僕の脚を大きく開かせ、あらわになった部分に剛直を押し当てる。そしてそのまま体重をかけるようにしてねじ込んできた。
「ひっ……!」
そこは指で極限までほぐされていたため、彼自身の大きさにも関わらずほぼ抵抗なく受け入れることができた。しかし内部の柔らかさはともかく、僕はそれが入って来た圧迫感で息ができなくなってしまった。
(な、なにこれ――……苦しい……)
「おい、蓉平ちゃんと息をしろ」
「あっ……はっ……はい……」
意識して呼吸するようにしたらやっと苦しさはなくなってきた。しかし間を置かずに蒼司が言う。
「動くぞ」
「え!? 待って、待って待って無理――うぁっ……!」
蒼司は始めはゆっくりと、しかし僕の様子を見ながら次第に激しく動き始めた。出し入れに伴って内臓がえぐられ、引きずり出されるような奇妙な感覚に最初は戸惑った。しかしそれを続けられると徐々に指でされていたときの快感を体が思い出してきた。
(やば……これ気持ちい……)
とにかく僕はただされるがまま、あえぐしかなかった。入口付近を擦られると、どういうわけか自分の性器から先走りの液が滴る。かと思うと奥まで深く突かれ、僕は蒼司の首にしがみついてめまいがするほどの快感に耐えなければならなかった。
抱きつくと彼の汗の匂いがする。アルファのフェロモン混じりのそれを僕は思い切り吸い込んだ。
(ああ……良い匂い……)
「あっ、もうだめ……イきそう……」
「出せよ」
彼はそう言って僕の性器を手で擦る。すると飛び散ったもので彼のお腹が汚れてしまった。ぼうっとそれを見つめる僕に彼が言う。
「おい、まだ終わりじゃないからな」
蒼司は一度自分のものを引き抜くと、僕の体をさっきのように横に向かせた。そして今度は後ろから挿入してくる。
もう何度も射精したのに中の疼きは収まらず、体を揺さぶられれば揺さぶられるほど僕は彼を求めた。
「あ……ぅうっ……」
「気持ちいいか? 怖くない?」
「ん、気持ちいい、すごく……気持ちいい」
その頃には恐怖感は鳴りを潜め、彼に求められていることの嬉しさが勝っていた。
「蓉平、好きだ」
「あっ……ん……僕も、大好き……」
「本当はずっとこうしたかった」
「僕も……」
後ろから抱きしめられ体が密着するとなんとも言えない安心感に包まれる。
「お前の匂いに惑わされないように必死だったんだ」
蒼司は僕のうなじに鼻先を擦り付けた。くすぐったいけど、心地いい。
「初めてだよ、俺もオメガを抱くのは」
「うん……嫌じゃない?」
「当たり前だろ。すげー良い匂いだしめちゃくちゃ気持ちいいよ」
(よかった――蒼司くんが僕に欲情できないわけじゃなくて)
最初は怒った様子だった彼も、最後には甘い声で好きだと言ってキスしながら優しく抱いてくれた。
(激しくされるのも、ドロドロに甘やかされるのもどっちも良い……)
どれくらいの時間が経ったのか、疲れ切ってぐったりしている僕の頬を指でなぞりながら彼が言う。
「さっき菜々とエロくてドMな相手を好きになると大変だよなって話してたんだ」
(え……うそ)
「あんまりそうやって誘惑すんのやめてくれよな」
僕は何か答えようとしたけれど、眠くて言葉が出てこない。
どうやら彼も僕が聞いていないと思って話しかけているらしい。
「本当は最初はもっと優しくしてやるつもりだったのに……無理させてごめんな」
こめかみにキスされ、幸せな気分で僕は眠気に身を委ねた。
〈完〉
⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*
最後までご覧いただきありがとうございました。
本編に入り切らなかったR18シーンの番外編、これにて完結です。
アンジュ達の近況(?)もちらっとお見せしたいと思ったらこんな感じになりました。
変態な受けちゃんを初めて書いたのですが、個人的に新鮮で楽しかったです。笑
(多分、蓉平は結構手のかかる年上妻だと思います。蒼司頑張れの気持ちですね……)
ご笑納いただければ幸いです!
次作としてはオメガバース以外の短めの話を書いてます。
ケーキバースと、あとちょっとダーク目な話。
今回がコメディだった反動でどっちもちょっと暗いかも。
もしよければ更新した際読んでやってください!
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※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
菜々×アンジュの話 面白いです!
そう言って頂けて嬉しいです!
GLになっちゃうので、BL枠のここでは書けないなーと思って少しだけ彼女たちのその後を匂わせてみました😆
完結&番外編お疲れ様です☺
蒼司×蓉平のハピエン嬉しいです!
(父母には解せぬですが‥笑)
欲を言えば他の登場人物の
ストーリー展開も読みたかった(汗)
GL展開になりそう?に見えたなと。。
他の男性キャラの「もしも〇〇なら話」
とか…読んで見たかったw
これからも楽しみに他の話を
待っています!応援しています!
最後までご覧いただきありがとうございます✨
ヘンテコ両親にこの先も苦労しそうですが、なんとかハピエンで終わりました💕
美容師中西もクセのある変な恋愛をしそうですし、桂木さんも何かいい出会いを考えてあげたいとは思いますね〜。
(実際書くかはわからないですが💦)
今一つ書いてるのがある(ちょっと暗い話)ので、また読んでもらえたら嬉しいです!
ご感想ありがとうございました!
番外編!お疲れ様でした!
いやぁもういいですなぁ
番になるときはどうなるのかなぁとか妄想とまらず
思わず声にだして最高と
萌えキュンありがとうございました!
最後まで通してずっと見守って頂いてありがとうございました!
番にならなかったですね。言われてみれば最近書いているオメガバース、番になるとこまで行かないパターン多かったかもです!
いちゃラブ前のゴタゴタが好きでつい……。笑
嬉しい感想ありがとうございます!
萌えて頂けたら本望です〜♡