日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが

８

　髪を掴んだ手が引き抜かれ、明らかに髪型が変わった。
　はずしたのは――かつらだった。
　その瞬間、僕は言葉を失った。
　目の前にいたのは、僕がテレビで何度も見た、日本で知らない人はいない美男子俳優――白銀玲央だった。

　まつげが長く、繊細にカールしているその目は、深い青のような色をしていて、どこか冷たく、そして魅惑的だった。目の奥には謎めいた光が宿り、まるでその瞳の中に吸い込まれてしまいそうな気さえした。

　彼の顔立ちは、言葉では言い表せないほど完璧だった。鼻筋は通り、唇は薄くも優雅で、どこから見ても美しい。まるで彫刻のように精緻な顔立ちは、どんな角度から見ても絵になるような美しさを誇っていた。

　そして、肌はまるで雪のように白く、透き通るような輝きを放っていた。目の前にいるのは、まさに人間国宝と言われるべき存在だと思った。毛穴が一つも見当たらないほど、なめらかで均等な肌が、光を受けてほんのりと輝いている。

　彼の美しさは、まさに異次元から来たもののようで、どんな言葉を使っても足りないと感じた。

　僕はただ、ぼう然とその美しい姿を見つめるしかできなかった。日本で最も有名な美男子俳優――白銀玲央。テレビで見ていた彼が、まさかこんな形で目の前に現れるなんて、信じられなかった。

　玲央は、その冷たい印象を少し和らげて、微笑みながら僕を見つめていた。その笑顔もまた、どこか計算されたように美しく、どんな言葉をも超えて魅力的だった。

「驚いた？」

　彼の声が、僕の耳に届く。どこか優しく、でも冷徹な響きを持っているその声に、僕はやっと我に返った。

「……うん。吐きそう……」
「吐かないでくれ」

　苦笑しながら白銀玲央は水を飲む。
　未だに信じられない。
　本当に、あの白銀玲央が……僕の目の前にいるのだ。