【R18】君に届くまで〜カタギの俺には資格がないの?〜

keco

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〚54〛ウチのカミさん

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 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 ヌナの居場所…
 うっかり口を滑らせた柾國まさくにくんから
 情報を得た


 早速 東組の屋敷に行くと
 笑顔で出迎えてくれた 敏也としやさん


 。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆


「ご無沙汰してます…┏○ペコッ」

「案外、早かったね…ここに来るの」



 表情が読み取れない顔で敏也さんが言った


 *・゚・*:.。.*.。.:。゜⋆。゜⋆


 家の中へ入ると 客間に通されて


「座って!」

 敏也さんの言葉に 素直に応じる


 黒光りのソファに腰掛けると
 先程 インターホンで
 応対してくれたであろう年配の女性が
 お茶を持ってきてくれた


「どうぞ…」
「ありがとうございます…」

 目の前にお茶を置いて
 そそくさと退出して行った


「体調は どうなの?良くなった?」

「はい…定期的に病院には
 診察に行くことになりますけど
 記憶も戻って…問題なく過ごせてます」

「ふ~ん…そうなんだぁ」


 お茶を一口飲んで
 再び敏也さんが口を開く


「んで…今日は どうしたの?」

「会いに来ました…」

「俺に…?」

「………」

「んなわけないよね?…(´▽`*)アハハハハハ」

「………」


 優さんの事務所で会った時より
 威圧感がすごくて
 声が出せないほど
 敏也さんは 目付きが鋭く 冷ややかで…
 本来の〖ヤクザ〗って
 こういう感じなんだろう…


「ウチのなら今 出かけてるよ!」

「………」

「あれ?聞いてないの?結婚したって…」

「…聞いてます」

「一緒に暮らして もう2ヶ月過ぎたかな~
 新婚ホヤホヤだから 毎日楽しくてさ!
 あっという間に一日が
 終わっちゃうんだよね~」

「………」

「アミねぇって、面倒見が良いでしょ?
 昔からウチの連中も懐いてるからさ~!
 ワイワイ騒がしくやってるよ!
 だから全然 心配しなくていいよ」

「……そう、ですよね…」



 何も言えない…
 やっぱり…場違いだった…


 ヌナは…俺のことは もう…


 さらうなんて 出来るわけない…
 迷惑なだけだよね…


「忘れてたんでしょ?アミねぇのこと…」

「・・・・・・」

「なにかを期待して
 ココに来たんだろうけど…
 記憶が戻ったからって
 俺は つい最近まで 恋人だった仁さんに
 ウチのを会わせるほど
 寛容な人間じゃないよ…」

「………」

「アミ姐のことは
 俺が幸せにするから安心して!
 ……ってことで どうぞ お引取りを」


 そう言って スクッと立ち上がると
 客間の扉を開けて 俺が出ていくのを
 待っている


 ・・・・・・・・・


 自分の無力さに 嫌気がさす

 ここを出たら きっと
 もうヌナには 会えない…



「…元気にしてますか?」


 元気なら それで…


「ちゃんと ご飯食べてますか?
 たくさん 笑ってますか?
 俺の居ない毎日を…楽しんでいるなら…」


 悔しい…

 ここまで来たのに結局…
 何も出来なかった…


 あの事故さえ なかったら
 今頃 俺と …


「ヌナが幸せなら……それで…」



 ……もう、帰らなきゃ



「はぁ~(。´-д-)」

 敏也さんがため息をついた


「アミねぇもね…ここに来てからずっと
 仁さんと同じようなこと言ってんだよ…」

「え…」

「頭痛は良くなったかな?
 仕事には 復帰したのかな?
 リハビリ 頑張ってるかな?
 毎日 ぐっすり眠れているかな?…」

「………」

「ずっと 仁さんの心配してる…
 聞き飽きるほどね…」


 結婚しても…心配してくれてるんだね…

 なんだか 敏也さんに申し訳ないな…


 漢気おとこぎなんて
 そもそも俺には無いんだ…
 ビビりで弱くて…

 さらうなんて
 てつが言うように無謀なことだった


 どうか…幸せになってね…って
 まだ、心から言えないけど

 敏也さんと並んで祝福されてるヌナなんか
 見たくもないけど


「………」


 一目会って 謝りたかった…

 抱きしめたかったなぁ…



 帰らなきゃいけないのに
 ソファーに座ったまま
 ぎゅっと拳を握り
 動けずにいた、その時…


「仁さん、いいこと教えてあげようか?」

 敏也さんは
 俺の顔を見てニヤリと笑った


 *・゚・*:.。.*.。.:。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆


 → 〖民宿 みなと〗


 久しぶりに両親と食事を囲む

 新鮮な海の幸…
 "仁にも食べさせたいな"
 そう思いながら 黙ってもぐもぐと
 口を動かしていた


敏也としぼうは、どうしてる?」

「うん、あずまの親方に習って
 チカラつけてきてるよ」

「ホントは そのまま
 海外で住みたかったんじゃ…」

としが決めたことだから…
 私は見守るよ」


 お酒を一口飲んだお父さん


「アミ、お前の気持ちはわかるけど
 やっぱり…」

「…どっかの組長の
 妾になるよりいいじゃん!
 東の親方にも お世話になったから
 応えたいの…」

「ホント…東も 無茶言うよな~」

「あなたがしっかり断らないからでしょ!
 私が口出しても良いなら
 とっくに 東さんを黙らせてたわよっ!」

「お、怒るなってぇ…(。-ω-)」


 ハハッ…お父さん 怒られてる‪‪‪(*´艸`)

 続けて お母さんは


「アミには たくさん助けてもらってる…
 ゆうのぞむも アミのおかげで
 立派になった…本当に感謝してるよ!」


 私をじっと見つめ


「後悔しない人生を歩みなさい」

「そうだね…」



 一番の後悔は
 やっぱり仁と離れたことかな

 なんて、今更ねぇ…

 これで よかったんだと思いたいのに
 お母さんは続けて話をした


「私は 元々カタギだから
 この世界に足を踏み入るのに
 すごく勇気が必要で 怖かったけど
 今も後悔してない…
 大好きな人と一緒にいる幸せ、
 そして何より アナタ達の母親になれた…」

ゆうが言ってたぞ?
 その彼のおかげで アミが
 笑うようになったってな」

「だからって、私にどうしろって言うの?
 彼は …私のことを 覚えてないの!
 そのまま 忘れてくれていいんだって!…」


 今も どれだけ つらいか…
 私の気も知らないで…
 勝手な事ばかり言わないで欲しい…


 仁は もう…別の道を歩んでるんだから



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