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第一章 森の生活と孤児院改革:ギルド登録と初めてのビジネス
第42話 お金がない! 貯金残高を見て顔面蒼白になりました
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翌朝。
寝室の扉の向こうから、なにやら賑やかな声が漏れ聞こえてくる。
「うめー! このカリカリのが俺の!」
「ずるいぞレオ! ルークのが多い!」
うん、今日も我が孤児院は平和そのものだ。どうやら、昨夜のうちに仕込んでおいた『黄金シナモンラスク』は、大好評のようだね。
のそのそと寝室を出ると、食堂はすでに賑やかな朝を迎えていた。
「あ、コトリ! おはよう!」
「今日の朝ごはんもカリカリのパンだー!」
レオとルークが、口の周りに砂糖をべったりつけながら、ぶんぶんと手を振ってくる。うん、可愛い。その砂糖、後でコロが全部舐めとってくれるから、そのままでよろしい。
「おはよう、みんな。よく眠れた?」
「「「うんっ!!」」」
子供たちの元気な合唱に、私の心もぽかぽかしてくる。
テーブルの隅っこでは、エミリーが両手で大事そうにラスクを持ち、小さな口でサクサクと食べている。その頬、昨日より確実にふっくらしてる! よしよし、順調に育成が進んでいるな!
(ふふふ、みんな幸せそうで何より。これも全部、私の快適な安眠のため……いやいや、みんなの笑顔のため!)
心の中で、私は大きく頷く。
そう、これは社会貢献活動なのだ。決して、自分のQOL(生活の質)を上げるためだけにやっているわけではない。断じて違う。うん、たぶん。
マーサ院長も、いつもはマリアナ海溝みたいに深い眉間の皺が、今日は日本海溝くらいには浅くなっている気がする。彼女は温かいミルクを一口飲むと、私の方をちらりと見て、ふん、と鼻を鳴らした。
「あんたのおかげで、食費が嵩んで仕方ないよ」
(うっ、黒パン、たくさん使っちゃったからね……。マーサさん、ごめんなさい!)
その口調はぶっきらぼうだけど、責めている響きは全くないのが救い。
はいはい、ツンデレツンデレ。素直じゃないんだから、もう!
後片付けも、《洗浄》《乾燥》の魔法コンボで一瞬だ。
もはや子供たちの間では、ちょっとしたアトラクションと化している。リックまで、いつの間にか一番近くで「ほう…」とか言いながら見学してるし。君、そういうの興味ないキャラじゃなかったっけ?
孤児院の生活は、劇的に変わった。
清潔な寝床。美味しい食事。子供たちの笑い声。
私がここに来て、まだ一週間も経っていないというのに、あの淀んだ空気は完全に浄化された。
(うん、完璧な滑り出し。私のスローライフ計画、順調そのものじゃないか!)
全てが、私の思い通り。
このまま、この快適な日常を維持していけば、私の理想郷は完成する。
そう、このままいけば……。
その夜。
子供たちの穏やかな寝息と、足元で丸くなるコロの温もりという、最高の癒やし空間の中で、私はそっと【異世界インターネット接続】のウィンドウを開いて、異世界通販にアクセス。
孤児院にきてから『人助けボーナス』で2万ポイント貰ってるし、ポイントも増えてるはず……。
全てが、私の思い通り。
このまま、この快適な日常を維持していけば、私の理想郷は完成する。
そう、このままいけば……。
期待に胸を膨らませ、ウィンドウの右上に視線を移す。
『所持ポイント:8,917,801 P』
そこに表示された数字を見て、私の脳内お花畑は、一瞬で真冬のシベリアになった。
(……は、891万……!?)
ひえっ!
思わず変な声が出そうになるのを、手で口を覆って必死にこらえる。
え、なんで?
孤児院にきて、衛生環境への貢献と食文化への貢献でそれぞれ1万ポイント、合計2万ポイント貰って、コロ用の食料やら私の日用品やお菓子やらで8,000ポイントは使ったから、差し引き12,000ポイントは増えてるはず。
なのに、なんで私の心はこんなに北風吹き荒れてるの?
そうだ。
問題はプラスマイナスじゃない。絶対的な『残高』だ。
初期資金1000万。
そこから、いきなり約100万の四次元バッグを買ったのが全ての元凶!
そして、この数日間の食費(という名のエンゲル係数爆上げ)と、ボーナスポイントのちょこっとしたプラスを合算した結果が、これ。
(減ってる……! じわじわと、でも確実に、私の虎の子の資産が溶けていってる……!)
背筋に、冷たいものがツーッと流れる。
この感覚、知ってる。前世で、給料日前に銀行口座の残高を見た時の、あの絶望感とそっくりだ!
寝室の扉の向こうから、なにやら賑やかな声が漏れ聞こえてくる。
「うめー! このカリカリのが俺の!」
「ずるいぞレオ! ルークのが多い!」
うん、今日も我が孤児院は平和そのものだ。どうやら、昨夜のうちに仕込んでおいた『黄金シナモンラスク』は、大好評のようだね。
のそのそと寝室を出ると、食堂はすでに賑やかな朝を迎えていた。
「あ、コトリ! おはよう!」
「今日の朝ごはんもカリカリのパンだー!」
レオとルークが、口の周りに砂糖をべったりつけながら、ぶんぶんと手を振ってくる。うん、可愛い。その砂糖、後でコロが全部舐めとってくれるから、そのままでよろしい。
「おはよう、みんな。よく眠れた?」
「「「うんっ!!」」」
子供たちの元気な合唱に、私の心もぽかぽかしてくる。
テーブルの隅っこでは、エミリーが両手で大事そうにラスクを持ち、小さな口でサクサクと食べている。その頬、昨日より確実にふっくらしてる! よしよし、順調に育成が進んでいるな!
(ふふふ、みんな幸せそうで何より。これも全部、私の快適な安眠のため……いやいや、みんなの笑顔のため!)
心の中で、私は大きく頷く。
そう、これは社会貢献活動なのだ。決して、自分のQOL(生活の質)を上げるためだけにやっているわけではない。断じて違う。うん、たぶん。
マーサ院長も、いつもはマリアナ海溝みたいに深い眉間の皺が、今日は日本海溝くらいには浅くなっている気がする。彼女は温かいミルクを一口飲むと、私の方をちらりと見て、ふん、と鼻を鳴らした。
「あんたのおかげで、食費が嵩んで仕方ないよ」
(うっ、黒パン、たくさん使っちゃったからね……。マーサさん、ごめんなさい!)
その口調はぶっきらぼうだけど、責めている響きは全くないのが救い。
はいはい、ツンデレツンデレ。素直じゃないんだから、もう!
後片付けも、《洗浄》《乾燥》の魔法コンボで一瞬だ。
もはや子供たちの間では、ちょっとしたアトラクションと化している。リックまで、いつの間にか一番近くで「ほう…」とか言いながら見学してるし。君、そういうの興味ないキャラじゃなかったっけ?
孤児院の生活は、劇的に変わった。
清潔な寝床。美味しい食事。子供たちの笑い声。
私がここに来て、まだ一週間も経っていないというのに、あの淀んだ空気は完全に浄化された。
(うん、完璧な滑り出し。私のスローライフ計画、順調そのものじゃないか!)
全てが、私の思い通り。
このまま、この快適な日常を維持していけば、私の理想郷は完成する。
そう、このままいけば……。
その夜。
子供たちの穏やかな寝息と、足元で丸くなるコロの温もりという、最高の癒やし空間の中で、私はそっと【異世界インターネット接続】のウィンドウを開いて、異世界通販にアクセス。
孤児院にきてから『人助けボーナス』で2万ポイント貰ってるし、ポイントも増えてるはず……。
全てが、私の思い通り。
このまま、この快適な日常を維持していけば、私の理想郷は完成する。
そう、このままいけば……。
期待に胸を膨らませ、ウィンドウの右上に視線を移す。
『所持ポイント:8,917,801 P』
そこに表示された数字を見て、私の脳内お花畑は、一瞬で真冬のシベリアになった。
(……は、891万……!?)
ひえっ!
思わず変な声が出そうになるのを、手で口を覆って必死にこらえる。
え、なんで?
孤児院にきて、衛生環境への貢献と食文化への貢献でそれぞれ1万ポイント、合計2万ポイント貰って、コロ用の食料やら私の日用品やお菓子やらで8,000ポイントは使ったから、差し引き12,000ポイントは増えてるはず。
なのに、なんで私の心はこんなに北風吹き荒れてるの?
そうだ。
問題はプラスマイナスじゃない。絶対的な『残高』だ。
初期資金1000万。
そこから、いきなり約100万の四次元バッグを買ったのが全ての元凶!
そして、この数日間の食費(という名のエンゲル係数爆上げ)と、ボーナスポイントのちょこっとしたプラスを合算した結果が、これ。
(減ってる……! じわじわと、でも確実に、私の虎の子の資産が溶けていってる……!)
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