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18:再びヨガクレへ(3)
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「鯉のぼりが空を飛んで、動物たちが喋ってるよ」
傍に行って報告すると、朝陽は笑った。
「これがヨガクレ、あやかしや神が住まう場所だ。人間の常識なんて通用しないぞ。観光したいならしばらく辺りを見て回るか?」
「ううん、もう大丈夫。ありがとう。アマネ様に会いに行こう」
「了解。歩いて行ってもいいけれど、せっかくだから一反木綿に乗ってみるか?」
「乗ってみたい!」
好奇心旺盛な美緒は、目を輝かせて即答した。
せっかくヨガクレにいるのだから、満喫しなければ損だ。
「それじゃこっち」
と、朝陽が足のつま先の方向を変えて歩き出す。
「おれから離れるなよ。ほとんどのあやかしは人畜無害なんだが、たまに厄介な奴もいるからな。七年前に身を持って知っただろうけど」
「うん」
もしまた巨漢のあやかしのような危険な奴に出会うことがあれば、全力で逃げよう。
「あと、どんなに勧められても、ヨガクレで作られたものを食べてはいけない。古事記の黄泉戸喫《ヨモツヘグイ》を知らないか? 黄泉の国のものを食べると、黄泉の国の住人になり、現世に戻れなくなる、ってやつ。そこまでの影響力はないと思うが、ヨガクレのものを人間が食べたらどうなるか、おれは知らないし、警戒するに越したことはない。一生ここで過ごすなんて嫌だろう?」
「嫌だよ。せっかく苦労して高校にも受かったのに」
美緒は青くなった。
「わかった、ここで出された食べ物は絶対食べない」
「賢明だ」
朝陽は頷き、近くにあった外灯の前で立ち止まった。
「おい火の玉。力を貸してくれ」
朝陽が外灯に呼びかけると、中で踊っていた火の玉が踊りを止めた。
火の玉からにゅるんと手が伸びて、外灯の蓋を開け、朝陽の前に下りてくる。
「なんじゃ小僧。人に化けるのが随分とうまいな。狐か、狸か」
火の玉は老人のようにしゃがれた声で喋った。
顔もないのにどこから喋っているのか不明である。
「狐だよ」
証明するように朝陽の頭から狐の耳が生え、すぐに引っ込んで消えた。
(完全に狐の姿になるだけじゃなくて、耳も出せるんだ)
新発見だ。その気になれば尻尾も出せたりするのだろうか。ちょっと――いや、かなり――見てみたい。
傍に行って報告すると、朝陽は笑った。
「これがヨガクレ、あやかしや神が住まう場所だ。人間の常識なんて通用しないぞ。観光したいならしばらく辺りを見て回るか?」
「ううん、もう大丈夫。ありがとう。アマネ様に会いに行こう」
「了解。歩いて行ってもいいけれど、せっかくだから一反木綿に乗ってみるか?」
「乗ってみたい!」
好奇心旺盛な美緒は、目を輝かせて即答した。
せっかくヨガクレにいるのだから、満喫しなければ損だ。
「それじゃこっち」
と、朝陽が足のつま先の方向を変えて歩き出す。
「おれから離れるなよ。ほとんどのあやかしは人畜無害なんだが、たまに厄介な奴もいるからな。七年前に身を持って知っただろうけど」
「うん」
もしまた巨漢のあやかしのような危険な奴に出会うことがあれば、全力で逃げよう。
「あと、どんなに勧められても、ヨガクレで作られたものを食べてはいけない。古事記の黄泉戸喫《ヨモツヘグイ》を知らないか? 黄泉の国のものを食べると、黄泉の国の住人になり、現世に戻れなくなる、ってやつ。そこまでの影響力はないと思うが、ヨガクレのものを人間が食べたらどうなるか、おれは知らないし、警戒するに越したことはない。一生ここで過ごすなんて嫌だろう?」
「嫌だよ。せっかく苦労して高校にも受かったのに」
美緒は青くなった。
「わかった、ここで出された食べ物は絶対食べない」
「賢明だ」
朝陽は頷き、近くにあった外灯の前で立ち止まった。
「おい火の玉。力を貸してくれ」
朝陽が外灯に呼びかけると、中で踊っていた火の玉が踊りを止めた。
火の玉からにゅるんと手が伸びて、外灯の蓋を開け、朝陽の前に下りてくる。
「なんじゃ小僧。人に化けるのが随分とうまいな。狐か、狸か」
火の玉は老人のようにしゃがれた声で喋った。
顔もないのにどこから喋っているのか不明である。
「狐だよ」
証明するように朝陽の頭から狐の耳が生え、すぐに引っ込んで消えた。
(完全に狐の姿になるだけじゃなくて、耳も出せるんだ)
新発見だ。その気になれば尻尾も出せたりするのだろうか。ちょっと――いや、かなり――見てみたい。
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