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122:銀太との約束?(3)
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「うん。わたしも、大好きだよ。夏祭りの夜、わたしを庇ってくれてありがとう。これまでずっと傍にいてくれてありがとう。本当に……本当に、嬉しかったし、楽しかったよ」
抱く手に力を込める。
涙が顎先を伝って落ちた。
「もし生まれ変わったら、また会いたいな。今度は丈夫に生まれてきてね。病気一つしないような、強い身体で生まれてきて」
「あのね、それなんだけど」
銀太はそれまでの穏やかな調子から一転、明るく言って身体を離した。
「ぼく、美緒とお兄ちゃんの子に生まれ変わるよ」
「…………………………はい?」
笑顔で投下された爆弾は静かに炸裂し――理解した途端、美緒は耳まで赤くなった。
「ななななななななな!? なに言い出すの銀太くん!?」
「えーだって、お兄ちゃんは美緒のことが好きだし、美緒もお兄ちゃんのことが好きなんでしょ? 見てればわかるよ」
朝陽の声で、顔で、銀太はやれやれとでもいうように肩を竦めた。
「それでもお兄ちゃんはぼくに遠慮して言わないんだから。ほんとお兄ちゃんってお兄ちゃんだよねえ。ぼくはもうとっくに死んでるし、遠慮しなくていいのに――ってお前何言ってんだよ!?」
急に声の調子が変わり、朝陽の身体から銀太が離れた。
再び狐の姿になり、朝陽の横にお座りした銀太は「えー」と不満げだ。
「本当のことじゃない。いい機会だし、告白しちゃいなよ」
美緒と同じく顔を真っ赤にしている朝陽を見つめたまま、銀太はくいくい、と美緒に向かって前足を振った。
「べ、別に、好きとかそんなんじゃないから! 変なこと言うな!」
「わー、お兄ちゃんがツンデレこじらせた人みたいなこと言ってる。もうそういうのいいから。ぼくに気兼ねして言えないんだったら、お兄ちゃんの恋が成就しないのはぼくのせいになっちゃうじゃない。ぼくはいいって言ってるでしょ? 二人が相思相愛になって、将来子どもができたら、ぼくはその子に転生する計画を立ててるんだってば。このままじゃ台無しになっちゃうよ」
「け、計画って、勝手に……子どもって……」
朝陽はひたすら狼狽えている。
抱く手に力を込める。
涙が顎先を伝って落ちた。
「もし生まれ変わったら、また会いたいな。今度は丈夫に生まれてきてね。病気一つしないような、強い身体で生まれてきて」
「あのね、それなんだけど」
銀太はそれまでの穏やかな調子から一転、明るく言って身体を離した。
「ぼく、美緒とお兄ちゃんの子に生まれ変わるよ」
「…………………………はい?」
笑顔で投下された爆弾は静かに炸裂し――理解した途端、美緒は耳まで赤くなった。
「ななななななななな!? なに言い出すの銀太くん!?」
「えーだって、お兄ちゃんは美緒のことが好きだし、美緒もお兄ちゃんのことが好きなんでしょ? 見てればわかるよ」
朝陽の声で、顔で、銀太はやれやれとでもいうように肩を竦めた。
「それでもお兄ちゃんはぼくに遠慮して言わないんだから。ほんとお兄ちゃんってお兄ちゃんだよねえ。ぼくはもうとっくに死んでるし、遠慮しなくていいのに――ってお前何言ってんだよ!?」
急に声の調子が変わり、朝陽の身体から銀太が離れた。
再び狐の姿になり、朝陽の横にお座りした銀太は「えー」と不満げだ。
「本当のことじゃない。いい機会だし、告白しちゃいなよ」
美緒と同じく顔を真っ赤にしている朝陽を見つめたまま、銀太はくいくい、と美緒に向かって前足を振った。
「べ、別に、好きとかそんなんじゃないから! 変なこと言うな!」
「わー、お兄ちゃんがツンデレこじらせた人みたいなこと言ってる。もうそういうのいいから。ぼくに気兼ねして言えないんだったら、お兄ちゃんの恋が成就しないのはぼくのせいになっちゃうじゃない。ぼくはいいって言ってるでしょ? 二人が相思相愛になって、将来子どもができたら、ぼくはその子に転生する計画を立ててるんだってば。このままじゃ台無しになっちゃうよ」
「け、計画って、勝手に……子どもって……」
朝陽はひたすら狼狽えている。
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