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まなつのでんしゃ
まなつのでんしゃ
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男は電車に駆け込んだ。
電車の中で汗が滝のように流れ出る。
仕方がないことだ。外は恐ろしく暑い。
その上で電車に乗るために、階段を駆け上がって来たのだから。
これが取引先に行く前なら、男も階段を駆け上がるようなことはしない。
男は自分が汗っかきだということを理解しているからだ。
だが、今は取引先との打ち合わせを終わらせ会社に戻るときだ。
早く会社に帰って打ち合わせた内容をまとめて上司に提出しなければならなかったから、暑い中電車を待つのも嫌だった。
ただ昼間の電車と言うことで電車も空いている。
冷房もよくきいていて涼しい。
ただ、想像以上に汗をかいてしまったため、座席に着くのを男はためらっていた。
せめて汗が引くまでは立っていようと。
しばらくして汗が引いて来たので、男は電車の座席に着く。
座席の中央に座り一息つく。
汗をかいていたこと、電車の定期的な揺れは男に眠気を誘う。
すぐに男は眠りに落ちてしまう。
もちろん転寝であり、男はすぐに目を覚ます。
そうすると男の目の前に黒いスーツの男が立っていた。
他の座席は空いているにも拘らず男の真ん前に立っていたのだ。
男は何だと思い黒いスーツの男を見上げようとする。
その瞬間どうしょうもない寒気に男は襲われて、見上げるのやめた。
何か良くないモノを、目の前の黒いスーツ姿の男から感じ取れる。
真昼間で電車の中だ。
空いているとはいえ、他の客もいる。
なのになんでこの黒いスーツの男は自分の前に立っているんだ、と男も思いつつも何もできないでいた。
そんな中、電車がトンネルに入る。
すると目の前の黒いスーツの男はパッと男の目の前から消えた。
男はやはり幽霊か何かだったのだろう、だからあれ程の寒気を感じたのだ、そう理解した。
だが、男はすぐに気づいてしまう。
男が座る向かい側の窓。
そこにはまだ黒いスーツの男が映りこんでいることに。
そのとたん、男はゾクゾクとしたものを再び感じる。
幸い、男が座っている他に誰も座っていなかったので、男は座ったまま座席を端まで移動してから、そのまま立ち上がる。
その間も、窓に映っている黒いスーツの男は元々男が座っていた席の前に立ったままだ。
男は電車が次の駅に着いた瞬間に電車から降りる。
そして、今まで乗っていた電車の車内を見る。
窓ガラス越しに、男は黒いスーツの男を見てしまう。
トンネルに入り消えたように見えても、ガラス越しでなら見えるようだった。
男にもどういう原理かはわからない。ただそういう存在なのだろう。
それにそんなことはどうでもいい事だ。
あまりにも黒いスーツの男の顔が印象的すぎて、他のことなどどうでもよくなった。
それは顔が半分崩れたようになっていて骨や内部が見えていた、残っている半分の顔も空間が歪んだかのような顔が付いていた。
間近で見ていたら気絶していたかもしれないほど、その顔は印象的なものだった。
いや、間近で見ていたらショックで死んでいたかもしれない。
黒いスーツの男はどこを見るでもなく今も進んでいく電車の中で立っている。
電車が見えなくなって男はやっと息を吐き出す。
そして、先ほどまでとは違った、それこそ冷や汗をかきながら、次の電車を待った。
ただそれだけの話だ。
電車の中で汗が滝のように流れ出る。
仕方がないことだ。外は恐ろしく暑い。
その上で電車に乗るために、階段を駆け上がって来たのだから。
これが取引先に行く前なら、男も階段を駆け上がるようなことはしない。
男は自分が汗っかきだということを理解しているからだ。
だが、今は取引先との打ち合わせを終わらせ会社に戻るときだ。
早く会社に帰って打ち合わせた内容をまとめて上司に提出しなければならなかったから、暑い中電車を待つのも嫌だった。
ただ昼間の電車と言うことで電車も空いている。
冷房もよくきいていて涼しい。
ただ、想像以上に汗をかいてしまったため、座席に着くのを男はためらっていた。
せめて汗が引くまでは立っていようと。
しばらくして汗が引いて来たので、男は電車の座席に着く。
座席の中央に座り一息つく。
汗をかいていたこと、電車の定期的な揺れは男に眠気を誘う。
すぐに男は眠りに落ちてしまう。
もちろん転寝であり、男はすぐに目を覚ます。
そうすると男の目の前に黒いスーツの男が立っていた。
他の座席は空いているにも拘らず男の真ん前に立っていたのだ。
男は何だと思い黒いスーツの男を見上げようとする。
その瞬間どうしょうもない寒気に男は襲われて、見上げるのやめた。
何か良くないモノを、目の前の黒いスーツ姿の男から感じ取れる。
真昼間で電車の中だ。
空いているとはいえ、他の客もいる。
なのになんでこの黒いスーツの男は自分の前に立っているんだ、と男も思いつつも何もできないでいた。
そんな中、電車がトンネルに入る。
すると目の前の黒いスーツの男はパッと男の目の前から消えた。
男はやはり幽霊か何かだったのだろう、だからあれ程の寒気を感じたのだ、そう理解した。
だが、男はすぐに気づいてしまう。
男が座る向かい側の窓。
そこにはまだ黒いスーツの男が映りこんでいることに。
そのとたん、男はゾクゾクとしたものを再び感じる。
幸い、男が座っている他に誰も座っていなかったので、男は座ったまま座席を端まで移動してから、そのまま立ち上がる。
その間も、窓に映っている黒いスーツの男は元々男が座っていた席の前に立ったままだ。
男は電車が次の駅に着いた瞬間に電車から降りる。
そして、今まで乗っていた電車の車内を見る。
窓ガラス越しに、男は黒いスーツの男を見てしまう。
トンネルに入り消えたように見えても、ガラス越しでなら見えるようだった。
男にもどういう原理かはわからない。ただそういう存在なのだろう。
それにそんなことはどうでもいい事だ。
あまりにも黒いスーツの男の顔が印象的すぎて、他のことなどどうでもよくなった。
それは顔が半分崩れたようになっていて骨や内部が見えていた、残っている半分の顔も空間が歪んだかのような顔が付いていた。
間近で見ていたら気絶していたかもしれないほど、その顔は印象的なものだった。
いや、間近で見ていたらショックで死んでいたかもしれない。
黒いスーツの男はどこを見るでもなく今も進んでいく電車の中で立っている。
電車が見えなくなって男はやっと息を吐き出す。
そして、先ほどまでとは違った、それこそ冷や汗をかきながら、次の電車を待った。
ただそれだけの話だ。
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