大工のおっさん、王様の側室になる

くろねこや

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なぁ。

誰が思うよ。


「セブルト。そなた、」


これが…この状況が、現実だなんて。

オレ、庶民。ただの大工だよ。

自分で言うのもなんだけど、オレは背が高いし、肩幅あるし、『筋骨隆々ってこういうこと!』って感じの見た目の男だぞ?

まぁ、最近出世して、現場監督とか、設計とか任せてもらえるようになったけどさ。

所詮は普通の男、なんですよ。

26歳なんていう微妙な年齢だし。ぴちぴちの10代とかならともかく。

…うん。“ぴちぴち”って言い方がもうおっさんだわ。


それなのに。


「私の側室となれ」


側室って…めかけってコト?

叫べるなら叫びたい。

『はぁ~?!』


オレ今、王様から衝撃の告白? 命令? をされてるんだけど!!?


王様は女王様じゃない。

褐色肌のイケてるおっさん。男性だ。

ちなみにオレより背が高い。







この国では珍しい、くすんだ金色の髪。空色の瞳。日に焼けても真っ赤になるだけの白い肌。

オレが持ってる特別なものといえば、そんだけ。

「お前、やはり面白い男だな!」

その夜、酒場で出会ったのは、この国では標準的な黒髪に、珍しい赤い瞳を持った、オレよりも背が高いおっさんだった。

今年38歳になったというその男は、見た目は28と言ってもぎりぎりイケるかもしれないくらい若々しい。

だが、幾度も戦場を経験したような苦味を感じさせる影を持った、妙に色気のある男でもあった。

逆に、ニッと笑えば少年のような八重歯が覗くのも魅力的だ。


「奢らせろよ」

カウンターの隣席に座り、オレの肩や背中に妙に触れてくるなぁ…とは思っていたが、飲んだことない高い酒を次々と勧められては断ることなどできはしない。

最高に美味かったからな。

今でもあの香りや味を思い出すだけでよだれが出そうだ。


…と。それはともかく、気が付けば酒場の2階にある連れ込み宿のベッドに押し倒されていた。

少し厚めの唇に、キリリとした太めの眉。褐色の肌が艶やかに輝いて、不思議な赤い瞳に見つめられると抗うことなどできなくなった。

まぁ、物珍しい髪や瞳、肌色のせいか、男や女に誘われることは初めてではなかったから、なんとなく予感はしていたのだ。

男の話は面白かったし、大きな仕事を終えたばかりで気分は高揚していたし、気持ちいいことは嫌いではなかったから、オレはその誘いに乗ることにした。







目を覚ますと、隣には誰もいなかった。

まぁ、腕枕とかされてても反応に困るしな。いなくて良かったわ。

宿の支払いは既にされており、朝食も用意されていた。

安価な連れ込み宿にしては、パンは焼きたてだったし、じゅわっと溶けたバターも美味かった。肉と卵も美味かったし、野菜もぱりっと新鮮で瑞々しかった。

昨夜は『もういいって! 挿入れてくれ!』と叫んでしまったくらい、尻の穴をしつこく慣らされた。だから裂けはしなかったものの腫れぼったかったし、腰は重怠かったが、出すもん全部出してスッキリ。

…何を出したかって?

『準備』と称して便所に連れていかれ、腹の中身を全部出させられたんだよ!! 苦しくて恥ずかしかった!!

ちんぽからは寝台の上で溜まってたものをたっぷりと出させてもらった。同じくらい…いやそれ以上に、男のを腹の中へ出されたけど。

ともあれ、汗をかく運動をしたからか、高い酒だったからか、飲んだ酒量の割に二日酔いもなく、オレは上機嫌で帰宅した。



そして翌朝、うちの木戸がドンドンとノックされ。

『そんなに強く叩かれたら壊れちまう』と、急いで扉を開ければ、『王城からの使い』を名乗る細身の男と、立派な鎧を着込んだ男たちに囲まれ、恥ずかしいほどキラキラ豪華な馬車に乗せられ、あれよあれよという間に、謁見の間へ連れて来られて…。



話は冒頭に戻る。


「そなた、私の側室となれ」

…うん?

なるほど?

あの夜酒場で出会って、一夜を共にした相手はこの国の王様だった、と。

なんであんな場所に王様がいるんだよォォ~!!!
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