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お腹が空いたお嬢さま
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「ううぅぅ」
額にヒンヤリした物が乗っけられているなぁと思うんですが、体が動きません。
ここは何処だと目を開けますが、見た事があるようなないような天井をぼんやりと見つめます。
「気が付いた?良かったわ」
どこかで聞いた事のある女性の声だなぁと思いつつ重たい瞼をまた閉じます。
額が軽くなり、そしてまたひんやりとしたものが乗せられると優しくシーツをかけなおしてくれながら
「少し待っていてね」
そういうと女性がどこかに行く気配がしました。
(どこだったっけ…知ってると思うんだけど‥)
そう思っていると今度は沢山の人の気配を感じます。
「ローゼ!あぁローゼ‥‥良かった…良かった…」
そう言って頬に頬をあてて泣いているのが母だと解ります。
あぁ、死ななかったんだ‥‥お腹空いたなぁとローゼは思います。
「まだ熱があるわね。ゆっくりするのよ。さぁ寝て。母様はずっとそばにいるわ」
「お母様…ここは…」
「ジャバの屋敷よ。知らせを聞いて‥‥もう生きた心地がしなかったわ」
「お母様‥‥」
「どうしたの?どこか痛むの?お医者様はもうすぐ来るわ」
「お腹空いた…」
何故か周りから笑い声が聞こえますね。
ですが、今日で5日となるローゼ。こんこんと寝続けて何も食べていません。
「お医者様が来る前にスープを持ってくるわ。一口でもいいからね」
「ニャバランボのスープ?」
「あれはまだよ、熱が引いてからね…」
「大丈夫。なんだかステーキも食べたくなった‥」
「もう、この子は……うぅぅ~良かったわぁぁぁ~」
そして持ってきてもらったスープをスプーンで一口。
ずっと昔、こうやって熱が出た時飲ませてくれたなぁと思いつつローゼは口に広がる薄味のスープを3口飲みました。
ベッドから起き上がれたのはそれから3日後です。
斬られた腕は真っ白な包帯が巻かれて思うように動かせません。
「ドランチに乗れるようになるかなぁ」
「おいおい、お転婆はもう卒業してくれよ」
そう言って笑っているのはジャバ叔父さんです。
あの日、ポーション作りで上級の素材となる薬草を取りにいつもより森の奥に入ったのです。
本当のところは殿下の一行の相手をしたくなくて、ここまできたら誰も呼び来ないと思っておく深くまで進んだのが正解なのですけどね。
「包帯が取れても…痛みは残るかも知れないな。だが咄嗟に半身でも引いたんだろう。運がいいぞ。片腕無くなってたかも知れないからな」
「そうなんだ…言いすぎちゃったと思ったら剣を振りかぶるからヤバいと思って」
「野盗か?無茶をするなぁ」
「野盗?違うわ。殿下の一行よ。石に乗り上げてたから馬車を下げろって言ったら殿下がおりてきて」
「騎乗してたら…まぁそのまま斬られても不思議じゃないぞ。それに殿下だけじゃなく王族が乗っている馬車は絶対に後退させちゃいけないんだ」
「そうなんだ…お貴族様って面倒くさっ」
「貴族じゃない、王族だ」
「うわっ、さらに面倒。もう帰ったんでしょう?」
「あぁ、やらかしたらしいぞ」
「殿下が?」
「いや、お前の昔の婚約者。ミルの前で謝罪をしたらしい」
「叔母さまに?どうして叔母様に謝罪を?」
「姉上とミルを間違ったそうだ。髪型みたら間違えようがないのにな。おかげでミルにヴィックを買わされたよ」
自分は一目でわかったのになぁとつくづく残念に思うローゼでした。
腕にはスパーンっと斬られ傷痕は残りましたが、1か月もするとドランチの手綱を握り騎乗しているのを得意げに母に見せると卒倒されてしまいました。
額にヒンヤリした物が乗っけられているなぁと思うんですが、体が動きません。
ここは何処だと目を開けますが、見た事があるようなないような天井をぼんやりと見つめます。
「気が付いた?良かったわ」
どこかで聞いた事のある女性の声だなぁと思いつつ重たい瞼をまた閉じます。
額が軽くなり、そしてまたひんやりとしたものが乗せられると優しくシーツをかけなおしてくれながら
「少し待っていてね」
そういうと女性がどこかに行く気配がしました。
(どこだったっけ…知ってると思うんだけど‥)
そう思っていると今度は沢山の人の気配を感じます。
「ローゼ!あぁローゼ‥‥良かった…良かった…」
そう言って頬に頬をあてて泣いているのが母だと解ります。
あぁ、死ななかったんだ‥‥お腹空いたなぁとローゼは思います。
「まだ熱があるわね。ゆっくりするのよ。さぁ寝て。母様はずっとそばにいるわ」
「お母様…ここは…」
「ジャバの屋敷よ。知らせを聞いて‥‥もう生きた心地がしなかったわ」
「お母様‥‥」
「どうしたの?どこか痛むの?お医者様はもうすぐ来るわ」
「お腹空いた…」
何故か周りから笑い声が聞こえますね。
ですが、今日で5日となるローゼ。こんこんと寝続けて何も食べていません。
「お医者様が来る前にスープを持ってくるわ。一口でもいいからね」
「ニャバランボのスープ?」
「あれはまだよ、熱が引いてからね…」
「大丈夫。なんだかステーキも食べたくなった‥」
「もう、この子は……うぅぅ~良かったわぁぁぁ~」
そして持ってきてもらったスープをスプーンで一口。
ずっと昔、こうやって熱が出た時飲ませてくれたなぁと思いつつローゼは口に広がる薄味のスープを3口飲みました。
ベッドから起き上がれたのはそれから3日後です。
斬られた腕は真っ白な包帯が巻かれて思うように動かせません。
「ドランチに乗れるようになるかなぁ」
「おいおい、お転婆はもう卒業してくれよ」
そう言って笑っているのはジャバ叔父さんです。
あの日、ポーション作りで上級の素材となる薬草を取りにいつもより森の奥に入ったのです。
本当のところは殿下の一行の相手をしたくなくて、ここまできたら誰も呼び来ないと思っておく深くまで進んだのが正解なのですけどね。
「包帯が取れても…痛みは残るかも知れないな。だが咄嗟に半身でも引いたんだろう。運がいいぞ。片腕無くなってたかも知れないからな」
「そうなんだ…言いすぎちゃったと思ったら剣を振りかぶるからヤバいと思って」
「野盗か?無茶をするなぁ」
「野盗?違うわ。殿下の一行よ。石に乗り上げてたから馬車を下げろって言ったら殿下がおりてきて」
「騎乗してたら…まぁそのまま斬られても不思議じゃないぞ。それに殿下だけじゃなく王族が乗っている馬車は絶対に後退させちゃいけないんだ」
「そうなんだ…お貴族様って面倒くさっ」
「貴族じゃない、王族だ」
「うわっ、さらに面倒。もう帰ったんでしょう?」
「あぁ、やらかしたらしいぞ」
「殿下が?」
「いや、お前の昔の婚約者。ミルの前で謝罪をしたらしい」
「叔母さまに?どうして叔母様に謝罪を?」
「姉上とミルを間違ったそうだ。髪型みたら間違えようがないのにな。おかげでミルにヴィックを買わされたよ」
自分は一目でわかったのになぁとつくづく残念に思うローゼでした。
腕にはスパーンっと斬られ傷痕は残りましたが、1か月もするとドランチの手綱を握り騎乗しているのを得意げに母に見せると卒倒されてしまいました。
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