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お嬢さま、仕切る!
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「レイ君、急がないと間に合いませんわ」
っとローゼはレイ君の背に隠れて見えなかった2人の男性を見ると【ウヘェ】っと怪訝な顔をします。
「レイ‥‥お前はレイ君と何時から…」
「何時からも何も…お話したと思いますが。手を‥アハハ惚気ですね」
「殺す!」
「えっ?殿下?今なんと??」
そこにローゼ。すかさず王太子殿下とレイ君の間に体を滑り込ませます。
「王太子殿下。お久しぶりで御座います」
「あ、ローゼ嬢。元気そうで何よりだ」
「‥‥」
「あれ?ローゼ嬢どうしたの?」
王太子から返事を返されてめっちゃくちゃ不機嫌そうな顔を露骨にするローゼ。
表情に出すのは貴族としては落第ですがどうしたんでしょうか。
「畏れながら、王太子殿下に申し上げます」
「なんだい?」
「わたくし、王太子殿下には名乗った事は御座いませんが、どこでわたくしの通称をお知りになったのでしょうか」
「えーっと…その…」
まさか調べましたーなんてストーキング発言をするわけにはいきません。
「無礼講…よろしいでしょうか」
「えっ?あ、うん。構わないよ」
「先程、スタンレィフォリナー様を、こ・ろ・す‥‥と聞こえた気がいたします」
っと耳に手を当てて、ローゼ、小さい声で「おかしいなぁ。空耳かな~」と呟いてますね。
「あ、多分空耳だよ。今日は天気がいいからね」
「そうでしたか、空耳でなかったらわたくし…」
「わ、わたくし??」
「殿下の性癖をここで大声で叫ぶところでしたわ」
「せっ性癖??そんなものはない!ないぞ!!」
「大丈夫です。殿下。誰もそれを咎めたりは致しません。だって個人のものですもの!他人に迷惑をかけたりしない限りは…ね?」
ローゼ。王太子殿下にチョイチョイと指をクイクイしております。
耳元でボソボソ・・っと呟きます。
レイ君、歯ぎしりが聞こえますよー!嫉妬でドロドロの溶岩がマントから出てますよー!
耳元でボソボソ…っと囁かれた殿下。ポンっとローゼが肩を叩きます。
「ちっ、違うんだ!それは違うんだ!」
「殿下、わたくし嘘は申し上げておりません」
「わ、私は…その…あの日馬車停で君をっ…」
「殿下!ストップですわ!」
ローゼ完全にこの場で主導権を握っております。
苦笑するジェームスの元に行き、荷物を全て預けます。
「さぁ、殿下、レイ君、参りますわよ」
「ローゼ嬢、まいるって…どこに?」
「レイ君、何を言ってますの?付き合ってと言ったではありませんか。おひとり様焼肉がわたくしと2人で焼肉になり、今、殿下も加わって3人焼肉!これで大皿食べ放題コースに参加できますわ!13時までに入らないと食べ放題になりませんわ!早くしないと14時からお仕事でしょう?急ぎますわよ!殿下もお話は特上ロースを焼きながら!急いでくださいまし!!」
先を急ぐと言うローゼを先頭に歩き出す王太子殿下とレイ君、その後ろにジェームス。
常識ではあり得ない王太子殿下を従えての焼肉‥‥さすが小説です。
「レイ、お前は‥‥本当のところはどうなんだ」
「間違いなく勘違いをされたまま現在に至っております」
「だろうね…ならばまだチャンスはあるという事だ」
「えっ?いま、なんと?」
「こっちの話だ」
☆~☆~☆~☆
ジュージューという肉の焼ける音がします。
「あっと!ダメですわ!先ずは鉄板をじっくり焼くのです!ほどよくなったら肉!ですがクルクルひっくり返してはダメですわ。じっくり焼くのです!」
おとなしく焼肉奉行となったローゼの前で紙エプロンをつけておとなしく待つ2人。
肉を嬉しそうに焼くローゼを見ながら何故か嬉しい殿下とレイ君。
「はい。まずはまぁ・・・王太子殿下ですわね。どうぞ」
「すまない、ありがとう」
「こっちはレイ君ですわ。どうぞ」
「ありがとう。ローゼ嬢」
チラッと王太子殿下がレイ君を見ます。
心の中はお前だけ名前を呼んで呼ばれてズルい!っとダダを捏ねてます。
「あの…わたしも名前を呼んでもいいだろうか」
「嫌ですわ」
「えっ?」
即答するローゼに思わず絶句する王太子殿下と、飲み込んだ肉が出そうになるレイ君
「あの‥‥ケガをさせた事は本当に申し訳ないと思っているのだ」
ガタン!
レイ君が席を立ちます。レイ君、ケガした事知らないもんね。
「殿下、それはどういうことです」
「レイ君、お座りになって」
「いや、しかし!」
「お座りになって!」
「だけど、ローゼ嬢」
「シッダゥン!」
あぁ…どこかの家令を思い出すような…気がします。
っとローゼはレイ君の背に隠れて見えなかった2人の男性を見ると【ウヘェ】っと怪訝な顔をします。
「レイ‥‥お前はレイ君と何時から…」
「何時からも何も…お話したと思いますが。手を‥アハハ惚気ですね」
「殺す!」
「えっ?殿下?今なんと??」
そこにローゼ。すかさず王太子殿下とレイ君の間に体を滑り込ませます。
「王太子殿下。お久しぶりで御座います」
「あ、ローゼ嬢。元気そうで何よりだ」
「‥‥」
「あれ?ローゼ嬢どうしたの?」
王太子から返事を返されてめっちゃくちゃ不機嫌そうな顔を露骨にするローゼ。
表情に出すのは貴族としては落第ですがどうしたんでしょうか。
「畏れながら、王太子殿下に申し上げます」
「なんだい?」
「わたくし、王太子殿下には名乗った事は御座いませんが、どこでわたくしの通称をお知りになったのでしょうか」
「えーっと…その…」
まさか調べましたーなんてストーキング発言をするわけにはいきません。
「無礼講…よろしいでしょうか」
「えっ?あ、うん。構わないよ」
「先程、スタンレィフォリナー様を、こ・ろ・す‥‥と聞こえた気がいたします」
っと耳に手を当てて、ローゼ、小さい声で「おかしいなぁ。空耳かな~」と呟いてますね。
「あ、多分空耳だよ。今日は天気がいいからね」
「そうでしたか、空耳でなかったらわたくし…」
「わ、わたくし??」
「殿下の性癖をここで大声で叫ぶところでしたわ」
「せっ性癖??そんなものはない!ないぞ!!」
「大丈夫です。殿下。誰もそれを咎めたりは致しません。だって個人のものですもの!他人に迷惑をかけたりしない限りは…ね?」
ローゼ。王太子殿下にチョイチョイと指をクイクイしております。
耳元でボソボソ・・っと呟きます。
レイ君、歯ぎしりが聞こえますよー!嫉妬でドロドロの溶岩がマントから出てますよー!
耳元でボソボソ…っと囁かれた殿下。ポンっとローゼが肩を叩きます。
「ちっ、違うんだ!それは違うんだ!」
「殿下、わたくし嘘は申し上げておりません」
「わ、私は…その…あの日馬車停で君をっ…」
「殿下!ストップですわ!」
ローゼ完全にこの場で主導権を握っております。
苦笑するジェームスの元に行き、荷物を全て預けます。
「さぁ、殿下、レイ君、参りますわよ」
「ローゼ嬢、まいるって…どこに?」
「レイ君、何を言ってますの?付き合ってと言ったではありませんか。おひとり様焼肉がわたくしと2人で焼肉になり、今、殿下も加わって3人焼肉!これで大皿食べ放題コースに参加できますわ!13時までに入らないと食べ放題になりませんわ!早くしないと14時からお仕事でしょう?急ぎますわよ!殿下もお話は特上ロースを焼きながら!急いでくださいまし!!」
先を急ぐと言うローゼを先頭に歩き出す王太子殿下とレイ君、その後ろにジェームス。
常識ではあり得ない王太子殿下を従えての焼肉‥‥さすが小説です。
「レイ、お前は‥‥本当のところはどうなんだ」
「間違いなく勘違いをされたまま現在に至っております」
「だろうね…ならばまだチャンスはあるという事だ」
「えっ?いま、なんと?」
「こっちの話だ」
☆~☆~☆~☆
ジュージューという肉の焼ける音がします。
「あっと!ダメですわ!先ずは鉄板をじっくり焼くのです!ほどよくなったら肉!ですがクルクルひっくり返してはダメですわ。じっくり焼くのです!」
おとなしく焼肉奉行となったローゼの前で紙エプロンをつけておとなしく待つ2人。
肉を嬉しそうに焼くローゼを見ながら何故か嬉しい殿下とレイ君。
「はい。まずはまぁ・・・王太子殿下ですわね。どうぞ」
「すまない、ありがとう」
「こっちはレイ君ですわ。どうぞ」
「ありがとう。ローゼ嬢」
チラッと王太子殿下がレイ君を見ます。
心の中はお前だけ名前を呼んで呼ばれてズルい!っとダダを捏ねてます。
「あの…わたしも名前を呼んでもいいだろうか」
「嫌ですわ」
「えっ?」
即答するローゼに思わず絶句する王太子殿下と、飲み込んだ肉が出そうになるレイ君
「あの‥‥ケガをさせた事は本当に申し訳ないと思っているのだ」
ガタン!
レイ君が席を立ちます。レイ君、ケガした事知らないもんね。
「殿下、それはどういうことです」
「レイ君、お座りになって」
「いや、しかし!」
「お座りになって!」
「だけど、ローゼ嬢」
「シッダゥン!」
あぁ…どこかの家令を思い出すような…気がします。
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