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屋敷にスライム?
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足元に大量のこんにゃく芋が入った土嚢袋を置き、ローゼの手を取ったレイ君は魔法陣を発動させて転移魔法の詠唱をします。
ブワっと光が出て、目をギュっと閉じたローゼですが、瞼を開けるとそこは雪国、いえ公爵家でした。
一番最初にでた言葉・・・
「あっつぅぅい!!」
そうでしょうねぇ。ハーフコートは置いてきたものの、ホットテック(厚手)の上にシャツを着て、タートルネックのセーターを着ていますし。毛糸のパンツも厚手の上、裏起毛のボトムス。
足元にはムートンブーツ。
半袖姿の公爵家の使用人はビックリして見ていますよ。
年間を通じて温暖な気候の王都と、寒暖の差があり季節もあるチョイス領。
「すっかり忘れておりましたわ。お兄様のところに行ったのは夏だったから!不覚!!」
メイドに案内をされて通された部屋にもビックリ。
「あの‥‥このお部屋で案内を待てばよいのでしょうか?」
「いいえ?ここはお嬢様にお使い頂くようにとご用意したお部屋ですわ」
「いえいえ。それは無理です。わたくし…そうですわね。これくらいのスペースを与えて頂ければ滞在期間は自給自足致しますわ」
っと畳1帖ほどの大きさを指で示します。
通された部屋はまるで結婚披露宴会場か!と思うほど広くて、おぉぉ~部屋の端にあるチェストが霞んで見えますよ(勿論誇大表現です)
「で、ですがここはご自由にお使いください。わたくしはお茶の用意をして参ります」
メイドが言ってしまい、ダダッ広い部屋に1人。屋敷の中なので風は吹いておりませんが部屋の中心で叫べばやまびごが聞こえそうです。
「うーん…必要以上に汚すわけにはいかないわ」
っとリュックから道具をゴソゴソ取り出すローゼです。
☆~☆~☆~☆
着替えも終わったかなとレイ君、ローゼがしばらく使う客間にやってきます。
コンコン
あれ?おかしいですね。返事がありません。
コンコン
暫く待ちますが、やはり返事がありません。
レイ君はメイドから広い部屋に驚いていたと聞いていたので、まさか部屋の中で遭難したのでは!と扉を開けます。
「ローゼ嬢!ごめん、入るよ!」
ガチャっと扉を開けて部屋を見渡しますが、シーンとなった部屋。ベッドもテーブルも使われた形跡がありませんよ。
どこに行ったんだ??と狐に抓まれたように部屋を見渡しますが、誰もいません。
「うぅ~…ん…」
と、何かが足元で聞こえた気がして、視線を落とします。
「ワヒャァァァ!」
人の大きさをしたスライム‥‥の柄がついた寝袋??
よく見ると、足元にトラロープが陣地を作るように置かれています。
あまりにフカフカの絨毯、広い部屋、見ただけで高価だと解る調度品。
きっと粗相をしてはいけない、汚してはいけないと思ったローゼが取った苦肉の策だと思うとレイ君はそっとスライム型の寝袋ごとローゼを抱えます。
「ん??んん???」
抱えられた事で目を覚ますローゼ。自分が寝袋に入っている事はすっかり忘れて、麻袋にでも入れられて誘拐されてる!っと思うと暴れまわります。
「助けてぇ!誰か助けてぇ!!」
バタバタと突然暴れ出すローゼに驚きますが、落っことしてはいけないので縦だっこにするレイ君。
態勢が変わった事に更に驚いて暴れるローゼ。
「落ち着いて!落ち着いて!」
「ンゴギャ!放せ!放せぇぇ!」
声が重なってお互いの声が聞こえません。
そこに運よく?運悪くメイドが入ってきます。
袋を抱えて落とさないように焦るレイ君と、激しく動き回り形を変える袋。
寝袋の柄がスライムなだけに、レイ君とスライムが格闘しているように見えてしまったメイド。
屋敷の中にスライムが!!っと走って逃げるメイドに屋敷がパニック。
やっと弟の彼女が見られるといつもよりもメイクに時間をかける姉のルぺは驚きで口紅が鼻に突き刺さり。
声に驚いたレイ君の母はやっとの思いで締めたコルセットの紐がはじけ飛び、
遂に不肖の息子が彼女を連れてきた緊張で何度もトイレに行った公爵は言えない部分をジッパーで挟んでしまいます。
事の次第が判り、寝袋から顔を出せたローゼ。キョロキョロと見渡すとレイ君ファミリーが!!
「うわっ!」
思わずレイ君の父である公爵の首元を見て口を覆うローゼ。
ローゼの加護を知っているだけに、夫人とルぺ、レイ君は公爵を驚きの表情で見ています。
「えっ?何?何?何にもしてないよ?ね、そうだよね?ローゼちゃん??」
細~い目になって公爵を見つめるローゼ…いったい何が見えた??
ブワっと光が出て、目をギュっと閉じたローゼですが、瞼を開けるとそこは雪国、いえ公爵家でした。
一番最初にでた言葉・・・
「あっつぅぅい!!」
そうでしょうねぇ。ハーフコートは置いてきたものの、ホットテック(厚手)の上にシャツを着て、タートルネックのセーターを着ていますし。毛糸のパンツも厚手の上、裏起毛のボトムス。
足元にはムートンブーツ。
半袖姿の公爵家の使用人はビックリして見ていますよ。
年間を通じて温暖な気候の王都と、寒暖の差があり季節もあるチョイス領。
「すっかり忘れておりましたわ。お兄様のところに行ったのは夏だったから!不覚!!」
メイドに案内をされて通された部屋にもビックリ。
「あの‥‥このお部屋で案内を待てばよいのでしょうか?」
「いいえ?ここはお嬢様にお使い頂くようにとご用意したお部屋ですわ」
「いえいえ。それは無理です。わたくし…そうですわね。これくらいのスペースを与えて頂ければ滞在期間は自給自足致しますわ」
っと畳1帖ほどの大きさを指で示します。
通された部屋はまるで結婚披露宴会場か!と思うほど広くて、おぉぉ~部屋の端にあるチェストが霞んで見えますよ(勿論誇大表現です)
「で、ですがここはご自由にお使いください。わたくしはお茶の用意をして参ります」
メイドが言ってしまい、ダダッ広い部屋に1人。屋敷の中なので風は吹いておりませんが部屋の中心で叫べばやまびごが聞こえそうです。
「うーん…必要以上に汚すわけにはいかないわ」
っとリュックから道具をゴソゴソ取り出すローゼです。
☆~☆~☆~☆
着替えも終わったかなとレイ君、ローゼがしばらく使う客間にやってきます。
コンコン
あれ?おかしいですね。返事がありません。
コンコン
暫く待ちますが、やはり返事がありません。
レイ君はメイドから広い部屋に驚いていたと聞いていたので、まさか部屋の中で遭難したのでは!と扉を開けます。
「ローゼ嬢!ごめん、入るよ!」
ガチャっと扉を開けて部屋を見渡しますが、シーンとなった部屋。ベッドもテーブルも使われた形跡がありませんよ。
どこに行ったんだ??と狐に抓まれたように部屋を見渡しますが、誰もいません。
「うぅ~…ん…」
と、何かが足元で聞こえた気がして、視線を落とします。
「ワヒャァァァ!」
人の大きさをしたスライム‥‥の柄がついた寝袋??
よく見ると、足元にトラロープが陣地を作るように置かれています。
あまりにフカフカの絨毯、広い部屋、見ただけで高価だと解る調度品。
きっと粗相をしてはいけない、汚してはいけないと思ったローゼが取った苦肉の策だと思うとレイ君はそっとスライム型の寝袋ごとローゼを抱えます。
「ん??んん???」
抱えられた事で目を覚ますローゼ。自分が寝袋に入っている事はすっかり忘れて、麻袋にでも入れられて誘拐されてる!っと思うと暴れまわります。
「助けてぇ!誰か助けてぇ!!」
バタバタと突然暴れ出すローゼに驚きますが、落っことしてはいけないので縦だっこにするレイ君。
態勢が変わった事に更に驚いて暴れるローゼ。
「落ち着いて!落ち着いて!」
「ンゴギャ!放せ!放せぇぇ!」
声が重なってお互いの声が聞こえません。
そこに運よく?運悪くメイドが入ってきます。
袋を抱えて落とさないように焦るレイ君と、激しく動き回り形を変える袋。
寝袋の柄がスライムなだけに、レイ君とスライムが格闘しているように見えてしまったメイド。
屋敷の中にスライムが!!っと走って逃げるメイドに屋敷がパニック。
やっと弟の彼女が見られるといつもよりもメイクに時間をかける姉のルぺは驚きで口紅が鼻に突き刺さり。
声に驚いたレイ君の母はやっとの思いで締めたコルセットの紐がはじけ飛び、
遂に不肖の息子が彼女を連れてきた緊張で何度もトイレに行った公爵は言えない部分をジッパーで挟んでしまいます。
事の次第が判り、寝袋から顔を出せたローゼ。キョロキョロと見渡すとレイ君ファミリーが!!
「うわっ!」
思わずレイ君の父である公爵の首元を見て口を覆うローゼ。
ローゼの加護を知っているだけに、夫人とルぺ、レイ君は公爵を驚きの表情で見ています。
「えっ?何?何?何にもしてないよ?ね、そうだよね?ローゼちゃん??」
細~い目になって公爵を見つめるローゼ…いったい何が見えた??
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