40 / 44
テリー、お前ってやつは!
しおりを挟む
探していた彼女がローゼ??いや、違う‥‥違うのか?
俺はローゼの何を覚えている?髪の色?瞳の色??声?
俺は…なにも覚えていない。覚えているのは婚約を破棄をした女性の名前がローゼという通称だけだ
頭の中で自問自答する微妙な酔っ払いのライド。
酔いは覚めてるようですが、アルコール中毒?手が震えてますよ?
「そんな‥‥君があのローゼ…いや、違う!違うだろう??」
「何が違うのです?わたくし、ご当人様、ご本人様ですわ!」
「わたくしは、あの日馬車から降りてきた貴方を見て直ぐにクイレスズライドル様と判りましたわ。黒歴史とも言える婚約していた9年間。わたくしは4歳から13歳までそんな貴方様でも致し方ないと人生を諦め、嫁ぐつもりでしたのに」
「いや、そんな‥‥」
「グズ、のろま、ブス‥‥色々とお声がけをして頂きましたわ。あなた様にとってはわたくしに対しての最上級の誉め言葉だったのでしょう。それに‥‥なんとまぁ経験豊富です事」
「経験??なんの経験…なんだ?」
「あの日はお二人の名前が見えましたわ。当時の侯爵様の弟様の奥様であるスワローパクリーナ様、そしてアマディラ・ユルマータ様。随分とお楽しみだったようですわね」
「な、何故それを知っているんだ??」
「その後も…あらあら…ほんの3時間ほど前にも、ふむふむ。デリヘールアナペロという娼婦とお楽しみとは恐れ入りますわ。随分とお盛んですこと」
フフン…っと項垂れるライドとは立場逆転のローゼ。
ですが一部使用人たち…ちょっとざわざわしていますよ。
「わたくし、見えますの。この頃は…あぁもう見えなくても良い事まで」
「な、何が見えると言うのだ」
「王国歴443年霜の月3日 スワローパクリーナ 場所は叔父夫婦の寝室 高いところにあるものを取って欲しいと言われそのまま下半身を食われる。その後、同月7日、11日、23日、翌月20日、21日、22日夫が不在を伝えられてせっせと通い、スワローパクリーナ様に初めて女の悦びを与える。翌月誕生祝だと亀頭にブジーを…」
「えっ!!待ってくれ…それはいったい‥」
「今のところ、貴方様の初めてのお相手との情交の情報ですわ。もっと詳しく言って欲しいですの?ですが、この作品R15なんですの。実況中継のようにお伝えするにも規制がかかりますの。アマディラ様にたどり着くまでは‥‥長そうですわね?」
うわぁぁ!怖すぎる!怖すぎるよ!ローゼっ!
まだ純潔の乙女がブジーとか何言っちゃってんの!!ダメでしょう!!
「そんな…君には何が見えるっていうんだ??」
「ですから…人間でも犬でもトンボでも。その人の性的な情報が見えるんですわ。言いましたでしょう?この頃は1人で慰めた日時も方法も判りますの。やっかいな加護なのですわ」
<<<えぇぇぇぇっ>>>
その言葉に思わず、幼いメイド見習い以外の使用人が門や木の陰に隠れますよ??
あれ?でもデザモンドだけは動きませんね。微動だにしません。
「どの口が君の名前を呼ぶ権利だとか、探していたと仰るのかしらね」
「それでも!それでも僕は!君に‥‥会いたかった!話したかった!」
「で?抱きたかったと?」
「いや、まだ…そこまでは‥‥」
「申し訳ないのですが、わたくしにとってクイレスズライドル様は汚点でしか御座いませんの。今こうやってお話をするのは9年間の想いを封印するためですわ。二度と思いだすことがないように」
と、そこに激塩な兄テリーがやってきましたよ。
「これはこれは…マーベル侯爵子息クイレスズライドル殿ではあ~りませんか」
急いできたのでしょう。馬を飛ばしたようで降りる時に肝心なところが伝説のお笑い芸人(冥福をお祈りいたします)になってますよ!
「ド、ドレイン伯爵…」
「どうしたのです?我が妹が何か?」
まさかここで過去の性交を暴露されてましたー!!なんて言えません。
まぁ、周りの使用人たちは耳ダンボで自分にトバッチリが来ないようにしながらも知りえてしまいましたがね。
「ほ、本当に…この女性はローゼ嬢なのですか」
「何を仰っているのです。13年ぶりに会ってもわたしは判りましたよ。昔と全く変わっていない。私よりも長い年月婚約者でいたあなたが判らない筈がないでしょうに」
あれ。そうなの?なんかテリー兄ちゃん甘塩っぽくなってない??
「いずれにしてももう関係のない他人同士。それは貴方と当家、そして貴方と我が妹。この件はマーベル侯爵家に抗議をさせて頂く」
そう言ってテリーはライドの元に近寄り耳にそっと・・・
「これ以上ローゼに近づくならお覚悟を」
そういうと、ローゼをそっと抱きしめます。
「離れていても、一緒の時間が短くても大事な妹だ。気を付けて帰りなさい。そして誰よりも幸せを掴みなさい」
「はい。お兄様。お兄様もお幸せに」
おぉぉぉ???本当はお兄ちゃんいい人じゃん!あぁ、恥ずかしかったのかなぁ・・
「クイレスズライドル殿をマーベル侯爵家までお連れしろ!丁寧にな!」
「承知いたしました」
ローゼの乗った馬車が走り去ったあとも、事実を受け入れられないライド。
伯爵家に派遣された護衛に立たされて、侯爵家に送還されてきました。
俺はローゼの何を覚えている?髪の色?瞳の色??声?
俺は…なにも覚えていない。覚えているのは婚約を破棄をした女性の名前がローゼという通称だけだ
頭の中で自問自答する微妙な酔っ払いのライド。
酔いは覚めてるようですが、アルコール中毒?手が震えてますよ?
「そんな‥‥君があのローゼ…いや、違う!違うだろう??」
「何が違うのです?わたくし、ご当人様、ご本人様ですわ!」
「わたくしは、あの日馬車から降りてきた貴方を見て直ぐにクイレスズライドル様と判りましたわ。黒歴史とも言える婚約していた9年間。わたくしは4歳から13歳までそんな貴方様でも致し方ないと人生を諦め、嫁ぐつもりでしたのに」
「いや、そんな‥‥」
「グズ、のろま、ブス‥‥色々とお声がけをして頂きましたわ。あなた様にとってはわたくしに対しての最上級の誉め言葉だったのでしょう。それに‥‥なんとまぁ経験豊富です事」
「経験??なんの経験…なんだ?」
「あの日はお二人の名前が見えましたわ。当時の侯爵様の弟様の奥様であるスワローパクリーナ様、そしてアマディラ・ユルマータ様。随分とお楽しみだったようですわね」
「な、何故それを知っているんだ??」
「その後も…あらあら…ほんの3時間ほど前にも、ふむふむ。デリヘールアナペロという娼婦とお楽しみとは恐れ入りますわ。随分とお盛んですこと」
フフン…っと項垂れるライドとは立場逆転のローゼ。
ですが一部使用人たち…ちょっとざわざわしていますよ。
「わたくし、見えますの。この頃は…あぁもう見えなくても良い事まで」
「な、何が見えると言うのだ」
「王国歴443年霜の月3日 スワローパクリーナ 場所は叔父夫婦の寝室 高いところにあるものを取って欲しいと言われそのまま下半身を食われる。その後、同月7日、11日、23日、翌月20日、21日、22日夫が不在を伝えられてせっせと通い、スワローパクリーナ様に初めて女の悦びを与える。翌月誕生祝だと亀頭にブジーを…」
「えっ!!待ってくれ…それはいったい‥」
「今のところ、貴方様の初めてのお相手との情交の情報ですわ。もっと詳しく言って欲しいですの?ですが、この作品R15なんですの。実況中継のようにお伝えするにも規制がかかりますの。アマディラ様にたどり着くまでは‥‥長そうですわね?」
うわぁぁ!怖すぎる!怖すぎるよ!ローゼっ!
まだ純潔の乙女がブジーとか何言っちゃってんの!!ダメでしょう!!
「そんな…君には何が見えるっていうんだ??」
「ですから…人間でも犬でもトンボでも。その人の性的な情報が見えるんですわ。言いましたでしょう?この頃は1人で慰めた日時も方法も判りますの。やっかいな加護なのですわ」
<<<えぇぇぇぇっ>>>
その言葉に思わず、幼いメイド見習い以外の使用人が門や木の陰に隠れますよ??
あれ?でもデザモンドだけは動きませんね。微動だにしません。
「どの口が君の名前を呼ぶ権利だとか、探していたと仰るのかしらね」
「それでも!それでも僕は!君に‥‥会いたかった!話したかった!」
「で?抱きたかったと?」
「いや、まだ…そこまでは‥‥」
「申し訳ないのですが、わたくしにとってクイレスズライドル様は汚点でしか御座いませんの。今こうやってお話をするのは9年間の想いを封印するためですわ。二度と思いだすことがないように」
と、そこに激塩な兄テリーがやってきましたよ。
「これはこれは…マーベル侯爵子息クイレスズライドル殿ではあ~りませんか」
急いできたのでしょう。馬を飛ばしたようで降りる時に肝心なところが伝説のお笑い芸人(冥福をお祈りいたします)になってますよ!
「ド、ドレイン伯爵…」
「どうしたのです?我が妹が何か?」
まさかここで過去の性交を暴露されてましたー!!なんて言えません。
まぁ、周りの使用人たちは耳ダンボで自分にトバッチリが来ないようにしながらも知りえてしまいましたがね。
「ほ、本当に…この女性はローゼ嬢なのですか」
「何を仰っているのです。13年ぶりに会ってもわたしは判りましたよ。昔と全く変わっていない。私よりも長い年月婚約者でいたあなたが判らない筈がないでしょうに」
あれ。そうなの?なんかテリー兄ちゃん甘塩っぽくなってない??
「いずれにしてももう関係のない他人同士。それは貴方と当家、そして貴方と我が妹。この件はマーベル侯爵家に抗議をさせて頂く」
そう言ってテリーはライドの元に近寄り耳にそっと・・・
「これ以上ローゼに近づくならお覚悟を」
そういうと、ローゼをそっと抱きしめます。
「離れていても、一緒の時間が短くても大事な妹だ。気を付けて帰りなさい。そして誰よりも幸せを掴みなさい」
「はい。お兄様。お兄様もお幸せに」
おぉぉぉ???本当はお兄ちゃんいい人じゃん!あぁ、恥ずかしかったのかなぁ・・
「クイレスズライドル殿をマーベル侯爵家までお連れしろ!丁寧にな!」
「承知いたしました」
ローゼの乗った馬車が走り去ったあとも、事実を受け入れられないライド。
伯爵家に派遣された護衛に立たされて、侯爵家に送還されてきました。
131
あなたにおすすめの小説
クリスティーヌの本当の幸せ
宝月 蓮
恋愛
ニサップ王国での王太子誕生祭にて、前代未聞の事件が起こった。王太子が婚約者である公爵令嬢に婚約破棄を突き付けたのだ。そして新たに男爵令嬢と婚約する目論見だ。しかし、そう上手くはいかなかった。
この事件はナルフェック王国でも話題になった。ナルフェック王国の男爵令嬢クリスティーヌはこの事件を知り、自分は絶対に身分不相応の相手との結婚を夢見たりしないと決心する。タルド家の為、領民の為に行動するクリスティーヌ。そんな彼女が、自分にとっての本当の幸せを見つける物語。
小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!
真理亜
恋愛
とある侯爵家で催された夜会、伯爵令嬢である私ことアンリエットは、婚約者である侯爵令息のギルバートと逸れてしまい、彼の姿を探して庭園の方に足を運んでいた。
そこで目撃してしまったのだ。
婚約者が幼馴染みの男爵令嬢キャロラインと愛し合っている場面を。しかもギルバートは私の家の乗っ取りを企んでいるらしい。
よろしい! おバカな二人に鉄槌を下しましょう!
長くなって来たので長編に変更しました。
【完結】地味な私と公爵様
ベル
恋愛
ラエル公爵。この学園でこの名を知らない人はいないでしょう。
端正な顔立ちに甘く低い声、時折見せる少年のような笑顔。誰もがその美しさに魅了され、女性なら誰もがラエル様との結婚を夢見てしまう。
そんな方が、平凡...いや、かなり地味で目立たない伯爵令嬢である私の婚約者だなんて一体誰が信じるでしょうか。
...正直私も信じていません。
ラエル様が、私を溺愛しているなんて。
きっと、きっと、夢に違いありません。
お読みいただきありがとうございます。短編のつもりで書き始めましたが、意外と話が増えて長編に変更し、無事完結しました(*´-`)
今更ですか?結構です。
みん
恋愛
完結後に、“置き場”に後日談を投稿しています。
エルダイン辺境伯の長女フェリシティは、自国であるコルネリア王国の第一王子メルヴィルの5人居る婚約者候補の1人である。その婚約者候補5人の中でも幼い頃から仲が良かった為、フェリシティが婚約者になると思われていたが──。
え?今更ですか?誰もがそれを望んでいるとは思わないで下さい──と、フェリシティはニッコリ微笑んだ。
相変わらずのゆるふわ設定なので、優しく見てもらえると助かります。
どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~
涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!
白のグリモワールの後継者~婚約者と親友が恋仲になりましたので身を引きます。今さら復縁を望まれても困ります!
ユウ
恋愛
辺境地に住まう伯爵令嬢のメアリ。
婚約者は幼馴染で聖騎士、親友は魔術師で優れた能力を持つていた。
対するメアリは魔力が低く治癒師だったが二人が大好きだったが、戦場から帰還したある日婚約者に別れを告げられる。
相手は幼少期から慕っていた親友だった。
彼は優しくて誠実な人で親友も優しく思いやりのある人。
だから婚約解消を受け入れようと思ったが、学園内では愛する二人を苦しめる悪女のように噂を流され別れた後も悪役令嬢としての噂を流されてしまう
学園にも居場所がなくなった後、悲しみに暮れる中。
一人の少年に手を差し伸べられる。
その人物は光の魔力を持つ剣帝だった。
一方、学園で真実の愛を貫き何もかも捨てた二人だったが、綻びが生じ始める。
聖騎士のスキルを失う元婚約者と、魔力が渇望し始めた親友が窮地にたたされるのだが…
タイトル変更しました。
聖女の証を義妹に奪われました。ただ証だけ持っていても意味はないのですけどね? など 恋愛作品集
にがりの少なかった豆腐
恋愛
こちらは過去に投稿し、完結している作品をまとめたものになります
章毎に一作品となります
これから投稿される『恋愛』カテゴリの作品は投稿完結後一定時間経過後、この短編集へ移動することになります
※こちらの作品へ移動する際、多少の修正を行うことがあります。
※タグに関してはおよそすべての作品に該当するものを選択しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる