19 / 32
引くにも限界があります
しおりを挟む
「食べさせてほしいなぁ…なんて」
にこにこしながらわたくしに夕食を食べさせてほしいというアルベルト様。
もうなんだが全てが飛びすぎて可愛く思えてしまいます。
雛に餌をあげる親鳥の心境に近いのかしら?と思いつつ食べさせていきます。
「そう言えば、今日は何をしてたんだ?」
「えっと…今日は‥‥お喋りを。使用人さんとしてました」
おっと危ない。ダメって言われている掃除をしてたと言いそうになりました。
にこやかに美麗なお顔で聞かれると白状しそうになってしまいます。
「違うんじゃない?」
「えっ?」
まさか‥‥ご存じなのかしら。
でもそうなると使用人さん達が叱られてしまうかも知れません。
そっと、上目使いでアルベルト様を見てみます‥‥ウワッ!イケメン!
ですがアルベルト様も真っ赤になって、目を手で覆われております。
「エトランゼ。上目使いは反則だろう。尊い!まさに尊顔!」
――いえ、自分で言うのも何ですが、わたくしの顔は普通です――
「こっちおいで」
両手を広げてここに来い‥‥ですがソファではないので重さで腰が痛くなりますよ?
それに隊服ですし皺になってしまいます。
「エトランゼを抱っこしたい。疲れたんだ。癒して♡」
「重いですよ?わたくし痩せていませんし」
「気にしないよ。エトランゼが巨漢になっても気にしない」
両手を広げたまま、ほらほらと促されると行くしかないか?と思ってしまいます。
案の定、腕の中に納まると匂いを嗅がれてしまいます。
「スゥー…ファァァッ…堪らないッ…」
「アル様はわたくしの匂いが好きなのですか?」
「匂いも!好き。全部好き。フンフン…スゥハァ…」
時折耳などをハムハムと唇で挟みながら堪能されているようです。
お疲れが癒されるならそれも致し方なしでございますが、出来れば乳首を弄るのは止めて頂きたい。
「アル様、そろそろお着替えになられては?」
「エトランゼも着替える?」
何故にわたくしが着替えねばならないのでしょう。もう湯あみも終わり、寝間着としても使える服にしておりますので必要性を感じないのですが。
なんやかんやで湯殿に連れ込まれ、一緒に湯あみをする事になってしまいます。
アルベルト様の私室にある湯殿の湯船はわたくしの部屋の物よりも大きいです。
「フフォォッ!エトランゼ!なんて美しいんだ!この曲線美。誘っているのか?」
――いえ、湯殿に無理やり誘ったのはそちらでございます――
「見てみて!サブマリンッ!」
おやめください!大事な放射器を潜水艦に見立てるのは!
それにそれですと、潜水艦というより潜望鏡でございます。
「エトランゼ…見てると…ハァッ…魚雷が発射しそうだ…」
ダメです!かけ湯が出来なくなります!どうしていつも抑制が出来ないのです?!
触ってもおりませんよ?見るだけで出せるってどれだけ妄想をされているのです!
「アル様、まだでございましょう?」
「判ってる…判ってるけど…僕を煽らないでくれ」
「まだ何もしておりませんよ」
「ダメなんだ。声が…僕の欲望を掻き立ててしまう」
――欲望じゃなくて想像力ですよね――
こんなに眉目秀麗なのに残念感がかなり高いのは気のせいでしょうか。
いえ、きっとわたくしには心を許されているからなのですね。
湯殿から出て、アル様をフキフキとしてあげるととても嬉しそうです。
誤射もなく湯を汚さずに済んだ事がわたくしとしても嬉しい限り。
寝台にバタリと大の字になられると、「疲れた~」と声をあげられております。
「そう言えばディッシュ伯爵家。取り潰しになったよ」
「えっ?何かあったのですか?」
「事業費が出せなくて借金を抱えていてね。手形が2回目の不渡りになった」
「そうなのですか」
「あの男の事が気になる?」
ふと、アルベルト様が真顔になられます。
きっとギルバート様にまだ心があるかご心配なのですね。
「いいえ。ただ全く知らない訳ではないので、おじ様やおば様が心配だなとは思います」
「そっちは大丈夫だと思うよ。夫人の実家に引き取られたみたいだから」
「そうですか。なら良かったです」
おば様のご実家はもう高齢のご当主がいるだけでしたので小さい領地でしたが食べていくことは出来るでしょう。ギルバート様の事は自業自得と思ってしまうわたくしは冷たいのかも知れません。
「そうだ。そろそろ指輪を作ろうと思ってカタログをもらってきた」
そうです。急いで結婚という流れでしたので婚約指輪は頂きましたが結婚指輪はまだだったのです。
沢山のカタログの中から「これがいいと思う」というお勧め。
「あの、これは…」
「遠慮しなくていいよ。いっぱいつけられるだろう?」
「ですが、これは…ナックルダスターでは?」
全ての指にギラギラと指輪をするのはどうかと思いますが、ケンカをするわけでもなし、グラップラー●牙を目指しているわけでも御座いません。
何よりダイヤモンドを埋め込んだナックルダスターなんて凶器中の凶器ではありませんか。
「指輪の他にね‥‥これはどうだ?」
「輪っか‥‥ピアスでございますか?」
「そうだよ。お揃いでつけてみたい」
「ですが大きすぎませんか?耳たぶが取れそう」
「耳たぶ?違うよ。乳首に付けるんだ」
――何が嬉しくて乳首に?それにその隣の付箋は?――
「ダイドー・ピアッシングもいいなって思うんだ」
――何を根拠に?痛そうなんですが!いい加減誤射も多いのに?――
どれもこれも却下です。普通の指輪で充分でございます。
初日の大量絵姿からなのですが、どうしてこうもかなり上空なのに低空飛行をするのです?
品物はブっ飛んでますが、ドン引きではすみませんよ?
「で、怒られるかなと思ったけど買った。つけてみて?」
えぇ。怒ります。
何が嬉しくて、リード付きの首輪を?犬は飼っておりません。
それにです!首輪をつけるのはわたくしではなくアルベルト様?!
いえ、わたくしでも嫌で御座いますが、リードを引くのも嫌で御座います。
これ以上、引かせないでくださいませ!!もう引くにも引けない限界点です!
にこにこしながらわたくしに夕食を食べさせてほしいというアルベルト様。
もうなんだが全てが飛びすぎて可愛く思えてしまいます。
雛に餌をあげる親鳥の心境に近いのかしら?と思いつつ食べさせていきます。
「そう言えば、今日は何をしてたんだ?」
「えっと…今日は‥‥お喋りを。使用人さんとしてました」
おっと危ない。ダメって言われている掃除をしてたと言いそうになりました。
にこやかに美麗なお顔で聞かれると白状しそうになってしまいます。
「違うんじゃない?」
「えっ?」
まさか‥‥ご存じなのかしら。
でもそうなると使用人さん達が叱られてしまうかも知れません。
そっと、上目使いでアルベルト様を見てみます‥‥ウワッ!イケメン!
ですがアルベルト様も真っ赤になって、目を手で覆われております。
「エトランゼ。上目使いは反則だろう。尊い!まさに尊顔!」
――いえ、自分で言うのも何ですが、わたくしの顔は普通です――
「こっちおいで」
両手を広げてここに来い‥‥ですがソファではないので重さで腰が痛くなりますよ?
それに隊服ですし皺になってしまいます。
「エトランゼを抱っこしたい。疲れたんだ。癒して♡」
「重いですよ?わたくし痩せていませんし」
「気にしないよ。エトランゼが巨漢になっても気にしない」
両手を広げたまま、ほらほらと促されると行くしかないか?と思ってしまいます。
案の定、腕の中に納まると匂いを嗅がれてしまいます。
「スゥー…ファァァッ…堪らないッ…」
「アル様はわたくしの匂いが好きなのですか?」
「匂いも!好き。全部好き。フンフン…スゥハァ…」
時折耳などをハムハムと唇で挟みながら堪能されているようです。
お疲れが癒されるならそれも致し方なしでございますが、出来れば乳首を弄るのは止めて頂きたい。
「アル様、そろそろお着替えになられては?」
「エトランゼも着替える?」
何故にわたくしが着替えねばならないのでしょう。もう湯あみも終わり、寝間着としても使える服にしておりますので必要性を感じないのですが。
なんやかんやで湯殿に連れ込まれ、一緒に湯あみをする事になってしまいます。
アルベルト様の私室にある湯殿の湯船はわたくしの部屋の物よりも大きいです。
「フフォォッ!エトランゼ!なんて美しいんだ!この曲線美。誘っているのか?」
――いえ、湯殿に無理やり誘ったのはそちらでございます――
「見てみて!サブマリンッ!」
おやめください!大事な放射器を潜水艦に見立てるのは!
それにそれですと、潜水艦というより潜望鏡でございます。
「エトランゼ…見てると…ハァッ…魚雷が発射しそうだ…」
ダメです!かけ湯が出来なくなります!どうしていつも抑制が出来ないのです?!
触ってもおりませんよ?見るだけで出せるってどれだけ妄想をされているのです!
「アル様、まだでございましょう?」
「判ってる…判ってるけど…僕を煽らないでくれ」
「まだ何もしておりませんよ」
「ダメなんだ。声が…僕の欲望を掻き立ててしまう」
――欲望じゃなくて想像力ですよね――
こんなに眉目秀麗なのに残念感がかなり高いのは気のせいでしょうか。
いえ、きっとわたくしには心を許されているからなのですね。
湯殿から出て、アル様をフキフキとしてあげるととても嬉しそうです。
誤射もなく湯を汚さずに済んだ事がわたくしとしても嬉しい限り。
寝台にバタリと大の字になられると、「疲れた~」と声をあげられております。
「そう言えばディッシュ伯爵家。取り潰しになったよ」
「えっ?何かあったのですか?」
「事業費が出せなくて借金を抱えていてね。手形が2回目の不渡りになった」
「そうなのですか」
「あの男の事が気になる?」
ふと、アルベルト様が真顔になられます。
きっとギルバート様にまだ心があるかご心配なのですね。
「いいえ。ただ全く知らない訳ではないので、おじ様やおば様が心配だなとは思います」
「そっちは大丈夫だと思うよ。夫人の実家に引き取られたみたいだから」
「そうですか。なら良かったです」
おば様のご実家はもう高齢のご当主がいるだけでしたので小さい領地でしたが食べていくことは出来るでしょう。ギルバート様の事は自業自得と思ってしまうわたくしは冷たいのかも知れません。
「そうだ。そろそろ指輪を作ろうと思ってカタログをもらってきた」
そうです。急いで結婚という流れでしたので婚約指輪は頂きましたが結婚指輪はまだだったのです。
沢山のカタログの中から「これがいいと思う」というお勧め。
「あの、これは…」
「遠慮しなくていいよ。いっぱいつけられるだろう?」
「ですが、これは…ナックルダスターでは?」
全ての指にギラギラと指輪をするのはどうかと思いますが、ケンカをするわけでもなし、グラップラー●牙を目指しているわけでも御座いません。
何よりダイヤモンドを埋め込んだナックルダスターなんて凶器中の凶器ではありませんか。
「指輪の他にね‥‥これはどうだ?」
「輪っか‥‥ピアスでございますか?」
「そうだよ。お揃いでつけてみたい」
「ですが大きすぎませんか?耳たぶが取れそう」
「耳たぶ?違うよ。乳首に付けるんだ」
――何が嬉しくて乳首に?それにその隣の付箋は?――
「ダイドー・ピアッシングもいいなって思うんだ」
――何を根拠に?痛そうなんですが!いい加減誤射も多いのに?――
どれもこれも却下です。普通の指輪で充分でございます。
初日の大量絵姿からなのですが、どうしてこうもかなり上空なのに低空飛行をするのです?
品物はブっ飛んでますが、ドン引きではすみませんよ?
「で、怒られるかなと思ったけど買った。つけてみて?」
えぇ。怒ります。
何が嬉しくて、リード付きの首輪を?犬は飼っておりません。
それにです!首輪をつけるのはわたくしではなくアルベルト様?!
いえ、わたくしでも嫌で御座いますが、リードを引くのも嫌で御座います。
これ以上、引かせないでくださいませ!!もう引くにも引けない限界点です!
67
あなたにおすすめの小説
婚約者が最凶すぎて困っています
白雲八鈴
恋愛
今日は婚約者のところに連行されていました。そう、二か月は不在だと言っていましたのに、一ヶ月しか無かった私の平穏。
そして現在進行系で私は誘拐されています。嫌な予感しかしませんわ。
最凶すぎる第一皇子の婚約者と、その婚約者に振り回される子爵令嬢の私の話。
*幼少期の主人公の言葉はキツイところがあります。
*不快におもわれましたら、そのまま閉じてください。
*作者の目は節穴ですので、誤字脱字があります。
*カクヨム。小説家になろうにも投稿。
結婚結婚煩いので、愛人持ちの幼馴染と偽装結婚してみた
夏菜しの
恋愛
幼馴染のルーカスの態度は、年頃になっても相変わらず気安い。
彼のその変わらぬ態度のお陰で、周りから男女の仲だと勘違いされて、公爵令嬢エーデルトラウトの相手はなかなか決まらない。
そんな現状をヤキモキしているというのに、ルーカスの方は素知らぬ顔。
彼は思いのままに平民の娘と恋人関係を持っていた。
いっそそのまま結婚してくれれば、噂は間違いだったと知れるのに、あちらもやっぱり公爵家で、平民との結婚など許さんと反対されていた。
のらりくらりと躱すがもう限界。
いよいよ親が煩くなってきたころ、ルーカスがやってきて『偽装結婚しないか?』と提案された。
彼の愛人を黙認する代わりに、贅沢と自由が得られる。
これで煩く言われないとすると、悪くない提案じゃない?
エーデルトラウトは軽い気持ちでその提案に乗った。
だってわたくし、悪女ですもの
さくたろう
恋愛
妹に毒を盛ったとして王子との婚約を破棄された令嬢メイベルは、あっさりとその罪を認め、罰として城を追放、おまけにこれ以上罪を犯さないように叔父の使用人である平民ウィリアムと結婚させられてしまった。
しかしメイベルは少しも落ち込んでいなかった。敵対視してくる妹も、婚約破棄後の傷心に言い寄ってくる男も華麗に躱しながら、のびやかに幸せを掴み取っていく。
小説家になろう様にも投稿しています。
【完結】身勝手な旦那様と離縁したら、異国で我が子と幸せになれました
綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
恋愛
腹を痛めて産んだ子を蔑ろにする身勝手な旦那様、離縁してくださいませ!
完璧な人生だと思っていた。優しい夫、大切にしてくれる義父母……待望の跡取り息子を産んだ私は、彼らの仕打ちに打ちのめされた。腹を痛めて産んだ我が子を取り戻すため、バレンティナは離縁を選ぶ。復讐する気のなかった彼女だが、新しく出会った隣国貴族に一目惚れで口説かれる。身勝手な元婚家は、嘘がバレて自業自得で没落していった。
崩壊する幸せ⇒異国での出会い⇒ハッピーエンド
元婚家の自業自得ざまぁ有りです。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2022/10/07……アルファポリス、女性向けHOT4位
2022/10/05……カクヨム、恋愛週間13位
2022/10/04……小説家になろう、恋愛日間63位
2022/09/30……エブリスタ、トレンド恋愛19位
2022/09/28……連載開始
両親のような契約結婚がしたい!
しゃーりん
恋愛
仲の良い両親が恋愛結婚ではなく契約結婚であったことを知ったルチェリアは、驚いて兄レンフォードに言いに行った。兄の部屋には友人エドガーがおり、ルチェリアの話を聞いた2人は両親のような幸せな契約結婚をするためにはどういう条件がいいかを考えるルチェリアに協力する。
しかし、ルチェリアが思いつくのは誰もが結婚に望むようなことばかり。
なのに、契約を破棄した時の条件が厳しいことによって同意してくれる相手が見つからない。
ちゃんと結婚相手を探そうとしたが見つからなかったルチェリアが結局は思い人と恋愛結婚するというお話です。
居場所を失った令嬢と結婚することになった男の葛藤
しゃーりん
恋愛
侯爵令嬢ロレーヌは悪女扱いされて婚約破棄された。
父親は怒り、修道院に入れようとする。
そんな彼女を助けてほしいと妻を亡くした28歳の子爵ドリューに声がかかった。
学園も退学させられた、まだ16歳の令嬢との結婚。
ロレーヌとの初夜を少し先に見送ったせいで彼女に触れたくなるドリューのお話です。
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる