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かゆみ止め♡
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本日はアルベルト様はお休み、ではなく夜間のご出勤なのだそうです。
朝から出られて翌朝帰りでも全く問題ございませんが、時間ギリギリまでお屋敷に居られるのはよほどこのお義母様から頂いたお屋敷がお好きなのでしょう。
この頃はわたくしも少々お腹がタプっとなった感触が御座いますので歩いてお庭をお散歩しております。何故かごゆっくりさなってと言ったのにアルベルト様も一緒で御座います。
通いの庭師さんが手入れをしてくだるおかげで草木も生き生きとしております。
「アル様、こんな所に池がございますよ?」
「知らなかったのか。ここは幼い頃によく泳いだ」
「わたくし泳いだことがないので夏が楽しみですわ」
「何を言ってる…夏はもう爵位をもらっているからバカンスだ」
「あ、そうですわね。そうでしたわ」
そう。嫌だと言いながらも国王陛下に【妻君が可哀想だな。退職後は苦労するなぁ】と言われ受けられたのです。
山の侯爵家か海の伯爵家。迷いましたが海の伯爵家に致しました。
決め手はわたくしがエレイン様から頂いた【傷追●人】でございます。
「クルーザーでペギーちゃんのようにエトランゼを可愛がりたいッ!」
と申されますが、ブラジルではないので沿岸警備にチェックされることはないと思います。
それにアルベルト様は金髪なので白髪ではありませんしね。
「ですが、ワンちゃんを砂浜で散歩させるのが楽しみですわ」
「僕も一緒に散歩するよ」
「では、リードもちゃんと持ってくださいね」
「え…どうして」
――いえ、何度も言いますがあなたに首輪はしません――
「日焼けをすると肌が痛いと聞く。帽子を買わねばならんな」
「そうですねぇ…ツバの大きなものなら日傘はいらないでしょうかね」
「何を言ってる!エトランゼの帽子はウサミミのついた奴だろう」
――それ、帽子じゃなく、カチューシャにウサギの耳ですよね――
ですがアルベルト様の要望は別として帽子は必要です。近いうちに通いの使用人さんと買いに行くことに致しましょう。個人的には麦わら帽子で世界一になりたいですわね。
あら?気がつけば1人で歩いております。アルベルト様はどうされたのかと振り返ると、手のひらほどの葉っぱを数枚持って嬉しそうに走ってこられます。
「その葉っぱは…」
「エトランゼ!脱いでくれ」
「はっ?」
「自然と触れ合うエトランゼが見たい」
手にした3枚の葉。逆三角形になるようにわたくしに付けろと?
「アル様、わたくし葉っぱ隊にはまだ所属しておりませんわ」
「えっ?そうだったのか」
――何故疑問形になるのです?女性は無理でしょうに――
「そうか…海での予行練習になると思ったんだがな」
「伯爵領の海で御座いますが?」
「あぁ、海なら貝殻で出来るだろう?」
――わたくし、武田久●子様にはなれませんわ!――
「アル様、そういうものこそアル様の妄想を発揮するのです」
「そうか!妄想の中ならやり放題だからな!」
――やり放題って‥‥どうなの?――
あ、しくじりました。立ったままで瞑想を始められます。
申し訳ございません。発音と文字を間違いました。
【勃ったまま、迷走を始められます】
これが正解でございました。大変失礼を。
遠くの方で通いの使用人さんが呼んでおられます。
そろそろアルベルト様のご出勤の時間なのでしょう。
「アル様‥‥アル様…」
「ハァハァ‥‥そこっ…アァァッ…」
「アル様、どうなさいました」
「違うんだ…ハマグリなんて…なんてエロい子になったんだ」
――ハマグリがエロい?隠すのはホタテでしょう?――
どうやら妄想の真っ最中で異世界に飛んでおられるようですが、ほどなくして草木の栄養源としてはどうなのかと思うものを放射されてこの世に戻ってこられました。
あっ‥‥下ろしたズボン…太ももに蚊が!
パチン!
「フォグゲッ!!」
「アル様‥‥蚊が…」
「イイ…もっと…」
「ダメです!起きてくださいませ」
「起きている。全開だ。蚊が止まると叩いてくれるのか?」
「ま、まぁ‥‥見つければですが…」
「ならば薬務課に行って蚊が好む液や匂いを‥‥ココに…」
――そんな大事な潜望鏡を叩いたり出来ませんっ!――
「そんなお薬をつけたらわたくしも蚊に刺されてしまいます」
「何っ?」
――いえ、そうなりますよね?何を驚くのです?――
「なんて羨ましい事をするんだ。血を吸った上に叩かれるのか」
――まぁそういう生き物ですからね…でも痒くなるんですよ?――
「僕は生まれてくる種別を間違ったらしい。どうして蚊に生まれなかったんだ」
えっと‥‥アルベルト様。
【蚊で血を吸うのはメスです】
「そ、そうだったな‥‥うわっ‥痒くなってきた」
仕方のない方です。お屋敷に戻ってウナ●ーワを付けて差し上げました。
「フォウッ!指先でクルクルと‥‥時間がないのに誘うのか」
「塗っているだけですよ?あ、パッチもありますけど」
「貼るだけはダメだ。その指先で弄ってくれ」
「アル様。あまり刺された部位を触ってはいけません。被れますからね」
「フゥゥッ!放置プレイか‥‥夜が待ち遠しいな」
――えぇ。本日は夜勤ですものね――
官舎に到着し夜勤を知るアルベルト。
苦悩で胸を掻きむしるのであった。
朝から出られて翌朝帰りでも全く問題ございませんが、時間ギリギリまでお屋敷に居られるのはよほどこのお義母様から頂いたお屋敷がお好きなのでしょう。
この頃はわたくしも少々お腹がタプっとなった感触が御座いますので歩いてお庭をお散歩しております。何故かごゆっくりさなってと言ったのにアルベルト様も一緒で御座います。
通いの庭師さんが手入れをしてくだるおかげで草木も生き生きとしております。
「アル様、こんな所に池がございますよ?」
「知らなかったのか。ここは幼い頃によく泳いだ」
「わたくし泳いだことがないので夏が楽しみですわ」
「何を言ってる…夏はもう爵位をもらっているからバカンスだ」
「あ、そうですわね。そうでしたわ」
そう。嫌だと言いながらも国王陛下に【妻君が可哀想だな。退職後は苦労するなぁ】と言われ受けられたのです。
山の侯爵家か海の伯爵家。迷いましたが海の伯爵家に致しました。
決め手はわたくしがエレイン様から頂いた【傷追●人】でございます。
「クルーザーでペギーちゃんのようにエトランゼを可愛がりたいッ!」
と申されますが、ブラジルではないので沿岸警備にチェックされることはないと思います。
それにアルベルト様は金髪なので白髪ではありませんしね。
「ですが、ワンちゃんを砂浜で散歩させるのが楽しみですわ」
「僕も一緒に散歩するよ」
「では、リードもちゃんと持ってくださいね」
「え…どうして」
――いえ、何度も言いますがあなたに首輪はしません――
「日焼けをすると肌が痛いと聞く。帽子を買わねばならんな」
「そうですねぇ…ツバの大きなものなら日傘はいらないでしょうかね」
「何を言ってる!エトランゼの帽子はウサミミのついた奴だろう」
――それ、帽子じゃなく、カチューシャにウサギの耳ですよね――
ですがアルベルト様の要望は別として帽子は必要です。近いうちに通いの使用人さんと買いに行くことに致しましょう。個人的には麦わら帽子で世界一になりたいですわね。
あら?気がつけば1人で歩いております。アルベルト様はどうされたのかと振り返ると、手のひらほどの葉っぱを数枚持って嬉しそうに走ってこられます。
「その葉っぱは…」
「エトランゼ!脱いでくれ」
「はっ?」
「自然と触れ合うエトランゼが見たい」
手にした3枚の葉。逆三角形になるようにわたくしに付けろと?
「アル様、わたくし葉っぱ隊にはまだ所属しておりませんわ」
「えっ?そうだったのか」
――何故疑問形になるのです?女性は無理でしょうに――
「そうか…海での予行練習になると思ったんだがな」
「伯爵領の海で御座いますが?」
「あぁ、海なら貝殻で出来るだろう?」
――わたくし、武田久●子様にはなれませんわ!――
「アル様、そういうものこそアル様の妄想を発揮するのです」
「そうか!妄想の中ならやり放題だからな!」
――やり放題って‥‥どうなの?――
あ、しくじりました。立ったままで瞑想を始められます。
申し訳ございません。発音と文字を間違いました。
【勃ったまま、迷走を始められます】
これが正解でございました。大変失礼を。
遠くの方で通いの使用人さんが呼んでおられます。
そろそろアルベルト様のご出勤の時間なのでしょう。
「アル様‥‥アル様…」
「ハァハァ‥‥そこっ…アァァッ…」
「アル様、どうなさいました」
「違うんだ…ハマグリなんて…なんてエロい子になったんだ」
――ハマグリがエロい?隠すのはホタテでしょう?――
どうやら妄想の真っ最中で異世界に飛んでおられるようですが、ほどなくして草木の栄養源としてはどうなのかと思うものを放射されてこの世に戻ってこられました。
あっ‥‥下ろしたズボン…太ももに蚊が!
パチン!
「フォグゲッ!!」
「アル様‥‥蚊が…」
「イイ…もっと…」
「ダメです!起きてくださいませ」
「起きている。全開だ。蚊が止まると叩いてくれるのか?」
「ま、まぁ‥‥見つければですが…」
「ならば薬務課に行って蚊が好む液や匂いを‥‥ココに…」
――そんな大事な潜望鏡を叩いたり出来ませんっ!――
「そんなお薬をつけたらわたくしも蚊に刺されてしまいます」
「何っ?」
――いえ、そうなりますよね?何を驚くのです?――
「なんて羨ましい事をするんだ。血を吸った上に叩かれるのか」
――まぁそういう生き物ですからね…でも痒くなるんですよ?――
「僕は生まれてくる種別を間違ったらしい。どうして蚊に生まれなかったんだ」
えっと‥‥アルベルト様。
【蚊で血を吸うのはメスです】
「そ、そうだったな‥‥うわっ‥痒くなってきた」
仕方のない方です。お屋敷に戻ってウナ●ーワを付けて差し上げました。
「フォウッ!指先でクルクルと‥‥時間がないのに誘うのか」
「塗っているだけですよ?あ、パッチもありますけど」
「貼るだけはダメだ。その指先で弄ってくれ」
「アル様。あまり刺された部位を触ってはいけません。被れますからね」
「フゥゥッ!放置プレイか‥‥夜が待ち遠しいな」
――えぇ。本日は夜勤ですものね――
官舎に到着し夜勤を知るアルベルト。
苦悩で胸を掻きむしるのであった。
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