年上幼馴染の一途な執着愛

青花美来

文字の大きさ
33 / 33
エピローグ

エピローグ

しおりを挟む


*****

「まさかだなあ。結局お前らがくっつくなんて」

「ふふ、それ会うたびに言ってない? こんな日まで言わないでよお兄ちゃん」

「いやだって……。初対面で喧嘩した二人が結婚だぞ? まさかだろ」

「うるせぇよ星夜。俺の一途な想いが報われたんだ。もっと喜べ」

「自分で言うか? まぁ、日向の友達としては喜んでるよ。引くほど拗らせてたのも知ってるし。だけどユウの兄としてはやっぱ複雑なものがあるだろ?」

「なんでだよ素直に喜んでくれよ」


────日向からのプロポーズに頷いてから、早いもので約一年の月日が経過していた。

今日は、私と日向の結婚式が行われる。

新婦の控室までやってきたお兄ちゃんと日向が、私の前でくだらない言い合いをしているのを眩しく眺める。
日向と再会して付き合うようになって一年半ほど。
まさかこんな早くに私も結婚することになろうとは。


「そもそも"結婚前提に付き合い始めました"報告からマジで結婚するまでが早すぎんだよ。俺ら家族の心ついていかないから。日向ふざけんなと思ってるから」

「それは本当に申し訳ないと思ってる。だけどこればっかりは俺も予想外だった」

「いきなり"妊娠しました、結婚します"って言われて俺らがどれほど驚いたか。しかも俺んとこより早く産まれるとかなんなんだよふざけんな。……でも、ちゃんとユウとお腹の子どものこと、幸せにしてやってくれよ」

「当たり前。誰よりも幸せにする所存ですのでご安心を。お義兄様」

「うわ、今ゾワっとした。え、今日からお前俺の弟なの? うわぁ……なんか気持ち悪りぃ」

「厳密に言えばもう籍は入れてるからすでに俺はお前の弟だ」

「いやあ……改めてそう言われるとすっごい複雑」

「失礼だなオイ」


お兄ちゃんが複雑になるのも無理はない。
私は今、日向との赤ちゃんを身ごもっているのだから。

両親とお兄ちゃんに日向とのことを報告してから、妊娠がわかるまでは半年くらいだった。
結婚を前提としたお付き合いをしていると報告はしていたものの、まさかそれより早くに妊娠するなど全く思っていなかったからかなりバタバタしていた。


「ユウ、体調は大丈夫か?」

「うん、大丈夫。美春さんは?」

「美春はまだちょっとつわりがあってな……。時間までちょっと休んでるって」

「そっか、大丈夫かな……」

「もしなんかあったら俺もすぐ行くし、お前らは安心して自分のことだけ考えてろ。今日の主役はお前らなんだから」

「ありがとうお兄ちゃん」


美春さんも妊娠しており、私たちの子どもは同級生の従兄弟同士になる予定だ。
私は今妊娠五ヶ月で、美春さんが四ヶ月。
産まれてくるのが今からすごく楽しみだ。

今日の式は私のお腹に負担がかからないように挙式だけを予定している。
親族のみで挙式を行い、そのままレストランで食事を楽しむ予定だ。
お兄ちゃんにも相談したところ、美春さんはつわりもあるためありがたいと言ってくれて決定した。

会場に向かうお兄ちゃんを見送り、私は日向と向かい合う。


「……夕姫、綺麗だよ」

「ありがとう。日向もかっこいいよ。タキシード、似合ってる」

「ありがとう」


今日のために妊娠中でも着れるウェディングドレスを用意しておいてよかった。

日向と二人、一生忘れられない思い出がまた一つ増えるだろう。


「夕姫」

「ん?」

「俺と結婚してくれてありがとう。あの日俺と出会ってくれてありがとう。俺を好きになってくれてありがとう。今、俺は世界一の幸せ者だ」

「それを言うなら私の方だよ。あの日私を見つけてくれてありがとう。守ってくれてありがとう。ずっと一途に思い続けてくれてありがとう。私の気持ちを受け止めてくれてありがとう。……これからも、よろしくね」

「あぁ。お腹の子と一緒に一生をかけて幸せにするよ」

「日向……ありがとう」

これからも、一つ一つ大切な思い出を積み重ねていこう。
これからは二人でじゃなくて、三人で。
たくさんの幸せで溢れるように。

「夕姫、愛してるよ」

「私も。日向を愛してる」


End.
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

身代りの花嫁は25歳年上の海軍士官に溺愛される

絵麻
恋愛
 桐島花は父が病没後、継母義妹に虐げられて、使用人同然の生活を送っていた。  父の財産も尽きかけた頃、義妹に縁談が舞い込むが継母は花を嫁がせた。  理由は多額の結納金を手に入れるため。  相手は二十五歳も歳上の、海軍の大佐だという。  放り出すように、嫁がされた花を待っていたものは。  地味で冴えないと卑下された日々、花の真の力が時東邸で活かされる。  

腹黒外科医に唆された件~恋人(仮)のはずが迫られています~

有木珠乃
恋愛
両親を亡くし、二人だけの姉妹になった一ノ瀬栞と琴美。 ある日、栞は轢き逃げ事故に遭い、姉の琴美が務める病院に入院することになる。 そこで初めて知る、琴美の婚約者の存在。 彼らの逢引きを確保するために利用される栞と外科医の岡。 「二人で自由にならないか?」を囁かれて……。

【完結】あなた専属になります―借金OLは副社長の「専属」にされた―

七転び八起き
恋愛
『借金を返済する為に働いていたラウンジに現れたのは、勤務先の副社長だった。 彼から出された取引、それは『専属』になる事だった。』 実家の借金返済のため、昼は会社員、夜はラウンジ嬢として働く優美。 ある夜、一人でグラスを傾ける謎めいた男性客に指名される。 口数は少ないけれど、なぜか心に残る人だった。 「また来る」 そう言い残して去った彼。 しかし翌日、会社に現れたのは、なんと店に来た彼で、勤務先の副社長の河内だった。 「俺専属の嬢になって欲しい」 ラウンジで働いている事を秘密にする代わりに出された取引。 突然の取引提案に戸惑う優美。 しかし借金に追われる現状では、断る選択肢はなかった。 恋愛経験ゼロの優美と、完璧に見えて不器用な副社長。 立場も境遇も違う二人が紡ぐラブストーリー。

【完結】俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

椿かもめ
恋愛
「こはる、俺の妻になれ」その日、大女優を母に持つ2世女優の花宮こはるは自分の所属していた劇団の解散に絶望していた。そんなこはるに救いの手を差し伸べたのは年上の幼馴染で大企業の御曹司、月ノ島玲二だった。けれど代わりに妻になることを強要してきて──。花嫁となったこはるに対し、俺様な玲二は独占欲を露わにし始める。 【幼馴染の俺様御曹司×大物女優を母に持つ2世女優】 ☆☆☆ベリーズカフェで日間4位いただきました☆☆☆ ※ベリーズカフェでも掲載中 ※推敲、校正前のものです。ご注意下さい

溺愛のフリから2年後は。

橘しづき
恋愛
 岡部愛理は、ぱっと見クールビューティーな女性だが、中身はビールと漫画、ゲームが大好き。恋愛は昔に何度か失敗してから、もうするつもりはない。    そんな愛理には幼馴染がいる。羽柴湊斗は小学校に上がる前から仲がよく、いまだに二人で飲んだりする仲だ。実は2年前から、湊斗と愛理は付き合っていることになっている。親からの圧力などに耐えられず、酔った勢いでついた嘘だった。    でも2年も経てば、今度は結婚を促される。さて、そろそろ偽装恋人も終わりにしなければ、と愛理は思っているのだが……?

オオカミ課長は、部下のウサギちゃんを溺愛したくてたまらない

若松だんご
恋愛
 ――俺には、将来を誓った相手がいるんです。  お昼休み。通りがかった一階ロビーで繰り広げられてた修羅場。あ~課長だあ~、大変だな~、女性の方、とっても美人だな~、ぐらいで通り過ぎようと思ってたのに。  ――この人です! この人と結婚を前提につき合ってるんです。  ほげええっ!?  ちょっ、ちょっと待ってください、課長!  あたしと課長って、ただの上司と部下ですよねっ!? いつから本人の了承もなく、そういう関係になったんですかっ!? あたし、おっそろしいオオカミ課長とそんな未来は予定しておりませんがっ!?  課長が、専務の令嬢とのおつき合いを断るネタにされてしまったあたし。それだけでも大変なのに、あたしの住むアパートの部屋が、上の住人の失態で水浸しになって引っ越しを余儀なくされて。  ――俺のところに来い。  オオカミ課長に、強引に同居させられた。  ――この方が、恋人らしいだろ。  うん。そうなんだけど。そうなんですけど。  気分は、オオカミの巣穴に連れ込まれたウサギ。  イケメンだけどおっかないオオカミ課長と、どんくさくって天然の部下ウサギ。  (仮)の恋人なのに、どうやらオオカミ課長は、ウサギをかまいたくてしかたないようで――???  すれ違いと勘違いと溺愛がすぎる二人の物語。

苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」 母に紹介され、なにかの間違いだと思った。 だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。 それだけでもかなりな不安案件なのに。 私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。 「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」 なーんて義父になる人が言い出して。 結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。 前途多難な同居生活。 相変わらず専務はなに考えているかわからない。 ……かと思えば。 「兄妹ならするだろ、これくらい」 当たり前のように落とされる、額へのキス。 いったい、どうなってんのー!? 三ツ森涼夏  24歳 大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務 背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。 小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。 たまにその頑張りが空回りすることも? 恋愛、苦手というより、嫌い。 淋しい、をちゃんと言えずにきた人。 × 八雲仁 30歳 大手菓子メーカー『おろち製菓』専務 背が高く、眼鏡のイケメン。 ただし、いつも無表情。 集中すると周りが見えなくなる。 そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。 小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。 ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!? ***** 千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』 ***** 表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101

契約結婚のはずなのに、冷徹なはずのエリート上司が甘く迫ってくるんですが!? ~結婚願望ゼロの私が、なぜか愛されすぎて逃げられません~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
恋愛
「俺と結婚しろ」  突然のプロポーズ――いや、契約結婚の提案だった。  冷静沈着で完璧主義、社内でも一目置かれるエリート課長・九条玲司。そんな彼と私は、ただの上司と部下。恋愛感情なんて一切ない……はずだった。  仕事一筋で恋愛に興味なし。過去の傷から、結婚なんて煩わしいものだと決めつけていた私。なのに、九条課長が提示した「条件」に耳を傾けるうちに、その提案が単なる取引とは思えなくなっていく。 「お前を、誰にも渡すつもりはない」  冷たい声で言われたその言葉が、胸をざわつかせる。  これは合理的な選択? それとも、避けられない運命の始まり?  割り切ったはずの契約は、次第に二人の境界線を曖昧にし、心を絡め取っていく――。  不器用なエリート上司と、恋を信じられない女。  これは、"ありえないはずの結婚"から始まる、予測不能なラブストーリー。

処理中です...