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46 リデル
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約半年ぶりに会えたふたりは手を繋ぎ、リデルの家までの道を歩く。
ジェレマイアは今日の昼過ぎにイングラムに戻ってきて、リデルの終業時間まで時間を潰して、治療院の向かいの店の前で彼女が出てくるのを待っていたらしい。
道を隔てた正面で待っていたし、季節柄マントも着ていないので、リデルも直ぐに気付くかと思ったのに、彼女が本屋を目指して斜め横断したので慌てて本屋に入ったそうだ。
「フード無しで大丈夫だったの?」
「何人かに声を掛けられたけど、外国人のふりをしたから。
よく考えたら遠目にしか見ない俺の顔なんて、皆はちゃんと知らないんだよ。
なのに、あんなに必死に顔を隠してた俺は、自意識過剰な怪しい奴だった」
あー、その通りかも、とそれを聞いて、リデルも納得した。
確かに、正面からご領主様家族の顔を見られる領民は居ない。
皆、頭を下げて通り過ぎるのを待つ。
髪を黒く染めコートの色を隠したジェレマイアに声をかけた人は、単に彼の容姿に惹かれた女性達だったのかもしれない。
「真剣に本を探してるみたいだったから、声は掛けずに付いていったんだ。
何を探していたの?」
「……その話は後でね。
それより貴方に伝えないといけない話があるの」
「俺にもリィに話したい事あるけど、いいよ、先を譲る。
それってどんな話?」
「悲しい話と、少し嬉しい話……それと一緒に考えて欲しい話の3つ」
「……じゃあ、悲しい話から始めて。
一緒に考える話に時間をかけたい」
ジェレマイアがイングラムを出て、2ヶ月が過ぎた春の始め。
ジョージ・リーブスが、この世を去った。
「春風邪にかかられたの、それが肺炎に進行して。
父さんが仕事の終わりに毎日通って、わたしとエラも行かせて貰って。
最初は寝ていても、意識はしっかりあって、貴方の小さな頃の話をよくしてくれた」
「……」
「それが肺炎になってからは、意識も混濁し始めて。
話される事も無くなって、父さんからは覚悟をするように言われたの。
貴方が戻ってくるまで、保って欲しいと手は尽くしたんだけど……
父さんがリーブスさんが危篤だと報告したら、顔色を変えたご領主様がお見えになって、意識の無いリーブスさんの手をずっと握っていらした。
リーブスさんは、時々『若様、お色は気にせず』と意識が無い中でも口にされることがあって、若様は貴方の事だと思っていた。
だけど……あれは、ご領主様の事だったのね」
「……そうだな、父親も……リーブスにとって若様だ。
きっと子供の頃から、コートの色じゃない自分に苦しんでいたんだな……」
「ご領主様は翌朝リーブスさんが亡くなるまで、一晩中付き添って。
リーブスさんにはご家族がいらっしゃらないでしょう。
ご領主様が全て段取りをなさって、それはもう……
とても暖かな、いいお葬式で……立派なお墓も建てられて。
……今でもお花を手向けていらっしゃる。
リーブスさんは、ひとり寂しく旅立たれたのではない。
それが少し嬉しい話」
リデルが悲しくて少し嬉しい話を終えると、立ち止まったジェレマイアが空を見上げた。
夏を迎えて、日没の時間はまた遅くなった。
その夏の夕空を見上げたまま、ジェレマイアは話し出した。
「……俺がお前を看取ってやるから、と言ったら。
それは楽しみにしております、とあいつは言ったんだ。
……何か悔しいな、最後に父親にリーブスを取られた。
だけど多分、向こうも俺にリーブスを取られた、と悔しかったんだろうな。
父親は先代からも息子からも妻からも、縁遠い人間だから……
……まぁいい、リーブスがひとりじゃなかったんなら……
それでいい」
聞いている方が苦しくなるような。
それでいて、どこか安堵したような。
そんなジェレマイアの背中を、リデルはそっと撫でた。
本当はジェレマイアとこうして再会出来て、また手を繋げて歩けるようになった。
ベアトリスの言った事なんか、聞いていなかった事にすれば、このまま彼とこの先も歩いていけるのは、分かっていた。
もう余計な話をする女も話せなくなったのだし。
リデルさえ、黙っていれば、この幸せな道は続く。
一緒に考えて欲しい話をするのは、もう止めようと、半ば決めたリデルだったが、リーブスを想い、涙するジェレマイアを見て。
やはり、彼には伝えないといけないと考え直した。
リデルは、もっと強くなりたい、と決めたから。
もしかしたら、また身長が伸びたかもしれないジェレマイアを見上げて、
「わたしは捨て子で、魔女かも」とリデルは告げた。
「……誰が言ってる?」
「誰が、じゃなくて……
だって、父さんとは全然似ていないじゃない?
貴方に話したのは、わたしを妻にすると言ってくれたから。
本当は黙って身を引くべきなのかもしれないけれど。
どうしてもわたし……貴方に相応しく無いけど……」
「は? 何、何言ってる?」
最初は呆気に取られたようなジェレマイアだったが、リデルの言わんとしている事が違う形で伝わって、彼の表情が歪んだ。
「身を引くとか、相応しくない、とか、何?
早い話、俺と別れたい、って事?」
「ちが、違う! 別れたいんじゃない!別れたいわけがない!
だけど、そんな、そんな女だって分かってて、わたしと結婚出来る?」
「捨て子で魔女だから?
ふざけるなよ、もう逃がさない、と俺は言っただろ?
そんな事は最初から分かってて、こっちはリィしか要らないってプロポーズしたんだ!」
リデルは、自分が捨て子で魔女、と言うことよりも、身を引く、と言った事がジェレマイアをこんなに怒らせたのだ、とようやく気付いた。
彼から怒りを向けられたのは初めてだった。
「最初から分かってた? わたしが捨て子だって知ってたの? どうして……」
「……」
ベアトリスが、彼に会って話したのだろうか?
でも最初から?
最初から、と。
つい感情が昂ってしまって、自分が口を滑らせてしまったとジェレマイアは気付いて、直ぐには返事を返さなかったが。
自分を見上げるリデルの瞳には誤魔化せない、と悟って話すと決めたようだった。
「……君を見つけたのは、俺だったから。
君は、湖に置き去りにされて泣いてた。
俺がリィを、拾ったんだ」
「貴方がわたしを拾った……」
思いも寄らなかった事を言われて、呆然としているリデルを、ジェレマイアは強く抱き締めた。
強く強く、彼女が絶対に離れて行かないように。
「その時から、この子を捨てた奴には返さない、代わりに俺が絶対に絶対に、この子を大事にする、って決めた」
「……」
「覚えてる? リィ。
俺の気持ちは重過ぎると言ったのに、君は引き受けてくれた。
君を見つけたあの日から、俺は君だけを見てる。
だから、こんな男からはもう逃げられない、と諦めてくれないかな。
身を引くとか、いくら言われても、離さないよ」
若干の闇を感じさせるジェレマイアに、慌てたリデルは
「そうじゃなくて、本当は黙って身を引くべきなのかもしれないけれど、どうしてもわたしは諦めたくない。
貴方に相応しく無いけど、これからも努力する、と本当は言いたかったのに」と早とちりな彼に、話そうとしたのだが。
それを伝える前に、また。
リデルの唇は、ジェレマイアに塞がれた。
ジェレマイアは今日の昼過ぎにイングラムに戻ってきて、リデルの終業時間まで時間を潰して、治療院の向かいの店の前で彼女が出てくるのを待っていたらしい。
道を隔てた正面で待っていたし、季節柄マントも着ていないので、リデルも直ぐに気付くかと思ったのに、彼女が本屋を目指して斜め横断したので慌てて本屋に入ったそうだ。
「フード無しで大丈夫だったの?」
「何人かに声を掛けられたけど、外国人のふりをしたから。
よく考えたら遠目にしか見ない俺の顔なんて、皆はちゃんと知らないんだよ。
なのに、あんなに必死に顔を隠してた俺は、自意識過剰な怪しい奴だった」
あー、その通りかも、とそれを聞いて、リデルも納得した。
確かに、正面からご領主様家族の顔を見られる領民は居ない。
皆、頭を下げて通り過ぎるのを待つ。
髪を黒く染めコートの色を隠したジェレマイアに声をかけた人は、単に彼の容姿に惹かれた女性達だったのかもしれない。
「真剣に本を探してるみたいだったから、声は掛けずに付いていったんだ。
何を探していたの?」
「……その話は後でね。
それより貴方に伝えないといけない話があるの」
「俺にもリィに話したい事あるけど、いいよ、先を譲る。
それってどんな話?」
「悲しい話と、少し嬉しい話……それと一緒に考えて欲しい話の3つ」
「……じゃあ、悲しい話から始めて。
一緒に考える話に時間をかけたい」
ジェレマイアがイングラムを出て、2ヶ月が過ぎた春の始め。
ジョージ・リーブスが、この世を去った。
「春風邪にかかられたの、それが肺炎に進行して。
父さんが仕事の終わりに毎日通って、わたしとエラも行かせて貰って。
最初は寝ていても、意識はしっかりあって、貴方の小さな頃の話をよくしてくれた」
「……」
「それが肺炎になってからは、意識も混濁し始めて。
話される事も無くなって、父さんからは覚悟をするように言われたの。
貴方が戻ってくるまで、保って欲しいと手は尽くしたんだけど……
父さんがリーブスさんが危篤だと報告したら、顔色を変えたご領主様がお見えになって、意識の無いリーブスさんの手をずっと握っていらした。
リーブスさんは、時々『若様、お色は気にせず』と意識が無い中でも口にされることがあって、若様は貴方の事だと思っていた。
だけど……あれは、ご領主様の事だったのね」
「……そうだな、父親も……リーブスにとって若様だ。
きっと子供の頃から、コートの色じゃない自分に苦しんでいたんだな……」
「ご領主様は翌朝リーブスさんが亡くなるまで、一晩中付き添って。
リーブスさんにはご家族がいらっしゃらないでしょう。
ご領主様が全て段取りをなさって、それはもう……
とても暖かな、いいお葬式で……立派なお墓も建てられて。
……今でもお花を手向けていらっしゃる。
リーブスさんは、ひとり寂しく旅立たれたのではない。
それが少し嬉しい話」
リデルが悲しくて少し嬉しい話を終えると、立ち止まったジェレマイアが空を見上げた。
夏を迎えて、日没の時間はまた遅くなった。
その夏の夕空を見上げたまま、ジェレマイアは話し出した。
「……俺がお前を看取ってやるから、と言ったら。
それは楽しみにしております、とあいつは言ったんだ。
……何か悔しいな、最後に父親にリーブスを取られた。
だけど多分、向こうも俺にリーブスを取られた、と悔しかったんだろうな。
父親は先代からも息子からも妻からも、縁遠い人間だから……
……まぁいい、リーブスがひとりじゃなかったんなら……
それでいい」
聞いている方が苦しくなるような。
それでいて、どこか安堵したような。
そんなジェレマイアの背中を、リデルはそっと撫でた。
本当はジェレマイアとこうして再会出来て、また手を繋げて歩けるようになった。
ベアトリスの言った事なんか、聞いていなかった事にすれば、このまま彼とこの先も歩いていけるのは、分かっていた。
もう余計な話をする女も話せなくなったのだし。
リデルさえ、黙っていれば、この幸せな道は続く。
一緒に考えて欲しい話をするのは、もう止めようと、半ば決めたリデルだったが、リーブスを想い、涙するジェレマイアを見て。
やはり、彼には伝えないといけないと考え直した。
リデルは、もっと強くなりたい、と決めたから。
もしかしたら、また身長が伸びたかもしれないジェレマイアを見上げて、
「わたしは捨て子で、魔女かも」とリデルは告げた。
「……誰が言ってる?」
「誰が、じゃなくて……
だって、父さんとは全然似ていないじゃない?
貴方に話したのは、わたしを妻にすると言ってくれたから。
本当は黙って身を引くべきなのかもしれないけれど。
どうしてもわたし……貴方に相応しく無いけど……」
「は? 何、何言ってる?」
最初は呆気に取られたようなジェレマイアだったが、リデルの言わんとしている事が違う形で伝わって、彼の表情が歪んだ。
「身を引くとか、相応しくない、とか、何?
早い話、俺と別れたい、って事?」
「ちが、違う! 別れたいんじゃない!別れたいわけがない!
だけど、そんな、そんな女だって分かってて、わたしと結婚出来る?」
「捨て子で魔女だから?
ふざけるなよ、もう逃がさない、と俺は言っただろ?
そんな事は最初から分かってて、こっちはリィしか要らないってプロポーズしたんだ!」
リデルは、自分が捨て子で魔女、と言うことよりも、身を引く、と言った事がジェレマイアをこんなに怒らせたのだ、とようやく気付いた。
彼から怒りを向けられたのは初めてだった。
「最初から分かってた? わたしが捨て子だって知ってたの? どうして……」
「……」
ベアトリスが、彼に会って話したのだろうか?
でも最初から?
最初から、と。
つい感情が昂ってしまって、自分が口を滑らせてしまったとジェレマイアは気付いて、直ぐには返事を返さなかったが。
自分を見上げるリデルの瞳には誤魔化せない、と悟って話すと決めたようだった。
「……君を見つけたのは、俺だったから。
君は、湖に置き去りにされて泣いてた。
俺がリィを、拾ったんだ」
「貴方がわたしを拾った……」
思いも寄らなかった事を言われて、呆然としているリデルを、ジェレマイアは強く抱き締めた。
強く強く、彼女が絶対に離れて行かないように。
「その時から、この子を捨てた奴には返さない、代わりに俺が絶対に絶対に、この子を大事にする、って決めた」
「……」
「覚えてる? リィ。
俺の気持ちは重過ぎると言ったのに、君は引き受けてくれた。
君を見つけたあの日から、俺は君だけを見てる。
だから、こんな男からはもう逃げられない、と諦めてくれないかな。
身を引くとか、いくら言われても、離さないよ」
若干の闇を感じさせるジェレマイアに、慌てたリデルは
「そうじゃなくて、本当は黙って身を引くべきなのかもしれないけれど、どうしてもわたしは諦めたくない。
貴方に相応しく無いけど、これからも努力する、と本当は言いたかったのに」と早とちりな彼に、話そうとしたのだが。
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