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5話
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ゆらゆら抱かれて広い邸宅の二階。パーティ時でも客人は入れないプライベートエリアに入り、さっきと打って変わってしん、と静まり返った空間。あまりに腕の中にいることがしっくりと躯に馴染みすぎていることと初めてのアルコールに思考力が奪われたことで陽也は抱き上げられていることにも気付きもしない。ただ、見たことがないくらいに綾人が怒っていたことだけはわかり、陽也は消え入りそうな声で「ごめん」と謝る。
「ハルが謝ることじゃないよ」
いつもどおり優しい声が返ってきて、陽也がほっとする。ピ……と機械音がした後開いた扉の中に綾人は滑り込んだ。
部屋の奥のとても柔らかい場所に陽也はそっと下ろされた。まるで漸く手に入れた宝物を扱うように。しかし下ろされたことによって綾人の香りが、温もりが離れてしまったことが寂しくて、陽也は思わず綾人のジャケットの端を掴んだ。
綾人は陽也の髪にそっと指を通すと困ったように笑った。
「本当は、今日のパーティが終わった後に此処に連れてきて……一緒にロマンチックな映画を見て、少しだけ酔わせて、それから僕のものにしようと思っていたのに」
いつものように優しくて甘いけど、もっと……おかしくなってしまいそうにとろり溶けていて、とても甘い声。綾人の声が心地好い。何を言っているのかぼんやり霞がかった頭では全然理解出来ない。でも、もっともっと綾人の甘さを味わいたい……そう思った陽也は、酔いに任せてそっと完璧なまでに美しいラインを描く綾人の唇に自分の唇をそっと重ねた。重ねた瞬間、触れ合わせただけなのに、ぞくぞくと甘ったるいものが二人の背筋を走り抜けた。唇を離すと、頭に冷水が掛けられたように我に返る。
(お……俺は一体何を……っ)
「ご……ごめんっ……綾人……っ俺……」
清らかな綾人を汚してしまったと慌てる陽也に、綾人は艶然と微笑んだ。
「俺を誘惑するなんて、悪い子だ……」
その表情はひどく雄臭くて、陽也が見たことのないものだったので陽也はちいさく固まった。その隙に綾人はジャケットを脱ぎ捨て、タイも外し、ドレスシャツも放り投げると、いつもは隠されていて全くわからなかった綾人の肉体が露になった。それは、非常に美しいものだったが、陽也が幾度も想像した可憐な裸とは大きく異なり、美術書で見た雄々しい男性像のように逞しい肉体で、美しく割れた腹筋には恐ろしいほどに成熟した男の色香が漂っていた。
あまりの驚きに、ぽかんと綾人を見ている陽也に綾人はくつくつと喉の奥で笑い、上質なベルトをするりと外すと綺麗なラインのスラックスを脱ぎ、半ば陽也に見せつけるように下着をも脱いでしまった。一糸纏わぬ姿になった綾人を見て、陽也は目を見開くほどに驚いた。美しい腹筋にピタリとくっつくほどに勃ちあがった綾人のペニスは彼の中性的な美貌を裏切るほどに凶悪な大きさで、生々しく血管が浮き出ていた。自身のそれとは大きく違う肉体に驚きを隠せない陽也に綾人は殊更優しく微笑むと、
「陽也の躯も、見せて」
と、ゆったりと、陽也の上にのし掛かってきた。
「え……っ」
高価なものではないが、きっちりとアイロンが施された白い清潔なシャツに綾人の長く美しい指が掛かる。
初めてのアルコールでぼんやりしている脳にとっては些か負担が過ぎる視界からの情報に、陽也はどうしていいか分からず「待って……っ待って……」といとけない仕種で抵抗を示すと……ぐっ……と、大きな指先に両腕が頭の上で一纏めにされてしまった。陽也がそれを外そうとしてもびくともしない力で押さえつけられる。
「もっとゆっくりしたかったんだけど」
もう、限界………
何処のケダモノかと思うほど情欲に濡れた声が綾人の唇から漏れたかと思うと。
ビッ……と布が裂ける音がして、ボタンが飛び散り陽也のシャツは一瞬にしてはだけられた。胸元に淡く色付く尖りを見付けると綾人は更に淫猥に唇を歪めた……
「あぁ、予想以上に可愛い………………」
「ひ……っ……あや、と………っ?」
熱く濡れた舌がベロリと色付いた胸の先を舐めた。
「ごめんね、陽也……俺こう見えて結構スケベなんだよね」
だからこんな可愛い乳首見たら、たまんないな……と熱っぽく呟いてくすくす笑う声もいつもの優しいだけのものとは少し違って。
「あ………っ……やだ………っや……や……めて……」
じゅる、と音がするほどに胸の先をキツく吸われて逞しい肩を押し返すがびくともしない。
「あ……あ……離して……綾人っ……何コレ……」
吸われては優しく舌で擽られて。反対側も指の腹で優しく押したり軽く摘ままれたりすると、初めはくすぐったいばかりであったのに。
「熱っ……あ……そこ熱いから、や……っ」
「もう、熱くなってきたんだね。あぁ、本当に可愛いな……」
呟いて顔を漸く胸から上げた綾人。朦朧とした陽也の視線の先にいる綾人はいつもの清廉潔白なイメージの彼とはガラリと変わって獰猛な雄の獣のようにギラギラとした目をしていた。荒々しく下半身に纏っていたものも剥ぎ取られ、儚い抵抗を試みるが、何という力なのだろうか。押さえつけられた手首はびくともしないし、脚の間には逞しい腰が入り込んでいてバタつかせたところであまり威力はなかった。
白く綺麗な双丘が視線に入ると綾人の吐息が荒くなった。するりと撫でられて
「ひ……っ」
思わず陽也は息を飲んだ。
「凄い……ハルのお尻、すべすべ……指先に吸い付いてくる……」
興奮した様子で双丘を弄られ、
「や……っやめて………っ……あやとっ」
陽也は押さえつけられて儘ならない躯を揺すって涙声で抵抗するも。
「本当は嫌じゃないね?」
双丘を撫で擦っていた掌がするりと脚の間に忍び込み、どうやっても感じていることが隠せない勃ち上がった屹立に長い指先が絡んだ。礼拝堂のオルガンで陽也の大好きなバッハの讚美歌を弾いてくれるあの指先が、陽也の屹立に淫らに絡みつくのが信じられなくて、頭の中が驚きでショートしてしまいそうだ。美しい指先が、陽也の屹立の先端からはしたなく溢す涙のように透明な体液を絡め取って、からかうように音を立てて擦る。
「ココ、もういっぱい濡れてる……気持ちイイ?
「んんっ………や、や……だ……綾人っ」
綺麗な綾人の指で淫らに擦られる倒錯した状況が陽也を狂わせてゆく。
前を擦られる快感に唇を噛み締めて耐えていると、大きな掌でくるりと一纏めにされていた手首を綾人の上質なシルクのタイで縛られた。
「本当は、ハルが欲しがるまで待ってあげたいんだけどね……」
カタリ、とベッド脇のチェストからローションの入ったボトルを取り出した。
「俺、もう我慢の限界………」
そう言うとたっぷりとローションを纏った指を双丘の狭間に忍び込ませた。
「やっ………そんなとこ……っ……」
初めて異物を含まされる感覚が気持ち悪くて陽也の瞳からぽろぽろと子どものように涙が零れた。それでも滑った指先は狭い器官をぐちぐちと弄るのをやめてはくれない。
「ハル……可愛い……ぽろぽろ泣くのたまんない……」
「綾人っ……お願い、指抜いて……や……痛いっ……」
「静かに息、吐いて……力抜いて……」
痛みと異物感から逃げたくて必死に綾人の言葉に従う。
「そう、お利口だね、ハル。あぁ……熱くて気持ち良さそうなナカだ……」
ぐちゅぐちゅと耳を覆いたくなるような濡れた音と共に長い指先が陽也の狭い孔のナカを何かを探るように慎重に動く。そして………
「あっ………」
指先がある一点を掠めたとき、陽也のくちびるから甘ったるい声が漏れた。
「見ーつけた……」
くくっとかくれんぼでもしているかのように嬉しそうに綾人は笑って、その一点をぐ……っと押した。
「やぁ……ソコやだっ……」
思わずぎゅっと閉じた瞼の裏に閃光が走るほどの強烈な快感。イヤ、イヤと泣いても陽也の愛らしいピンクの屹立が苦しそうに張り詰めて先からとろとろと体液を溢してしまうのでどうしようもなく感じてしまっていることは隠せない。
「いやーっあっ……んんっ……ひ……」
初めてのナカで得る快感に陽也は怯えて逃げようとするが、感じる一点を刺激する指先からは逃げられなくて……
「ああっ………」
我慢する術さえも知らない陽也は呆気なく達してしまう。
「凄い……ハル、オンナノコみたくナカだけでイけたね……」
一度達してしまうと、ソコはいい感じに柔らかく解れ、綾人の長い指を二本、三本……と増やされても快楽と共に受け止めてしまった。解している綾人の視線は獰猛な肉食獣が獲物を狙うときのようにギラギラとしていて……
はぁはぁと息を荒くする綾人はいつもの美しく清廉な彼とは全く異なっていた。ずるり、と指を抜くとナカが指を追うような動きを見せたことに綾人は危険な笑みを深くする。
そして綾人の美しい茶色の瞳を血走らせながら恐ろしいほどに熱く勃ちあがったペニスを陽也の蕩け出した後孔に充てがわれる。
思わず陽也はひゅっ……と息を飲み弱々しく頭を振った。
「や……出来ない、許して、綾人……」
綾人の大きな掌に足首を掴まれてこれ以上ないほどに大きく脚を開かされた。あぁ、あの綺麗な指先を持つ手はこんなにも大きくて男臭かったのだと楽々と足首を掴まれて、身をもって感じさせられた
「ごめんね、ハル。ずっとずっとハル好きだったんだ。君に夢中で抱きたくて抱きたくて仕方なかった。君が綺麗な俺を好きなのは知っていたけど、俺はずっと」
可愛い君をぐちゃぐちゃに犯したくて、頭がおかしくなりそうだったんだよ……欲しくて欲しくて狂いそうだ……我慢、出来ない……
じゅぷ………
濡れた音と共に熱い熱い切先が陽也のナカに潜り込んだ。
痛くて熱くて圧迫感で苦しくて、陽也は身も世もなく啼かされた。それでも十分に解された其処は、綾人の熱く猛るものを奥までずっぷりと受け止めた。
「や……痛っ………」
「ふ………っハルの中、だ……ずっと、ずっと……」
こうしたかった……好きだよ、ハル。
快楽に眉を寄せながら切ない声で想いを訴えられる。
綾人は陽也のくちびるを奪うように、深くくちづけた。
そうしてさっき見付けたばかりの陽也のイイところを深く挿入した熱い屹立で擦りあげると……
「あ……っ………んん」
陽也は痛みの中にそれを上回る快楽が混じり始める。
ずくずくと突かれると、触れられてもいないのに……
「あぁ、またイっちゃったんだね」
可愛い……嬉しそうに綾人が笑う。
「今日はね、ハルが俺無しじゃ居られないようになるまで抱くからね……」
そう宣言すると綾人はイったばかりでひくひくと痙攣する陽也の中を
「気持ちいい……」
と譫言のように呟きながら掻き回した。
「ハルが謝ることじゃないよ」
いつもどおり優しい声が返ってきて、陽也がほっとする。ピ……と機械音がした後開いた扉の中に綾人は滑り込んだ。
部屋の奥のとても柔らかい場所に陽也はそっと下ろされた。まるで漸く手に入れた宝物を扱うように。しかし下ろされたことによって綾人の香りが、温もりが離れてしまったことが寂しくて、陽也は思わず綾人のジャケットの端を掴んだ。
綾人は陽也の髪にそっと指を通すと困ったように笑った。
「本当は、今日のパーティが終わった後に此処に連れてきて……一緒にロマンチックな映画を見て、少しだけ酔わせて、それから僕のものにしようと思っていたのに」
いつものように優しくて甘いけど、もっと……おかしくなってしまいそうにとろり溶けていて、とても甘い声。綾人の声が心地好い。何を言っているのかぼんやり霞がかった頭では全然理解出来ない。でも、もっともっと綾人の甘さを味わいたい……そう思った陽也は、酔いに任せてそっと完璧なまでに美しいラインを描く綾人の唇に自分の唇をそっと重ねた。重ねた瞬間、触れ合わせただけなのに、ぞくぞくと甘ったるいものが二人の背筋を走り抜けた。唇を離すと、頭に冷水が掛けられたように我に返る。
(お……俺は一体何を……っ)
「ご……ごめんっ……綾人……っ俺……」
清らかな綾人を汚してしまったと慌てる陽也に、綾人は艶然と微笑んだ。
「俺を誘惑するなんて、悪い子だ……」
その表情はひどく雄臭くて、陽也が見たことのないものだったので陽也はちいさく固まった。その隙に綾人はジャケットを脱ぎ捨て、タイも外し、ドレスシャツも放り投げると、いつもは隠されていて全くわからなかった綾人の肉体が露になった。それは、非常に美しいものだったが、陽也が幾度も想像した可憐な裸とは大きく異なり、美術書で見た雄々しい男性像のように逞しい肉体で、美しく割れた腹筋には恐ろしいほどに成熟した男の色香が漂っていた。
あまりの驚きに、ぽかんと綾人を見ている陽也に綾人はくつくつと喉の奥で笑い、上質なベルトをするりと外すと綺麗なラインのスラックスを脱ぎ、半ば陽也に見せつけるように下着をも脱いでしまった。一糸纏わぬ姿になった綾人を見て、陽也は目を見開くほどに驚いた。美しい腹筋にピタリとくっつくほどに勃ちあがった綾人のペニスは彼の中性的な美貌を裏切るほどに凶悪な大きさで、生々しく血管が浮き出ていた。自身のそれとは大きく違う肉体に驚きを隠せない陽也に綾人は殊更優しく微笑むと、
「陽也の躯も、見せて」
と、ゆったりと、陽也の上にのし掛かってきた。
「え……っ」
高価なものではないが、きっちりとアイロンが施された白い清潔なシャツに綾人の長く美しい指が掛かる。
初めてのアルコールでぼんやりしている脳にとっては些か負担が過ぎる視界からの情報に、陽也はどうしていいか分からず「待って……っ待って……」といとけない仕種で抵抗を示すと……ぐっ……と、大きな指先に両腕が頭の上で一纏めにされてしまった。陽也がそれを外そうとしてもびくともしない力で押さえつけられる。
「もっとゆっくりしたかったんだけど」
もう、限界………
何処のケダモノかと思うほど情欲に濡れた声が綾人の唇から漏れたかと思うと。
ビッ……と布が裂ける音がして、ボタンが飛び散り陽也のシャツは一瞬にしてはだけられた。胸元に淡く色付く尖りを見付けると綾人は更に淫猥に唇を歪めた……
「あぁ、予想以上に可愛い………………」
「ひ……っ……あや、と………っ?」
熱く濡れた舌がベロリと色付いた胸の先を舐めた。
「ごめんね、陽也……俺こう見えて結構スケベなんだよね」
だからこんな可愛い乳首見たら、たまんないな……と熱っぽく呟いてくすくす笑う声もいつもの優しいだけのものとは少し違って。
「あ………っ……やだ………っや……や……めて……」
じゅる、と音がするほどに胸の先をキツく吸われて逞しい肩を押し返すがびくともしない。
「あ……あ……離して……綾人っ……何コレ……」
吸われては優しく舌で擽られて。反対側も指の腹で優しく押したり軽く摘ままれたりすると、初めはくすぐったいばかりであったのに。
「熱っ……あ……そこ熱いから、や……っ」
「もう、熱くなってきたんだね。あぁ、本当に可愛いな……」
呟いて顔を漸く胸から上げた綾人。朦朧とした陽也の視線の先にいる綾人はいつもの清廉潔白なイメージの彼とはガラリと変わって獰猛な雄の獣のようにギラギラとした目をしていた。荒々しく下半身に纏っていたものも剥ぎ取られ、儚い抵抗を試みるが、何という力なのだろうか。押さえつけられた手首はびくともしないし、脚の間には逞しい腰が入り込んでいてバタつかせたところであまり威力はなかった。
白く綺麗な双丘が視線に入ると綾人の吐息が荒くなった。するりと撫でられて
「ひ……っ」
思わず陽也は息を飲んだ。
「凄い……ハルのお尻、すべすべ……指先に吸い付いてくる……」
興奮した様子で双丘を弄られ、
「や……っやめて………っ……あやとっ」
陽也は押さえつけられて儘ならない躯を揺すって涙声で抵抗するも。
「本当は嫌じゃないね?」
双丘を撫で擦っていた掌がするりと脚の間に忍び込み、どうやっても感じていることが隠せない勃ち上がった屹立に長い指先が絡んだ。礼拝堂のオルガンで陽也の大好きなバッハの讚美歌を弾いてくれるあの指先が、陽也の屹立に淫らに絡みつくのが信じられなくて、頭の中が驚きでショートしてしまいそうだ。美しい指先が、陽也の屹立の先端からはしたなく溢す涙のように透明な体液を絡め取って、からかうように音を立てて擦る。
「ココ、もういっぱい濡れてる……気持ちイイ?
「んんっ………や、や……だ……綾人っ」
綺麗な綾人の指で淫らに擦られる倒錯した状況が陽也を狂わせてゆく。
前を擦られる快感に唇を噛み締めて耐えていると、大きな掌でくるりと一纏めにされていた手首を綾人の上質なシルクのタイで縛られた。
「本当は、ハルが欲しがるまで待ってあげたいんだけどね……」
カタリ、とベッド脇のチェストからローションの入ったボトルを取り出した。
「俺、もう我慢の限界………」
そう言うとたっぷりとローションを纏った指を双丘の狭間に忍び込ませた。
「やっ………そんなとこ……っ……」
初めて異物を含まされる感覚が気持ち悪くて陽也の瞳からぽろぽろと子どものように涙が零れた。それでも滑った指先は狭い器官をぐちぐちと弄るのをやめてはくれない。
「ハル……可愛い……ぽろぽろ泣くのたまんない……」
「綾人っ……お願い、指抜いて……や……痛いっ……」
「静かに息、吐いて……力抜いて……」
痛みと異物感から逃げたくて必死に綾人の言葉に従う。
「そう、お利口だね、ハル。あぁ……熱くて気持ち良さそうなナカだ……」
ぐちゅぐちゅと耳を覆いたくなるような濡れた音と共に長い指先が陽也の狭い孔のナカを何かを探るように慎重に動く。そして………
「あっ………」
指先がある一点を掠めたとき、陽也のくちびるから甘ったるい声が漏れた。
「見ーつけた……」
くくっとかくれんぼでもしているかのように嬉しそうに綾人は笑って、その一点をぐ……っと押した。
「やぁ……ソコやだっ……」
思わずぎゅっと閉じた瞼の裏に閃光が走るほどの強烈な快感。イヤ、イヤと泣いても陽也の愛らしいピンクの屹立が苦しそうに張り詰めて先からとろとろと体液を溢してしまうのでどうしようもなく感じてしまっていることは隠せない。
「いやーっあっ……んんっ……ひ……」
初めてのナカで得る快感に陽也は怯えて逃げようとするが、感じる一点を刺激する指先からは逃げられなくて……
「ああっ………」
我慢する術さえも知らない陽也は呆気なく達してしまう。
「凄い……ハル、オンナノコみたくナカだけでイけたね……」
一度達してしまうと、ソコはいい感じに柔らかく解れ、綾人の長い指を二本、三本……と増やされても快楽と共に受け止めてしまった。解している綾人の視線は獰猛な肉食獣が獲物を狙うときのようにギラギラとしていて……
はぁはぁと息を荒くする綾人はいつもの美しく清廉な彼とは全く異なっていた。ずるり、と指を抜くとナカが指を追うような動きを見せたことに綾人は危険な笑みを深くする。
そして綾人の美しい茶色の瞳を血走らせながら恐ろしいほどに熱く勃ちあがったペニスを陽也の蕩け出した後孔に充てがわれる。
思わず陽也はひゅっ……と息を飲み弱々しく頭を振った。
「や……出来ない、許して、綾人……」
綾人の大きな掌に足首を掴まれてこれ以上ないほどに大きく脚を開かされた。あぁ、あの綺麗な指先を持つ手はこんなにも大きくて男臭かったのだと楽々と足首を掴まれて、身をもって感じさせられた
「ごめんね、ハル。ずっとずっとハル好きだったんだ。君に夢中で抱きたくて抱きたくて仕方なかった。君が綺麗な俺を好きなのは知っていたけど、俺はずっと」
可愛い君をぐちゃぐちゃに犯したくて、頭がおかしくなりそうだったんだよ……欲しくて欲しくて狂いそうだ……我慢、出来ない……
じゅぷ………
濡れた音と共に熱い熱い切先が陽也のナカに潜り込んだ。
痛くて熱くて圧迫感で苦しくて、陽也は身も世もなく啼かされた。それでも十分に解された其処は、綾人の熱く猛るものを奥までずっぷりと受け止めた。
「や……痛っ………」
「ふ………っハルの中、だ……ずっと、ずっと……」
こうしたかった……好きだよ、ハル。
快楽に眉を寄せながら切ない声で想いを訴えられる。
綾人は陽也のくちびるを奪うように、深くくちづけた。
そうしてさっき見付けたばかりの陽也のイイところを深く挿入した熱い屹立で擦りあげると……
「あ……っ………んん」
陽也は痛みの中にそれを上回る快楽が混じり始める。
ずくずくと突かれると、触れられてもいないのに……
「あぁ、またイっちゃったんだね」
可愛い……嬉しそうに綾人が笑う。
「今日はね、ハルが俺無しじゃ居られないようになるまで抱くからね……」
そう宣言すると綾人はイったばかりでひくひくと痙攣する陽也の中を
「気持ちいい……」
と譫言のように呟きながら掻き回した。
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