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天使のいたずら
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本の匂いが立ち込める学校の図書室。
其処は図書室というより、図書館と呼んだ方が相応しいほどに広かった。
木造の床や作り付けの本棚は長い年月を経て、ウッドブラウンが深く艶めく。静謐な空気の流れる陽也のお気に入りの場所である。そこに並ぶある本棚の前に陽也と綾人は居た。
「ハルはプッチーニとヴェルディとどっちのレポートにする?」
二人は音楽のレポートを書くために、放課後の図書室を訪れ、参考文献を探していたのである。クラシック音楽についての文献は図書室の端に近い本棚にあり、人の気配は少なかった。
「うーん、どうしよう。俺オペラ全然詳しくなくて。綾人は決めてるの?」
クラシック音楽についての文献が並ぶ棚の前で背表紙を指で辿りながら陽也が振り返ると
「僕はどっちも好きだけど、ラ・ボエームとトゥーランドットならDVD持ってるからプッチーニにしようかな。ハルもプッチーニにするなら参考文献は借りて帰って、僕の家でDVD一緒に観てからレポート書こう」
「オペラ詳しくないから助かるよ。じゃあ俺もレポート、プッチーニにしようっと………ぁっ……」
そう言ってプッチーニについて書かれてある本に指を伸ばしたときだった。
尻をするりと撫でられた感覚に陽也は思わず甘い声を漏らしてしまった。
「綾人っ……」
こんなところで、という意味を視線に含めて振り返ると
「プッチーニの本は何種類かあるね。オペラの粗筋がメインになってるのとプッチーニの生涯がメインになってるのと」
そこにいたのは、 情欲の欠片も感じさせない、清らかな天使のような顔で本を選ぶいつもどおりの綾人だった。人の尻を痴漢のように撫で回すようにはとてもじゃないけど見えない。それなのに。
「ん……っぁ……」
陽也の尻の柔らかさを堪能するように、手が尻を揉み始めた。
「どっちにする? 陽也? 一応プッチーニの生涯についてがメインの本にもオペラの粗筋は載ってるみたいだけど」
いやらしさの欠片もない、清流のような声で。
「……っ」
長い指が、いつも綾人を受け入れている穴の辺りを制服の上からぐっ、と押した。
陽也の背後に立って本の背表紙に指を滑らせる綾人の長い髪がさらりと陽也の頬も擽る。甘い甘い綾人の香り。
「目次見てみる? ほらハルどうかな? この本?」
制服のズボンの上からハルの穴を刺激しながら、もう片方の手は本棚を上手く利用して、器用に本のページを捲って見せる。
「んっ……あ……綾人っ」
「一章がプッチーニの生涯で二章からは作品について細かく章毎に説明している感じだね。こっちの本は一冊まるごとトゥーランドット。演出とか楽譜まで載ってる。どうする?」
そう尋ねた綾人の指が双丘の奥の穴を刺激することを止めたので、ほっと一息吐いた次の瞬間。器用な綾人は片手であっさり陽也のベルトのバックルを外した。
「え……?ぁ……っ」
ジジ……と綾人が陽也の制服のズボンのジッパーを降ろした。陽也がこんなところで、と戸惑っている間に少しだけ冷たい綾人の指先が下腹を下肢に向かってゆっくりとすべる。からかうように下着のゴムをぱちん、と弾いたのち、ゆっくりと下着の中に綾人の手が潜ってくる。少しの刺激で感じてしまっていることがバレたくなくて、綾人の手から逃れようとするも、抵抗虚しく、熱く濡れるペニスは捉えられてしまった。
恥ずかしくて、恥ずかしくて顔が真っ赤に火照るのが陽也は自分でも分かった。そんな陽也に追い討ちをかけるように
「もう濡れてる。やらしいな」
と、耳の奥にどろりとした低い声が流される。
服の上からとはいえ、いつも綾人を受け入れる穴を刺激されたせいで、すっかり硬くなったペニスの先から、ぬるぬるすべるほどに体液を溢れさせていることを指摘した綾人の声は、先ほどまでの優しい綾人の声とは打って変わって情欲をたっぷりと含んだ声だった。思わず陽也は綾人を振り返る。
「選択授業の音楽だし、そんなに専門的じゃなくてもいいかな」
綾人は今しがたひどく雄じみた声を出した男と同一人物とは思えない表情をしていた。いつもどおりの優しくて穏やかな表情で真剣に文献を選んでいた。
「レポートには直接書かなくても、演出とか詳しいこと調べておいた方がいいレポート書けるかも………っ………んんっ」
陽也が意見を言ったそのとき。
ぐちゅと音を立てて先走りの体液で濡れるペニスをこすられて、膝から力が抜けた。倒れそうになったのを、 本棚に縋りつくことでようやく耐える。
「あぁ、そうか。さすが、ハル。 確かに粗筋だけじゃなく演出も詳しく知っていた方が観るポイントわかってレポートも書きやすいね」
そう言ってトゥーランドットの本とラ・ボエームの本を陽也が縋りつく本棚からうっとりするほど綺麗な指先で抜き出す。反対の手は一旦ペニスをこするのを止めると下着ごとずるりと陽也のズボンを降ろした。ベルトを外されたズボンはすとん、と足首まで落ちパンツは膝のあたりに絡まった。
「あっ……こんなところで、やだ……綾人やめて……」
陽也は必死に綾人に懇願するが。
「じゃあプッチーニの伝記とトゥーランドットとラ・ボエームの本と三冊借りようか。図書室の本一人2冊までだから、二人で分けて借りない?」
いつもの優しい声と寸分違わずそう言ったところで
「ひっ……」
何かとても冷たいものが、後穴にひたり、と充てられた。
それから。
「あっ…………」
にゅるにゅる……と冷たいクリームのような、ジェルのようなそんな感触のものが穴に注入された感覚に思わず全身に鳥肌を立ててしまう。
「しぃ……ハル。誰かに見られちゃうよ」
耳朶をくちびるであまく食みながら声を流し込まれる。
「んっ……」
制服のシャツの袖口を噛んで声を我慢する。
たっぷりと注がれた後、カン、と木の床に何か金属のようなものが軽く当たったような音が聞こえた。
朦朧としてきた陽也の視界だが、床に落ちたものがぼんやりと見える。
(いつもの……軟膏……?)
セックスの後、綾人のものを何度も受け入れた穴はぽってりと腫れてしまうことが多いので、綾人が昼休みや放課後そっと塗ってくれる軟膏のチューブ。チューブに残っていた軟膏を全部陽也に注入したようで、中身が無くぺったんこになった空のチューブが床に落とされていた。
何故いつもより随分とたっぷりナカに軟膏を注がれたのか思考が追い付く前に、ちゅぷりと綾人の長い指が差し込まれた。
「ぅ……っ」
長い指がナカを拡げるように動く。いつも綾人の部屋で使われるローションよりもねっとりとしたテクスチャの軟膏のぬめりを奥まで綾人は塗り付けて……
「あっ待って、まっ…… うっ……」
いつの間にか自身の前を寛げた綾人の熱くなったペニスが陽也のほぐされた後孔に押し付けられる。
「ハル、僕が伝記とトゥーランドットの本借りるからハルがラ・ボエームの本借りるのでいい?」
「え……っ」
熱く濡れた粘膜が触れ合って今にも躯が交わりそうなのに、綾人は入り口ににゅるにゅる擦り付けながら、いつもの声で問う。
触れ合っているところの熱と話している声の穏やかさが結び付かなくて、陽也は酷く混乱する。
「ハル? いいよね?」
「んっ……うん……いいよ……あっ」
借りる本について陽也は答えたのだが、 いいよ、と言った瞬間、にゅる、と綾人のものが挿ってきた。
「ま……待って綾人っ……違っ……そ、いうことじゃ……ぁなくて……んっ」
「え? ダメ? 陽也もしかして他に本借りてて今借りられない状態?」
言いながら綾人のペニスが狭い粘膜を拡げるように腰を進めると、くちゃ……と粘ついた音が響いた。
「あっ……違くな……いけど……大丈夫だけど……っ」
「よかった。 ダメじゃなくて。大丈夫なんだね……」
そう言った綾人の声が少し先程よりも掠れて聞こえた。それだけで不思議なくらい清廉さが消え、うんと艶を帯びいやらしくなったと陽也が感じたそのとき。
「 ぅあっ……んんっ」
一気に奥まで挿入されて、思わず大きな声が出たところを綾人の手が陽也の口を覆う。覆われると、普段細くて長い指だと思っていた手が思っていたよりも男らしく大きいことが身を持って感じさせられる。
「しぃ。聞こえちゃうよ。いいの? ほら……近くに誰かいる……」
そう言いながら綾人は耳の穴にぬるりと舌を挿れてくる。繋がったところが燃えそうに熱くて、陽也の全身から汗が流れ出る。
「んっ……」
思わず繋がったところをぎゅっと締め付けると、全身に痺れるような快感が広がった。
もう陽也の頭のナカは沸騰してしまいそうで、後ろから与えられる快感に全てを委ねてしまおうかと思ったそのとき。
「なぁ。プッチーニとヴェルディとどっちにする?」
先ほど綾人と陽也が交わした会話と殆んど同じものが聞こえ、陽也は身を強張らせた。それもきっとすぐ隣の列の本棚から。 恐らく同じ学年の生徒だろう。
「綾人っ……」
お願い、止めて、と陽也が必死の表情で振り返ると
「声も足音もすぐ近くだね。 気を付けないとバレちゃうかな」
くくっと低い声で綾人が笑った。
「あや、と?……ぁっ」
綾人は陽也の隘路にある感じてぷっくりと膨らんだ前立腺を、殊更丁寧にじっくりと、ねっとりとこすりあげた。
「んんっ」
目の前の本棚にぎゅっとしがみついて何とか声を漏らすのを耐える。
何とか声を堪えると
「声出さないように頑張るハル、すごい可愛くてめちゃくちゃ興奮する……」
は……は……とまるで本物の痴漢のように興奮きった吐息を混ぜて囁く。
「ぁっ………」
制服のシャツの裾から綾人の片方の手が入ってきて、 胸の先をきゅっとつまんだのだ。
「あっ……やっ……」
「可愛いな。ハルのおっぱい、小さいのに触って欲しくなると、こんなにぷっくりしてる……ほら、わかる? こうやってつまむと……」
「ぅぁ……」
「ナカもきゅってなる……あー、気持ちいいね、ハル」
いやらしい声でうっとりと言うと膨らんだ乳首をつまみながら綾人は腰を揺すった。
「蝶々夫人にするか? そうするとプッチーニだな」
「……っ」
すぐ近くから聞こえてきた声に心臓がどくり、と跳ね上がった。
「……んんっ」
必死で声を押し殺す陽也を嘲笑うように綾人は腰を揺する。それだけでなく、乳首も人差し指と親指でいやらしく捏ねられ、くちびるはうなじを這い、舐めたり吸ったりを繰り返す。
止めて欲しいと言うためにくちびるを開けば、喘ぎ声になってしまいそうなので、必死でかぶりを振ってやめて、と訴える。
「プッチーニだと向こうの棚じゃない?」
恐らく綾人と陽也がいる棚のことを指摘した会話が聞こえてきて陽也の太ももに、つ……と汗が伝う。
「……っ今ハルのナカすっごい締まったね……心臓もすごいどきどきしてる……どうなるかな……見られちゃうかもね」
心底楽しそうな囁き声が、鼓膜を撫でて、それさえも気持ちいいのだからもうどうしようもない。
綾人のペニスが意地悪に陽也の敏感な粘膜を掻き回す。
誰かが床を歩く音なのか陽也自身の心臓の音なのかもうよくわからないほどに早鐘のように脈打つ心臓。
「あ、そうだな。プッチーニ向こうの本棚っぽいな。回るか」
そう言って更に足音が大きくなる。
それなのに、綾人は陽也の奥を掻き回すから陽也と綾人の熱でとろけた軟膏がぬちゃぬちゃとひどく淫猥な音を立てた。
「ハルのナカすごいえっちな音してる……」
意地悪な声は酷く楽しそうで、天使どころか悪魔みたいなのに、陽也はそんな声にまで感じてしまっていることは否めなかった。
木の床が軋む音が徐々に大きくなる。
きっとすぐもうそこまで誰かが来ている気配が伝わってきているのに、綾人は行為をやめてくれないどころが、よりいっそう激しく貪るように陽也を抱いた。 躯中を汗が伝うのに、その感覚さえも快感となり陽也は狂ってしまいそうだった。
近くを歩く足音が更に大きくなって……
(も、だめ……見られちゃう……)
そう思ってぎゅっと目を瞑ったときだった。
「やっぱヴェルディにしねぇ? 椿姫とアイーダ中等部んとき授業で観たからそっちのが楽じゃん」
「それもそうだな。本こっちの棚にあったしな」
その会話と共に足音は遠ざかり始めた。
(た……助かった………)
ほっとして、ふ、と息を吐きながら目の前の本棚に頬を付けた。
本棚がひどく冷たく感じたのは、それだけ陽也頬が火照っているからだろうか。
「あー、行っちゃった。残念……俺達がこんなに愛し合ってるって見せ付けたかったのにね……あ、でもハルの可愛いお尻とか感じてる可愛い顔とか見たヤツは殺したくなっちゃうから、よかったかな」
ふふ、難しいね。
そうやって笑うと、綾人はポケットの中からちいさな四角いビニールパッケージを取り出した。
「ねぇ 、ハル。ゴム、一個だけあるんだけど、どうする?」
言いながら陽也の目の前に綾人はその長い指でつまんだパッケージを掲げて見せた。
「……え……」
「俺が使えば中出ししないで済むけど、ハルがもしこのままイっちゃったら精液溢して図書室の床汚しちゃうね。勢いよく出ちゃったら本にもかかっちゃうかも。ハルにゴム付けておけば色々汚さずに済むよね」
そう言いながら、ずくずくと奥を突かれる。
「ま……待って………あっ……俺……出ちゃ……」
さっきまでは陽也が達してしまわない程度にコントロールしていたのだろう。今度は陽也をイかせようとするような腰の動き。
ここで達したらきっと、陽也はそこら中を汚してしまう。
「うん。どうする? どっちがいい?」
奥のうんと気持ちいいところに、ぴたりと綾人の恐ろしいほどに膨らんだペニスが押し当てられて、もう我慢は限界だった。
「よ……汚しちゃうのやだ………ぁ」
陽也が言うと綾人はひどく満足気に笑った。その笑みはとてもいつもの姿からは想像できない、悪魔のようなそれであったが、後ろから貫かれている陽也には見えなかった。
「わかった。いいよ」
綾人はそう言うコンドームを口に咥えて、ぴっ、と片方の手で下卑た仕草でパッケージを開けると、陽也の小振りなペニスに付けた。
「ちょっとハルには大きいから外れないように根元押さえてね……じゃあ俺はそのままナカに出していい?」
「ぁっ……ナカに出して……ぇ」
もう、限界であった陽也の脚は小鹿のようにガクガクと震えていた。
「いいね、それ。興奮する……っ」
本棚に縋りつく陽也の細い腰を掴むと、綾人は快楽のままに思いっきりナカを掻き回した。
「あっ………んんっ」
大きな声を出さないように必死で袖口を噛みながら陽也はうすい皮膜のナカに精液を吐き出すと同時に躯の奥にも熱い体液を注がれた。
背中からぎゅっと綾人に抱き締められながら、はぁはぁと互いに乱れた吐息を整える。
「ひ……っ」
ずるり、と陰茎を抜かれたとき、敏感な粘膜が擦られて思わず悲鳴を上げるといい子、いい子をするように綾人に頭を撫でられた。
「俺が出したの、溢しちゃだめだよ」
そう囁いた綾人の声はいつもの優しい綾人の声だった。
「ちょっと気持ち悪いけど、我慢してね」
綾人はそう言うと、精液を吐き出したコンドームを付けたままの陽也の下肢にそっとパンツを引き上げて履かせると、ズボンも引き上げて制服を整えてくれた。
だが、最奥はたっぷり出された精液と軟膏でぐちゃぐちゃだし、精液の入ったコンドームを付けたままパンツを履かされて不快感に陽也が眉を寄せる。
「……ぅわっ」
そんな陽也を綾人は抱き上げると、ちゅ、とくちびるを落とした。
「もう迎えの車、正門に来てると思うから帰ろう。僕の部屋で綺麗に洗ってあげるから許してくれる?」
天使のように澄みきった綺麗な瞳で許しを乞われて、許さないなんて陽也には言えるわけもなく。
「こ……こういうのは、やだ……綾人の部屋がいい……」
ぐちゃぐちゃの下肢がまるでお漏らしでもしてしまった子供のようで気持ち悪くてたまらなかったけれど、陽也は天使にはちいさく抗議するのが精一杯だった。
「図書室で痴漢ごっこやだった? 気持ちよさそうだったったけど」
天使か悪魔かわからないような声で綾人は笑う。
「や……っやだよっ……」
陽也が言うと、綾人はその美しい顔を曇らせた。
「いや? 僕のこと嫌いになった?」
天使の瞳が今にも泣きそうに潤む。
「綾人のことはいやじゃないよ、嫌いになんかなれるわけないだろ」
慌てて陽也が言うと
「本当に? 僕のこと好き?」
と不安そうな眼差しで綾人は問う。
「好きだよ、決まってるじゃないか。怒ってないから、泣かないで……」
陽也は思わずぎゅっと抱きついた。
「よかった。僕も陽也が大好きだよ。気持ち良さそうなハル可愛かったよ。帰ったら僕が綺麗に洗ってあげるね。そうしたら……また抱いてもいい?」
綾人の声に陽也は綾人に抱きついたまま頷いた。
だから、綾人が嬉しそうに笑った顔がひどく獣じみたものであったけれど、陽也は気付かなかった。
そして、綾人はそのまま堂々と陽也を抱いたまま正門に向かった。
end
其処は図書室というより、図書館と呼んだ方が相応しいほどに広かった。
木造の床や作り付けの本棚は長い年月を経て、ウッドブラウンが深く艶めく。静謐な空気の流れる陽也のお気に入りの場所である。そこに並ぶある本棚の前に陽也と綾人は居た。
「ハルはプッチーニとヴェルディとどっちのレポートにする?」
二人は音楽のレポートを書くために、放課後の図書室を訪れ、参考文献を探していたのである。クラシック音楽についての文献は図書室の端に近い本棚にあり、人の気配は少なかった。
「うーん、どうしよう。俺オペラ全然詳しくなくて。綾人は決めてるの?」
クラシック音楽についての文献が並ぶ棚の前で背表紙を指で辿りながら陽也が振り返ると
「僕はどっちも好きだけど、ラ・ボエームとトゥーランドットならDVD持ってるからプッチーニにしようかな。ハルもプッチーニにするなら参考文献は借りて帰って、僕の家でDVD一緒に観てからレポート書こう」
「オペラ詳しくないから助かるよ。じゃあ俺もレポート、プッチーニにしようっと………ぁっ……」
そう言ってプッチーニについて書かれてある本に指を伸ばしたときだった。
尻をするりと撫でられた感覚に陽也は思わず甘い声を漏らしてしまった。
「綾人っ……」
こんなところで、という意味を視線に含めて振り返ると
「プッチーニの本は何種類かあるね。オペラの粗筋がメインになってるのとプッチーニの生涯がメインになってるのと」
そこにいたのは、 情欲の欠片も感じさせない、清らかな天使のような顔で本を選ぶいつもどおりの綾人だった。人の尻を痴漢のように撫で回すようにはとてもじゃないけど見えない。それなのに。
「ん……っぁ……」
陽也の尻の柔らかさを堪能するように、手が尻を揉み始めた。
「どっちにする? 陽也? 一応プッチーニの生涯についてがメインの本にもオペラの粗筋は載ってるみたいだけど」
いやらしさの欠片もない、清流のような声で。
「……っ」
長い指が、いつも綾人を受け入れている穴の辺りを制服の上からぐっ、と押した。
陽也の背後に立って本の背表紙に指を滑らせる綾人の長い髪がさらりと陽也の頬も擽る。甘い甘い綾人の香り。
「目次見てみる? ほらハルどうかな? この本?」
制服のズボンの上からハルの穴を刺激しながら、もう片方の手は本棚を上手く利用して、器用に本のページを捲って見せる。
「んっ……あ……綾人っ」
「一章がプッチーニの生涯で二章からは作品について細かく章毎に説明している感じだね。こっちの本は一冊まるごとトゥーランドット。演出とか楽譜まで載ってる。どうする?」
そう尋ねた綾人の指が双丘の奥の穴を刺激することを止めたので、ほっと一息吐いた次の瞬間。器用な綾人は片手であっさり陽也のベルトのバックルを外した。
「え……?ぁ……っ」
ジジ……と綾人が陽也の制服のズボンのジッパーを降ろした。陽也がこんなところで、と戸惑っている間に少しだけ冷たい綾人の指先が下腹を下肢に向かってゆっくりとすべる。からかうように下着のゴムをぱちん、と弾いたのち、ゆっくりと下着の中に綾人の手が潜ってくる。少しの刺激で感じてしまっていることがバレたくなくて、綾人の手から逃れようとするも、抵抗虚しく、熱く濡れるペニスは捉えられてしまった。
恥ずかしくて、恥ずかしくて顔が真っ赤に火照るのが陽也は自分でも分かった。そんな陽也に追い討ちをかけるように
「もう濡れてる。やらしいな」
と、耳の奥にどろりとした低い声が流される。
服の上からとはいえ、いつも綾人を受け入れる穴を刺激されたせいで、すっかり硬くなったペニスの先から、ぬるぬるすべるほどに体液を溢れさせていることを指摘した綾人の声は、先ほどまでの優しい綾人の声とは打って変わって情欲をたっぷりと含んだ声だった。思わず陽也は綾人を振り返る。
「選択授業の音楽だし、そんなに専門的じゃなくてもいいかな」
綾人は今しがたひどく雄じみた声を出した男と同一人物とは思えない表情をしていた。いつもどおりの優しくて穏やかな表情で真剣に文献を選んでいた。
「レポートには直接書かなくても、演出とか詳しいこと調べておいた方がいいレポート書けるかも………っ………んんっ」
陽也が意見を言ったそのとき。
ぐちゅと音を立てて先走りの体液で濡れるペニスをこすられて、膝から力が抜けた。倒れそうになったのを、 本棚に縋りつくことでようやく耐える。
「あぁ、そうか。さすが、ハル。 確かに粗筋だけじゃなく演出も詳しく知っていた方が観るポイントわかってレポートも書きやすいね」
そう言ってトゥーランドットの本とラ・ボエームの本を陽也が縋りつく本棚からうっとりするほど綺麗な指先で抜き出す。反対の手は一旦ペニスをこするのを止めると下着ごとずるりと陽也のズボンを降ろした。ベルトを外されたズボンはすとん、と足首まで落ちパンツは膝のあたりに絡まった。
「あっ……こんなところで、やだ……綾人やめて……」
陽也は必死に綾人に懇願するが。
「じゃあプッチーニの伝記とトゥーランドットとラ・ボエームの本と三冊借りようか。図書室の本一人2冊までだから、二人で分けて借りない?」
いつもの優しい声と寸分違わずそう言ったところで
「ひっ……」
何かとても冷たいものが、後穴にひたり、と充てられた。
それから。
「あっ…………」
にゅるにゅる……と冷たいクリームのような、ジェルのようなそんな感触のものが穴に注入された感覚に思わず全身に鳥肌を立ててしまう。
「しぃ……ハル。誰かに見られちゃうよ」
耳朶をくちびるであまく食みながら声を流し込まれる。
「んっ……」
制服のシャツの袖口を噛んで声を我慢する。
たっぷりと注がれた後、カン、と木の床に何か金属のようなものが軽く当たったような音が聞こえた。
朦朧としてきた陽也の視界だが、床に落ちたものがぼんやりと見える。
(いつもの……軟膏……?)
セックスの後、綾人のものを何度も受け入れた穴はぽってりと腫れてしまうことが多いので、綾人が昼休みや放課後そっと塗ってくれる軟膏のチューブ。チューブに残っていた軟膏を全部陽也に注入したようで、中身が無くぺったんこになった空のチューブが床に落とされていた。
何故いつもより随分とたっぷりナカに軟膏を注がれたのか思考が追い付く前に、ちゅぷりと綾人の長い指が差し込まれた。
「ぅ……っ」
長い指がナカを拡げるように動く。いつも綾人の部屋で使われるローションよりもねっとりとしたテクスチャの軟膏のぬめりを奥まで綾人は塗り付けて……
「あっ待って、まっ…… うっ……」
いつの間にか自身の前を寛げた綾人の熱くなったペニスが陽也のほぐされた後孔に押し付けられる。
「ハル、僕が伝記とトゥーランドットの本借りるからハルがラ・ボエームの本借りるのでいい?」
「え……っ」
熱く濡れた粘膜が触れ合って今にも躯が交わりそうなのに、綾人は入り口ににゅるにゅる擦り付けながら、いつもの声で問う。
触れ合っているところの熱と話している声の穏やかさが結び付かなくて、陽也は酷く混乱する。
「ハル? いいよね?」
「んっ……うん……いいよ……あっ」
借りる本について陽也は答えたのだが、 いいよ、と言った瞬間、にゅる、と綾人のものが挿ってきた。
「ま……待って綾人っ……違っ……そ、いうことじゃ……ぁなくて……んっ」
「え? ダメ? 陽也もしかして他に本借りてて今借りられない状態?」
言いながら綾人のペニスが狭い粘膜を拡げるように腰を進めると、くちゃ……と粘ついた音が響いた。
「あっ……違くな……いけど……大丈夫だけど……っ」
「よかった。 ダメじゃなくて。大丈夫なんだね……」
そう言った綾人の声が少し先程よりも掠れて聞こえた。それだけで不思議なくらい清廉さが消え、うんと艶を帯びいやらしくなったと陽也が感じたそのとき。
「 ぅあっ……んんっ」
一気に奥まで挿入されて、思わず大きな声が出たところを綾人の手が陽也の口を覆う。覆われると、普段細くて長い指だと思っていた手が思っていたよりも男らしく大きいことが身を持って感じさせられる。
「しぃ。聞こえちゃうよ。いいの? ほら……近くに誰かいる……」
そう言いながら綾人は耳の穴にぬるりと舌を挿れてくる。繋がったところが燃えそうに熱くて、陽也の全身から汗が流れ出る。
「んっ……」
思わず繋がったところをぎゅっと締め付けると、全身に痺れるような快感が広がった。
もう陽也の頭のナカは沸騰してしまいそうで、後ろから与えられる快感に全てを委ねてしまおうかと思ったそのとき。
「なぁ。プッチーニとヴェルディとどっちにする?」
先ほど綾人と陽也が交わした会話と殆んど同じものが聞こえ、陽也は身を強張らせた。それもきっとすぐ隣の列の本棚から。 恐らく同じ学年の生徒だろう。
「綾人っ……」
お願い、止めて、と陽也が必死の表情で振り返ると
「声も足音もすぐ近くだね。 気を付けないとバレちゃうかな」
くくっと低い声で綾人が笑った。
「あや、と?……ぁっ」
綾人は陽也の隘路にある感じてぷっくりと膨らんだ前立腺を、殊更丁寧にじっくりと、ねっとりとこすりあげた。
「んんっ」
目の前の本棚にぎゅっとしがみついて何とか声を漏らすのを耐える。
何とか声を堪えると
「声出さないように頑張るハル、すごい可愛くてめちゃくちゃ興奮する……」
は……は……とまるで本物の痴漢のように興奮きった吐息を混ぜて囁く。
「ぁっ………」
制服のシャツの裾から綾人の片方の手が入ってきて、 胸の先をきゅっとつまんだのだ。
「あっ……やっ……」
「可愛いな。ハルのおっぱい、小さいのに触って欲しくなると、こんなにぷっくりしてる……ほら、わかる? こうやってつまむと……」
「ぅぁ……」
「ナカもきゅってなる……あー、気持ちいいね、ハル」
いやらしい声でうっとりと言うと膨らんだ乳首をつまみながら綾人は腰を揺すった。
「蝶々夫人にするか? そうするとプッチーニだな」
「……っ」
すぐ近くから聞こえてきた声に心臓がどくり、と跳ね上がった。
「……んんっ」
必死で声を押し殺す陽也を嘲笑うように綾人は腰を揺する。それだけでなく、乳首も人差し指と親指でいやらしく捏ねられ、くちびるはうなじを這い、舐めたり吸ったりを繰り返す。
止めて欲しいと言うためにくちびるを開けば、喘ぎ声になってしまいそうなので、必死でかぶりを振ってやめて、と訴える。
「プッチーニだと向こうの棚じゃない?」
恐らく綾人と陽也がいる棚のことを指摘した会話が聞こえてきて陽也の太ももに、つ……と汗が伝う。
「……っ今ハルのナカすっごい締まったね……心臓もすごいどきどきしてる……どうなるかな……見られちゃうかもね」
心底楽しそうな囁き声が、鼓膜を撫でて、それさえも気持ちいいのだからもうどうしようもない。
綾人のペニスが意地悪に陽也の敏感な粘膜を掻き回す。
誰かが床を歩く音なのか陽也自身の心臓の音なのかもうよくわからないほどに早鐘のように脈打つ心臓。
「あ、そうだな。プッチーニ向こうの本棚っぽいな。回るか」
そう言って更に足音が大きくなる。
それなのに、綾人は陽也の奥を掻き回すから陽也と綾人の熱でとろけた軟膏がぬちゃぬちゃとひどく淫猥な音を立てた。
「ハルのナカすごいえっちな音してる……」
意地悪な声は酷く楽しそうで、天使どころか悪魔みたいなのに、陽也はそんな声にまで感じてしまっていることは否めなかった。
木の床が軋む音が徐々に大きくなる。
きっとすぐもうそこまで誰かが来ている気配が伝わってきているのに、綾人は行為をやめてくれないどころが、よりいっそう激しく貪るように陽也を抱いた。 躯中を汗が伝うのに、その感覚さえも快感となり陽也は狂ってしまいそうだった。
近くを歩く足音が更に大きくなって……
(も、だめ……見られちゃう……)
そう思ってぎゅっと目を瞑ったときだった。
「やっぱヴェルディにしねぇ? 椿姫とアイーダ中等部んとき授業で観たからそっちのが楽じゃん」
「それもそうだな。本こっちの棚にあったしな」
その会話と共に足音は遠ざかり始めた。
(た……助かった………)
ほっとして、ふ、と息を吐きながら目の前の本棚に頬を付けた。
本棚がひどく冷たく感じたのは、それだけ陽也頬が火照っているからだろうか。
「あー、行っちゃった。残念……俺達がこんなに愛し合ってるって見せ付けたかったのにね……あ、でもハルの可愛いお尻とか感じてる可愛い顔とか見たヤツは殺したくなっちゃうから、よかったかな」
ふふ、難しいね。
そうやって笑うと、綾人はポケットの中からちいさな四角いビニールパッケージを取り出した。
「ねぇ 、ハル。ゴム、一個だけあるんだけど、どうする?」
言いながら陽也の目の前に綾人はその長い指でつまんだパッケージを掲げて見せた。
「……え……」
「俺が使えば中出ししないで済むけど、ハルがもしこのままイっちゃったら精液溢して図書室の床汚しちゃうね。勢いよく出ちゃったら本にもかかっちゃうかも。ハルにゴム付けておけば色々汚さずに済むよね」
そう言いながら、ずくずくと奥を突かれる。
「ま……待って………あっ……俺……出ちゃ……」
さっきまでは陽也が達してしまわない程度にコントロールしていたのだろう。今度は陽也をイかせようとするような腰の動き。
ここで達したらきっと、陽也はそこら中を汚してしまう。
「うん。どうする? どっちがいい?」
奥のうんと気持ちいいところに、ぴたりと綾人の恐ろしいほどに膨らんだペニスが押し当てられて、もう我慢は限界だった。
「よ……汚しちゃうのやだ………ぁ」
陽也が言うと綾人はひどく満足気に笑った。その笑みはとてもいつもの姿からは想像できない、悪魔のようなそれであったが、後ろから貫かれている陽也には見えなかった。
「わかった。いいよ」
綾人はそう言うコンドームを口に咥えて、ぴっ、と片方の手で下卑た仕草でパッケージを開けると、陽也の小振りなペニスに付けた。
「ちょっとハルには大きいから外れないように根元押さえてね……じゃあ俺はそのままナカに出していい?」
「ぁっ……ナカに出して……ぇ」
もう、限界であった陽也の脚は小鹿のようにガクガクと震えていた。
「いいね、それ。興奮する……っ」
本棚に縋りつく陽也の細い腰を掴むと、綾人は快楽のままに思いっきりナカを掻き回した。
「あっ………んんっ」
大きな声を出さないように必死で袖口を噛みながら陽也はうすい皮膜のナカに精液を吐き出すと同時に躯の奥にも熱い体液を注がれた。
背中からぎゅっと綾人に抱き締められながら、はぁはぁと互いに乱れた吐息を整える。
「ひ……っ」
ずるり、と陰茎を抜かれたとき、敏感な粘膜が擦られて思わず悲鳴を上げるといい子、いい子をするように綾人に頭を撫でられた。
「俺が出したの、溢しちゃだめだよ」
そう囁いた綾人の声はいつもの優しい綾人の声だった。
「ちょっと気持ち悪いけど、我慢してね」
綾人はそう言うと、精液を吐き出したコンドームを付けたままの陽也の下肢にそっとパンツを引き上げて履かせると、ズボンも引き上げて制服を整えてくれた。
だが、最奥はたっぷり出された精液と軟膏でぐちゃぐちゃだし、精液の入ったコンドームを付けたままパンツを履かされて不快感に陽也が眉を寄せる。
「……ぅわっ」
そんな陽也を綾人は抱き上げると、ちゅ、とくちびるを落とした。
「もう迎えの車、正門に来てると思うから帰ろう。僕の部屋で綺麗に洗ってあげるから許してくれる?」
天使のように澄みきった綺麗な瞳で許しを乞われて、許さないなんて陽也には言えるわけもなく。
「こ……こういうのは、やだ……綾人の部屋がいい……」
ぐちゃぐちゃの下肢がまるでお漏らしでもしてしまった子供のようで気持ち悪くてたまらなかったけれど、陽也は天使にはちいさく抗議するのが精一杯だった。
「図書室で痴漢ごっこやだった? 気持ちよさそうだったったけど」
天使か悪魔かわからないような声で綾人は笑う。
「や……っやだよっ……」
陽也が言うと、綾人はその美しい顔を曇らせた。
「いや? 僕のこと嫌いになった?」
天使の瞳が今にも泣きそうに潤む。
「綾人のことはいやじゃないよ、嫌いになんかなれるわけないだろ」
慌てて陽也が言うと
「本当に? 僕のこと好き?」
と不安そうな眼差しで綾人は問う。
「好きだよ、決まってるじゃないか。怒ってないから、泣かないで……」
陽也は思わずぎゅっと抱きついた。
「よかった。僕も陽也が大好きだよ。気持ち良さそうなハル可愛かったよ。帰ったら僕が綺麗に洗ってあげるね。そうしたら……また抱いてもいい?」
綾人の声に陽也は綾人に抱きついたまま頷いた。
だから、綾人が嬉しそうに笑った顔がひどく獣じみたものであったけれど、陽也は気付かなかった。
そして、綾人はそのまま堂々と陽也を抱いたまま正門に向かった。
end
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初めましてこんばんは!
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もじゃりんさん、こちらもお読み下さりありがとうございます💕ほんと陽也御愁傷様ですよね😂😂😂
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