究極妹属性のぼっち少女が神さまから授かった胸キュンアニマルズが最強だった

盛平

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ドムとアクア

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 ドムは心臓が口から飛び出さんばかりに胸がドキドキと高鳴っていた。

 ドムは冒険者パティから大きなミッションを言い渡された。それは、とらわれている女の子たちの保護だ。

 ドムは不安そうに自身のポケットを見つめた。ポケットからはひょっこり子がめが顔を出した。パティの友達だ。

 ドムは毎日囚われている女の子たちに食事を運ぶ。無論給仕する間は無言だ。きっと女の子たちも、ドムの事を盗賊の仲間だと思っているだろう。

 ドムは女の子たちと信頼関係を気づいてアクアに水防御ドームを張ってもらい、盗賊の制圧が終わるまで待機していなければならない。

 それよりも問題なのが見張りの存在だ。見張りの魔法は《アンチ魔法》。いくらアクアが強力な水攻撃魔法を使ったとしても、すべて無効化されてしまうのではないか。

 その疑問に、パティはある仮説を立てた。

 アクアの魔法は空気中の水分を発生させている。つまり水を実体化させているのだ。たとえ見張りがアクアの魔法を無効化したとしても、大量の水が見張りにかかりダメージを与えられるはずだというのだ。

 パティの提案に、ドムはうなずかざるをえなかった。この計画は時間との勝負だ。もし見張りへのダメージが少なかった場合は。

 ドムは無意識に自身が巻いているベルトの後ろをなでた。ベルトには、パイ生地を伸ばすのに使うめん棒をしのばせている。

 もしアクアが見張りを倒せなければ、ドムが力づくで見張りを倒すしかない。こんな無茶な話しはない。ドムは料理人で、相手は盗賊だ。

 だがドムはやらなければいけないのだ。ドムがやらなければ誰も助ける事ができないうえに、自分も助からない。

 ドムは緊張に顔をこわばらせながら廊下を歩いた。少女たちの部屋まで後ニメートールといった時、ポケットの中のアクアがプクプクと言った。

 ここで止まれと言うのだ。ドムは押していたワゴンを止めた。見張りはドムのいつもと違う行動に違和感を感じたようだ。ゆっくりとドムに向かって歩いてくる。

 プクプク。アクアが鋭く鳴いた。するとドムの目の前から、大蛇のような水の竜巻が何本も出現し、見張りめがけて突進した。

 水の大蛇は見張りの《アンチ魔法》により無効化されてしまった。だが水は押し寄せる波のように見張りに向かって打ちつけた。

 見張りは大量の水に押しやられ、ドアに激しくぶつかりその場に倒れてしまった。

「やった!」

 ドムは思わず歓喜の声をあげた。ポケットの中からアクアがプクプク言う。きっと油断するなと言っているのだろう。

 パティの友達はとても感情豊かだ。ドムはアクアにわびてワゴンを再び押し始めた。


 

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