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本編
勝者は…
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いよいよクライマックス!わくわくするね。誰が勝つのかな。お姉様騎士は胸の位置に、男性騎士2人は腕と、肩にそれぞれ風船を付けている。
「私が勝つわよ?このむさ苦しい男だらけの隊に現れた癒しは渡さないわ!」
「「「むさ苦しい男で悪かったな!!」」」
「何言いやがるダリア!癒しは我が手に!」
「「「お前の手に癒しはやらん!!」」」
「ふん。お前ら2人に俺が負けるわけない」
「「「調子乗んなーー!!!」」」
げ、元気いいなぁ。各選手の意気込みに対し、外野の野次馬が応答する。何言っても言い返されるのがオチだね。
「が、頑張れー」
苦笑いが今の私の精一杯だったよ。
3人が一斉に動き出した。速い。動きが速すぎて目に見えない。手を出したの?足を出したの?それ以前に今の誰の攻撃?目が回るよぉ~
「これで終わりだ!!」
「そうはさせないわ!」
「チッ。避けんなよ!」
「「「いいぞぉ!やれやれー」」」
そして、ついに終わりの時がやってきた。
パァァン!!
「「「……………………………………」」」
訪れた沈黙。3人の風船を見る。そこには、誰一人として風船が付いていなかった。いや、正しくは全員の風船が割れていたのだ。
「誰が勝ったんだ?」
「ダリアじゃねぇか?あいつが最後に風船を割られたように見えたが……」
「いやほとんど差がなかったと思う。それこそ俺にはダリアが最初に割れたように見えたくらいだからな。」
「結局あの3人の誰なんだよ。」
「うるせぇ!俺だって知りてぇよ!」
私からしたら風船が割れた音で風船が割られたんだって気づいたんだよ。割れた瞬間なんて見えなかったんだけど。
「おーい!お前ら誰が勝ったんだ?」
上官さんが3人に結果を聞いた。3人は言いにくそうに口を開いた。
「「「…………………………引き分け」」」
ん?引き分け?
「完全にタイミングが同じだったわ。互いに狙いを定めた相手が違かったようでその相手に気を取られ過ぎてもう1人にやられた。それが私達の終わり方よ。だから、相手の風船を割ると同時にもう1人によって自身の風船を割られた。」
ダリアさんが説明してくれた。つまり、三人とも一人に攻撃を絞ったことでもう一人に隙をつかれたって事か。だから攻撃したタイミングで隙が生まれそこを攻撃された。これが三人とも同じだから、風船が割れたタイミングに差はない。うん。凄いね。
「えっと…つまり勝者はなしって事?それとも三人共って事になるのかな?」
「ふむ。これは勝者なしでいいのではないか?風船を最後まで割られなかった者が条件だったからな。結果、三人とも風船が割れたわけだし、引き分けは勝利とは違うだろう。それで問題はないだろう?」
「「「はい……」」」
うわー。なんか三人がしょんぼりしちゃったよ。私は三人に近づいて、、、
「あのね、三人共すごかったの。シュッシュって速くてね、見てて楽しかったよ!それに……カッコよかったです。お疲れ様でした!!」
「「「え、ナニコレご褒美?」」」
え?いや、感想だよ。本当にカッコよかったんだよ。労いの言葉も必要でしょ?
「なんだよあいつら…」
「カッコよかったですとか…」
「カッコよかったからのお疲れ様とか…」
「結局勝ってなかったのに…」
「ただただ……」
「「「「「羨ましい……」」」」」
三人に感想を言っている裏で、野次馬と敗者だった騎士達が敵を見るかの如く呟いていた事をティアは知らない。
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
「ティア~迎えに来たぞ!!」
「エリック隊長~!!!」
もう時間みたい。あの後、休憩を取ってまた訓練を見せてもらったんだ。でもね、皆んな風船を付けてたの。上官さんが「この風船は訓練に使えるな」って言ってねこれからの訓練に採用されたの。まぁ、上に話を通してから本採用にはなるんだけど。なんでも勝ち負けが分かりやすいし、風船を守ると言う事は風船を付けている部位を守ることに繋がるらしい。
「どうだ?訓練は見ていて飽きただろう?」
「全然!面白かったし、楽しかったよ!皆んなこの国を守る騎士なんだって思えて凄く安心した。カッコよくて、カッコよくて、飽きるなんてあり得ないよ。」
エリック隊長は一瞬ぽかんとしたが、すぐにいつもの表情に戻って笑い出した。
「そうかそうか。騎士はカッコいいか。ありがとうな。ティアぐらいの女の子になると可愛い物とかが好きな子ばかりだからな、ちょっと心配だったんだ。騎士の訓練なんてつまらないとか思わないかと。あいつらも嬉しかっただろうな。」
「騎士はね、守る剣を振るってるんだよ。そんな彼らを誇りに思うの!」
「守る剣か。たしかにそうだな。俺らは騎士である事に誇りを持ってるからな。」
おぉ!エリック隊長かっこいい!
「それにしても、エリック隊長まで私が可愛いもの好きみたいに言うんだから!!勿論、可愛いのも大好きだけど剣も好きなんだからね!!ぷぅーー!!」
「ははは!騎士の誰かに言われたのか?」
「騎士じゃなくて男の子だ…」
やばっ!思わず言っちゃた!
「男の子…だと!?いつだ!男の子と呼べるような奴に会ってる所なんて俺は知らないぞ!?」
あちゃー墓穴掘ったぁぁ!!
「いやぁ、この前食堂行こうとして迷った事あったでしょ?その時に訓練場で男の子にあったの。」
男の子の名前知らないし、あの子も親に黙って来てたみたいだし詳しい事は言わない方がいいよね。
「何!?つまりティアを見つけた時もう一人そこにいたって事か!騎士寮に潜り込むとは…警備はどうしてたんだ。」
あぁ。そっか。子供とはいえ仮にもここは国の騎士達がいるところ。そこに潜り込むのは難しいはず。
「これは後でセシルに報告だな。ティア、その子がどんな子だったか覚えてるか?」
「ふぇ?えっとー私と同じくらいの子だったよ。話したけど危険な感じはしなかったよ」
「街の子なら危険はない、か……」
うん大丈夫だと思うよ!またあの男の子に会えるかな?またお話してみたいな!
「私が勝つわよ?このむさ苦しい男だらけの隊に現れた癒しは渡さないわ!」
「「「むさ苦しい男で悪かったな!!」」」
「何言いやがるダリア!癒しは我が手に!」
「「「お前の手に癒しはやらん!!」」」
「ふん。お前ら2人に俺が負けるわけない」
「「「調子乗んなーー!!!」」」
げ、元気いいなぁ。各選手の意気込みに対し、外野の野次馬が応答する。何言っても言い返されるのがオチだね。
「が、頑張れー」
苦笑いが今の私の精一杯だったよ。
3人が一斉に動き出した。速い。動きが速すぎて目に見えない。手を出したの?足を出したの?それ以前に今の誰の攻撃?目が回るよぉ~
「これで終わりだ!!」
「そうはさせないわ!」
「チッ。避けんなよ!」
「「「いいぞぉ!やれやれー」」」
そして、ついに終わりの時がやってきた。
パァァン!!
「「「……………………………………」」」
訪れた沈黙。3人の風船を見る。そこには、誰一人として風船が付いていなかった。いや、正しくは全員の風船が割れていたのだ。
「誰が勝ったんだ?」
「ダリアじゃねぇか?あいつが最後に風船を割られたように見えたが……」
「いやほとんど差がなかったと思う。それこそ俺にはダリアが最初に割れたように見えたくらいだからな。」
「結局あの3人の誰なんだよ。」
「うるせぇ!俺だって知りてぇよ!」
私からしたら風船が割れた音で風船が割られたんだって気づいたんだよ。割れた瞬間なんて見えなかったんだけど。
「おーい!お前ら誰が勝ったんだ?」
上官さんが3人に結果を聞いた。3人は言いにくそうに口を開いた。
「「「…………………………引き分け」」」
ん?引き分け?
「完全にタイミングが同じだったわ。互いに狙いを定めた相手が違かったようでその相手に気を取られ過ぎてもう1人にやられた。それが私達の終わり方よ。だから、相手の風船を割ると同時にもう1人によって自身の風船を割られた。」
ダリアさんが説明してくれた。つまり、三人とも一人に攻撃を絞ったことでもう一人に隙をつかれたって事か。だから攻撃したタイミングで隙が生まれそこを攻撃された。これが三人とも同じだから、風船が割れたタイミングに差はない。うん。凄いね。
「えっと…つまり勝者はなしって事?それとも三人共って事になるのかな?」
「ふむ。これは勝者なしでいいのではないか?風船を最後まで割られなかった者が条件だったからな。結果、三人とも風船が割れたわけだし、引き分けは勝利とは違うだろう。それで問題はないだろう?」
「「「はい……」」」
うわー。なんか三人がしょんぼりしちゃったよ。私は三人に近づいて、、、
「あのね、三人共すごかったの。シュッシュって速くてね、見てて楽しかったよ!それに……カッコよかったです。お疲れ様でした!!」
「「「え、ナニコレご褒美?」」」
え?いや、感想だよ。本当にカッコよかったんだよ。労いの言葉も必要でしょ?
「なんだよあいつら…」
「カッコよかったですとか…」
「カッコよかったからのお疲れ様とか…」
「結局勝ってなかったのに…」
「ただただ……」
「「「「「羨ましい……」」」」」
三人に感想を言っている裏で、野次馬と敗者だった騎士達が敵を見るかの如く呟いていた事をティアは知らない。
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
「ティア~迎えに来たぞ!!」
「エリック隊長~!!!」
もう時間みたい。あの後、休憩を取ってまた訓練を見せてもらったんだ。でもね、皆んな風船を付けてたの。上官さんが「この風船は訓練に使えるな」って言ってねこれからの訓練に採用されたの。まぁ、上に話を通してから本採用にはなるんだけど。なんでも勝ち負けが分かりやすいし、風船を守ると言う事は風船を付けている部位を守ることに繋がるらしい。
「どうだ?訓練は見ていて飽きただろう?」
「全然!面白かったし、楽しかったよ!皆んなこの国を守る騎士なんだって思えて凄く安心した。カッコよくて、カッコよくて、飽きるなんてあり得ないよ。」
エリック隊長は一瞬ぽかんとしたが、すぐにいつもの表情に戻って笑い出した。
「そうかそうか。騎士はカッコいいか。ありがとうな。ティアぐらいの女の子になると可愛い物とかが好きな子ばかりだからな、ちょっと心配だったんだ。騎士の訓練なんてつまらないとか思わないかと。あいつらも嬉しかっただろうな。」
「騎士はね、守る剣を振るってるんだよ。そんな彼らを誇りに思うの!」
「守る剣か。たしかにそうだな。俺らは騎士である事に誇りを持ってるからな。」
おぉ!エリック隊長かっこいい!
「それにしても、エリック隊長まで私が可愛いもの好きみたいに言うんだから!!勿論、可愛いのも大好きだけど剣も好きなんだからね!!ぷぅーー!!」
「ははは!騎士の誰かに言われたのか?」
「騎士じゃなくて男の子だ…」
やばっ!思わず言っちゃた!
「男の子…だと!?いつだ!男の子と呼べるような奴に会ってる所なんて俺は知らないぞ!?」
あちゃー墓穴掘ったぁぁ!!
「いやぁ、この前食堂行こうとして迷った事あったでしょ?その時に訓練場で男の子にあったの。」
男の子の名前知らないし、あの子も親に黙って来てたみたいだし詳しい事は言わない方がいいよね。
「何!?つまりティアを見つけた時もう一人そこにいたって事か!騎士寮に潜り込むとは…警備はどうしてたんだ。」
あぁ。そっか。子供とはいえ仮にもここは国の騎士達がいるところ。そこに潜り込むのは難しいはず。
「これは後でセシルに報告だな。ティア、その子がどんな子だったか覚えてるか?」
「ふぇ?えっとー私と同じくらいの子だったよ。話したけど危険な感じはしなかったよ」
「街の子なら危険はない、か……」
うん大丈夫だと思うよ!またあの男の子に会えるかな?またお話してみたいな!
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